ボギーの誕生日 〜おいでませ蜂蜜品評会☆



<オープニング>


●初めての蜂蜜
 流れる黄金。
 匙でくるりと混ぜればたちまち細かな気泡を孕み、光を当てればきらきらと輝いて。
 ひと匙口に含めば楽しい甘味と華やかな香りがぱあっと広がり、目の前に広がる世界が光に満ちた。
「く、口の中がお祭りのパレードなのですよっ!」
 小さなボギーは大きく瞳を見開いて、幾度も幾度も瞬きをした。
「ふふ、これは蜂蜜……ミツバチが花の蜜を集めて作るんですの」
「ミ、ミツバチさんがですかっ!?」
 藍の瞳を楽しげに細めた少女の言葉は、小さなボギーをひどく驚かせた。
 あんなに小さなミツバチがこんなに素敵なものを作るなんて。
 それなら――いつか自分も素敵なものをたくさん採って、素敵なものをたくさん作ろう。
 ミチバチにだってできること。
 きっときっと、自分だって広い世界の色んなところで素敵なものが見つけられるはず……!

 それは何年も前のこと。
 小さなボギーの心に、まだ見ぬ世界への憧れが生まれた日の話。

●おいでませ蜂蜜品評会☆
 ハニーハンター・ボギーはその日酒場へ足を踏み入れた途端、「あ」と声を上げた藍深き霊査士・テフィンに笑顔で手招きされた。
「丁度よかった……お願いがありますの、ボギー様」
「何ですか〜?」
 特に根拠は無かったが何となく楽しそうな予感がして、ボギーはリス尻尾を揺らしながらテフィンのテーブルへ向かう。その予感は、当たっていた。
「ある村で蜂蜜品評会、つまり皆で色んな蜂蜜を食べよう会があるのですけれど……そのお手伝いに行って頂きたいんですの」
 ボギーはテフィンのテーブルに飛びつき身を乗り出した。
「い……行くですよ行くですよ! って言うか万難を排してでも行くですよ! って言うかどうかボギーめを連れて行ってくださいテフィン様!!」
 噛みつかんばかりの勢いで迫られたテフィンはそれでも笑みを絶やさなかった。どうやら今日は機嫌がいいらしい。
「ふふ……ボギー様のお誕生日もそろそろですし、お気に召した蜂蜜があればプレゼントさせて頂きますの」
「…………っ!」
 喜びのあまり、一瞬ボギーの魂が抜けそうになった。
「ただ先程も言いましたけれど、お手伝いをしてさしあげて欲しいんですの。品評会が行われる村で、蜂蜜を出品する様々な養蜂家の方から蜂蜜壷をお預かりしてたそうなのですけど、どれが何の蜂蜜がわからなくなってしまったのだとか……」
 似たような蜂蜜壷が大量にある上に、書付などもしていなかったらしい。
 どの養蜂家が何の花の蜜を出品するかはきちんと記録してあるのだが、どの壷が何の花の蜜か判別できない為、品評会の会場である村の広場に搬入できず困っているというのだ。
「養蜂家の方に見ていただくのが一番なのでしょうけど、それでは村の面子が丸潰れ……。誰か『利き蜂蜜』のできる人はいないかと相談を受けてましたの。ボギー様なら適任のはず……」
 無論ボギーは燃えた。ハニーハンターの名にかけて、これが燃えずにいられるだろうか。
「お任せ下さいなのです! ボギーが立派に『利き蜂蜜』をこなしてみせるのですよ〜!」
「ふふ、村の方達も喜びますの。品評会では客として、普通に蜂蜜や蜂蜜菓子や蜂蜜料理食べ放題ですから……『利き蜂蜜』、頑張ってくださいましね」
「はいです! 『利き蜂蜜』の後は食べ放題! まさにボギーの楽園なのですよ〜!!」
「折角ですし冒険者の方々もお誘いして、皆様と……楽しみましょう?」
「もちろんですよぅ!」

 珍しく平和に意見の一致を見た二人は、酒場に居合わせた冒険者達へ早速誘いの言葉をかけ始めるのだった。

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参加者
NPC:ハニーハンター・ボギー(a90182)



<リプレイ>

●優しい世界
 今日の空は秋晴れで、雲ひとつない空の色は勿忘草みたいだと思ったのです、確か。
 何で「確か」なのかと言うと。
「これで良し!」
「うわぁ〜、とっても立派なのですよぅ!」
 蜂蜜を集めた蔵の前にレイチェルさんが「利き蜂蜜大会開催中」と大きく書いた看板を作ってくれたから。絹のテントを惜しげもなく切り裂いて作ってくれた看板が凄く印象的で、見ていた空の色が吹っ飛んでしまったのです。
「お誕生日おめでとうですの〜♪ そして利き蜂蜜もおめでとうですの♪」
 口をあけたまま看板を見てたらエルシーさんに声をかけられました。夢見るような笑顔でふわふわの青い髪を揺らし、いつもみたく歌うように言ってもらえてボギーの心もうきうきです。
「ボギーさんお誕生日、おめでとぉ……♪」
「これからの一年が更に楽しく、笑顔多きものでありますように……」
 いざ蔵に入ろうとしたら何とメイフィルフィさんがお花を撒いてくれて、ファオさんがボギーにプレゼントを! 花と一緒にふわりと舞うメイフィルフィさんの髪や羽、そして笑顔がとても素敵で、頂いたチョーカーはまるでファオさんの優しさみたいに暖かで柔らかな蜂蜜色。いきなり幸せです。
 看板をくぐって蔵に入ると、そこはお宝満載でした。
 どこを見ても蜂蜜壷だらけ。何ですかこのボギーの楽園はっ! とか思ってたら、やっぱり蜂蜜に瞳を輝かせていたネミンさんが駆け寄ってきてお祝いを言ってくれたです。
「蜂蜜たくさんで最高の誕生日になりそうですね〜v」
「ボギーにゅ、蜂蜜らぶ仲間として一緒にお仕事しようにゃぁ♪」
 イヴさんもボギーをぎゅーしてそう言ってくれて、早速利き蜂蜜の開始。蜂蜜を舐めて蕩けるような笑顔になるお二人は相当な蜂蜜通とお見受けしました。頼りにしてます!
「……後は、任せた……。ボギー、頑張れ」
 拳を握りつつお二人を見送っていたら、アルムさんにぽむと肩を叩かれました。味の差は分かるけど何の花なのか分からないとか。でもボギーはアルムさんが研究熱心で鋭い観察眼をお持ちなのを知ってるです。きっとすぐ蜂蜜もマスターされるはず!
 パフィシェさんは辺りの蜂蜜壷を味見してとったメモを見せてくれました。それぞれの特徴が細かく袖に書き付けられてます。折角の服が勿体ないのですと言うと、「紙だと散乱しそうで……」と何でもない事のように微笑まれました。常に何事に対しても真摯で、とても素敵です。
 お二人がラベルを壷に貼って下さるので、ボギーは気合が入ってる様子のマシロさんと利き蜂蜜。きらきらの蜂蜜を見ているとマシロさんに顔を覗き込まれました。
「コート、気に入ってもらえましたか? 襤褸雑巾になるまで使ってやってください!」
「はいです!」
 あったかなマシロさんがくれた蜂蜜色のぬくぬくコート。
 でも大事にするから襤褸雑巾になんかなりません。ずっとずっと着るですよぅ!

 蜂蜜を試すアスティアさんの真剣な眼差しに、ボギーもごくりと唾を飲み込んでしまいます。
「ん、確かに微妙に違いますね。こっちの方が蓮華でしょうか……」
「正解ですよぅ!」
 ボギーは蓮華の方がほわわーとしてるですと言う変な説明しかできなかったのに凄いです。そしてボギーはテルミエールさんに口直しの水をもらって隣の壷に挑戦。ちょっと「むむ」と悩んでしまったですが、わかりました。
「向日葵蜜です!」
「やっぱりボギーさんはボギーさんですね」
 思わず叫んだらテルミエールさんが笑ってくれました。それこそ向日葵みたいに。
 向こうではギィさんが利き蜂蜜に挑んでいて……辺りの壷を散々試して一言。
「ん〜……、よしっ! 判ンねぇっ!」
 思わずずっこけたですが、ギィさんがあんまり明るく笑うからボギーも笑ってしまいます。そして天真爛漫な笑顔で「誕生日おめでとう」と言ってくれたので、何だか心がほわほわに。
 えへへ、と笑ってたら「この蜂蜜少しピリっとしたよ〜」とオージさんの声が。行ってみるとユーリィさんが「これ、葱だよね?」と匂いを嗅いで言ってくれます。ボギーが味見をしていると、
「ボギーくん、アレ喜んでくれるかなぁ?」
「大丈夫! 僕が丹精こめて彫刻したからネ!」
 小声が聞こえちゃいました。彫刻って何でしょう、ドキドキです。ちなみに蜂蜜はやっぱり葱でした!
 リュウさんは次々と蜂蜜壷を制覇していきます。ボギーも負けていられません! でも、
「ボギーさんと一緒だといつも美味しい物が食べられるね!」
 という言葉が嬉しかったのです。喜んでもらえて良かったです。
 ふと後ろを振り向けば、ミヤクサさんが蕎麦蜜を発見してました。
「蕎麦蜜は美容にいいと言われてるらしいですよ」
 その何気ない呟きに女の人達の視線が一斉に蕎麦蜜へ。皆さん綺麗な人ばかりなのに……それ以上美人になったらボギーの目が潰れちゃうですよぅ!
 あわあわしているボギーの背中を叩いて落ち着かせてくれたのはアーケィさん。
「花と蜜蜂に感謝しなくちゃ。そしてそれを追い求めるボギーさんが居て、誕生日を迎えたことにも、ね」
 どうしましょう。こんなこと言ってもらったら余計にあわあわするのです。
 なのでアズフェルさんへの説明もあわあわでした。
「えと、香草の蜜は鼻にスーっと抜けるです、ハーブの香りがっ!」
 そんな説明をアズフェルさんは優しく瞳を細めて聴いてくれて
「じゃあ……これはタイムか?」
「当たりですよぅ!」
 何と一発正解。アズフェルさんは「やったな」と笑ってボギーを撫でてくれました。でも当てたのはアズフェルさんですよ?

 皆さんのおかげでさくさくと蜂蜜鑑定が進んでいきます。けど最後に難関、『五月の野山の蜜』と『六月の野山の蜜』が残ってしまったのです。
 こんなのボギーでもわかんないですようわああんっと泣いてたら、ティキさんが味を見てくれました。
「蜂蜜も奥が深いな……ん、こっち少し栃が入ってるか?」
 左の壷は栃が混じってますがあとは野山の花の混合なのでわかんないですとボギーが言うと、ティキさんが「ここらの栃が咲くのは六月だな」って!
 やりました! これで利き蜂蜜が完璧に終わったのです!
「おめでとうなぁ〜んっ♪」
 リュリュさんが思いっきりぎゅ〜っとしてくれました。温かでいい匂いで「ボギー君成長もいいけどこのままが最こ……って駄目なぁ〜ん」とかいう呟きが聞こえて激しくドキドキでしたが、とても幸せな気持ちになったのです。

●暖かな世界
 蜂蜜品評会が始まりました。
 勿忘草色の空の下、品評会が開かれている村の広場でボギーが最初に見つけたのは、今日の空を映したような瞳のニューラさん。卵黄と蜂蜜にラム酒を混ぜ、珈琲を注ぎクリームを飾る『カフェ・ウフ』を作ってらっしゃいます。
 凄くいい匂いがしたですが、お酒入りだから大人の楽しみ。でもニューラさんは「眠れない夜にいいですよ♪」と蜂蜜入りカモミールティをくれました。ハニーディスペンサーと蜂蜜スプーンまで。
 これで品評会に行ってきます!
 うきうきしながら会場を歩いてると、むっつりした表情のセリオスさんをお見かけしました。
「うむ……やはりこれは蜂蜜に限る」
 紅茶に大量の蜂蜜を注ぐセリオスさんに皆驚いてますが、ボギーは納得です。どことなく満足げなセリオスさんを見ていると、目の前に大きなケーキが差し出されました。
「お誕生日おめでとぉございますぅ。アスティナの作ったケーキも食べてくださいねぇ〜」
「この度はおめでとうですよ〜」
 アスティナさんがお手製レモンヨーグルトムースケーキをくれて、リオネアさんが仕上げなのだよぅと蜂蜜をかけてくれたのです。ケーキはとても爽やかでふんわり甘く、まるでお二人自身のよう。お礼に蜂蜜飴を差し上げたら、お二人は顔を見合わせにっこり笑ってくれて……嬉しかったですよぅ。
 次には何と熱々ハニードーナツをもらえちゃいました。
「口に合うかどうかわからないが、食べてみてくれ」
 いえあの、この美味しそうな匂いだけでもボギーは倒れそうですサードムーンさん!
「ハニードーナツ、蜂蜜たっぷりのハニードーナツ♪」
 エスティアさんなんて美味しさのあまり歌いだしちゃってますし、ジェイダイトさんも至福の表情でドーナツを頬張ってます。勿論ボギーも幸せです。サードムーンさんは喫茶店で使う蜂蜜をお探しだとか。良かったらボギーに選ばせて下さいなのです!
 そしてオキさんが物凄いのを下さいました。中にアイスをたっぷり詰めた大きなパンをからりと揚げて、上からきらきら蜂蜜を!
「お誕生日おめでとうございます。きっととっても美味しいですよ〜v 」
 あああ当たり前なのです。美味しくないわけないのです!
「これから先も、貴方が元気で過ごされる事をお祈りしております」 
 あまりの凄さに魂が抜けかかったボギーに、優しい笑みで飲み物を下さったのはハルさんでした。しかも先日のお茶会で差し上げたどんぐりコーヒー。使ってくれて嬉しいです。

「オリエさんあれもおいしそーです!」
「うふふ、わたしが食べさせてあげようか」
 ラブラブさん発見と近寄ってみれば、チェリートさんとオリエさんでした。オリエさんが差し出すお菓子をチェリートさんがぱっくりと。羨ましいですーと見てたら、
「ボギーさんおたんじょうびおめでとーなの!」
 春の妖精みたいなチェリートさんがだっきゅりしてくれて、空の女神みたいなオリエさんが蜂蜜とハーブをまぶして焼いた鶏肉を食べさせてくれました!
 祝福をもらって歩いていくと、豚スペアリブを食べるランブルさんが。塩胡椒とニンニクをすりこみ、トマトとオレンジと蜂蜜をまぶして焼いたそれはボギーも好物です! 目が合うとランブルさんは目を細めて口の端を上げ、「……誕生日おめでとう……」って! お勧めの蜂蜜を聞かれたので、張り切って推薦してみました。
「お料理も楽しみだけど、ボギーさんの誕生日の事があるから楽しみつつね」
 聞き慣れた声がしたので振り返ってみると、悪戯っぽい笑みを浮かべたサカエさんが綺麗な包装紙で何かを包んでます。
「気合を入れて包まねばのう」
 ジズさんは真珠みたいな光沢のリボンをハサミで切って……るだけなのにどうしてマッスルチャージを発動してるんですかっ!?
 何だか色んな意味で見てはならない物を見てしまった気がして、そっと踵を返しちゃいました。
 すると「お誕生日おめでとう」とウピルナさんが籠いっぱいの花を差し出してくれて。
「これからも……挫けず、頑張ってね、色々と……」
 何か気になる様子でちらちらと横を見るウピルナさん。その視線の先には蜂蜜酒を抱きしめたテフィンさんの姿。ど、どういう意味ですかウピルナさんっ!? 
 意味深な言葉を残して去る彼女を追おうとして、ボサツさんにぶつかってしまいました。ボサツさんは気にしてない様子の笑顔で「おめでとうなのだよ」と言って下さったですが、ボギーは気になってたまりません。だってボサツさんの顔には絵の具で描かれた立派なヒゲが!
 あれは間違いなくアデイラさんの絵の具、一体何があったのでしょう?

「14歳の誕生日を祝って……乾杯」
 見覚えのある翡翠色の髪を見つけて駆け寄れば、ファルクさんがお祝いの用意をしてくれていました。息を切らしたボギーに冷たいお茶を差し出し笑ってくれるので、ボギーもやっぱり笑顔になります。
「いい子には贈り物があるわよっ」
 マーガレットさんはそう言って……ボギーではなく肩のクマにシルクハットを!
「さあボギー『うわあああん』って言ってごらん」
 満面の笑みでそう続けられボギーはほんとに泣きそうに。けどふんわり笑ったリラさんが桜の意匠の術手袋を嵌め、諌めてくれました。
「それ位になさらないと……消し炭に……しますよ?」
 リラさんの術の威力は折り紙付で、流石のマーガレットさんもこれには真っ青。でも後で蓮華の種をくれて、リラさんは蝋燭を立てたケーキをくれたのです。
「目を瞑って、手を出して♪」
「はいです!」
 いつの間にか後ろにいたセイルフィンさんに言われ、ボギーは確り目を閉じました。そっと握らせてもらったのは綺麗な色した蜂蜜入りの小瓶。ワイルドファイアの蜂蜜だそうです。これは食べたことがありません!
 お菓子を齧りつつ未知の蜂蜜をまじまじと見ていると、突然セトさんに頬をぺろりとされました。どうも菓子屑がついてたみたいなんですが、
「ふふっ、変わったプレゼントかな?」
 あわわわ。どうしましょう、ほっぺが熱いのですよぅ!

 何だか世界が橙色になったような気がして「ボギーの顔が赤いからですかっ?」などと思ったですが、実は日が傾きかけていました。楽しい時間はあっと言う間に過ぎてしまいます。
 人垣を見つけて覗いてみれば、輪の中でマイトさんの舞が始まっていました。先程お菓子を食べて微笑んでらっしゃる所を見たですが、今はとても真摯な表情で。
 紡ぎだされる凛とした「静」と鮮やかな「動」。その合間に空間を震わせる弓弦の響き。
 ボギーは引き込まれるように舞に見入っていたのですが……
「14回目の誕生日、おっめでとー!」
 ジュースとお菓子を抱えたクリスさんに捕獲されました。
「今度蜂蜜採りの探検行こうぜっ! どっちが沢山採れるか競争だぞ、てか今から行くぞー!」
 魅力的なお誘いですがもうすぐ夜ですどうしましょう、と思いながら引きずられるボギーの前に、キュオンさんとニノンさんが颯爽と現れました。
「ボギーを連行……基、連れて行くよ」
「拉致らせてもらうなぁ〜ん」
 え、また連れ去られるですかっ!?
 今度はお二人にがっちり掴まれ引きずられます。けどキュオンさんが「おめでとな♪」と撫でてくれたのがくすぐったくて嬉しくて。
「セーラさんが……大事なお話があるって呼んでるなぁ〜んv」
 そしてニノンさんの意味深な囁きが気になってたまりません。

 連れて行かれた広場の隅は、蜂蜜色の光に満ちていました。
 茜色の陽射しと黄色のホーリーライト。二つの色が溶け合って、どうしようもなく綺麗です。
「お誕生日おめでとうございます。旅団の皆で協力して作りましたの……受け取って下さいまし」
 銀の髪と真白な翼を蜂蜜色に染めて、セーラさんが小さな箱をくれました。
 サカエさんとジズさんが包んでくれた箱の中には、甘い甘い……蜂蜜の香りの石鹸が。よくよく見ればボギーの形に彫刻されています。勿論クマ付きで!
 驚いて顔を上げてみると、いつもボギーを笑顔で迎えてくれる人達が顔を揃えていました。
 合図もなく皆さんの口から流れ出たのは、誕生日の歌。

 辺りを照らす光は蜂蜜色。そこには蜂蜜がいっぱいで、大好きな人達がいっぱいです。
 だから。

「ありがとうございますです。これからもよろしくなのです!」
 ボギーはいっぱい泣きながら、たくさんたくさんそう言いました。


マスター:藍鳶カナン 紹介ページ
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参加者:47人
作成日:2005/11/16
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