<リプレイ>
●ボウズ 「テルテルにボウズか。……首を吊って高いところに吊るしてやろうかしら……?」 ボウズが襲撃にやって来るという報告を受け、天地人獄全てを喰らう・オルド(a08197)が急いで村にむかう。 問題の村はボウズがやって来るという噂を聞き、村人達が荷物を纏めて逃げ出す準備を始めている。 「村の人達が怖がっているなぁん。ちょっと行ってくるなぁん」 動揺している村人達を落ち着かせるため、狂え闇と契りし戦士・ナディア(a26028)が励ましにむかう。 このまま村人達が村を出れば、ボウズ達と鉢合わせになるため、放っておくわけには行かないようだ。 「何があってもボウズを捕縛しなければなりませんね」 村人達と同じ格好に着替え、風と流るる探究者・ヨキ(a28161)が漆黒のアイマスクを装着した。 盗賊達がこの村を襲撃して来るまで、まだ少し時間があるため、それまでに作業を終わらせておく必要がある。 「難しく考える必要はありませんわ。いつも通りに仕事をこなせばいいだけですから……」 含みのある笑みを浮かべ、金色の大公爵・アスター(a13935)が辺りを睨む。 ナディア達のおかげで村人達が考えを改めてくれたため、後は村を襲撃にやってくる盗賊を倒すだけだ。 「大丈夫よ、皆さん。私達にかかれば、何も問題無いからね♪」 心配した表情を浮かべる村人達に声をかけ、オルドが村の入り口に一番近い民家の中に入る。 「……後は盗賊が来るのを待つだけですね」 村人達を安全な場所まで移動させ、碧の異邦人・アリュナス(a05791)が汗を拭う。 「さ、獲物が来たわよ。一匹残さず、ひっとらえましょ♪」 その時、民家の窓から様子を窺っていたオルドが大声をあげる。 ……ボウズ率いる盗賊団だ。 「ぜってぇ、食い物も宝物も渡さねぇんだなぁん!」 ボウズ達が村の中に入って略奪行為を始めたのと同時にナディアが出入り口を塞ぐようにして前に立つ。 「こぉんなトコに隠れていやがったか! ヒヨッコがっ!」 豪快な笑みを浮かべながら、ボウズが棘付きの金棒を振り回す。 それを合図に盗賊達が一斉に攻撃を仕掛ける。 迷う事なくナディアにむけて……。 「やらせませんよっ!」 すぐさまストームフィールドを発動させ、アリュナスが砂埃を舞い上がらせて盗賊達の視界を奪う。 「うおっ……目、目がっ!」 いきなり砂埃が舞ったため、ボウズが薄目を開けて辺りを睨む。 「『雨を降らさない』ならわかりますが、雨を降らすのが脅し文句とは……変わっていますね」 ボウズを見つめてクスリと笑い、ヨキが土塊の下僕を使ってまわりを囲む。 「きょ、強行突破だああああああああ!」 地面を蹴って砂埃を舞い上がらせ、ボウズが滅茶苦茶に金棒を振り回して逃亡を図る。 「わたくし……、汚れるのは大嫌いですの!」 イリュージョンステップでボウズの攻撃を華麗にかわし、アスターが口に咥えていた白薔薇を手裏剣の如く投げ飛ばす。 「ぐおおおおっ!」 アスターの放った白薔薇が右足に突き刺さり、ボウズが悲鳴を上げて膝をつく。 「わっわっ、盗賊達が逃げて行くですよ〜」 驚いた様子で悲鳴を上げ、温泉エルフ・ティアナ(a90006)が盗賊達を指差した。 「うっ、うわああああ!」 勝ち目がないと分かったため、盗賊達が慌てた様子で逃げていく。 「オラァ! 何処へ行くつもりだクズども!!」 土塊の下僕で壁を作り、オルドが紅蓮の咆哮を発動させた。 全く抵抗する事が出来ぬまま、盗賊達の動きが止まる。 「……みね打ち、だなぁん」 その隙にナディアが盗賊達をポカスカ叩き、大人しくなったところで縄を使う。 「これで村の方は一安心ですね。あとは盗賊団のアジトですか」 眠りの歌を使ってボウズを眠らせ、アリュナスがホッとした様子で溜息をつく。 相手が一般人である以上、本気を出す事が出来ないため、アジトでの戦いは面倒そうだ。 迂闊に攻撃すれば、相手を殺してしまうから……。
●テルテル 「テルテルさんとボウズさんなんて、とっても可愛らしいお名前なのに……きっと意外性たっぷりのキャラなのですね!!」 盗賊団のアジトを叩くため、深森の愛吟剣士・リセ(a12065)がテルテルの待つ塔にむかう。 塔のまわりのは何もないため、敵に発見された場合は、瞬時に対応しなくてはならなくなる。 「雨を降らす、なんて脅し方がうさんくさいよね〜。村の人を脅して食べ物を奪い取るのは許せないもん!」 不機嫌な表情を浮かべ、黒曜石の鏡・ペイニー(a30463)が砦を睨む。 嫌な空気が辺りに漂う。 吐き気のするニオイ。 ……血の臭いだ。 「困ってる人達を助けるのが、冒険者だ! 早く奴らを捕まえようっ!」 遠眼鏡を使って様子を窺いながら、流剣・ロック(a20544)がジリジリと近づいていく。 テルテルの塔には何人か盗賊が残っているようだが、見張りの姿しか見えないため正確な人数までは分からない。 「ここからじゃ、隠し通路とかがあっても見えないな。何処かにあると思うんだけど……」 敵に発見されないように身を屈め、星をみる瞳・カリナ(a18025)が遠眼鏡を覗き込む。 本当なら目立たない夜を選んで砦を襲撃したかったのだが、ボウズの襲撃に合わせる必要があったため、こちら側に一番不利な昼間を選ぶしか選択肢がなかったようだ。 「……正攻法で行くしかないようだな」 険しい表情を浮かべながら、リザードマンの忍び・ロン(a33766)が剣を抜く。 「それじゃ、ラト達が盗賊さん達を引きつけるなぁん」 そう言って風唄う白竜の涙・ラト(a17147)が服を脱ぎ捨てノソリンに変身し、村人に扮したペイニーと一緒に警戒した様子で砦にむかう。 見張りの盗賊はラト達の姿に気づくと警告を発し、わざと外して何度か弓矢を放ってくる。 「引っかかったね」 見張りの盗賊達を眠らせるため、ペイニーが眠りの歌を使う。 2階の見張り窓から転がり落ちる盗賊達。 「それじゃ、行こうか」 その間に惣暗に囚われた芥子舞妓・クリスト(a17149)が粘り蜘蛛糸を手足に巻きつけ、相手に気づかれないようにしてテルテルの塔を上っていく。 「どうやら粘り糸は10分しか効かないようなので、気を付けなければいけませんね……」 クリストに粘り蜘蛛糸を使ってもらい、リセも同じようにして塔を上る。 盗賊達はラト達の相手をするのに忙しいのか、リセ達の事には気づいていない。 「んー。……なんていうか……ちょっと間抜けだよね?」 苦笑いを浮かべながら、クリストが壁にへばりつく。 「ううっ……、2階の出入り口は見張り台だけか。ちょっと体力が……持たないかも……」 見張り台から他の盗賊達が顔を出してきたため、カリナが大粒の汗を浮かべて息を殺す。 この時点で相手に気づかれた場合、対応する事が出来ないため、壁に身体を密着させて盗賊達が他の場所に移動するまでじっと待つ。 「ギリギリまで待つしかないかも……」 今にも落ちそうな状態のまま、ロックが身体を震わせた。 ここで気を抜けば地面に落下してしまうため、全身に汗を掻きながら何とか必死でこらえている。 「盗賊さぁーん、こっちだよ」 ロック達が砦に侵入する時間を稼ぐため、ペイニーがわざと大声を出して盗賊達を挑発した。 本当ならニードルスピアを放つつもりでいたのだが、間違って盗賊達に当たっても困るため、ある程度の敵が集まった時点で眠りの歌を発動させる。 「後の事は任せたなぁーん」 仲間達に合図を送り、ラトがペイニーと一緒に歌を歌う。 「いまのうちにテルテルを捕縛だっ!」 見張り台から塔の中に侵入し、ロンが盗賊団のボスであるテルテルを探す。 テルテルはロン達の姿に気づいて階段を駆け下り、地下通路から脱出しようと試みた。 「御縄頂戴、だよ。観念し給え」 すぐさま粘り蜘蛛糸を放ち、クリスト達がテルテルの後を追う。 「へへぇ〜ん、残念でしでしたぁ〜」 能天気な笑みを浮かべ、テルテルがペロッと舌を出す。 「油断しましたねっ!」 それと同時にリセがスーパースポットライトを放ち、テルテルの視界を奪って互いの距離を縮めていく。 「に、逃げなきゃ!」 必死で目を擦りながら、テルテルが何とか逃げだそうとした。 「逃がさないよっ!」 邪魔なマントを脱ぎ捨て、カリナが紅蓮の咆哮を発動させる。 「大人しくしてもらおうか」 テルテルの身体を縄で縛り、ロンが彼女の傷を治療した。 「こんな事をしたって許さないからね。いつか復讐するからねっ!」 今にも泣き出しそうな表情を浮かべ、テルテルがぷうっと頬を膨らませる。 「なんで、雨を降らせるなんて、言ったの?」 彼女が落ち着くのを待ってから、ロックがボソリと呟いた。 「そ、それは……」 恥ずかしそうな表情を浮かべ、テルテルが気まずく口ごもる。 「教えてあげないよーだっ! わ、分かるでしょ」 そう言ってテルテルが頬を真っ赤にした。 どうやら恥ずかしくなるような答えらしい。

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参加者:12人
作成日:2005/09/29
得票数:ほのぼの8
えっち3
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冒険結果:成功!
重傷者:なし
死亡者:なし
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