≪稀文堂≫稀文堂の慰安旅行(王様ゲーム決定戦)



<オープニング>


 ここは温泉旅館『金愚魏怒羅』。

「なぁ、ゼオさんヒマじゃねー?」
 来店後にこう仰ってくれやがりましたのは、素晴らしき・エアロ(a23837)。
 茶の間のコタツで本を読んでいた不破の双角・ゼオル(a18693)は顔を上げる。
「そうですねー。今は特に忙しくはありませんね。嬉しいことに」
「じゃあ、アレの決着をいい加減つけねぇ?」
「ううむ……そういえば決着がついてませんでしたね。でも何で決めます?」
「地下帝国を探索とかは?」
「却下されますよ」(誰に)
「うーん、それじゃあ……」
 沈黙。静かになった部屋で壁の柱時計がカチコチと時の針を刻む。
「……と言うか、一体何が原因で勝負など始める気なのだ」
 それは今までゼオルと一緒にコタツで本を読んでいた斬魔双剣・ラゴウ(a90120)の一言であった。
「「目玉焼きに何をかけるかで」」
 何処かの夫婦喧嘩じゃあるまいし、あり得ないッスよそんな口論!
「ゼオルが目玉焼きにソース掛けようとしてたんだよ。有り得なくねぇ?」
「待てい、醤油とマヨネーズを掛けようとしてた奴には言われたくありません」
「ってかソースだけでも許しがたいのに、黄身は半熟じゃイヤとか言い出すんだぜ。何かお前は固焼きの国の住人か!?」
「あーそうですよ! ガーライド家では目玉焼きは両面焼きが基本ですよ、文句あっか」
 ダメだ、この二人ただのお馬鹿さんじゃなくて、タチの悪いバカでした。
「ええい、静かにせんか! そんなに勝負がしたければ気の済むまですればよかろう!」
「「え? いいの?」」
 ラゴウのセリフを聞いてにんまりと笑うエンジェルとリザードマン。変なところだけ息が合っています、この二人。
「ラゴウさんからOKサインも出ましたし、それでは存分に遊びますかエアロさんや」
「だなー、んじゃ知り合いに声を掛けてくるよ」
 なんてこったい、これがラゴウさんの呼ばれた理由だったか。
「だ、誰も許可なんぞ出していないぞ!」
「まぁまぁ、落ち着いてくださいラゴウさん。行楽ついでにちょっとしたイベントを行うだけですから……」
「……それはどういうことだ」
「ええ、実はこの旅館。格安なのには理由がありまして……」
 なんでもこの旅館がある山里には今年一年の恵みへの感謝と来年の豊作を祈願して村の若い衆が山を練り歩き、最後は山頂にある祠へお参りするという祭事があるらしい。
「なので今年もそれを行おうとしたら、山にいつの間にかグドンが住み着いていたらしいんですよ……」
 このまま村人が行うのは危険なのだが、長年やっている祭りだから中止にはしたくないというのがその旅館の親父さんのお話。
「ふむ……つまりグドン退治が旅館の料金に含まれているというわけか」
「流石、お話が分かりますな。なんですがついでにもうひとつ、その祠が壊れてないかを冒険者達に確認して欲しいとのことなんですよ」
「……? 待て、ゼオル。まさか……」
 ニヤリと笑うリザードマン、悲しいことにこういう顔をする時はロクなことを考えていやがりません。
「そのまさかです。グドン退治のついでにその祠に誰が一番最初に辿り着くかを競争してみたら面白いと思いません?」
 今、初雪に覆われようとしている山に喜劇の幕が開く。
 妨害、共闘何でもOK。一番最初にゴールに辿り着いたヤツが王様だ!

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参加者
潤心の治療師・ダフネ(a05226)
重歩兵・レアル(a12836)
魔王様・ユウ(a18227)
不破の双角・ゼオル(a18693)
唸る真空飛び膝蹴り・エアロ(a23837)
斬空術士・シズマ(a25239)
尽きぬ感謝をこの胸に・リヒトー(a31092)
白き金剛石のヒト・ミヤクサ(a33619)
黒鋼の竜騎士・ゼファード(a35106)
姫揚羽・ミソラ(a35915)
NPC:鳳炎氷凰・ラゴウ(a90120)



<リプレイ>

「それでは王様ゲーム決定戦『目玉焼きはやっぱソースでしょ』を開始します!」
「待てぇ! なんだそのタイトルは!?」
 不破の双角・ゼオル(a18693)が宣言した言葉に、素晴らしき・エアロ(a23837)が抗議の声を上げる。
「主催者は私ですよ。どんな名前をつけたって自由でしょう!」
「ざけんな! あたしはそんなキショいのは認めないよ!」
「キショ……!? エアロ、自分が何を敵に回したかわかっているのかぁぁ!?」
 キショいと言われ、普段は温厚なゼオルが激怒する。重騎士さん口調変わってますよ。
「……喧嘩をするのは構わんが、レースとやらは中止するのか?」
「はっ!? そうでした! えーっと……とりあえず全員に言うことがあります。雪山を舐めるな! だがそれ以上に仲間にはもっと気を許すな!!!」
 信じられない発言が飛び出す。
「へい! マイブラザー! 同じ職だし協力しねー?」
「おお、レアルさん! あなたを信じていますよ!」
「重騎士の堅い絆ってやつですね!」
 ガシッと握手をするゼオルと片翼の堕天使・レアル(a12836)。眩しいまでの笑顔が逆に怪しさを醸し出している。
「今日は皆さん、よろしくお願いしますね……♪」
「いやいやこちらこそ、ミソラさんは今日もお美しいですね」
「まぁ♪ おだてたってこれっぽっちも手加減しませんからね♪」
 口元に手を当て姫揚羽・ミソラ(a35915)が上品に笑う。彼女の槍が何時にも増して磨かれているように見えるのは気のせいだろうか。
「それじゃラゴウさん。よーい、ドンでお願いしますよ」
「……それでもやるのだな」
 どうしても始めるつもりらしい。各人がスタートラインとして引いた白線にゾロゾロと並んでいく。
「では……よーい……」
 遂にレース開始と、斬魔双剣・ラゴウ(a90120)が片手を振り上げる。
 ところがレース開始の合図を待たず、仮面と黒マントを羽織った温かな気持ちが集う風の歌・ミヤクサ(a33619)がスタートラインを飛び出した。
 誰かがミヤクサのフライングを注意しかけた時、今度は紅月に舞う鮮血に濡れた鴉・ユウ(a18227)が放蕩の宴を解き放った。淫靡な香りを放つ紫煙が辺りを包み、煙を吸い込んだ参加者の気を大きくしていく。
 ゴガァッ!!
 あり得ない音に視線を向ければ、エアロが両手で振り上げた石をゼオルの頭部に全力で叩き付けていた。滅茶苦茶である。
 しかし、黙ってやられるゼオルではなかった! スタート直後の不意打ちを予想していたらしく、鎧聖降臨で防御力を上げていたのだ。エアロの石は粉々に砕け、ゼオルの足はよろめきもしない。
 だが今しがた固い握手を交わした筈のレアルが「天誅!」と叫びながらゼオルにホーリースマッシュを放ったのだからさぁ大変。レアルの一撃が鎧を凹ませるが、潤心の治療師・ダフネ(a05226)を大籠に背負うゼオルは倒れそうになる自分を踏み止まらせた。鎧聖降臨を使っていなければめでたく重傷コースだ。
「ぐっ……ふ、はははは! このゼオル・ガーライドが大人しく三途の川を渡るようなヤツだと思いましたか!」
「てめぇ、あたしの台詞を!?」
(「いや、待てよお前ら」)
 心中でツッコむラゴウ。いきなり不意打ちをカマす彼女も彼女だが、不意打ちを予想しているゼオルもゼオルである。今のゼオルには「信じる」なんて言葉は空気より軽いものらしい。
 だが、これだけでは終わらなかった。
「うらぁっ!!」
 今度はミソラが槍を構え、両隣にいた紅き守護竜・ゼファード(a35106)と重装士・リヒトー(a31092)に流水撃を放つ。放蕩の宴に中てられたか、ミソラさんかなり本気でやってます。
「何をする……!」
「ボクはエアロさんの味方だよ!?」
「スパイが何を言いますかぁ!」
 スパイって何だ、スパイって。
「今なら誰にも怒られない! やらない後悔よりもやってしまった後悔だっ!」
 レアルの奥底に抑圧されていた『砂礫陣を撃ちたい』と言う欲望が放蕩の宴によって大解放され、砂礫陣が間欠泉のように吹き上がる。ミソラが足止めに放った流水撃を近くの者に二度、三度と繰り返せば、ユウのデモニックフレイムが悪魔の火柱を立てる。
 まだ合図も出ていないのに旅館玄関前は地獄の一丁目と化した。何事かと見ていた旅館の人々が悲鳴を上げているが、んなこたぁ知ったこっちゃない。
 いきなり全滅するかと思った時、巻き起こる煙の中から飛び出したのはリヒトーと闇夜ノ凶星・シズマ(a25239)、ゼファードの三人だ。次に不屈の防御力と回復力を持つゼオル&ダフネの『皇機主』(オーキス)が混戦を突破する。
「こんな所で死ぬ訳にはいかない! 私には大義があるのだ!」
「逃がすかぁ!」
 運良く放蕩の宴から回復したエアロが後を追い、ユウも黒い炎を纏ったまま山を降りていく。それから乱闘騒ぎを起こしていた者達も次々と放蕩の宴から立ち直り、大きく離されながらも走り出していく。
「……ドン」
 嵐が過ぎ去った後、取り残されたラゴウが誰もいない玄関前でレース開始を宣言した。


 山の中腹に吊り橋がある。
 随分と前に掛けられた古い橋で、最近は利用する者がほとんどいなかったらしい。隣山にグドンが出没するようになってからは完全に途絶え、今では風景の一部となっている。
 しかし……時間の流れに取り残され、朽ち果てるのを待つだけであった吊り橋を目指す者達がいた。
「ゼオル団長、山を降りた方がいいんじゃない!」
「そんな言葉には騙されませんよ!」
 どーいう訳かミヤクサとレアル以外、全員が吊り橋を目指していた。
 最初は先頭を走っていたリヒトーだが、スーツアーマーと十字盾の重装備がスピードを殺し、軽装のシズマにあっさりと抜かれてしまう。重騎士三人は山の斜面を転がり落ちないように注意しなければならないので、シズマとの距離はジワジワと広がっていく。途中、ミヤクサが撒いたまきびしがあったのだが、重騎士のブーツが踏み潰した。
 雪を踏み締め、邪魔な木々をかわし、山の斜面を駆け下りていく。ほどなくして話に聞いた吊り橋が彼らの前に見えて来た。
「落ちる前に駆け抜ければいい!」
「待ちやがれぇぇぇぇっ!」
 後を追いかけて来るエアロの声。まるで背後から迫る悪霊を振り切るかのように、前を走る者達は足を速めていく。まずはシズマが誰の妨害を受けることなく橋を渡った。
「させないよ!」
 他の足を止めるべく、リヒトーが大地斬を地面に叩き付けた。威嚇で振り下ろされた樹刀が地面を抉り、雪を舞い上げるが……。
「普段の私ならともかく、ダフネさんの前でビビる私ではないですよ!」
 これが想いの力とでも言うのか。リヒトーの攻撃に怯むことなく、ゼオルとゼファードは動きの止まったリヒトーの隙を突いて左右から追い抜いた。
 ダフネがどこでもフワリンを召喚する。召喚されたフワリンの背に跨り、二人が浮遊能力で吊り橋の横を渡り始めると、ゼファードは一直線に吊り橋を渡り出す。
「……ま、遊びだからこんなことやっても大丈夫だろ」
 橋を渡り切ったゼファードが振り返り、半月槍が一閃する。古かったロープが耐えられる筈も無く、ブチブチと橋のロープが一斉に切断される。
 橋を渡っていたリヒトーの足場がガラガラと崩れ、空中に投げ出された少年はチェインシュートを射出する。しかし撃ち出した樹刀は岩壁に刺さりこそするが、鎖にピンと張った瞬間に抜け、手元に戻って来た。
 チェインシュートは接近戦しか出来ない者に遠距離攻撃を可能とさせるアビリティだ。しっかり固定されていれば鎖に引かれて移動出来るのは確かだが、それはただ壁に撃ち込むだけで可能とは限らない。決して移動用として万能のものではないのだ。
「わぁぁーーっ…………!」
 なす術もなくリヒトーは橋の下を流れる川へ落下し、大きな水柱を立てて消えた。その間にゼオルとゼファードは隣山へと移動する。
「あの野郎、やりやがった!」
 崩れ落ちた吊り橋を見下ろすエアロが忌々しげに舌打ちする。自分も橋を落とす気満々だったのだが、他人にやられるとムカツクものだ。
 急いで後を追おうとエアロはフワリンを召喚し――。
「ご愁傷様ってやつですかねぇ」
 殺気。背後からの声にエアロは横に跳ぶ。瞬間、デモニックフレイムが一瞬前まで彼女がいた空間を飲み込み、崖の一部を爆発させた。
「おや、外れましたか。残念」
「てめぇ!」
 本当に残念そうな顔をしているユウを怒鳴りつける。当たれば爆風に呑まれ、崖下に転落していた。
「どうしましょうかね。他の方に出会ったら殺すつもりでしたが……」
 目がマジだ。
「あんた、勝つ気はないのかい?」
「興味はありませんね」
 本来の目的はグドン退治なのだが、二人の中ではレースの方が問題らしい。
「エアロさんは殺らせません!」
 その時、枝葉を切り払い、ユウの背後からミソラが飛び出した。ミソラが仕掛けた電刃衝をかわし切れず、ユウの肩を掠めた稲妻が彼の身体を束縛した。
「エアロさん、ここは私が食い止めます!」
「ミソラ……すまねぇ!」
 この場は彼女に任せ、エアロはフワリンを召喚するとゆっくりだが崖の向こうへ渡っていく。フワフワと宙を浮くエアロの背中を見守り、ミソラは振り返った。
「……どうやら私と遊んで欲しいようですね」
 束縛されながらも笑みを浮かべるユウだが、目が笑っていない。
「未熟な私でも、時間稼ぎくらいは出来ます」
 実力差は歴然だ。一対一ではミソラに勝てる見込みはない。だが、相打ちなら或いは……。
 それに、大好きなエアロを守る為にもここで引く訳にはいかないのだ。
(「もう、あなたの笑顔を見られないかもしれませんね……」)
 胸を占める小さな後悔。せめてもう一度、あなたの笑顔を……。
 フワリンに乗ったエアロが向こう側に渡ると同時、ユウの束縛が解除された。
「お待たせしました。では……始めましょうか」
 ユウの全身に復讐者の血痕が浮き上がる。
「簡単にやられると思うなよ!」
 極上の笑顔を見せ、ミソラが静冷蝶々を構えた。


「邪魔です!」
 シズマの砂礫陣が雪と土を巻き上げる。吹き上がる障壁はシズマを包み、彼の周りに群がる敵を薙ぎ払う。隣山に渡った直後、敵――数十を超える狼グドンがシズマの行く手を遮り、すぐさま戦闘が開始された。
 吊り橋の落ちる音に気付いたか、グドンが一匹、また一匹と集まって来る。三回目の砂礫陣を放った時、ゼファードとゼオルも追いついた。
「あれ、猿グドンじゃなかったの?」
「ダフネさん、頭を低くしていてくださいよ!」
 ダフネのディバインチャージを受けたゼオルが輝く石槍を振るい、光の槍が地面を撫でるだけで土砂が破裂する。
「今ここにいたことを悔いるのだなぁぁぁ!!」
 ゼファードも砂礫陣でグドンを薙ぎ払う。砂礫陣はその性質ゆえ、冒険者が近くにいる時は使用を控えるのだが……三人は全く気にせず使いたい放題である。
「いてっ! 今私に当たりましたよ!?」
「ゼオルの攻撃も俺に当たっているぞ!」
「全員吹っ飛んでください!」
 砂礫陣が惜しみなく発揮され、地面の下に何か埋まっているんじゃないかと思うくらい何度も爆発が繰り返される。砂礫陣の直撃を受け、倒れていくグドン達。残り数匹となり、いよいよ他の冒険者も攻撃しようと考えた時、背後から飛んで来たニードルスピアがグドンとゼオル達に襲い掛かった。
「まぁぁちぃぃやぁぁがぁぁれぇぇっ!」
「追いついて来やがりましたか!」
 まるで地獄の鬼扱いである。
「ここは私が! ダフネさんは祠に向かってください!」
 鎧聖降臨をかける時間はない。ゼオルは大籠からダフネを降ろし、彼女を山頂に向かわせた。後を追いかけようとしたシズマとゼファードの前に立ち塞がり、黒鱗のリザードマンは三人と対峙する。
「……何の真似だ、てめぇ」
「オレ達を足止めするつもりですか?」
「ただ倒れるのが普通の重騎士だ。そして誰かを生かす為の壁になれるのが訓練された重騎士……勿論、私は後者だ」
 何だかカッコいいことを言いつつ、ゼオルがニヤリと笑う。
「てめぇもユウと同じって訳か……勝つ気がないなら出るんじゃねぇよ!」
 足下に倒れていたグドンの背中を踏み砕き、エアロが叫ぶ。
 と、そこへグドンを蹴散らしながら登山して来たミヤクサとレアルが、ゼオルと対峙する三人を見て足を止めた。
「ゼオルさん! いつも蹴られたり、踏まれたり、ひき潰されてるんですから俺だけは見逃して下さい!」
「スタート前に殺ろうとした人の言葉なんて聞きませんよ!」
「ミヤクサ! ツブすよ!」
「はい、エアロさん!」
「オレは半熟の方が好みですからね。この勝負……まだ諦めるつもりはありませんよ」
 急げば追いつけるかもしれないと、シズマが長刀の切っ先をゼオルに向ける。
「フゥハハハハ、戦場は地獄だぜ!」
 光の鎧をその身に纏い、ゼオルが高らかに咆哮を上げた。
 刹那の静寂――ジリ、ジリとすり足で間合いを測る冒険者達。張り詰める空気、押し殺す吐息、視線が絡み合い、互いの出方を探り合う。限界まで伸び切った緊張と言う名の糸がプツリと切れ――冒険者達が動く!
「アタシに合わせな!」
「連携といきましょう」
「連携攻撃……!」
「まずはうちの商品買って下さい!」
「鯛焼きをくれない人はどうなっても知りません!」
 5 Combination!!
 うわ、感情繋がってないのに成功してるし。
「ぐぁはぁぁぁぁぁぁっ!」
 当然ながらぶっ飛ぶゼオル。反撃する暇すらありゃしない。
「追うぞ、てめぇら!」
 ボロ雑巾になったゼオルの腹にエアロキックをお見舞いし、五人は山頂目指して駆け出した。


 結局はリードしていたダフネが一番に祠へ辿り着き、その瞬間レースは終了した。
 旅館前で起こした騒動で女将に説明と謝罪をしていたラゴウが吊り橋に向かえば大怪我をしたユウとミソラが倒れており、吊り橋は崖の下……仕方なく二人を背負って山を下れば下流で引っ掛かっているリヒトーを発見した。重い鎧のせいで川から上がれず、溺死寸前であった。
 極めつけは隣山を登っている途中、動かないゼオルを五人で袋叩きにしている場面に出くわしたことだ。
「何をやっとるのだ、貴様らは!」
「「「「「勝てなかったから殺ってます」」」」」
 これである。
 ゼオルを運ぼうとした時、誰一人手伝わなかったので旅館まで戻るのに苦労した。
 旅館に戻ってすぐ、グドンの生き残りがいないか確認しようとしたリヒトーの代わりに、ラゴウが寒い山中へ引き返した。
「何故我がこんなことを……」
 深々と降る雪の中、山を降りるラゴウの呟きが虚空に消える。
「ダイスの結果、ユウさんとゼファードさんは朝まで語尾を『〜わん』にすることー!」
 旅館ではグドンを退治したお礼を兼ねて、ダフネを王様とした宴会が朝まで開かれたのであった。


マスター:茅凪北斗 紹介ページ
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