成人の儀



<オープニング>


 カーネルの街から少し離れた場所に小さな村があるんだが、そこで毎年行われている祭りに問題が出ているらしいんだ。
 この村では毎年のように成人した若者達が森に入って最初に目にした動物を狩る事になっているんだが、森に魔物が増えたため命を落とす若者が増えているらしい。
 去年まではそれほど危険がなかったため、この祭りも成立していたのだが、死者が出るとあっては中止するしかなくなってくる。
 しかし、毎年続いている祭りを中止する事で、成人した若者達の間で不満が出るため、お前達に森に棲む魔物を退治して欲しいんだ。
 ちなみに村の方針で使用できる武器はナイフかボウのみ。
 装備している武器や防具は一時的に没収されてしまうらしい。
 ちょっと面倒な依頼だが、気合を入れて頑張ってくれ。

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参加者
快傑ズガット・マサカズ(a04969)
夜明けを告げる足音絢爛舞踏・ダイキ(a07932)
阿風呂の闘犬・ノリス(a07933)
色術師・ナオ(a09228)
蒼く揺れる月・エクセル(a12276)
常時自動誤字スキルは集う・ラキア(a12872)
嘆きの健康優良児・スピン(a16610)
獣神サンダー・ライガ(a24742)
斬空術士・シズマ(a25239)
在天願作比翼鳥・キオウ(a25378)
ハチャメチャ家出娘・ティナ(a26981)
銀の翼に望みを乗せて・カグラ(a31332)


<リプレイ>

●トッコウ
「……確かに毎年行っている祭りが開催されないというのは、非常に残念な事です。ならば、ちゃっちゃと魔物を退治してしまって、安全に祭りが執り行えるようにしませんとね。
 村長から詳しい話を聞いた後、黒き凶星・シズマ(a25239)が森にむかう。
 試練の行われている森はモンスターが暴れているせいか村人達の姿はない。
「……ところで、この村、使用できる武器がナイフのみって、一体どういう方針なんでしょうか?」
 納得のいかない表情を浮かべ、黒き凶星・シズマ(a25239)がボソリと呟いた。
 この村の仕来たりで森に入る若者はナイフか弓しか使用してはならないのだが、その理由が分からないため納得する事が出来ない。
「ご先祖様が決めた事だから、村の人達も理由がよく分からないみたいだね。僕は格闘家だから、素手でも何とかなるけど……。随分と変わった風習だよね」
 苦笑いを浮かべながら、雷龍焔舞・ライガ(a24742)がナイフをしまう。
 噂では村の伝説と何か関わりがあるらしいのだが、詳しい資料が残っていないため断言する事は出来ない。
「僕はヨーヨーを取られちゃったのね〜……。こんなナイフで大丈夫なのかな〜……?」
 心配そうな表情を浮かべ、常時自動誤字スキルは集う・ラキア(a12872)がナイフを睨む。
 村で配られているナイフはとても軽いのだが、モンスター相手に通用する武器とは思えない。
「だったら教えてあげようじゃない。……武器の性能差が戦力の絶対的な差ではない事をね……」
 赤くて三倍早い冒険者を思い出しながら、蒼く揺れる月・エクセル(a12276)が瞳をギラリと輝かせる。
 モンスターの不意討ちに備えて、辺りをジロリと睨みつけ……。
「倒れている木が増えてきたね。ひょっとすると、この辺りに……うわぁ!?」
 突然、トッコウの体当たりを食らい、ライガが険しい表情を浮かべて膝をつく。
 警戒していたおかげで、何とか致命傷は避ける事が出来たものの、受け身を取った時に腕を捻ってしまったため、しばらく動く事が出来ないようだ。
「ふ、不意討ちなのね!」
 大粒の汗を浮かべながら、ラキアが横に飛んで茂みに逃げる。
「その破壊力……、侮れませんね」
 ライクアフェザーを使って攻撃をかわし、シズマが薔薇の剣戟を叩き込む。
 しかし、ナイフでは大したダメージを与える事が出来ないため、シズマ達は必要以上に苦戦を強いられている。
「……突っ込むだけじゃ、私達は倒せないわよ……?」
 すぐさま紅蓮の咆哮を発動させ、エクセルがデンジャラススイングを放つため背後を奪う。
 それと同時にトッコウが尻尾をブンと振り回し、エクセルの頭をガツンと叩く。
「くっ……、重い……きゃあ!?」
 鈍い音が辺りに響き、エクセルが地面に転がった。
「このままじゃ、僕達の命も危ないね」
 トッコウの攻撃を素早くかわし、ライガが斬鉄蹴を放って後ろに下がる。
 最初に攻撃を食らった時に腕を痛めてしまったため、うまく戦わなければトッコウを倒す事は難しい。
「またこっちに来るのねー」
 背後から斬鉄蹴を放ち、ラキアがスタコラと走る。
 トッコウは近くの木を薙ぎ倒し、ラキアを睨んで鼻を鳴らす。
「クッ、連撃さえ成功すれば……」
 悔しそうな表情を浮かべ、シズマが薔薇の剣戟を放つ。
 トッコウの皮膚は硬くなかなかダメージを与える事は出来ないが、死連撃さえ成功すれば敵を戦闘不能にする事が出来る。
「いつもならこんなヤツに苦戦する事はないのに……悔しいわね」
 再び紅蓮の咆哮を発動させ、エクセルがチィッと舌打ちした。
 トッコウの身動きを封じる事が出来ても、全くダメージを与える事が出来ない。
「地道に攻撃するしかないようだね。どちらか片方が倒れるまで……」
 そう言ってライガが疲れた様子で溜息をつく。
 ダラリと汗を流しながら……。

●キリサキ
「成人の儀か……ボクには無縁だね。でも、あの村の人達にとって大切な儀式だから、絶対に成功させてあげないと……」
 森の中をのんびり歩き、天空聖者・カグラ(a31332)がクスリと笑う。
 肉体と精神が19歳以上に成長する事がないエンジェルにとって、成人の儀式がどれほど重要なものか分からないが、村人達の表情を見ているとなんだか断れなくなった。
「モンスターを倒せば、めでたく大人の仲間入り!なんてね。もしも、この村の生まれだったら簡単に大人になれちゃうよ」
 冗談まじりに微笑みながら、ハチャメチャ家出娘・ティナ(a26981)がキリサキを探す。
 村人達の話では普段キリサキは茂みの中に隠れており、不意討ちを仕掛けて獲物の首を刎ねるらしい。
「村人達にとっては、命に関わる重大事でござるからな。害悪を取り去り、村に平穏を取り戻すでござるよ」
 キリサキが潜んでいそうな茂みに目星をつけ、夜明けを告げる足音絢爛舞踏・ダイキ(a07932)がナイフを握る。
 一本しかナイフを借りる事が出来なかったため、キリサキが複数いた場合は対応できない可能性が高い。
「……森に棲む魔物退治か。つまりワシにとっては怪人の儀というワケじゃな! 気合は俄然入るのじゃがねぇ〜 アファファファファ!!」
 自慢の筋肉を隆起させ、阿風呂の闘犬・ノリス(a07933)が肉体演舞で怪儀式を開始する。
 それと同時に横切るキリサキ。
 ノリスは全く動揺していない。
「だ、大丈夫? 頬から血が出ているよ」
 キリサキの速さに驚き、ティナが慌てて駆け寄った。
「この程度で動揺するわしではないワイ。キリサキは複数いるという報告もある……。おぬしらも気を抜くなよ」
 頬から流れる血を拭い、ノリスがペロリと指を舐める。
 キリサキは茂みから茂みに飛び移り、再びノリスの胸板を切り裂いた。
「速すぎて見えないっ!?」
 あまりの速さに攻撃する事が出来ず、カグラが慌ててキリサキを探す。
 キリサキはノリスを標的にして、何度も小賢しい攻撃を仕掛けてくる。
「ノリス、ぬかるなよ」
 キリサキの居場所を特定するため、ダイキが辺りに神経を尖らせた。
「分かっておるワイ。……おぬしも気をつけてな」
 クールな表情を浮かべながら、ノリスがニヤリと笑って血を拭う。
 キリサキは動きが素早いため、居場所を特定する事は難しいが、ノリスが囮になっているため、ある程度だが居場所が分かり始めてくる。
「……思ったよりも強いなぁ。油断していたら、本当に首を刎ねられそう……うわぁ!?」
 突然、背後から斬りつけられ、ティナが前のめりに倒れこむ。
「そこだっ!」
 すぐさまカグラが影縫いの矢を放ち、キリサキの動きを封じ込めた。
 キリサキは細長い身体をしており、鎌状になっている両手をシャキーンと鳴らす。
「死を呼ぶ舞踏とくと見よ!!」
 それと同時にダイキが飛燕連撃を放ち、キリサキが吹っ飛ばされている瞬間を狙い、カラミティエッジを放つ。
 真っ二つに切り裂かれるキリサキの身体。
 ……何かが光った。
「もう一匹いたようじゃワイ」
 すぐさまキリサキに体当たりを浴びせ、ノリスが雄叫びを上げて剛鬼投げをお見舞いする。
 キリサキが青紫色の血を吐き、地面にゴロリと転がった。
「これで全部倒したかな。とりあえず見回りをしておこうか」
 そう言ってカグラがニコリと微笑んだ。

●ゼンラ
「それにしても困ったな。まさかナイフ一本で戦う事になるとは……」
 ゼンラを倒すため森の中に入っていき、快傑ズガット・マサカズ(a04969)が溜息をつく。
 村から出る前に武器と防具を没収されてしまったため、マサカズが装備しているのはナイフ一本と布の服だけだ。
「何か細工してあるかも知れないからって、自前のナイフまで没収されちゃったものなぁ……」
 村で渡されたナイフを見つめ、色術師・ナオ(a09228)が肩を落とす。
 冒険者達に渡されたものはすべて同じもののため、特別な細工などが施されている気配はない。
「ナイフ1本で生き残ってこそサバイバルぅ〜。これこそ、一人前のオ・ト・ナじゃん。今夜はお赤飯炊くですぅ〜」
 楽しそうにナイフを振り回しながら、純真無垢な清純派正統ヒロイン・スピン(a16610)が鼻歌を歌う。
 他の冒険者達から視線でツッコミを食らっているが、スピンは全く気づいていない。
「な、なぁ……。ゼンラってモンスターだよな? 一般人の間違いじゃないか?」
 引きつった笑みを浮かべ、幻燈料理人・キオウ(a25378)が前を指差した。
 そこにはコート一枚で奇妙なダンスを踊っている男がおり、妙なモノをぷらんぷらんと揺らしている。
「出やがったな……グロっ! なんだか貧乏籤引いた気がするな」
 攻撃を仕掛けようとした瞬間、物騒なモノをモロに見たため、マサカズが頭を抱えて溜息をつく。
 そのモノがあまりにもグロテスク過ぎて、今夜の夢に出てきそうな勢いだ。
「……今年の夏は暑かったから脳みそ沸いちゃったかな。迂闊に触ったら妙な病気でもうつされそうだよね」
 苦笑いを浮かべながら、キオウがジリジリと後ろに下がる。
「実は……、偉い人に言われた事があってね。『医術士は前に出るな』って……。だって、清純派ヒロインさまも、怪傑ズガットさんもグラップダーだし、素晴らしすぎるから……。清純な瞳に、正義の心。必ずやゼンラを倒せるものと信じてるよ〜。大丈夫! ちゃんと『命の抱擁』も使えるから……。あっ視線が痛い」
 言い訳をしている途中で仲間達の視線に気づき、ナオが気まずい様子で口篭り、クリスタルインセクトを召喚した。
「いや〜近づきたくねぇなぁ。ここは料理人として、拳を使わず足技だけで……、だ、駄目だっ! 興奮してるっ! 何か飛んできそうだよ」
 いまにも魂が抜けそうな表情を浮かべ、キオウが慌てて後ろに下がる。
 その隙にゼンラはコートを脱ぎ捨て、ハアハアと興奮気味に息を吐く。
「よし、ここは一つスピンが本当の『ナイフ』の使い方ってやつを見せてやるですぅ〜」
 先手必勝とばかりにナイフをキラリと輝かせ、スピンが先旋空脚から連撃蹴に繋いで斬鉄蹴でトドメをさした。
「あ、ナイフを使い忘れたですぅ〜。ごめんですぅ〜。今のは無しですぅ〜。ノーカウントですぅ〜。もう一回ですぅ〜……って死んじゃいましたぁ〜」
 すぐさまゼンラを抱きかかえ、スピンが青ざめた表情を浮かべて汗を流す。
 ゼンラはスピンの攻撃をモロに食らい、ピクリとも動く気配がない。
「まさか……人を殺めてしまったのか?」
 険しい表情を浮かべながら、マサカズが上から覗き込む。
「大丈夫、変態は何人殺しても罪にならないって師匠も言っていたですぅ〜」
 顔についた血を拭い、スピンがてへっと可愛く笑う。
 ゼンラは一見すると人間のように見えたが、形が似ているだけで顔や口はなく、腹の部分に横一文字の線がある。
「わ、罠だっ! 離れろ!」
 それと同時にゼンラの腹がパカッと開き、スピンを飲み込もうとした。
「こういう時に乙女は悲鳴をあげるですぅ〜。きゃあ〜、助けてです〜」
 悲鳴をあげてゼンラの口に腕を突っ込み、スピンが涙目になりながら心臓をガボッと引きずり出す。
 股間のモノより物騒な形をしている心臓を……。


マスター:ゆうきつかさ 紹介ページ
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