【エバーグリーンの挿話】天涯花の戦歌



<オープニング>


 地下墓地の花冠。
 楽園の形代。
 死者の花園。

 死者の道の果てに立つ断頭台。
 頂には楽園に似せて花が咲き給う。


 嘗て酒場を訪れ夕萓の花が咲く頃に死者が還るのだと言い、紅筏葛が咲く頃に再び酒場を訪れ、死に往く妹に故郷を見せて欲しいと願った青年は、礼にと三度訪れた酒場でミカヤと向かい合い、今、断頭台の頂は天涯花――曼珠沙華が咲き乱れて美しいと水の様な微笑を浮かべた。
 
 それから互いの近況など、他愛の無い話をする事暫し。
 全てを聞いた後、そうですかと呟いて物悲しげな沈黙と共に目を伏せた青年は、暫くの後、胸に下がる鎖を引いて服の下に隠した小さな板を取り出した。

「戦って死んだ人を送る儀式があるんです」

 黒で模様が刻まれた真白の板を手に、青年は続ける。

「死者が還るという言い伝えと同じ様に、ミストラに伝わる古い古い、あの熱い土地を守る為の戦いがあった頃にまで遡る儀式になりますけれど、敵と――そして人生と戦って死んだ者達を送る儀式として今に伝わっています。
 盾を持ち剣を持ち、口伝の戦歌に乗せて打ち鳴らしながら、ミストラから断頭台の頂まで上るだけの簡素な儀式で、終えた後に、『道標』と呼ばれる死んだ獣の骨から削り出し呪印を刻んだ小さな板を得ます。
 彼、もしくは彼女のいない世界で行き続けて行く為の道標として。
 儀式を行ったからといって何がある訳でもありません。
 死者に伝わるかと言われればそれも怪しい。
 それでも、誰かを失った人々がその先も生き続けていく為に、儀式が必要な時もあるのだと思います。
 僕が道標を作り、僕が儀式を行う事が出来ます。
 冒険者の皆さんには大変お世話になりましたから、望むのであれば行ってもミストラの人々も怒ったりしないでしょう」

 青年――セイモアはそう、指先で『道標』を撫ぜた。
 区切りの為に、祈りの為に、儀式が必要な時がある。
 偶にはそういう場所を用意するのも良いのかも知れない。
 空いた茶器に紅茶を継いで、揺れる深紅の表面を見詰めていたミカヤは、近付いて来た足音が傍らで止まった事に気付いて顔を上げた。

「良いじゃないか。行こう」

 そう言って椅子を引き、どさりと腰掛けたのはバルバラだった。

「朝の光の中でその儀式とやらをやって、昼の光の中で花を見ながら美味い物を食べよう。
 夜になれば酒を呑んで、星の下で眠ろう。
 ――少し、疲れているみたいだ。美しいものが見たいよ」

 バルバラは呟く。
 ミカヤが頷く。

「そうですね、断頭台の頂の花野は混沌としていてとても美しいから、儀式とか関係無く花を見るだけでも、きっととても心が慰められますよ」

 セイモアは静かに2人を見詰め、そう言ってまた穏やかに微笑んだ。

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参加者
NPC:常磐の霊査士・ミカヤ(a90159)



<リプレイ>

●天涯花の戦歌
 戦場にて、闇を見る。酷い痛みがまずあってそれを覆う優しい闇が直ぐに訪れた。
 先の依頼で重傷を負い、死を間近に見たリンは、死とはそういう物なのだろうかと遥か断頭台を仰ぐ。

 シャ――――ン シャ――――ン

 盾と剣が打ち合わされる。隊伍を組み歩む冒険者達。
 常に身に着けている白い鎧ではなく、共に戦い命を失った3人への弔意を表す積りで黒き鎧を身に纏い、クリュウもまた隊列の1人となって断頭台を目指す。
 青年は普段、滅多に歌う事をしない。けれど今回ばかりはと、亡くなった者達への手向けにクリュウは身を楽器として声を響かせた。
 今は意味を取る事も難しい昔々の戦歌。長く引き伸ばされた言葉が音になり、緩やかにうねりながら剣盾と響き合う。
(「ミルラ……貴女が幸せでありますように――」)
 自身の声が周囲の大気を震わす音と柔らかく強く溶け合うのを頭蓋で感じながら、ヘルディスターが思う。過ぎ去った無数のいのちの中で一番心に残っているから、身勝手な祈りであっても願わずにはいられなかった。
 冒険者達は、断頭台の壁に細い丸太を打ち込んだだけの階を登る。
 眼下の風景、秋の陽差しの中で硬く鮮やかに際立つ全てが遠ざかる。
 辿り着いた断頭台の頂は儚い生命が溢るる場所。
 季節に抗えず枯れ、または抗って揚々と葉を繁らせる千草、秋の花々と、そして何よりも燃え立つ天華の赤が、昼の光の中で燐光を振り撒きながらそよいでいた。
 光が荒んだ心を洗い流す気がして、ヘルディスターは空を仰いだ。生命そのものが放つ息吹を吸い込んで、生きている実感と、生き続ける事への決意を新たにする。
 陽を遮らぬ真白の雲が、ゆっくりと過ぎ去り。
 生かされた命だ、応援してくれる人もいる。私は至らぬ自分を踏み越えて進んで行くから、安らかなれ――。
 秋の柔らかな暖かさの中へ、リンは祈りと共に踏み出す。
 不意に、穏やかな秋の一日にそぐわない強い風が吹いた。 
 冒険者達の盾と剣が生み出す音色と、深く低く調和する声音が、地上から吹き寄せた風に乗って高みへ高みへと翔って行く。
 死者が往く風だ――嘗てこの地を訪れた事のある誰かが思い出した様に呟いた。
 彼方から死者の道を辿って断頭台に吹き寄せた、異名を持つ風が止む。
 緩やかに声と音が引いて行き、そうして儀式は終った。

●混沌とお茶を
「とても大切だった人達よ。……もう、いないけれど」
 儀式が終わり、居心地の良い場所を求めて冒険者達が散って行く中、階段の元に留まったユウリは、ルガートに誰を送ったのかと尋ねられて天を見上げた。
「私が殺したの。この手で」
 星痣が刻まれもう助からないと知ったから、生きたいと願う2人を己が手で殺めた。大敵を追って訪れた地上。けれど戦う事叶わず、生に意味を見出せず、罪の証と死んだ2人の名を刻んだ『道標』をユウリは握り締める。
「……殺した?」
 絶句。黙すルガート。ユウリは微かに寂しげな笑みを浮かべ、断頭台を後にする。残されたルガートは追う事も出来ないまま、返しそびれた守りを手に立ち尽していた。
「おかえりなさい……ですぅ♪ お土産なのです……」
 ヒースがミルラノ花だと差し出した小さな花。受け取ったミカヤは、ありがとう、と少年を抱き締める。
「美味しいもの一緒に……たくさん食べるのです……」
 ミカヤの胸は温かく、何故だかそれが無性に寂しくて、ヒースは頬を確りとミカヤの胸に押し当てた。
 離れた場所で儀式を見ていたツーフォンは、死者に同情など出来ないと心中で断じた。
 知己に連れられてここを訪れ儀式を見ていたが、北での戦に加われなかった事への口惜しさしか感じず。
(「血と泥と鉄の匂いが私の道標」)
 結局、何時か自分は野垂れ死ぬだろう。悼まれぬまま死ぬ覚悟などできていると、女は肩を竦めて踵を返した。

 ナツキの手を取り楽園の縁を歩くグノーシスは、白い脅威と戦乱の中失われた友人達を思う。
 グノーシスに導かれ、ナツキは自身で送り出した無数の死者を思った。
 人は1人では生きる事は出来ない。だからこそ、命が失われるのが悲しい。誰にも必要とされない生は死んでいるのも同じ。親しい者を失い死んでいた自分に、貴女は――貴方は新たな生をくれた。あなたこそが私の道標だ。2人の視線が交わる。感謝を溢れさせ、ナツキとグノーシスはそっと抱き合った。
 風が渡る草原の中、祈りを捧ぐ幼子の歌が聞こえた。物想う双眸に天涯花を映して唄っているのはラトだ。ミカヤの視線に気付いて、一緒に唄おうとラトが微笑む。ミルラの好きな歌を天に届くように唄おうと。
「好きな歌は知らんのだ。あれは芸事に疎い子だった。おぬしの好きな歌で良い。もう少し歌っていておくれ」
 ミカヤはラトの頭を、愛しむようにゆるりと撫ぜた。
 珈琲を湛えたマグカップを手に、ミリティナは少女を思う。嘗て一度会った少女。何故冒険者となる道を選んだのか不思議だった。
 危険な場所に行った事を知ってはいたが、死ぬ事など無いと思っていた。
 けれど死んだ。
 擦れて締まった自分に何か新しい物をくれるのではないかと思わせた少女はもういない。
「おやすみ、ミルラ。せめて今は良い夢を」
 マグカップを掲げたミリティナの唇から零れた呟きは風に乗り、シャルトルーズ達が植えた金木犀の苗の、葉擦れの音と溶ける。
「ここに植えたかったんです。また来年も、その次の年も……ずっと、空の彼方からでも、金木犀が見られるように――」
 ここへ根付いてくれるだろうかと、葉に触れるシャルトルーズ。
(「人に死なれるってのは本当に辛い事だ。死地を共にした戦友なら尚更だな」)
 でも、辛さと共に思い出が残る。その思い出を糧として、僕は今も先も生きる。だから今日、逃げずに事実を受け入れる為にここへ来たんだ、とディリアスは土塗れの手を握り締める。
「ゼンガルトさんの強い意志に。ミルラさんの清らかな決意に。ゲイブさんの勇猛な優しさに。そして、ピルグリムに命を奪われた数多の人々に……」
 綺麗な布で手の土をぬぐい、エィリスは持参の供え物を木の根へ置く。
 皆さんの涙と祈りが、どうか届いていますようにと心で語り掛けた。
 シャルトルーズが歌う戦歌が途切れて暫しの沈黙。ディリアスが、ミカヤ老に差し入れを持って行くかと笑い、共に祈りを捧げていたスレイツが頷いて、4人は金木犀を後にした。

 儀式に加わって歌いながら考えた事がある。沢山の、本当に沢山の失われた命の事。生きている俺は何が出来るのだろうかという事。
(「生きて、生かされている間は、たとえどんなに辛くても前に進まないと――」)
 バーミリオンは差し出した茶を幸せそうに飲むミカヤを見て、いつかこうなれたらと思う。強く暖かく厳しい、真冬の陽射しのような眼差しの大人に。
 紅茶の温かな香気の中に、思いを揺蕩わせるマカーブル。
 一足先に逝かせてしまった戦友達――どうか安らかに眠れ。何時か俺が追いつくその日まで、どうか――。紡ぐ思考は祈りに似て。口の中には氷砂糖。何故だか食べたくて持って来たそれを、かりと噛んだ。マカーブルに勧められて一つ口にしたミカヤは、純粋で物悲しい味だと薄い微笑を唇に刷いた。
 天涯花の赤の畔に、シナモンティーの良い香りと皆の穏やかな話し声。幸せで、ハーウェルは少し泣く。慌てて拭った手の甲で、涙の雫がきらきらと光った。
 兄が亡くなって1年。何時までも後ろを向いていてはいけないよと、吹き寄せる風は促す声に似て。ずっと探していた、生き続けて行く為の道標は、青空の下こんな身近にあった。
(「さようなら、愛しい人」)
 空がとても綺麗だから、今日お別れを。周囲で暖かな笑い声が上がり、ハーウェルの手の甲にもう2粒涙が落ちた。

「どうした?」
 ティーカップを手に、茫漠と天涯花を眺めるメイフェアへ、膝の上で安らうアユムのノソリン頭を撫ぜながらミカヤが問う。
「今にも消えそうな赤だから目が離せませんの。美しいけれど儚い……きっと、重ねて見ているからですの……」
 亡くなった者達の流す血は地に吸われてきっともう跡形も無い。秋の終わりには消えてしまう天涯花の様に。
(「戦いで命を落とした者と残された者、か……」)
 アニエスは手元のヴァイオリンに指を滑らす。指先に、人生と果敢に戦い死した恋人の温もりが蘇る。
 この花園のような人生を切り抜けて生きる為の僕の道標。例え見苦しくともみっともなくとも、生きる事にきっと意味があるのだろう。そっと手を離して、アニエスは混沌が美と調和する無秩序な花園に目を遣る。
 花園――広がる赤い滴りと、そして蒼穹が哀しいくらい綺麗に見えるのは、きっとミルラと共にここを訪れた事があるからなのだろうと、ニクスは空を見る。
 ああ、悲しい思い出が消える事は無い。ならばせめて護った物を壊さぬ為に進み続けよう。
 嘗て死者を眠らせ、1人の女を葬った場所に、優しい歌として綴られて行く会話を聞きながらニクスは思いを馳せる。
(「……あなたにもこの想いが届きますように」)

●『あなたの存在は私を何度でも蘇らせる』
「死ぬ事を怖いと思うようになれたのも、自分を見せるのが嫌でしがみついてたゴーグルをピルグリムの真ん中に思いっきり投げ捨ててこれたのも、あの子のお陰なんだ……」
 ローランドは、喉元から押し出す様にそう言った。
「ずっと言いたかった。あの子に会わせてくれて、ありがとう」
「良い目だ。そうか――ミルラがな」
 ローランドを正面から見詰めてミカヤは嬉しそうに目を細める。
 そして、ミルラがな、と静かにもう一度繰り返した。

 美味しい物は沢山あった。いなり寿司、スコーン、パイにマフィンにクッキーに砂糖菓子。その他に色々と。堪能したコスズは、柔らかく甘い匂いのする草の上に横たわる。
(「そこで、見ててね。歩みを止めたりはしない、貴方達の分も……」)
 高い空。思いも心も吸い込まれて行く。そしてどこからか流れて来た旋律も。
 奏者はセルディカ。指先が奏でる音色は物想う色を帯びていた。
 自分にできる事を探して来た筈だった。けれど結局、何も出来ていなかったのではと、音色に弱気が滲む。進んでも良いだろうか。歩き続けても良いだろうか。道標を後に、前を向いても良いのだろうか。
 応えは無く、答えは自分の中に。ただ旋律だけが天涯花の野を翔り。
 音に抱かれてクレシャは筆を走らせる。
 敵と……人生と戦って死んだ者達を送る儀式。 人生を歩むにあたって、自身もそうありたいと参加した。
 無秩序に群れ咲く草花と天涯花は確かに混沌としていて美しく、クレシャはそれら全てを一枚の紙に収めて行く。
 誰かの慰めになれば良い、それも冒険者の務めと心を安らがせるレモンバームとペパーミントのハーブティを振舞っていたミントは、絵に目を止めて感嘆した様に微笑を浮かべた。
「約束を」
「はい――果たしましょう」
 生きて帰還が成れば笛の音で舞うと約束をした。弓を構えるマイト。やっと約束が果たせると、感慨深くイオがフルートに息を吹き込めば、夜鳴く鳥を思わせて高く澄んだ音が響いた。弦を弾く幽けき音。動作の一つ一つと呼吸が、柔らかく調和する。
 蒼天に緋が舞う。笛の音が弦の響と絡み合う。
 風が皆をこの場所へ導いてくれるなら――僕は迎える音を残そう。
 何時か戻る誰かの為に、イオはフルートへ命を吹き込む。風の標となるように。
 形見の貝殻を握り締め、仲間の死という現実――齎された強い衝撃を思いながら茫と舞いを眺めていたハジは、後ろから伸びた手に驚いて振り返る。ハジの膝の上のクワの実を摘んで、ミカヤが立っていた。
「もっと話しておけば良かったって思うんです。もっと知りたかったって――」
「そうだな、ハジ。私もそう思うよ。例えば、クワの実が好きだったかどうかとかな」
 腰を下ろし、ぽんとハジの頭を撫ぜる。それからミカヤと2人、クワの実を食べた。指も舌も紫になって、少し笑い合った。

「今一度、ここで誓います。俺は忘れません。歓びも哀しみも痛みも、この苦味も。全て抱えて再びここから歩いていきます」
 花野の中に座るレーダの視界の隅で赤が揺れる。大気まで朱を帯びて。人を物狂わせる美しさを湛えて、天涯に咲く花が揺れる。血の赤。血で贖われた物を想起させる赤の中で、もう一度顔を上げる為、戒めの為にレーダは誓いを新たにし。
 同じ花野でレイシは死んだ少女の淋しげな眼差しを思い出す。昨年のフォーナ、一度だけ会った少女。もういない少女にせめて美しいものを送ろうと、レイシは笛に唇を寄せる。
 奏でるは戦歌。緩い旋律で過ぎし歴史を紡ぐ歌。人生と真正面に向かい合い己と戦い、戦い終えた人々に、自分も又戦い続けるのだと誓う歌を。

 そして、アージェシカも戦歌を歌う。真白の骨に触れて歌えば、心の中に蒼い灯火としてある道標が燃え立つ気がした。何時か痛みが引く事はあるだろうか。あの子の思い出を穏やかに語り合える日が来るのだろうか。何時かは今ではなく、痛みは共にあるけれど。
(「心に浮かぶ貴女が笑顔でいてくれるような生き方を――これからも選び続けると誓うわ、ミルラ」)
 挨拶をした時に、あれの好きな歌を知らんのだとミカヤは言った。今ならきっと凱歌だと言うだろうなと、老霊査士が微笑んだ。泣く代わりに。
 立ち上がった吟遊詩人の歌は、凱歌に変わり。
 凱歌が響く花野の中で憩うラシュア。
 暮れ行く空の果てを望んでポーラリスは立ち、冒険だけではなく人生そのものが戦いだ。死が不意に目の前に来る事もあるだろうが、怯み臆する事無く進んで行くのだと、部隊で得た誇りを再認する。
 人はその強さを持ち得るのだと教えてくれた者達へポーラリスが黙祷を捧げていると、赤の中に立つミカヤと目が合い、天涯花が零れそうな崖の上に立つ老霊査士へ、ポーラリスは深く頭を垂れた。
 
 年端もいかない少女が戦いに身を投じねばならない程、世界は争いに満ちている。それは揺ぎ無い事実だ。戦い、人は死に続ける。ならば逝ってしまった者達が暗い路の中で迷う事の無いように、標は多い方がいい。
 在りし日を思わせてルニアが灯すホーリーライト。
 遍く人々にグリモアの輝きが届くようにと青年は祈り。
 ああ、花は咲き続けているのかと光の中でジェルドが微笑む。
 アリギエルもまた聖なる光が照らす花冠の世界を見遣る。
 私もいつか道を見失い……大切な者を喪い、そして迷う事があるだろう。それでも……歌を、言葉を、求める己をきっと止める事など出来やしない。
 息絶えるその瞬間まで私も戦っていたい。
 死の恐怖に打ち勝ちたい。
 それこそが、命が奏でる最も美しい凱歌なのだから。
 
 あまねく人々――泥と苦悩に塗れて足掻く人々こそ、凱歌と共に。
 歌と音色と光に乗って、祈りは空――迫る夕闇の向こう側へ溶けて行った。


マスター:中原塔子 紹介ページ
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参加者:38人
作成日:2005/11/09
得票数:戦闘1  ダーク7  ほのぼの38 
冒険結果:成功!
重傷者:なし
死亡者:なし
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