<ネイネージュの誕生日>水と風が華やぐ日



<オープニング>


「へぇ、そしたら、ネイネさんはお祭りって……」
「ええ。こちらに降りて来てからは、何度か偶然居合わせた事はありましたけど」
 明朗鑑定の霊査士・ララン(a90125)のビックリ眼に、放浪する地図士・ネイネージュ(a90191)は穏やかな笑みを浮かべて肩を竦めた。
「ホワイトガーデンにいた頃は……仕事柄、巨大豆の木が家と同じでしたから。村に出向くという事もありませんでしたし」
 希望のグリモアの冒険者となる前――ピルグリムの襲来など夢にも思わなかった平和な時から、ネイネージュの仕事は今とさして変わらない。
 巨大豆の木を渡り歩く旅から旅へ、道を拓き、地図を描く――外見は若い青年だが、そんな生活を何年も何年も……随分と前に歳を数えるのも止めてしまったという。
「まあ、元々は出不精なんでしょうね。地図を描くという目的がなければ、ランドアースにも降りて来なかったと思いますし」
 ある意味、当の本人と同じく茫洋と途方もない話だ。
 ……それはさて置き。何やら拳をフルフルと震わせているのが約1名。
「あの……ラランさん?」
「勿体無い! 絶対、勿体無いわ。お祭り楽しまへんなんて、人生の32%くらいは損しとるって!」
「はぁ……」

「水華祭?」
「そうや、フィーダ村のお祭りやねんけど」
 首を傾げる冒険者に、ラランはこっくり頷いた。
 フィーダ村は金魚の養殖が盛んな村だ。村には幾つもの金魚池があるという。
「毎年、今の時期にある祭りで、近隣の村ぐるみで結構大きな催しなんや」
 水の華=金魚という事か。金魚の品評会があったり、通りには金魚グッズを売る出店が並んだり。勿論、村自慢の金魚売りも軒に並び、可憐な金魚が泳ぐ様子を眺めるだけでも楽しいだろう。
「うちも、毎年行ってるんよ」
 尤も、ラランのお目当てはまた別の所にあるのだけど。
「水華祭の金魚鉢は、ルベリア村の提供なんや」
 ルベリア村は硝子職人の村。秘伝の製法で作られた硝子細工は『ルベリアングラス』と呼ばれ、その繊細な美しさはマニア垂涎の逸品だとかそうでないとか。
「風鈴も出るんよ。金魚とは関係ないけど……まあ、夏の風物詩やさかい」
 吹き硝子の風鈴は、ちょっと珍しいかもしれない。
「金魚鉢とか風鈴とか、季節物のルベリアングラスはこういう時でないとお目に掛かられへんからなぁ……それでな」
 ぐっと前に身を乗り出して声を潜めるララン。
「ネイネさん……ほら、いっつも酒場で地図描いとるエンジェルさんなんやけど。あの人の誕生日がもうすぐなんやて」
 確か、7月17日。尤も、本人には大した感慨もないようで。
「まあ、エンジェルさんはそんな歳とらへんから、判る気もするんやけど……勿体無いやん? 生まれた日は、皆で騒いでお祝いするんが楽しいんや」
 そやからサプライズパーティ、どやろ?――フワンとリス尻尾を揺らして。ラランは企み顔で笑みを浮かべる。
「『結輪亭』が今年も出店するんやて。リドルさんの水菓子は絶品やし、シードルさんも色々金魚の細工物用意しとるみたいやし。頼んだら、夕方くらいから場所空けてくれるて」
 ネイネージュ自身、祭りもあまり知らないようだから昼間は祭り巡りも良いかもしれない。
「お誕生会なぁ〜ん? リリルもお手伝いするなぁ〜ん♪」
「良かったら、皆も宜しゅうな」
 元気よく手を挙げた陽だまりを翔る南風・リリル(a90147)の頭を撫でて、楽しそうに思案するラランだった。

マスター:柊透胡 紹介ページ
こんにちは、柊透胡です。

去年もやりました水華祭、今回はネイネージュの誕生会も兼ねてお送りします。
7月17日はネイネの誕生日ですが、本人はさしたる感慨もないようで、ついついラランがおせっかいした模様。
ネイネ本人は祭りに誘われただけで知りませんが、夕方から結輪亭の出店スペースで誕生パーティがあります。朝からお祭り巡りも楽しいでしょう。

金魚の他にも、ルベリア村の風鈴やら結輪亭の出店やら……結構盛り沢山ですが、まあこの地域の一大イベントらしいので、賑やかに。
言ってみれば暑気払いのお祭り騒ぎですので、何方でもお気軽にどうぞ。
ちなみに、去年の水華祭については「結輪亭茶話 〜水華の祭り、風華の調べ〜」を御参照下さいませ。

参加者には、風鈴か金魚をお土産に差し上げます。金魚グッズでも構いません。御希望の方は
「名称(全角35文字まで)」「設定(全角40文字まで)」を必ずプレイングに明記して下さい。
尚、アイテム強化の時に名称及び設定の変更は出来なくなりますのでご注意を。
字数超過は削りますし、無茶な設定には修正が入りますが、迅速なアイテム発行の為にも宜しくお願い致します。

それでは、皆様の熱いプレイングをお待ちしております。

参加者
NPC:放浪する地図士・ネイネージュ(a90191)



<リプレイ>

 フィーダ村の水華祭――近隣の村ぐるみの大きなお祭りだ。
 華やかな金魚屋台や風鈴屋台が軒を連ね、あちこちに美味しそうな匂いが漂っている。賑々しい空気に、自然と気持ちもウキウキと。
「大賑わいですね」
 楽しそうに目を細めて通りを眺める放浪する地図士・ネイネージュ(a90191)。そんな青年の袖をクイクイと。
「はい?」
「金魚、金魚〜♪」
 キャッキャッとはしゃぐシア。黒地に真っ赤な金魚刺繍の浴衣姿が、お祭り気分を掻き立てる。
「俺も、祭りはあまり行った事がないんだ」
 そう言って、シアが指差す先には恒例の金魚すくい屋台。
「いいですよ。私も初めてですけど」
 期待の眼差しに、ネイネージュはのんびりと頷いた。その穏やかな微笑みは……シアにはやっぱり女の子に見えてしまう。
 ……まあ、彼の身長は男の中でも高い方だが。
「よう、ネイネ」
 ポイを受け取りいざ挑戦! という所で肩を叩かれ振り向けば、見知った顔。ハヤテの隣では、銀髪の少女がやはり黙って頭を下げてくる。
「こんにちは、ハヤテさん。そちらの方は?」
「ああ……ネイだ」
 言葉少なの紹介に、小首を傾げるネイネージュ。
「ネイ、さん……? お友達ですか?」
「え? そ、それは……」
「仕事上のパートナーだ……まあ、この所構ってやれなかったから、偶にはいいかと思ってな」
 頬を染めて言いよどむネイと淡々と答えるハヤテを、ネイネージュは交互に見る。
「……そうですか」
 幾許かの見当は付いたらしい。それ以上は追求せず、どうぞと差し出したポイは金魚すくいのお誘い。
「あ、ネイネちゃん! ヤッホー♪」
 そこへミルッヒが、賑やかに合流。
「僕もこのお祭り初めてなんだ。楽しみだな♪」
 ワクワクした面持ちのミルッヒ。でも……あまりの盛況に思わずポソリ。
「お祭散策マップとか、あれば便利なのにね」
「でしたら、後でお渡ししましょうか?」
「へ?」
 思わぬ返答に、ミルッヒが青年を仰ぎ見れば……描きかけの地図を挟んだクリップボードをヒラヒラと。
「リクエストがあったので、今描いている所なんですよ」

「祭りと誕生日か……これはアレだな、ネイネージュに村の地図を頼んで、祭りを楽しみつつ地図作りも楽しんでもらうのがベスト、だよな?」
「で、本心は?」
「その地図で、俺も効率よく回ろうかと…………いやいやいや、そんな魂胆はないデスヨ?」
 絶妙なニューラの合の手に、ティキもつい本音がポロリ。慌ててカクカクと頭を振ったマッピングの依頼人は、取り繕うようにグリーンの入ったバケツを探る。
 誕生会は夕方から。それまでは会場となる『結輪亭』のオープンテラス風のスペースにも、客足は途絶えない。その人の波を縫うように、会場の飾り付けは着々と進んでいる。
「へぇ、蔓を使うんだ?」
「まあな。折角だし、ホワイトガーデンの巨大豆の木を思い出せるようにって」
 蔓をあしらったアーチに、季節の草花を飾り立てていくティキ。
「うん、お花を飾るとキレイだよね♪」
 バーミリオンも、ネイネージュの誕生花と聞いたヘリクリサムのドライフラワーを用意している。他にも、椅子を運んで揃えたり、クロスを広げてテーブルに掛けたり。
「ネイネージュさんには何度かお世話になってるもの。皆でお誕生日のお祝いするのー」
 少年はワクワクと、何とも楽しそう。
「ボクも同じエンジェルだけど、お誕生日のお祝いはとってもうれしいんだよ♪ だから、ボクもお手伝いをするよ〜♪」
 そんなバーミリオンの後をついて回るように、飾り付けを手伝うクリームソーダだけど。
「リドルサンのお菓子っておいしそうだなぁ……ボク、甘いモノが大好きなんだ♪」
 どうしても、色とりどりの水菓子が気になるようだ。
「……けしかけたのなら、準備もしないとですね」
「けしかけたて……人聞き悪いなぁ」
 朝もはよから「ラランの歌」でらんららららんらと召喚(?)したリス尻尾霊査士にも手伝わせて、ヒカリはニューラ発案の真四角のスポンジケーキに生クリームが塗っている。
 流石に昼間は大忙しな結輪亭の、それも出店の小さな水屋を使う訳にもいくまい。料理はフィーダ村唯一の宿屋の厨房を借りて。
「戻りました。色々と貰ってきましたよ」
 買出しから戻ってきたニューラの籠には、フルーツにナッツ、ココアパウダーやら木いちごクリームやら盛り沢山。これらで地図を作るように、パーティでケーキにトッピングしていく趣向らしい。
「よしよし、これで良いわね」
 材料は鶏肉と夏大根、人参とシメジ。隠し味に刻み生姜を忘れずに。じっくり、甘辛く煮込めば出来上がりだ。
 味見して満足そうに頷いたイツキは、いそいそとエプロンを外す。
「……祭り見物ですか?」
「勿論♪ 夏本番のこの時期に、硝子細工にちなんだ祭りは素敵よね」
 ウキウキした面持ちのイツキだが、ヒカリの眼鏡が変わっているのは目敏くチェック。
「それも、ここで見付けたの?」
「さあ……」
 興味津々のイツキをかわすように、ヒカリは淡々と肩を竦めた。

 軒を連ねる水槽の中。悠々と、鮮やかに泳ぐ水の華々。
「綺麗ですね。それに……懐かしいです」
「懐かしい?」
 シーザーの不思議そうな面持ちに、キリーロははにかんだ笑みを浮かべた。
「はい……前のご主人様も、よく買って来られて……。シーザー様、どの子が1番綺麗だと思いますか?」
「うーん……そうだな」
 シーザーの目に留まったヒレがヒラヒラと美しい金魚は、キリーロも気に入ったようで。
「え、でも……」
「いいのいいの。依頼で稼いだばかりだから」
 遠慮する少女を押し留めて、シーザーが財布の紐を解く。
「大切に、します……」
 うっすらと頬を染め、キリーロは受け取った金魚を何時までも飽きずに眺めていた。

「ほぉ、これも金魚ですか? すごいですな」
 一口に金魚といっても色も種類も様々。堂々と泳ぐ大きな金魚に、ビックリ眼のラードルフ。小さくて赤いのしか知らなかったので、ちょっとしたカルチャーショックだ。
「そういや、子供の時は飼ってもすぐ死なせてしまってましたねぇ。飼い方のコツってあるんでしょうか?」
 流石に品評会で優勝するような、高価なものは手が出ないけど。近々金魚を飼おうと考えていたラードルフは、これ幸いと村人達に飼育のコツを聞く。
「水中を舞う金魚さん達、鮮やかで正に『華』ですね。可愛らしいです」
 ファオはのんびりと祭り散策。夏の祭りは賑やかに、わいわいと騒ぐのが楽しいのだけど……生憎と、誕生会の準備中のバーミリオンはまだ手が離せない。
「今の内に、何か記念になる物を」
 色々な金魚を眺めながら思案顔。その耳をくすぐるのは……通りの向こうの涼やかな音色。吹き硝子の風鈴屋台もまた、眼にも楽しい光景だ。
「これ頂けるかしらね?」
 淡い緑の水玉模様が描かれた風鈴が気に入ったイツキの隣では。
「綺麗な風鈴……んと、あ、小さくて可愛いの発見にゃ〜♪」
 涼しげな海色の風鈴を、嬉しそうに指差すイヴ。特別に、小さなノースポールを描いて貰う。
「それから……んと、これも♪」
 それとは別に、選んだプレゼントは大事そうに胸に抱いて歩き出す。
「ガルさん、折角彼女出来たんだし、プレゼント買ってあげたら?」
「そうだなぁ……」
 こちらは2人連れ。友達同士という気安さで、あちこち賑やかに見て回るダフネとガル。結局、ガルのお土産は様々な緑色の玉が浮き出た風鈴に決まった模様。
「あれ? 何だろ……お風呂で遊ぶ金魚のおもちゃに似てるけど、もっと大きい」
 この界隈は風鈴の他にも、様々な金魚小物を売っている。ダフネの目に留まったのは金属製の金魚。ぼつぼつと穴があり、腹の部分がぱかりと開く。
「へぇ、香炉なんだ。中に蚊取り線香入れるんだね」
 変わり小物が気に入ったので、これに決まり。
「じゃ、お土産も決まった所で。水菓子の1つでも奢って貰おうかなっ♪」
「……了解」
 好奇心が満たされたら、お次は? ダフネの食い気満々の笑顔に、思わずハイドインシャドウで逃げたくなった――ガル外見年齢18歳、暑が夏い昼下がりだった。

「にゃ。だんちょーさんは人使いが荒いですなぁ〜ん」
 エルムドアは今日もだんちょーさんのお遣い。
「あれ? あれれぇ?」
 注文していた紅いガラスの金魚風鈴を受け取ったは良いが、どうやら道に迷ったらしい。
「とりあえず、人の多い所に行くですなぁ〜ん」
 喧騒を頼りに適当に……ヒトノソリンも歩けば、冒険者に当たる?
「あ、ヒトノソリンちゃん発見なぁ〜ん♪」
 ネイネージュの袖を掴んでいた手をブンブンと振るリリル。
「一緒にお祭りなぁ〜ん♪」
 ネイネージュ一行は当初のシア、ハヤテとネイ、ミルッヒに、リリルとリンネ、青いピアスに浴衣姿が粋なシエルが加わってかなりの大所帯だ。
「あら、可愛い」
 皆でそぞろ歩きの中、金魚柄の風鈴に目を留めるネイ。
「……ね、ハヤテ」
「やれやれ……」
 彼女のおねだりの眼差しに、ハヤテの方は溜息1つ。
(「ネイの相手もしないといけないのは、大変だな」)
 なんて考えを巡らす割に、風鈴を買ってやるハヤテの横顔は実に楽しそうで。
 そんな2人を横目に、リンネは何処か困った面持ちだ。
「ネイネさん、本当にいいの?」
「お気持ちだけで十分です。ありがとうございます」
「そ、そう……」
 折角の誕生日なのだから何か特別なプレゼントを、と考えたリンネだが結局何も思い浮かばないまま。それで、気に入った物を贈りたいからという口実で、一緒に祭りを回ってみたが。
「わざわざプレゼントなんて、お気遣いなく」
 まあ、祭りは楽しんでいるようだから良いけれど……ネイネージュ本人に、今日が特別という意識は本当にないらしい。来るサプライズの為に誰もが誕生日の話題を避けているから尚更だ。
「(やっぱり、僕らと誕生日の感覚が違うのかも)」
「(でも、本人は気にしてなくても、やっぱり誕生日は特別な日だし)」
 だから、ぎりぎりまで内緒♪ ミルッヒとリンネがこっそり内緒話の間に……やがて、日も暮れてくる。
「ハヤテおにーさん、そろそろなぁ〜ん?」
「ああ……ネイネ、昼飯から殆ど歩き詰めだし、一休みしないか?」
「そうですね、ちょっとお腹も空きましたし」
 何食わぬ顔のハヤテを疑いもせず、のんびりとついて行けば――。
「「誕生日、おめでとう!!」」
「え……」
 飾られた草花が美しい結輪亭のオープンテラス――集まった冒険者達のお祝いの言葉に、ネイネージュは大きく目を見開いた。
「じゃあ、ボクはトランペットを吹くよ♪」
 ついで、クリームソーダのトランペットの伴奏に合わせて誕生日の歌の大合唱。
「折角の1年に1度の記念日です。笑顔で大勢でお祝いです……という訳で、お誕生日おめでとうございます」
「言われてみれば……私の誕生日、でしたっけ」
「俺もエンジェルだから、あんまり気にしないのは判るがな」
「……まあ、年を重ねる事自体に意味があるのではなく、年を経てきた事を感謝する日ですからね。誕生日は」
「偶には皆にお祝いされるのも、悪いものじゃないと思うわよ」
「今まで誕生会をしなかったから損している、という訳ではないですけど、新しく何かを知るのはワクワクする事ですしね」
「と・に・か・く! 今日はお祝いや。ぱーーっとやろうで!」
 冒険者達の口々の言葉に、ネイネージュも笑顔になる。
「皆さん、ありがとうございます」

 こうして、真夏の夜の誕生会は歓声の中で始まった。
 日が暮れれば、水辺特有の涼しい風も吹き渡る。テーブルには御馳走が所狭しと並べられ、祭りの雰囲気とあいまって賑々しい。
 そんな中、伸びやかな歌声が響く。ニューラのリュートを伴奏に、ネイから歌のプレゼント。彼女の故郷の歌を神妙な面持ちで聞き入るネイネージュは、まだ誕生会というものに戸惑いを覚えていたようだが。
「俺からは旅行記を贈ろう。地図とはまた別に、文章から情景を思い浮かべるのも楽しいと思うぞ……で、どうだ? 今日くらい1杯」
「本はありがとうございます。でも、お酒は流石に……遠慮しますね」
 ハヤテからの冗談半分の酒の誘いをやんわり断ったり、イツキの料理をつまんだり。
「へぇ……ケーキの地図ですか。面白いですね」
 本当に地図を描くようにケーキのトッピングをする内に……肩の力も抜けてきたよう。
「ネイネージュにゅ、誕生日おめでとうなのよぉ」
 にこにこと抱き付いてきたイヴからのプレゼントを笑顔で受け取って、ファオからの水色のリストバンドも嬉しそうだ。
「ネイネちゃん、おめでとーだよ♪ えーと、冒険中迷惑かける事も多いと思うけど……またよろしくね?」
「ネイネさんにとって、いい1年になりますように。また一緒に冒険も行きたいねっ」
 ミルッヒからはリドル直伝の季節の果物を使ったティーゼリー。バーミリオンの言葉には頷いて、早速美味しく戴いたようだ。
「僕からは描いた地図を携帯する筒。ちゃんと両手が空くように肩から掛けられる様になってるの」
「私のプレゼントはマップホルダーです……役に立つと思いますよ」
 やはりマッピングに関したプレゼントが多いいだろうか。ヒカリからのマップホルダーはマッパーの必需品? ニューラからの携帯用インク壷は、革ケースの中にウレタンの緩衝材というしっかりした作り。3色のインクを入れられるて、砂金を混ぜ込んだキラキラのガラス瓶が美しい。
「おめでとうございます。これからの、新たな土地と人との出会いを願って……ランドアースの地図作りはどんな塩梅ですかな?」
「順調ですよ。少しずつですけど」
 ラードルフからメッセンジャーバックを受け取ったネイネージュは、地図の話題に楽しげに目を細めた。
「とてもとても広い大陸ですから、興味は尽きません」
「自分もワイルドファイアの地図作りに携っておりますが、よりその土地の事が判って面白いですな」
「えへー、エルムも地図を見るのは大好きですなぁ〜ん」
 アップルパイ片手に、エルムドアもにこにこと話に加わる。
「お誕生日、おめでとうですなぁ〜ん♪ 今日は生まれてきてくれてありがとうの日ですなぁ〜ん……あ、そう言えば、エルムも誕生日、近いのですなぁ〜ん♪」
「おや、そうなんですか」
「実は、僕も昨日が誕生日だったんだよ」
 シエルの言葉に、では3倍おめでたい日ですね、と改めて乾杯の仕草をするネイネージュだった。

「一応、全部回れたと思いますが」
「さんきゅ……ま、何にしてもネイネージュ、誕生日おめでとさん」
 ポンとネイネージュの肩を叩いたティキが、受け取った祭りの地図を広げる。
「どうだ? これからまた繰り出すか?」
「いいですね」
 誕生会もこれからなら、水華祭もまだまだこれから。
 藤色の髪のエンジェルの、ランドアースに降りて初めての誕生日は、こうして賑々しい一夜を迎えるのだった。


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参加者:21人
作成日:2005/07/27
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