特大料理を喰らえ!〜鶏肉乱闘会?〜



<オープニング>


 広大な土地を有するワイルドファイア大陸。
 冒険者達が足を踏み入れてない土地は数多く残されている。そして、未知、幻と言われる物も多く残されていた。
 それは仲間の一人が聞きつけた情報だった。
 ワイルドファイア大陸には、とても美味だと噂の巨大獣と巨大鳥が存在するらしい。だが、獣も鳥もとても凶暴で、捕まえるにはかなり苦労するという。
 そこで、2つの班にわかれて、獣と鳥、両方の肉を手に入れてみようと話が持ち上がった。

「…ということで、俺達は鳥肉を調達にあたるが、皆、大丈夫か?」
 白き御魂・ブラッド(a18179)の問いかけに、異様な熱意のこもった返事が返る。
「はぃなー♪とっり肉、鳥肉〜♪」
「おお、鶏肉も大好物であるぞ!」
 笑顔の白雪・キティ(a30960)や爆睡忍者改・イダテン(a28699)をはじめ、集まったメンバーはやる気満々の様子。
「情報によると、この鳥はとにかく気性が荒く凶暴で、敵とみなした者には問答無用で襲い掛かってくるらしい。もちろん鳥だから素早くて空も跳べる」
 ブラッドを囲む仲間達は静かに彼の話しに耳を傾ける。まずは敵を知る事が大切なのだ。
「危険は伴うが皆で挑めば勝てない相手ではない」
 そこで一度話をきると、皆の顔を見回した。目が爛々と輝いているもの、すでにじゅるりとヨダレを吹いているものもいる。
「必ず仕留めるぞ!」
 静かな物言いだが、気合の入った言葉に皆が一斉に歓声を上げる。
 かくして、このメンバーは巨大鳥調達に向かうこととなった。

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参加者
白き御魂・ブラッド(a18179)
罪深キ陰ノ者・レイヴス(a22042)
月ノ楔ト赤イ蝶・グラーツィア(a24113)
光秘めし天青石・セレス(a24216)
前進する想い・キュオン(a26505)
蒼天を旅する花雲・ニノン(a27120)
陰陽の刃・イダテン(a28699)
癒しの銀雪姫・キティ(a30960)


<リプレイ>


 広大な荒野の一角。流れる川の畔に木々がまばらに広がる大きな茂みがあった。
 幾匹もの鳥達が大きな翼を広げて飛び立ち、餌を求めて降り立ってくる。
 その茂みの中に隠れる冒険者達がいた。茂みの揺れる音に紛れて音が響く。
 ググ〜〜〜。
「お腹が空きましたね」
 ほうっと息を吐き、腹の虫の主、光秘めし天青石・セレス(a24216)が呟く。
「鳥料理を食べる為とはいえ、お腹を空かす事はないだろう。ご飯食べたのかい?」
 傍らに座る前進する想い・キュオン(a26505)が尋ねた。それにセレスはもちろん。と答える。
「生きている限り、お腹は空くものですよ」
 のほほんと言いながら腹の虫がそれに同意した。
「それにしてもイダテンとグラーツィアちゃん二人の囮で大丈夫かな……鳥の大きさもはっきりと分らないのに」
 キュオンはつるの張りを確かめつつ、眉をよせる。彼の言うとおり、獲物の正確な大きさは分っていない。心配ではあるが今はただ待つ事しかできなかった。

「いましたよ、イダテンさん」
 茂みを掻き分け、雨夜之聲・グラーツィア(a24113)は隣の陰陽共啼きし狼・イダテン(a28699)を見た。二人の視線の先には、自分達の背丈よりも長い茂みの上に大きな鳥の頭がひょっこりと飛び出ていた。
「準備はいいか? いくぜ」
 グラーツィアが頷くと、イダテンは足元に転がっている大きな石をおもいっきり投げる。
 ゴスッ! と良い音がして見事に命中する。
 鳥が振り返るのを確認してイダテンは茂みから飛び出した。
「ははは!ほーらほら捕まえてご覧あれ〜!!」
 子供の挑発の様な事を言って小馬鹿にポーズをとる。ギロリと鋭く睨みつけながら鳥が立ち上がった。
 昼を迎えて頂点に差し掛かろうとしていた太陽が、鳥の頭で半分隠れる。
「え?」
 その様子たるや、陽を受けてピカリと輝くハゲの様だ。人でいうえらの辺りにふさふさとした体毛があるため、シルエットはハゲ爺といったところだろうか?
「思ったよりでかいか?」
 ザッとイダテンの背に寒気が走る。
 超巨大で極美味と噂される、ハゲ鳥の様に見えたその幻の鳥はミディアムバードと呼ばれていた。名の由来はそのまま。
 だが、このままでは自分達が鳥にとってのミディアムな餌(?)となってしまう予感がする。
「逃げるぞ!」
 イダテンは隣のグラーツィアの手を取って走り出す。だが、グラーツィアは手に大きな木の板を持っていて、バランスを崩してひっくり返った。
「ぅやっ、いたた……」
「ほら早く!」
 グラーツィアに手を貸し、イダテンは彼女の持っていた木の板を見た。
「ぅお?!」
 そこには、とても口には出して言えないイヤン♪ な絵が描かれていた。
 一瞬、動きが止まる。が、ミディアムバードの鋭い嘴が襲ってきて、二人は慌てて逃げ出した。


「御肉……御肉……御肉………ウフフ♪」
 光無の罪人・レイヴス(a22042)は歌いながら(?)不気味な笑みを浮かべていた。念を送るように歌う。
「私のグラーツィアさんとラブラブしたのですから」
 そこまで言って、ニタリと口元が歪む。
 もうそろそろ囮二人が鳥を連れてくる頃だろう。そう考えたとき、振動の様な音が聞こえてきた。
 視線を上げると遠くに砂埃が待っている。立ち上がり見ると、翼を広げてドタバタと走る巨大な鳥に追われたイダテンと彼に抱かかえられたグラーツィアの姿があった。ミディアムバードは翼をばたつかせて鳴いている。
 イダテンは鋭い嘴でトカカカッと突付かれていた。
「イダテンさん、天罰ですわ……♪」
 ウフッと微笑み、レイヴスは瞳を輝かせた。
 そして、ついにイダテンがミディアムバードに食われる。
「きゃぁぁーっ、イダテンさんっ!!」
 地面に投げ出されたグラーツィアは身を起こし、ミディアムバードを見た。
 もぎゅもぎゅ、と口を動かす嘴の間からはイダテンのばたつく手足がはみ出ている。
 その様子を茂みの中で見ていた、はらの白き御魂・ブラッド(a18179)は喰われゆく友の姿を見つめた。
「イダ……お前の犠牲は無駄にはしない」
 ブラッドの心の目には、晴れ渡る青空の中で爽やかに微笑むイダテンの姿が映っていた。
「どうか、安らかに……」
「安らかに、じゃないなぁ〜んっ! 急いで助けるなぁ〜ん!!」
 側でミディアムバードを待っていた蒼天をあおぎ旅する花雲・ニノン(a27120)が慌てて駆け出す。
 ミディアムバードを捕まえる為に一撃目を引き受けたのが、よもや喰われた仲間を助ける為の一撃目になるとはニノン自身思っていなかった。
 ニノンはミディアムバードに駆け寄り、大木の幹の様な足をぐっと掴む。というより、しがみ付く。身の丈倍の所にミディアムバードの腹の体毛があった。予想していたより大きい。
 ニノンは力を込めて投げ飛ばそうとするが、体が大きすぎで上手く出来ない。
「うりぁぁぁ!」
 気合をいれてぶん投げる。
 ミディアムバードは地面に叩きつけられ、口からイダテンを落とした。
 もうもうと埃が舞い上がる。
「うわ〜〜ん、パパ〜〜〜」
 たまらず飛び出した目指せ白雪姫・キティ(a30960)はヨダレだらけになったイダテンを掴んで安全な所まで引きずって行った。グラーツィアが後を追いながら懸命に高らかな凱歌を歌う。
 起き上がろうとしたミディアムバードにブラッドのデモニックフレイムが襲いかかる。友に別れを言うのは一時中断したらしい。
 クッケッケーーーーっ!
 ミディアムバードの悲鳴が響く。だが、ミディアムバードは羽ばたきをして残った炎を消してしまう。周囲を羽ばたきによる熱風が襲った。
 一瞬の熱風を皆が堪えた後には、血走った目を爛々と輝かせたミディアムバードが立ち上がっていた。
「でかっ! 何人前?」
 キュオンはミディアムバードの大きさに圧倒され、ぽかんと見上げた。先程はドタバタしていた為に気付かなかったが、身の丈四倍位の所に頭がある。おまけに体は卵の様にずんぐりとしていて、足が妙に長かった。
「食いでがありそうです〜」
 のんびりした口調でセレスが眺めている。
 確かにそれはそうなのだが、と頷きかけてキュオンは戦闘中だったのを思い出し、矢を引き絞る。
「大人しく夕餉に並べ〜!」
 そんな事いいつつキュオンが放った矢はミディアムバードの横っ腹に突き刺さる。ギロリとキュオンを睨みめけると、けたたましい雄叫びを上げてキュオンに突進した。キュオンとセレスは慌てて隠れていた茂みから飛び出して離れる。
「お肉さん、大人しく捕まってください」
 レイヴスが背後からミディアムバードに粘り蜘蛛糸を放つ。
 だが、ミディアムバードは足を曲げてしゃがむと、ダンッと地面を踏みつけて跳躍し、粘り蜘蛛糸をよけた。そしてひょい、と冒険者達の頭上を飛び越える。ひょ〜い、ひょ〜いと軽やかな足取りで冒険者達の包囲網を抜けると地面を蹴りつけ、つったかたーーと走って逃げた。
「飛ばないのかっ、あの鳥は?!」
 ブラッドはミディアムバードの動きに目を剥く。
「そういえばさっきもパパを追いかけて走っていたなぁ〜ん。体が大きくて飛べないのかもしれないなぁ〜ん」
 目を真っ赤にしたキティの言葉に皆が納得したように頷いた。
「って、それどころじゃありませんよ。絶対に、逃がしませんからね〜!」
 セレスが急いで粘り蜘蛛糸を放つ。
 今度は上手く足に絡みつき、足を引っ張られたミディアムバードは着地に失敗して、地面に叩きつけられ、転がる。
「一斉攻撃なぁ〜ん」
 ニノンが駆け出し、ミディアムバードの足にワイルドラッシュを叩き込んだ。動きを封じるには、まず足からだ。ニノンの攻撃がよっぽど効いたのか、ミディアムバードは悲鳴を上げる。
 続けてキュオンがライトニングアローを打ち込み、雷光の消えぬうちに再びブラッドの放った黒炎がミディアムバードを包み込んだ。黒炎を吹き飛ばすようにレイヴスのカラミティエッジが頭頂の肉と共に頭毛を吹き飛ばす。
「よくも喰ってくれたな!」
 回復して、服に付いたヨダレを拭いながらイダテンが立ち上がる。
「さっさと腹の足しになりやがれっ」
 グーグー鳴り始めた腹に力を込めながら飛燕刀を繰り出す。飛燕刀は羽の付け根を深く抉り、周囲に血を撒き散らせた。
「そろそろ拘束が解けますよ〜」
 正念場だというのにセレスは相変わらずの調子で警告する。
「もう一息だ、皆手を緩めるな!」
 ブラッドが暗黒縛鎖を放つ。拘束が解かれぬまま、再度動きを封じられたミディアムバードは抗議の声を挙げたが聞き入れられず、その巨体を血に染めていった。
「もう一回いくなぁ〜ん!」
 再度ニノンがデンジャラススイングをお見舞いする。
「大人しくテーブルに収まってください!」
 レイヴスの飛燕連撃と、セレス、イダテンの飛燕刃が炸裂し、ミディアムバードの巨体はその動きを止めた。


「倒せたかな〜ん……?」
 ニノンは荒い息を整えながら、目の前に転がるミディアムバードをみつめた。
 戦いによって羽は飛び散り、所々焦げて血がべっとりと着いていたが、びくりとも動かなかった。
「やったー! 倒したなぁ〜ん!」
 ニノンが両手を広げ喜ぶが、そのままその場に引っくり返った。
「疲れたなぁ〜ん……」
 グラーツィアとキティが全員にヒーリングウェーブと高らかな凱歌をかけていたが、それで傷は直せても疲労を回復することはできない。
「少し休んでから帰ろう」
 ブラッドの言葉に皆が頷き、その場にしゃがみこんだ。
「帰ったら食事ですね。どんな料理がよいでしょう?」
 ミディアムバードの羽の綺麗なところを集めていたセレスの呟きに、皆の耳がびくりと動く。
「鶏肉といったら、から揚げ、特製スパイスチキンかなぁ〜ん♪ 食べるのも料理も得技なぁ〜ん」
 キティが楽しそうにメニューを口にすると、皆が肉、と言う言葉に反応した。
「肉か、肉肉……」 
 テーブルに並んだ料理を想像したのか、イダテンの尻尾が嬉しそうにパタパタと揺れている。その隣ではキティの尻尾が同じ様に揺れていて見ていたグラーツィアはクスクスと笑った。
「お腹空きました……御肉食べたいです……」
 レイヴスはひたすらお肉お肉と呟く。やがてそれは皆に伝染し、新たな活力となった。
「肉だーーーーっ!! 肉っ!!」
「キャンプファイアーな〜ん♪」
「肉祭り!!」
 いつの間にやら肉! 肉! と大盛り上がり。
「じゃあ、そろそろ帰ろうか」
 ガラガラとキュオンが用意していた荷車を引いてきた。それに皆で倒したミディアムバードを乗せて固定するとノソリンに変身したニノンとキティが荷車をひいた。
 そうして冒険者達は肉肉と口々にしながら帰路へと着いたのだった。


マスター:暁なお 紹介ページ
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作成日:2005/09/19
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