<リプレイ>
●絶倫X 「……盗賊達が偽物を売るゆう根性が許せまへんなぁ。どう考えても詐欺をするのは、あきまへんえ……」 絶倫Xの類似品が出回っているという噂を聞き、恋する女将・ヴィオラ(a31688)が冒険者であると気づかれないようにするためメイド服姿で店をまわる。 「僕は飲んだ事がないけど、偽物はマズイんですよね。一応、胃腸の薬を買っておきましたから、念のため飲んでおきますか?」 事前に手に入れておいた胃腸薬を配りながら、七色の音階・クロウ(a38657)がニコリと笑う。 偽物を回収してまわっているのが、クロウ以外は女性のため、少し緊張した表情を浮かべている。 「そんな事より、お姉さん達に如何わしい事をされないように注意しておきなよ。うちには絶倫Xの影響がなくても、襲ってくる人がいるからね」 苦笑いを浮かべながら、海原よりうまれし天空・パライバ(a36869)がクロウの事をからかった。 「ちょっと! それって、どういう意味だい! それじゃ、あたいが年中モンモンとしているみたいじゃないか!」 途端に魅惑の谷間・ドーラ(a90075)がムスッとすると、パライバにむかって文句を言う。 「……って言うか、ドリンクを飲みながら言う台詞じゃないと思うけど。しかも絶倫Xとはまったく関係ない栄養剤を飲みながら……」 呆れた様子でドーラを見つめ、パライバがクールなツッコミを入れた。 「ちょっと勘違いをしただけじゃない! し、下心なんてないんだからっ!」 悔しそうな表情を浮かべ、ドーラが気まずく言い訳をする。 「へぇ……、勘違いをしてドリンクを5本も買ったんだぁ〜。別々の店から……」 面白がってクスクス笑い、パライバがドーラに嫌味を言う。 ドーラが熱心にドリンクを選んでいた事は知っているため、ちょっと意地悪したくなったらしい。 「まぁ、いいじゃないか。クロウ君が襲われる事は、予定に入っていたわけだし……」 顔を真っ赤に染めながら、ドーラがコホンと咳をする。 「……っていうか、さらりと危険な事を言わないでくださいよ」 身の危険を感じたため、クロウがパライバの背中に避難した。 「さらりと言わなきゃ、怒られるだろ!」 不機嫌な表情を浮かべ、ドーラが頬を膨らませる。 「さらりと言っても怒りますっ! ……まったく油断も隙もないんだから……」 色々な意味でドーラの恐ろしさを理解し、クロウが彼女と離れて行動した。 「一応、ラベルを見る限り、偽物はこれだけみたいですね。他のドリンクはどうしますか?」 ドーラの店に案内された後、半人前の船長さん・リディア(a18105)が絶倫Xをテーブルの上に置く。 彼女の店にはふかふかのベッドが置かれており、甘ったるい香水の匂いが漂っている。 「ラベルを見ただけで分かるような偽物を盗賊達が作るわけないだろ。ちゃんと飲んで確かめてみなきゃ、話にもならないよ」 含みのある笑みを浮かべ、ドーラが妖しく肩を抱く。 調査の結果、絶倫Xは16店舗で売られており、そのうち数点が明らかな偽物で同じ商人から買ったものらしい。 「そ、そうですね。飲んでみなきゃ……、分かりませんよね」 ドーラの大きな胸に心をキュンと奪われながら、リディアが恥ずかしそうに小さくコクンと頷いた。 物凄く身の危険を感じているが、ドーラのターゲットがクロウと聞いていたため、ほんの少しだけ気が緩む。 「と、とりあえず、みんなで一緒に飲みましょう」 怯えた様子でドーラを見つめ、クロウがドリンクを配っていく。 必要以上にドーラと距離をおきながら……。 「よっしゃぁ〜、それじゃ飲んでみよお〜♪ バッチこい〜♪」 腰に手を当てニコッと笑い、パライバが胸を張ってドリンクを飲む。 「んぅぐんぅぐんぅぐ……ぷは〜♪ ん〜ん、マズ〜イ! もう1本〜♪」 青ざめた表情を浮かべながら、パライバが別のドリンクを飲み干した。 「よく、こんなモノが飲めますね……。何だか気分が悪くなってきました。少し休んできますね。……外で」 ドーラの瞳がキュピィーンと輝いたため、クロウが慌てて店の外に出る。 「……あれ? 行っちゃいましたね。まだドリングが残っているのに……」 目の前のドリンクを見つめ、リディアがボソリと呟いた。 「……ん、……な、なんや……体が熱ぅなってきましたえ……」 トロンとした表情を浮かべ、ヴィオラが火照った身体を押し当てる。 「何だか気まずい雰囲気になってきましたね。私も外に……あれ? 鍵が掛かっている」 入り口のドアをカチャカチャとさせ、リディアがダラリと汗を流す。 「うふふふふふふふふふふふふふ……、最後に飲んだドリンクはみんな本物よっ! 引っかかったわね!」 勝ち誇った様子で笑みを浮かべ、ドーラが服を脱いでいく。 「ひょっとして……罠?」 部屋の端まで追いやられ、パライバが悲鳴を上げる。 悶々とした表情を浮かべるヴィオラとドーラに狙われて……。
●商人に扮した盗賊 「絶倫Xを売っているのは君だね♪」 冒険者と気づかれないように黒いスーツを身に纏い、前進する想い・キュオン(a26505)が絶倫Xを売る商人と接触する。 商人は目をキョロキョロとさせ、辺りに冒険者達がいないか確認した。 「えっと……、ゼツ……リン……エック……ス……ミナルギン……? 売って下さいな〜ん」 手紙のメモを読みながら、前線医術士・アイリーン(a34682)がニコリと微笑んだ。 「きゃ、客か。それでいくつ欲しい」 ホッとした様子で溜息をつき、商人に扮した盗賊が本題に入る。 「そんなものじゃ足りないわ。……全部ちょうだい」 盗賊達の顔色を窺いながら、ノソリンに咲くランプランサス・ルシア(a35455)が口を開く。 「……何が言いたい。俺を脅しているのか?」 警戒した様子でルシアを見つめ、盗賊がジリジリと後ろに下がる。 「おっと……、ここで帰すわけには行かないんだ。……アジトの場所を教えてくれるまでね」 すぐさま盗賊の逃げ道を塞ぎ、忘却と喪失の狭間で揺れる狂気・バサラ(a36130)がニヤリと笑う。 「わ、罠か……」 自分が罠にはめられた事を知り、盗賊がチィッと舌打ちする。 「捕まえた♪ それじゃ、アジトを教えてくれる? 手荒な真似をしたくないからね」 いきなり背後から羽交い絞めにした後、ルシアが薔薇の香りを漂わせ、盗賊の耳元にふぅっと息を吹きかけた。 「ル、ルシアさん色っぽいなぁ〜ん……。わ、私も頑張らないとなぁ〜ん!!」 ウットリとした表情を浮かべ、アイリーンが拳をギュッと握り締める。 「それじゃ、話してくれるかな? アジトの場所を……」 粘り蜘蛛糸で盗賊の身体を拘束し、バサラがボソリと呟いた。 「し、知らん! この薬は俺が個人で売っているものだ!」 気まずい様子で視線を逸らし、盗賊が分かりやすい嘘をつく。 「ねぇねぇ、そんなに意地張らないで話した方がいいよ? あ、大声出しても、みんなやっつけちゃうから、ね?」 満面の笑みを浮かべながら、ルシアが盗賊の口にドリンクを流し込む。 「これでも話す気がないのなら、身体に聞くしかないんだよ。……この拳でね」 なかなか盗賊が口を割ろうとしなかったため、キュオンがわざと脅しをかける。 「わ、分かった! お、教えるよ! ……歓楽街にあるバーだ」 大粒の涙を浮かべながら、盗賊がアジトの場所を呟いた。 「もっと詳しく場所を教えて欲しいなぁ〜ん」 ドリンクの蓋を開け、アイリーンが盗賊に迫る。 「それなら隣に店がある。胸のデッカイ頭の悪そうな女がやっている店だ!」 激しく首を横に振りながら、盗賊が涙を流して答えを返す。 「胸のデッカイ頭の悪そうな女って?」 ……キュオンには心当たりがあった。 たったひとりだけ、キュオン達のよく知る人物が……。 「……まさかドーラって名前じゃないよね、その女?」 嫌な予感が脳裏を過ぎり、バサラが盗賊の顔を見つめて確認する。 「そ、そいつだっ!」 ハッとした表情を浮かべ、盗賊がニコリと微笑んだ。 「何で気づかなかったのかな、ドーラさん」 唖然とした表情を浮かべた後、ルシアが呆れた様子で溜息をつく。 絶倫Xの偽物はドーラの店の隣にあるバーで作られていた。 彼女の気づかれる事なく、ひっそりと……。
●盗賊団のアジト 「どうやら盗賊達のアジトは、ここのようですね〜」 昼間に訪ねた時は留守だったため、紅い閃光・レイス(a32532)が真夜中になってから裏口にあるドアをノックする。 「……誰だ」 ドアについている小窓を開け、見張り役の盗賊がレイスを睨む。 「ミナギルンを売って欲しいの。締め切り前で徹夜するから……」 絶倫Xを購入しにやって来た客を装い、嵐を呼ぶ魔砲少女・ルリィ(a33615)がニコリと笑う。 「店のヤツに聞いたら、ここで買えるって聞いたから……。売ってくれるだろ、例の薬?」 盗賊の顔色を窺いながら、不砕氷・レベッカ(a16288)がボソリと呟いた。 「あの野郎……。あれほど言うなといったのに……」 チィッと舌打ちした後、見張り役の盗賊がレベッカ達を招き入れた。 部屋の中では盗賊達が作業をしており、テーブルの上には調合に使用する薬草が置かれている。 「えっと……、お薬はどこですか?」 おろおろとしながら、月影に映える紫電の戦乙女・フレンディア(a27526)が口を開く。 「お前達……、本当に客か? ……怪しいな」 瞳をギラリと輝かせ、盗賊がフレンディアの胸倉を掴む。 「も、もちろん……ですよ」 苦笑いを浮かべながら、フレンディアが両手をあげる。 フレンディアが本気を出せば、簡単に盗賊達を捕まえる事が出来るのだが、それだと証拠を掴む事が出来ないため、わざと怖がり油断させた。 「欲しいものはこれだろ? つべこべいわず薬を寄越せ」 不機嫌な表情を浮かべ、レベッカが宝石の入った袋を渡す。 「まぁ、宝石さえ手に入りゃ、お前が誰だって構わないけどな。ほら、持って行けよ」 床板を外して偽の絶倫Xの入った瓶を取り出し、盗賊がいやらしい笑みを浮かべてレベッカの肩を抱く。 「……大人しく捕まってくれません?」 ウェポン・オーバーロードを発動させ、フレンディアがルナティックセイバーを呼び寄せる。 本当ならニードルスピアを撃ち込んで威嚇するつもりだったのだが、それだと狙いを外して撃つという事が出来ないため、仕方なく剣を使って威嚇した。 「な、何者だ、てめえらはっ!」 警戒した様子で短剣を抜き、盗賊達がまわりを囲む。 「世のため人のため、悪の野望を打ち砕く、仮面(まじかる)ルリリン! この魔砲の輝きを、恐れないのなら、かかってくるにょ!」 鎧進化を使って聖衣をスク水仕様のホノカースーツに変化させ、ルリィがウェポン・オーバーロードで【ハリセン】斬惚刀を呼び寄せる。 「……無駄な抵抗はやめた方がいいですよ。冒険者相手に勝ち目はないと思いますし……」 本気を出してしまった場合、盗賊達を殺してしまう恐れがあるため、フレンディアが警告まじりに呟いた。 「うぐっ……」 悔しそうな表情を浮かべ、盗賊達が短剣を捨てる。 「分かってくれて、嬉しいです!」 10ftの棒で盗賊達の頭をポカンと殴り、レイスがニコリと微笑んだ。 「これにて一件落着にょ♪」 盗賊達を縛り上げ、ルリィが勝利のポーズを決める。 こうして絶倫Xの偽物が出回る事はなくなり、歓楽街に一時の平和が訪れた。

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参加者:12人
作成日:2005/12/06
得票数:ほのぼの1
コメディ10
えっち2
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冒険結果:成功!
重傷者:なし
死亡者:なし
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