<リプレイ>
●ワインのお風呂 「なぁ……ところでコレって、ワイン風呂にワインを入れないで待ってれば、そのうち見えるようになるんじゃねえの?」 問題の温泉に着くなり、永遠の成長途中・リューラン(a03610)が根本的な部分に突っ込む。 すると……ユイノが、チッチッ…と人差し指を立てた。 「それは無理みたいよ……なんたって、最新の『手動』浄化技術で、ワインの成分を損なう事なく浴槽に戻してるって言ってたもの。それに、貴重なヌーヴォーが勿体ないし…」 それって……と誰かが言いかけたが、あまりの力説ぶりに思わず躊躇。依頼人の利益を損なわないことも仕事のうちなのである。 「それにしても、ワイン入りとは何となく優雅な印象ですね、こんな事件が無きゃ、ゆっくり浸かりたいものですが」 エンジェルの武人・クリシュナ(a19473)が呟く。さすがに怪物のいる湯に一緒に入るのは抵抗があるらしい。その一方でルビー(第二階級智天使・ルビーネリア(a17958))はあまり気にしていない様子。 「最近寒くなってきましたからぁ。ゆっくり温泉に浸かっていきたいですねぇ〜」 「おっんせん、おっんせん♪ けどヘンなのが住み着いているんだよね……。早く退治して温泉入りた〜い!!」 『温泉』の言葉に反応し、笑顔の滅壊天使・リヴァ(a32814)も叫ぶ。さらに白夜の医術士・グレイ(a09592)に至っては、この為に季節外れの今、水着を新調したという凝り様である。 が、酒になど興味がないと言う因果地平の使者・スラー(a37663)を始め、飲まない(飲めない)面々が多いのだから致し方ない。 「そんな事より…ふざけすぎだな。モンスターだとしたら、つまりは元冒険者……まったく呆れてモノが言えん」 「…まったくだぜ。さっさと済ませて温泉を楽しみたいところだよな?」 強く頷くリューラン、そして囮役の雲色の飛翔脚・レスタァ(a32114)。たしかにその通りだが、それは…皆との連携次第である……。
●熱闘温泉 そんな訳で、まずは全員施設内に入る為に水着に着替える訳なのだが…、 「生憎、水着の持ち合わせが…」 と告げる蒼狼の剣匠・アーサー(a25664)。レンタルもあるにはあるが、一般的な例に漏れず、彼女のように見事な肢体の持ち主では、なかなか合うものが見つからない。ただし水着を着るかどうかは自由な訳で、入れないという訳ではない。 「そうですか。では囮は辞退しまして…近くで皆さんを支援する事に致しましょう」 結局アーサーは、若干小さめの水着に、無理やり収め…さすがに健全な男子諸兄には目の毒と、その上に大きな布を巻いておく事に。 そんなアーサーの肢体を熱っぽく見つめ、セイレーンの吟遊詩人・ネンヤ(a36532)などは… 「素晴らしいお身体をしていますのね…」 と、思わず指を伸ばしそうになるが、本来の務めを思い出し、辛うじて踏み留まっていた。
「ふみゅ。えと…ボクは……うん、囮合格っぽいにゃ♪」 ウェストの辺りのお肉を確認しながら自分を納得させた『とらんじすたぐらまー』…突撃詩人・ヴァーミリオン(a33394)。彼女も規格外らしく、アーサーほどではないにせよ水着はキツめ。だが、まあ湯に浸かってしまえば見えなくなる事からと囮は強行。 同じスポーツ水着のリューランや水着の他に首輪(これだけは譲れない)のレスタァ、そして青いシンプルなワンピースタイプのクリシュナ、白のビキニに腰布を加えたリヴァらと共に、腰にロープを巻き、静かにワインの湯へと身体を沈めていった。 「ふぅ〜」 思わず安堵の息を漏らす一同。怪物のことを別にすれば、ワイン風呂が心地好いことに変わりはないのだから。 「そう言えばワインのお風呂というのは、効能的には、皮膚のたるみを引き締めたり、新陳代謝を促進して疲労回復にも効果が有る様ですね」 恐る恐る沈みながらも、どことなく解説口調のクリシュナ。 そして…、レスタァやリヴァは内心では襲われない筈と高を括り、まったりと湯を愉しんでいる。 「どーせ、ボクはぺたんこですよー。別に気にして無いけど…」 と。しかし、世の中はそうそう甘くはない。 「ふみゅっ!」 「な、何か…来たっ!?」 リヴァとレスタァ、2人の胸元を滑るように通過する影。2度3度と、まるでボリュームを確認するかの様。その都度、水着越しにも嫌な感触が胸の先を伝う。 「ちっくしょー」 破鎧衝の衝撃やデンジャラススイングで投げ飛ばそうと試みるも、ぬめった体はそう簡単にはいかない。やはり一瞬なりとも確実に止めないと! 逆に向こうは調子に乗ったらしく、今度はそのままヴァーミリオンの方へ。 むにょんっ… いきなり滑るように懐に入り込むと、その豊かな胸に体当たり。たしかな弾力を愉しんでいるようだった。 「ひあっ! さ…さわるなー! 破廉恥やろー!」 が、ここで逃げては何もならない。気色悪いのもさることながら、下唇を噛み、必死に耐えていた。 そして更に、残るもう1体はと言えば、当然のごとくリューランを……。 比較的、露出の少なめな水着を選んではいたものの、敵もさる者。布地のない、お腹の辺りから腋と、微妙なタッチでぬめった体を擦り寄せる。 「ひっ、く…くすぐった……」 そうこうしているうちに甘くなったガードの隙を縫って、メリハリのあるボディと布地との境をちろちろと……。 「ふっ…ふざけるなー!」 必死に逃れようと試みるも、声にも身体にも、どうにも力が入らないリューランだった。
一方、警戒しながら足を伸ばしたクリシュナの元では、その足先にの足先に何かが触れる。 にゅるっ…… 「…! い、今何か……!?」 そこからツツーッと擦りあげるように、体を寄せながら泳ぐソレ。その感触たるや、筆舌に尽くし難い。 「ひあっ!」 腿をなぞりあげるように滑ると、今度は一層妖しい感触がクリシュナを襲う。…妙な生き物の舌、だろうか。どうやら水着の生地の部分を避けるように、脚に固執しているようだった。 「おのれっ!」 あまりの感触に怒り心頭のクリシュナが、湯船の脇に置いておいたトライデントに手を伸ばす。そして、軽く振り上げるとスピーディーに湯の中へ…。 ザクッ!! 「いけませんっ!」 「クリシュナさんっ…」 まさか……!?
●くたばれ! 猥褻系! ガツッ!! 湯の中の生き物に鉾先が突き立つ寸前、柄の端にアーサーの剣の切っ先が叩きつけられた。 その為に鉾の狙いは大きく逸れ、何もない岩肌に軽い傷を穿った程度。さらにリヴァがそれを押さえた。 「血を流しちゃダメって言われたでしょ!」 「危ないところでした……」 皆が声を揃える。 「……すみません。つい動転して」 この代償は彼女にとって、大きなものとなった。…そう、敵が身体に吸い付くまで、とにかく耐える事である。 だが、さすがに相手も警戒しているらしく思うようにはいかない。 そうこうしているうちにヴァーミリオンの方で動きが。 彼女の豊かな胸にペタリと吸い付く敵。 「はっ、あん……ひ、ひっぱれ! かめらーど!」 予想だにしなかった感覚に襲われながらも、懸命に声を絞り出し…、それを待ち受けていたグレイが、一気にロープを引っ張る。 ヴァーミリオンの身体が、ワイン色の妙な生物と共に跳んだ。 「チャンスですぅ〜」 珍しくルビーが叫ぶ。が、こんな口調なだけに、タイミングが合っているのか、いないのか……? ともかく、彼女の杖から『風』が巻き起こり、ヴァーミリオンの胸に吸い付くソレを引き剥がした。 しかし、ソレはただ吹き飛んだ訳ではなく、新たな標的としてスラーの胸のふくらみに狙いを定め、宙を泳ぐようにそちらへ向かう。 ××××××! よほど身体に触れられるのが耐え難かったのだろう。スラーの唇から、『少々』過激な言葉が飛ぶ。 そして咄嗟に構えた弓から、侮蔑の視線と共に電光の矢を放ち、醜悪なソレを貫いた。
その直後、 「ストライダーの牙を、ナメんな!」 1匹目が倒れると同時に、リューランが叫ぶ。くすぐったさに耐え兼ね、手ではなく歯で捉えるつもりのようだった。 身体を捻って相手を水面ギリギリまで誘導しようとするが、上気した肌が見え隠れするそれは図らずも色っぽい。 それでも何とか捉えようとした瞬間、ソレが頭をもたげて長い舌を震わせた。 「きゃっ!」 意外なほど女の子らしい声。さすがにこんなモノと口付ける気はないらしい。 が、その拍子にソレも驚いたのか、半身が水面を飛び出し、 「あとは任せろ!」 と、狙いすましていたレスタァが一気に間合いを詰め…そして、 「…まったく羨ましいことして〜!」 キケンな叫びと共にレスタァが放った破鎧衝により、ソレは湯の外へと派手に吹き飛び、アーサーの電刃居合い斬り、そして雪辱を晴らすリューランのワイルドラッシュによって完膚なきまでに叩きのめした。
そしてさらに…、 「もういっちょー!」 吹き飛んだタイミングと前後して、リヴァも叫んだ。 犠牲を余儀なくされたクリシュナが、脚の付け根辺りを這うソレを瞬間的に挟み込んだ。 「……くっ!」 挟まれながらも、のたうつソレに否応なく反応させられてしまうクリシュナだが、幸いにも動きを止めた故に、リヴァが一気にロープを引き上げるよう合図をしたのだ。 再び引っ張るグレイ。しかし、完全に吸い付いた訳ではない故に、開いてしまった脚の間から零れ落ちる。 「逃がさないよー♪」 だが、それを予想していたリヴァが、落ちてくる所を捉えて、デンジャラススイング! 見事に外……いや正確に言うなら、外にいたグレイの水着の中へと弾き飛ばしたのだった。 「○×△□@※〜!? 誰か助けてください〜」 ピョンピョン、ドタバタと走り回るグレイ。あらぬところにソレが接しているのだから無理もない。 が、そのうちにポロッと零れ落ちた所を自ら緑の突風で払い、エンヤが眠りの歌を奏でる。 ピューッ!! しかし、その程度で眠りに落ちる敵ではなく、それどころか、元気に転がりながら水流を噴出。ネンヤの肌に打ち身のような痣を残した。 「痛いですわ……」 穏やかな口調の裏に静かな怒りを込め、華麗なる衝撃を放つネンヤ。次いで、 「まだ足りないかも知れませんねぇ〜。そろそろモンスターさんもお休みしてくださいねぇ〜」 と、念のためにルビーが最大火力を誇るエンブレムノヴァを撃ち、最後の1匹も、跡形なく片付けたのだった。
●堪能! ワイン風呂 「意外とあっけなかったですわね…」 青く残った痣を擦りながら、ネンヤが呟いた。 「所詮はキワモノ…ってことなんじゃない?」 と、リヴァあたりはあまり気にもしていない。寧ろそんな事よりも気分は『温泉〜♪』なのである。
ま、それについては皆、特に異論はない訳で……改めて、皆でワイン風呂に浸かることに。幸い…というか、女性たちも1人を除いては『混浴』に抵抗もないらしく…、 「混浴とは言っても水着があるわけですから、特段恥ずかしがる必要はないのではないでしょうか?」 と、あっさりした様子。しかし、それでも唯1人、見られる事に若干のトラウマを持つユイノだけが抵抗を見せる。仕事的には何の役にも立ってないようなのは、たぶん気のせいだろう。 「ユイノさんが恥ずかしがっているのは、凄い水着でも着るからではありませんか?」 と、人一倍キワドイ水着のアーサーが尋ねた。が、そう言われては何も言い返せず……しかも、ワイン風呂への興味は人一倍なのだから、大人しく観念するしかない。ちなみに、水着は極めて普通のモノである。 「ふはぁ…、気持ちいい〜♪」 そんなこんなで結局、若干の複雑な気持ちを含みつつも、皆で和気藹々とワイン風呂を堪能。20歳以上のリューラン、ネンヤなどはグラスのヌーヴォーまで頂き、満悦である。 「舌だけでなく、肌でもワインを堪能できるたあ、いいもんだなこりゃ」 「そうでした。リゼルさんへのお土産を買わないと…」 「いいなぁ…僕はまだ飲めないけど、次の誕生日までのお楽しみにしようっと」 ふと思い出したように言うネンヤの台詞を聞き、レスタァもお土産にすることに決めた。 「ユイノさぁ〜ん♪」 むにゅっ……!? 「…きゃぁっ!!」 背後から、いきなりユイノの胸を鷲掴みするルビー。これも1つの『お約束』というヤツである。 平和の戻ったワイン風呂で、冒険者たちはいつまでも疲れを癒していた……。
【終わり】

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参加者:10人
作成日:2005/11/30
得票数:コメディ8
えっち20
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冒険結果:成功!
重傷者:なし
死亡者:なし
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