ナイト・オブ・カレイドスコープ



   


<オープニング>


「マスカレイド、ですか?」
「せや。ザウス大祭絡みとゆぅには、ちぃと珍しい気もするけど」

 ――1年前と同じ台詞。やっぱりちょっと楽しそうに笑って、明朗鑑定の霊査士・ララン(a90125)は藤色の髪のエンジェルに頷いてみせた。
 久々に冒険者の酒場に顔を見せたラランは、珍しく霊視の腕輪を外していた。
 聞けば、夏の終わり頃から冒険者休業で家業の手伝いをしている、というか……やらされているというか。
 冒険とはまた別の所で多忙らしい。何処となく、リス尻尾もクッタリ元気がないような。
「大変そうですね」
「……ま、家族サービスや。今回ばっかりは、しゃぁないねん」
「はぁ……?」
「まあまあ、その話は置いといてさ。マスカレイドなんだよ!」
 要領を得ない返答に小首を傾げる放浪する地図士・ネイネージュ(a90191)と、ラランの間に割り込むように藍色の癖っ毛が躍る。
 茶目っ気のある碧眼が人懐こい青年は、腕を広げると大仰に一礼してみせた。
「今日は、エルメンシャから冒険者の皆々様へ正式なご招待、なのさ♪」
 旧同盟領のエルメンシャの人間は、老若男女問わず踊りが好きだとか。それで、この時期になると街ぐるみで大舞踏会が催される。
 それがマスカレイド――仮面舞踏会だ。
「子供向けにお化けに扮した仮装行列もあるけどね。寧ろ、街全体が仮装行列って感じかなぁ」
 屈託無い笑みを浮かべるエラン・ウォルナット――寧ろ趣味の仮面作りの方が評判がいい、23歳バリバリ独身の人形師。
「やっぱり、秋のフェスティバルは華々しくなくっちゃ。夏の祭典と並ぶエルメンシャの大イベントなんだよ♪」
 眩い衣装と華麗な仮面で素顔を隠し、夢泡沫の一夜を踊り明かす。その仮面の裏側を覗くのは何よりの無粋。だからこそ、興に任せて羽目も外せようというもの。
「羽目を外せば騒ぎが起こるのも仕方ないけど……トラブルも問題な訳で。去年は、冒険者さん達に巡回をお願いしたんだけどね」
 ちらっと隣のラランを窺うエランは、何だかとっても嬉しそう。
「今年はいっそ、冒険者さん達に沢山来てもらった方が……抑止力っていうの? 良いんじゃないかなぁって話になったんだ、うん♪」
「……さよか」
 マスカレイド執行委員の尤もらしい言葉に、暫し疑いの眼差し。
 実のところ、エランはラランの三兄(色々頭に形容詞が付いたり付かなかったりの)だったりするが、その辺りはさておいて。
「まあ、折角のご招待や。皆で楽しんだらええんやないかなぁ。うちも気晴らしに行ってみよかなって。ネイネさんもどうやろ?」
「そうですね、面白そうです……そういえば、リリルさんもワイルドファイアから戻って来られているようですし、お誘いしましょうか。他でも声を掛けてみますね」

 例えれば、麗々しい万華鏡のような一夜――あなたも如何?

マスターからのコメントを見る

参加者
NPC:明朗鑑定の霊査士・ララン(a90125)



<リプレイ>

 街を彩る華やかな飾付け、楽の調べも賑々しく。
「前の仮面舞踏会から1年、何だか早く感じてしまいますね」
 懐かしい光景に目を細めるエルシエーラ。今回もトラブルがあれば動くつもりだが。
「踊って戴けますか?」
「喜んで」
 黒の正装に白手袋、洒落た仮面で素顔を隠す青年の誘いに笑顔で頷く。
 夜の帳が下りる頃――最初のダンスは緩やかに。レイクも憧れたマスカレイドは、始まったばかり。
「ゼロさん、ボサツさん、早く早く!」
 空色のワンピースが翻る。エプロンドレスとウサ耳帽子、リボンの鈴が愛らしい。
 照れはしゃぐシュシュの笑顔に、エスコートの2人も楽しそう。
「「お嬢さん、お手をどうぞ……あ」」
 おどけるのも一興と色違いの正装、挙措も鏡合わせと決めていたのに……2人が差し出したのはどちらも右手。
「「おいおい」」
 互いを突っ込む声も唱和にして、笑い声が上がる。
「甘い甘い一夜の夢を見せてあげるよ。この夜を全部、美しいラゼル嬢への贈り物にしよう」
 耳元の囁きは甘露。緊張で難しい顔をしていたラゼンシアは、パッと頬を染める。
 思わず足が縺れた彼女を優雅にリードして、アスベールはめくるめく世界に誘った。

 星空の下、地上の万華鏡も煌びやか。今夜は街全体が舞踏会場。
「楓華列島に伝わる舞だ。祝い事に披露されるらしい」
 獅子というには奇妙な頭がカタカタと歯を鳴らす。テンユウの獅子舞は雑踏の中でよく目立った。
「ジェラルド様、宜しければダンスは如何ですか?」
「OK、お嬢さん」
 紫揚羽の妖精をエスコートするのは、派手派手しい道化。
「俺は綺麗な服より、こっちの方が性に合ってんだよ」
「あら」
「良い夜だな、麗しい方」
 おどける道化にクスリと笑んだ妖精は、既知を察してその笑みを深くする。
「では、ご一緒に飲みませんか?」
「1曲の後に是非」
 一礼したタキシードの獣人――マカーブルは、かつての戦友にも挨拶をと賑やかな一角に足を向ける。
 7色に瞬く光が周囲を眩く照らす。
 その中心にノソリン着ぐるみのリン、怪盗そのもののシリック、正装の鳥人のアルト、ワインカラーのドレスに真紅のアイマスクのキクノの4人。シリックのリードで息の合ったステップは華やかだ。
「何て素敵な世界……」
 胸一杯で感嘆の吐息。キクノにとっては正に夢の世界。
 次の瞬間、オオーッ!と上がるどよめき。
 4人の衣装が金銀の刺繍も豪奢な盛装に早変わり。ホーリーライトと鎧進化の演出は冒険者ならではか。
「わし、お人形さんみたいじゃろ?」
「ええ。でも……その頭、すごいですね」
 そんな雑踏の中、泣き顔の道化の袖を引く真っ赤なドレスの南瓜少女。南瓜の被り物にヘッドドレスと、ご丁寧にトンボ眼鏡まで飾っている。
「うむ、頭が重くて動けないのじゃ」
「はぁ……判りました。あそこのカフェまでですよ」
 溜息を吐いてトトギをおんぶするネイネージュだった。

 通りが賑やかである程、路地裏の影は暗い。不埒な輩にはうってつけの目隠し。
「幻想の夜に現を忘れぬ無粋な者よ」
 酔った勢いで少女に絡んでいた不埒者は、突然の声にうろたえた。
「闇にも光潜む事を知るがよい!」
 通りの灯を背に翻る黒マント。顔の半ばを隠す白い仮面を着けたリュウは、忽ち不埒者をやっつける。
「ありがとうございました」
「何、当然の事をしたまで」
 故郷に伝わる英雄に扮して、少年は芝居がかった仕草で会釈する。
「我が名は闇守。娘さん、一夜の夢を如何かな」
「はい! 素敵な一夜になりそうですね♪」
 白兎をお供に愛らしく笑う少女は、まるで不思議の国に迷い込んだお姫様のよう。少女――ルシェルの正体が知れるのは、暫く後のお話。

「……君、誰?」
 眉を顰めてエランは腕を振りほどく。胸元の魔力なんて欠片も効いてないらしい。
 そばかすメイクと癖っ毛カツラで明朗鑑定の霊査士・ララン(a90125)に変装したアカリだが、悪戯は見事に空振り。何故ばれたのやら。
「目の色が違う、スタイルが違う。ラランちゃんより1.4cmも背が高い」
 ……恐るべし兄の眼力?
「しゃぁないなぁ」
 スパコ――スカッ!
「ハリセンの切れも要修行」
「う……」
 妹以外の突っ込みに甘んじる気も無いようで……アカリは悔しそうに唇を尖らせた。

 その頃、本物のリス尻尾霊査士は。
「……そうか、兄にとっ捕まっていたのか。相変わらずなんだな」
 正体不明の髭ダンディな紳士と踊っていた。
 仮面はリスを模したもの。胸元の開いたドレスも贈られたが、今はホルターネックの蒼いドレス。こちらも遅れた誕生日プレゼント。
「何にしてもララン、誕生日おめでとさん」
「おおきに、ティキさん」
「……」
 ばれてるし。
(「正体を隠したのは、別に兄達の動向が怖いからとかでは」)
 内心の言い訳はさて置いて。
「遅くなってもお誕生日はお祝いしたいもんね。ラランさん、おめでとうだよっ♪」
「これから1年も、梟さん達がラランさんの元に沢山の幸せを運んで下さいますように」
 お化け南瓜に扮したバーミリオンやファオと祭り見物の間も、あちこちからお祝いの声。
「折角のプレゼント、傷めたら勿体無いし。何やったら荷物持ちしよか?」
「ええの? そしたら、巡回のついでにでもエラン兄の工房まで運んでくれたら有難いわ」
 ティートが気遣う程にプレゼントを抱えて、ラランは照れた表情だ。
(「出遅れました……でも、人助けは正体を隠してするものですし」)
 手伝うタイミングを逃し、物陰からティートを見送るヒリヨ。見回せば案の定、すごい勢いで人混みを掻き分ける青年が約1名。今回は末兄だけ注意すれば良いのが幸いか。
(「引続きこっそり見守りましょう……あれ? 普段とやってる事と変わらないです」)
「ラランちゃん、色々大変だろうけど頑張ってね」
 今度は男装したミルッヒからダンスのお誘い。芝居で鍛えた身のこなしできちんとエスコート。
「お仕事も自分の事も、お兄さん達だって判ってくれると思うよ」
「やと、ええんやけどなぁ」
「そこのノソ耳のお嬢さん。私の為に眼鏡っ娘メイドに扮してくれま――」
 スパァァンッ!
 これから仮装行列という妖精に扮したリリルに伸びた魔の手は、既に条件反射の突っ込みに撃沈した。だが、最短5秒で計99人に振られてきたソルティークはまだ懲りない。
「そこのリス尻尾のお嬢さん。私の為に眼鏡っ――」
 バキィッ!!
 ソルティーク都合100人目のナンパは、今度こそ袋叩きの気配……教訓? 兄の愛は海より深く水溜りより狭い。

(「エランさんで舞踏といえば……話に聞くティリさん絡みですっけ? 今はどうなってるんだろう?」)
 ふと気になって尋ねたイワンだが、ラランの苦笑から推して知るべし。今はリリルのお目付けも兼ねて巡回巡回。
「道化師は、黙っていても目立ちたくなるものさ!」
 オープンカフェではウェイターの豪奢な緑の道化衣装が、突然真っ赤に変わる。
「すごいなぁ〜ん」
「はは、ありがとう」
 種を明かせば鎧進化だけど、素直に感心するリリルにお菓子をおまけするレイチェル。
「リリル、久し振り。今夜はキラキラしてて夢のようだねー」
「なぁ〜ん♪」
 白のタキシードとマスクが粋なシスと別れると、向こうの通りにお目当ての仮装行列が。
 マスカレイドの夜は、子供も好きなだけ夜更かし出来る貴重な時間。
「色んな格好で〜、とっても楽しそうなぁ〜〜ん♪」
 モンスターのエウレーンに仮装したサチと駆け寄ると、月の精霊に扮したティーが手を振ってきた。
「え、普段着の方が仮装みたい? あぅ〜」
 リリルの率直な感想にショックを受けた模様。
「こんな華やかなお祭りは初めてやわ! わくわくするなぁ」
 とんがり帽子に黒の衣装、ステッキという所謂魔女っ娘の格好でヤチヨは大はしゃぎ。そんな彼女を見守る死神の眼差しは優しい。
「ワシリーはん、踊ろうな!」
「あ、はい」
 手を引かれて笑顔のワシリー。照れ隠しにずれてもないアイマスクを直す。
 雑踏を抜ければ、一際煌びやかな光景が広がる。街の中心の広場はステージもある1番大きな会場だ。
「ソリッド様……?」
 婚約者を捜し、アリエノールの視線が彷徨う。白と蒼のドレスを飾る金ブレードが白い肌によく映える。
「お美しいレディ、1曲お付合い願えますか?」
「え?」
 振り返れば、恭しく手を差し出すセイレーンの青年貴族? 戸惑う風のアリエノールにマスクの下の唇が得意げに綻ぶ。
「フ……見違えただろう?」
 触れるだけのキスは不意打ち。セイレーンの髪は独特で見間違えようもなさそうだけど……ソリッドのサプライズが効いたかどうかは彼女だけの秘密。
「お、暇そうな奴がいる」
 ステージの脇に既知を見付け、ブラッドは白い仮面の下でにんまり企み顔。
「あ、ホント」
 おーいとお菓子片手にブンブンと手を振るシルフェア。珍しくドレスに袖を通して、祭りを満喫しているようだ。
「暇とは心外ですね。この賑やかな光景を楽しんでいるだけですが」
 肩を竦めるアーゲイル。でも、折角の機会。少しばかり気障に手を差し伸べる。
「では、1曲お願い出来ますか?」
「わ、私ですか!?」
 目を見開くナナミを誘い、月夜の紳士はコートを翻す。
 何時しか音楽は甘いワルツ。正に恋人達の曲だけど。
「手はここで、足は音に合わせるのじゃよ」
「ちょっ……ぁ、うぁ……」
 ステップ1つに四苦八苦のマオーガーに音楽に耳を傾ける余裕はない。そんな彼に手取り足取りのルーシェンは些か優越感で頬が緩んでいる。
「!?」
 体勢を崩したのは故意か事故か? 突然唇を重ねられ目を見開くルーシェン。
「〜〜!!」
 思いっきり足を踏まれ、マオーガーは飛び上がった。

 ――何時しか夜半を過ぎて。けれど、祭りの熱気はまだこれから。
 大道芸の一角で、ジャグリングを披露する芸人が1人。その顔は鼻の長い仮面に隠れて窺えない。
「え?」
 思わずお手玉を取り落とした。後ろから抱き締められた温もりは、あまりに馴染み深い。
「お疲れさまや、ほんまにお帰りなさい」
 たとえ普段と格好が違っても、顔が見えなくても。遠くからでも絶対見付けられる……それが、絆というもの。
 ふわふわパニエのドレスと白狐の仮面が愛らしい。紅を引いたカガリの唇に、タケマルはそっと囁き掛ける。
「ただいま、戻りました」
(「祭り、か……楽しんだ者勝ちか?」)
 冒険者を集めれば抑止力になると聞いたが、その冒険者が羽目を外したらどうにもならない。
 という訳で真面目に警備に勤しむガルスタ。喧騒を見るだけでも楽しいし。
(「おカタいパーティにはあまり興味は無いし、なぁ〜ん」)
 やはり不届き者に目を光らせているのはクピードだ。
「!」
 目と鼻の先で酔っ払いが街娘に絡み出す。勇んで1番槍を打ち込もうとした彼女だが。
「む……!」
 ランスを押さえた藤色の髪のエンジェルに、少女は眉を顰める。
「私では手に負えないという事か、なぁ〜ん?」
「いいえ、この混雑で槍を振り回せば他も巻き添えという事です」
 確かに威嚇なら兎も角、ごった返す祭りの警護に長物は不向き。
 その間に、酔っ払いは粛々と摘み出された模様。遠目には少年にしか見えないフェミルダが、庇った娘の手に口付け再び雑踏に紛れる。
「ネイネージュにゅ、はっけーん♪」
 その時、後ろからエンジェルに抱き付いた少女がひょこりと顔を覗かせた。
「楽しんでるにゃぁ?」
「お陰様で」
 ニコニコ屈託ないイヴに手を引かれて、おずおずと会釈した青髪の少女はヒナキと名乗る。
「ぇと、良かったら……一緒に楽しまないかにゃぁ?」
「いいですよ」
 ノンビリ頷いたネイネージュだが、何を思い付いたかクピードに向き直る。
「あなたも如何ですが?」
「何故、私が……」
 愛らしい少女達と一緒なのは魅力的だが……険しい視線も何のその。道化姿のエンジェルはホケホケ笑っている。
「どうも、ヒトノソリンのお嬢さんにお節介する癖が付いてしまったようで」

 喧騒に紛れ、祭りに浮かれて。そして、お月様には見られないようこっそりと。
「ニューラさん?」
 建物の影で振り返った道化の乙女の微笑は艶めいて。
 ちょっと楽しみなような怖いような……同じく道化の仮装の下で、ヒロシの胸が高鳴る。
 闇に紛れた2人の影がそっと重なる――。
 ゴツンッ☆
「――!?」
 ぶつかったおでこを押さえ慌てて2人が見回せば、コートを翻し雑踏に消える後姿。
「フフッ♪」
 悪戯の成功に、キノはニンマリ唇を歪ませた。

「何か…こゆ服、慣れなくて。恥ずかしい……」
 身長差は約45cm。まるであやすように足取りを合せて貰っている事が、イーチェンには悔しい。
「1曲、宜しいですか?」
 差し出されたクララの掌に骨の手を乗せたのは、ちょっとした仕返し。
 それでもあくまでエスコートは紳士的に。穏やかな彼の余裕がまた悔しくて、キュッと抱き締める。
 白黒の吸血鬼のカップルは滑るように踊り出す。
 お互い親愛8割、後の2割は……淡い淡い想いは我知らず胸の奥底に。
「僕と踊ってくれる?」
 練習の成果で何とかステップに自信が付いて、漸くキリはヒカリをダンスに誘う。
「ヒカリさん……」
「……キリさんが男っぽく見えるというか、恥ずかしいというか……!?」
 曲の最後に寄り添って、そのまま2人の影が重なる。
「……キスは初めてです」
「好きだから、その……思わず……」
 お互い真っ赤になって照れた様子が初々しい。
「ありがとう」
「こちらこそ」
 曲が終わり、どちらからともなく一礼する。セイレーンの青年は黒衣を翻し悠然と。黒揚羽の貴婦人は蒼のドレスを捌いて艶やかに。
「また機会があれば」
「宜しくてよ」
 そうして、2つの影はゆっくり離れていく。泡沫の、次のパートナーを求めて。
(「あれは……ふむ、他に踊る機会はないだろうしな」)
 霊査士のリス尻尾に目を留めて、そちらに足を向けるエンデミオンを見送るリリエラ。その肩がポンと叩かれる。
「あら」
「やぁ、今夜はどんな感じだ?」
 黒銀の仮面の下は何食わぬ顔。まるで今夜初めて出くわしたように。
 踊り続ける彼女を、ずっと見守っていた事は――ゼイムだけの秘密。

 虚実入り混じる絢爛の終幕は――東の空から射し込む朝陽。
「疲れた、かも」
 徹夜で騒いだその後は……ラランはベッドに倒れ込んだ。
 タイガーリリーの組紐、プリムラのハンカチとリストバンド、眼鏡チェーン、オルゴール、香水、ピンクの花1輪、イーネオヤ付手染めのシルクスカーフ、大きなムシャリンの縫いぐるみ、手編みのレースハンカチ――テーブルには、きちんと届けられた贈り物の山。
 南瓜のマフィンとプティング、マロンケーキは皆で美味しく戴いた。
(「楽しかったな、ホンマに……」)
 青髪の少女がギュッと抱き締めて贈ってくれた青いブーケを胸に、ラランは心地好い眠りに引き込まれる。
 1ヶ月遅れの誕生日を過ごして――その寝顔は、とても幸せそうだった。


マスター:柊透胡 紹介ページ
この作品に投票する(ログインが必要です)
冒険活劇 戦闘 ミステリー 恋愛
ダーク ほのぼの コメディ えっち
わからない
参加者:58人
作成日:2005/11/05
得票数:恋愛5  ほのぼの26  コメディ1 
冒険結果:成功!
重傷者:なし
死亡者:なし
   あなたが購入した「2、3、4人ピンナップ」あるいは「2、3、4バトルピンナップ」を、このシナリオの挿絵にして貰うよう、担当マスターに申請できます。
 マスターより許可を得たピンナップ作品は、このページのトップに展示されます。
   シナリオの参加者は、掲載されている「自分の顔アイコン」を変更できます。