究極の酒『サカダルン』



<オープニング>


 カーネルから少し離れた街で酒樽の化け物が暴れているらしい。
 この化け物は街にある酒場を襲って酒ばかりを盗み、自らの身体を使って究極の酒を作り出そうとしているようだ。
 調査の結果、コイツはミートリディーマーだと分かったんだが、酒飲み連中には非常に人気があるらしくてな。
 究極の酒が出来るまで温かく見守って欲しいと言われている……。
 確かに酒樽の化け物は酒を集める邪魔さえしなければ、こちらに危害を加えてこないがこのまま放置しておけば、街から酒場がなくなってしまうだろう。
 それどころか別の街を目指して旅立ってしまう可能性もある。
 だからお前達に酒樽の化け物を退治して欲しいんだ。
 ……宜しく頼む。

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参加者
焔銅の凶剣・シン(a02227)
絶対の斬撃・ゼオ(a06130)
青空に浮かぶ龍・ルイ(a07927)
ストライカー・サルバトーレ(a10671)
金色の大公爵・アスター(a13935)
不確定名・ヒッサー(a17539)
蒼明水鏡・ミナト(a17811)
断罪の剣・カズキ(a19185)
闘姫・ユイリ(a20340)
風舞淡雪・シファ(a22895)
臆病風・ヒロシ(a24423)
前進する想い・キュオン(a26505)


<リプレイ>

●カーネルの森
「酒飲み達に、人気な魔物か……。かのモンスターが究極の酒とやらを作るのにどれだけのお酒が必要なのかな……? ……現状を見る限り、この甘い夢の代価は、酒の高騰を引き起こしているようだが……」
 サカダルンをカーネルの街まで誘き出すため、白銀の魔狼・カズキ(a19185)が森の中に入って行く。
 カーネルの森には酒の霧が出ており、酒飲み達が幸せな表情を浮かべて倒れている。
「究極の酒か〜、どんなんだろうな〜♪ 究極の酒を手に入れるぞ〜♪」
 森にいた酔っ払いと意気投合しながら、前進する想い・キュオン(a26505)が楽しそうに鼻歌を歌う。
 酔っ払いのほとんどは霧のせいで冷静な判断が出来ず、キュオン達が何をしに森に入ったのかいまいち理解していない。
「何だかちょっと楽しみだよね♪ どんな味がするのかなぁ?」
 胸をワクワクさせながら、闘姫・ユイリ(a20340)がサカダルンを探す。
 サカダルンのいる場所は酒の臭いが濃いため、鼻をヒクヒクさせて進んで行く。
「あ……、いた。面白い……形。お酒、好き……、極まる、すると……ああなる、ですか、ね」
 森の奥で踊っているサカダルンを見つけ、風に舞う淡雪・シファ(a22895)がゆっくりと指差した。
 サカダルンは酒場で奪った酒を注ぎ、身体を揺らして最高の酒を作ろうとしているようだ。
「……動きを封じさせてもらう」
 森にいる酔っ払いを避難させる時間を稼ぐため、カズキが緑の束縛を使ってサカダルンの動きを封じ込めた。
 しかし、酔っ払い達は霧の吸い過ぎで身動きが取れず、暢気に倒れてグウグウと寝息を立てている。
「酒を出来るだけ零さず誘導する、これがベスト!」
 サカダルンが戒めから逃れて物凄いスピードで逃げたため、キュオンが道を塞いでカーネルの街に行くように誘導した。
「うわっ……、何だか頭がガンガンする……。気持ちが悪くなってきたし、酔っ払ったのかな……」
 青ざめた表情を浮かべ、ユイリが途中で立ち止まる。
 サカダルンの放つ酒の霧はアルコール度数が高いため、よほどの酒飲みでもない限りマトモに戦う事は難しい。
「……あれれ? カーネルの街って……どこ……でしたっけ?」
 フラフラとしながら、シファがハテナマークを点滅させた。
 酒の霧で酔っ払っているせいか、世界がグルグルと回っている。
「……マズイな。このままじゃ、逃げられてしまう」
 サカダルンの動きに注意を払い、カズキがニードルスピアを撃ち込んだ。
 途中で逃げられてしまったら、作戦が失敗してしまうため、小さなミスも許されない。
「うっ……、気持ちが悪くなってきた……。早くカーネルの街まで誘導しないと……」
 今にも倒れそうな表情を浮かべ、キュオンが鮫牙の矢をお見舞いした。
 サカダルンは飛ぶようにして走るため、鮫牙の矢を使ってカーネルの街へと誘導する。
「ううっ……、目が回って狙いが定まらないよぉ……」
 大粒の涙を浮かべながら、ユイリが電刃衝をお見舞いした。
「意外と……しぶとい……ようですね……」
 霧のせいでほんのりと頬を染め、シファがサカダルンを追ってフラフラと歩く。
 サカダルンは身の危険を感じたのか、そのまま巣に戻らずスタコラと走る。
 冒険者達の待つカーネルの街を目指して……。

●カーネルの酒場
「おやじっ! 悪いが酒場を閉めてくれ。この店は酒樽の化け物に狙われているっ!」
 カーネルで唯一店をやっている酒場に入り、ストライカー・サルバトーレ(a10671)が店を閉めてもらうように頼み込む。
「お断りだっ! ウチの店はどんな事があっても閉まらねぇ事がモットーなんだ! モンスターが現われたくらいで店を閉めてたまるか!」
 不機嫌そうな表情を浮かべ、酒場の主人が鼻を鳴らす。
 酒場には主人の心意気に惚れた客で溢れかえっており、サルバトーレ達に冷たい視線を送っている。
「……この様子じゃ酒の買い占めは難しいか。そんな事をしたら店の客から反感を買ってしまうしな。おやじっ! 酒をくれ!」
 カウンターに座ってクスリと笑い、サルバトーレが仲間達の分まで酒を頼む。
 すべてガイのツケにして……。
「ははっ! そうでなくっちゃな。飲め飲め! 飲んで嫌な事なんて忘れちまえ!」
 豪快な笑みを浮かべながら、酒場の主人が酒を置く。
 もちろん冒険者の中には未成年もいるため、酒場の主人が気を使ってジュースを置いた。
「……マズイ事になりましたね」
 サルバトーレの横に座り、青龍の息吹き・ルイ(a07927)が耳打ちした。
「仕方ないな。一杯飲んだら、店を出よう」
 目の前の酒を一気に飲み干し、サルバトーレが立ち上がる。
「おや? もう帰りか? ゆっくりしていけよ!」
 ジョッキに並々と酒を注ぎ、酒場の主人がニヤリと笑う。
「……やるべき事が残っている。また後で飲ませてもらう」
 一気に酒を飲み干した後、サルバトーレが外に出る。
「これで失敗する事が出来なくなりましたね。気分よくお酒を飲んでいる人達を帰すわけにも行きませんし、このまま戦うしか方法はありません」
 銘酒【大蛇ごろし】を握り締め、金色の大公爵・アスター(a13935)が森を睨む。
 それと同時にカーネルの森からサカダルンが現われ、酒場を見つめて咆哮をあげた。
「おっ、噂をすれば何とやらだっ! さっさと片付けちまおうぜ!」
 すぐさま大鉈を引き抜き、焔銅の凶剣・シン(a02227)がサカダルンの斬りかかる。
 サカダルンは身体を大きく揺らして酒をかけ、シンに体当たりを浴びせてふっ飛ばす。
「こっちだ、化け物! お前の欲しいのはこれだろ!」
 酒場とは反対側の方角に『シャトー=グドン』と銘酒 羅紋戴(らもんて)を置いていき、サルバトーレを路地裏へと誘導する。
 サカタデルンは満足した様子で酒を飲み、ユッサユッサと身体を揺らす。
「……いいぞ、そのまま真っ直ぐだ」
 物陰に隠れてサカダルンの動きを監視しながら、ルイが拳をギュッと握り締める。
 サカダルンはルイの掘った穴に落ち、少し酒をこぼしてしまう。
「……何だか嫌な予感がしますわね」
 大粒の汗を浮かべながら、アスターが物陰から様子を窺った。
 サカダルンは鬼のような形相に変わったかと思うと突然ピョンと飛び上がり、唸り声をあげながらルイの後を追いかける。
「ば、馬鹿な!?」
 驚いた様子で汗を流し、ルイが路地裏にむかって走り出す。
 途中で立ち止まったら、押し潰される可能性が高いため、逃げる方も必死である。
「いまのうちに路地裏へ。しばらく時間を稼ぎますわ!」
 銘酒【大蛇ごろし】を放り投げ、アスターがルイの逃げる時間を稼ぐ。
 すぐさまサカダルンは銘酒にパクッと食らいつき、酒瓶ごとバリバリと砕いてゲップをした。
「イテェ……。し、死ぬかと思った。おおっと、危ない!」
 ようやく意識を取り戻し、シンが眠りの歌を発動させる。
 それと同時に倒れる野次馬。
 シンも頭を抱えて立ち上がる。
「駄目だっ! そっちじゃないっ!」
 ルイが路地裏とは別の方向に逃げたため、サルバトーレが大声を上げて汗を流す。
 サカダルンは唸り声を上げ、ルイを押し潰すため、しつこく何度もジャンプした。
「む、無理を言うな。こっちだって必死なんだぞ」
 険しい表情を浮かべながら、ルイがサルバトーレに答えを返す。
 無理して方向を変えれば、サカダルンに潰される。
「は、速いな。これじゃ、追いつかない!」
 そう言ってシンが壁を叩く。
 これ以上、サカダルンの被害を増やさないためにも、何としてでも路地裏まで誘導しなくてはならないと思いながら……。

●路地裏
「……遅い。遅すぎる! 一体いつまで待たすつもりだ」
 不機嫌そうな表情を浮かべ、秋水流舞・ミナト(a17811)が愚痴をこぼす。
 サカダルンを追い詰めるため、路地裏で待ち構えていたのだが、いつになっても仲間達が現われないため、少し心配になっている。
「妙でござるな。そろそろ来てもいい頃でござるが……」
 妙な胸騒ぎを感じたため、光蜥蜴・ヒッサー(a17539)が路地裏から顔を出す。
 それと同時に聞こえる悲鳴。
 よく見ればルイがサカダルンに追われて必死になって逃げている。
「あの様子じゃ、ずっと追いかけられていたようだな。……仲間も後ろの方にいる」
 そう言って絶対の斬撃・ゼオ(a06130)が長剣を引き抜き、サカダルンめがけて勢いよく振り下ろす。
 その隙にルイが路地裏に転がり込み、疲れた様子で溜息をつく。
「希望のグリモアに誓って、僕は戦います。究極のお酒を手に入れるために」
 勇猛の誓いを立てて幸運を指込み、臆病風・ヒロシ(a24423)が汗を流す。
 現在サカダルンは怒り状態にあるため、ちょっとしたミスが死を招く。
「しまった、サカダルンが路地裏へ!」
 路地裏でルイが倒れている事を思い出し、ヒッサーが投網を投げて動きを封じ込めようと試みた。
 しかし、サカダルンは強引に投網を引きちぎり、ルイを追い潰すため飛び上がる。
「逃げて!」
 すぐさまスーパースポットライトを放ち、ヒロシがゴージャス斬りでサカダルンを攻撃した。
 サカダルンは大きく身体を揺らし、新たなる標的をヒロシに決める。
「一難去って、また一難か……。ここで勝負をつけないとな」
 ヒロシが逃げている間にサカダルンの逃げ道を塞ぎ、ミナトが居合い斬りを放って間合いを取った。
 サカダルンは口から緑色の液体を吐き出し、フラフラとしながらミナトを睨む。
「物凄くヤバイ気がするんだが……、いまさら引き返すわけにも行かないしな」
 紅蓮の咆哮を使ってサカダルンの動きを封じ込め、ゼオがナパームアローを撃ち込んだ。
「ここでカタをつけるでござるっ!」
 サカダルンが地面に落ちた瞬間を狙い、ヒッサーが大地斬を叩き込む。
 ピキピキと乾いた音が辺りに響き、サカダルンが口からスライム状の液体を絶命した。
「……死んだな。は、早く酒を回収するんだ。貴重な証拠品としてな」
 そう言ってミナトがサカダルンの作った酒を回収する。
 口に含んで幸せそうな表情を浮かべながら……。


マスター:ゆうきつかさ 紹介ページ
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