<リプレイ>
●エラキス 暖炉の炎と蝋燭の灯りとで橙に染まる石壁に、2人の影が揺らめく。 「似合う、でしょうか……?」 見て欲しかったドレス姿でヴァルの前に立ち、コーシュカは恥らう様に余りがちな胸元を隠す。 「とても良く似合うよ」 少女の可憐さに胸打たれたヴァルは囁いて微笑み、そっと少女の頬に唇を寄せて優しいキスをした。 乾杯の後、乾したグラスを卓に置いた青年は、ワイン【Blaue Katz】の熱に後押しされたようにミルクの香りのする少女の柔らかな体を抱き寄せた。 果てに漁火を燈す夜の海から、潮騒が聞こえる。 寄せては返す波音に似せて、2人は緩やかにステップを踏む。 2人きりのダンスパーティ。 夜の中で2人の体温と意識が溶けるまで、2人はいつまでもそうしていた。
●フォーマルハウト 付き合い始めて丁度1年。冬のフォーナ感謝祭は2人の記念日でもあった。去年と同じように窓辺で寄り添い、ルティスとアルビレオは万青煌かす星辰の海を見下ろす。 星辰の海からアルビレオの赤い双眸に目を移し、ルティスが微笑む。 「色んな事があったけれど、またここで過ごせるのは嬉しい……来年もよろしくね」 「ああ、こっちこそよろしくな。1年だけじゃなくて、その先もずっと、ずっと一緒に居よう」 花畑で想いを伝えてから過ぎた1年の様々な事に思いを馳せ、ルティスの腰と背に両腕を回すアルビレオ。 君のことは絶対に離さない。 零れた囁きがルティスの耳元を擽る。 息が止まる程、強く抱かれたルティスは愛しさを募らせながらそっとアルビレオの肩に頭を預けた。
●砂浜―ステラ・ミラ 砂浜で2人、星を見上げる。 夜天がその重みで落ちて来るのではないかと錯覚する程に犇く星々が目に楽しい。 中々会えなかった日々の隙間を埋める様に言葉を交わす2人。でもリシェルを想う気持ちに変わりはなかったよ、とウィンは笑った。微笑み返したリシェルは、ちょっと寒いねとウィンに寄り添って胸に耳を当てる。 「鼓動を聞いてると、安心するの……ずっと、こうやっていられたらいいのにね」 見上げるリシェルの琥珀の双眸。どちらからとも無く引き寄せられてキスをした。寒さの中で唇は柔らかく熱く燃え立ち、ずっとそうしていた後、ウィンは少女を抱き返した。 「大好きだよ。ずっと」 リシェルは幸せそうに笑顔を咲かせ、ウィンの唇にもう一度、触れるだけのキスをした。
●星辰の海 万青に彩られた洞窟の中で静かにさざめく星辰の海。浮かぶ小舟の上から、海よりもなお明るく微笑みを煌かせ、海面へと手を伸べるネフィリムをヴィアドは微笑み見守っていた。 誰もいない海はとても静かで、やがて海面の光と戯れていたネフィリムが決意した様に口を開いた。 「……ヴィアドさん、いつも暖かい笑顔で私の心を救ってくれて有難う」 ヴィアドの暖かく大きな大人の手に触れる。 「本当に、貴方が大好きです」 告白を受けて、自身を奥手だと理解しているヴィアドは暫し躊躇った後、緩く少女を抱き寄せた。身を持たせ掛けながらネフィリムは双眸を伏せる。 女神フォーナのご加護を。これからもずっと一緒に過ごせますように。 少女の祈りが潮騒に溶けて、消えた。
●アルニラム 窓辺に木目の美しいティーテーブル。銀の縁取りがある硝子のゴブレットに金色のレモネードを注いで、カイルトとサリは乾杯する。 窓の外には金砂銀砂を思わせて夜天に星々が煌き、星の輝きを持たない海には漁火が揺れていた。 そんな夜の風景を楽しんだり、勝った負けたと賑やかに遣り取りしながらカードゲームに興じれば時間は疾く過ぎ。 やがて真夜中の訪れと同時に、サリはカイルトの体を抱き寄せた。柔らかく抱き締め、おめでとうと言葉を紡ぐ。 カイルトは何も言わず、サリの肩――頬撫ぜる灰色の髪に顔を埋める。蒼いカイルトの髪とサリの髪が――鼓動が混じる。それが心地良くて、2人は飽きるまでずっと抱き合っていた。
●星辰の海 2人を乗せた小舟の腹に蒼く光輝する波が打ち寄せる。 「……とても綺麗ですわね」 揺れる小舟から明滅する海面で指先を遊ばせていたアリアは、すっと手を引いて微笑んだ。 「やはり……真冬の水は冷たいですわね」 「大丈夫か?」 冷たい指先を大きな手で握りカナキはコートの半身でアリアを被う。 「……とても幸せですわ……」 互いの体温を親しく感じて早まる鼓動。はにかみながら、アリアがカナキを見上げ。カナキは微笑む、ほんの少しだけ力を込めてアリアを抱き寄せた。 「きっと……何年後だって、一緒に居られる気がする。こんなにも好きって気持ちが……あるんだから」 囁く。多少気障でも構いはしない。今日は1年に1度、女神フォーナの祝福された日なのだから。
●砂浜―ステラ・ミラ 白のタキシード姿のリエンは、レースが愛らしい黒いドレスに身を包んだナナの前の跪き、手を取ると滑らかな甲に口付けた。 「シャルウィーダンス?」 「はいなぁ〜ん」 紛れも無い愛情の篭もった眼差しで見上げられナナははにかみつつ頷く。 波の音を伴奏に、どんなシャンデリアよりも心打つ星空の元で踊るワルツ。惑う裳裾。繋いだ手の温もりと伝わる鼓動。 「ナナ、リエンさんと一緒でとっても、とーっても幸せなぁ〜んよ♪」 心満ちるまで踊った後、服が汚れぬようにと抱き寄せられた膝の上で、ナナはそっと双眸を伏せて上向いた。 「俺も、この星の下で一緒に居られることを幸せに思うよ」 リエンはナナの頬に手を添えて、逸る鼓動を押さえつつ心震わすキスをした。
●星辰の海 「行こう、か」 シンヤは小舟の上からリシェへ手を差し出した。夜光虫が光放つ透明な青い海を不思議そうに見ていたリシェは少しだけ緊張しつつも手を取った。 小舟が星辰の海へ滑り出す。 シンヤは揺らさぬように漕ぎ進める。 「……蒼い海……綺麗です……なの……」 「すごい、な……」 夜光虫輝く海底で銀の魚が戯れる。波がさざめき歌う。今夜『ただここに居る事』の幸せを心の奥底まで吸い込んで。初めての2人での外出だからと嬉しそうにしているリシェを見遣り、シンヤはふとその頭を撫ぜた。 「ずっと一緒、な」 「うん……シンヤお兄……シンヤ、さん」 暖かくて柔らかくて安堵する思いが2人の間に満ちる。 この思いの名はきっと『しあわせ』なんだろうと、そう思った。
●ラサラスの岸辺 星辰の海の一番美しい場所を臨む岸辺、ラサラス。 綺麗だと呟くミリィをヨウは見詰めていた。気付いて小首を傾げればふいと目線を逸らすヨウへ、ミリィは微笑み掛けた。 「ところで……ヨウはいつか言ってくれるんだよね? あの言葉」 全き蒼の中で2人の鼓動が高まって行く。溜息の後、夜光虫の煌きを映す海よりもなお青い双眸を見詰め、ヨウは決心した様にミリィを抱き寄せる。 「俺がずっと傍にいて、抱きしめたいと思うのは、ミリィ・フローレンス、君だけだ」 言葉を切って優しいキス。 「二度は言わない。忘れるな」 不意のキスに頬を染め、ミリィは微かに頷く。 「うん……私も好きだから……ずっと傍にいさせてね」 それからもう一度、長く甘い大人のキスをした。
●星辰の海 「……寒くない? 傷、大丈夫?」 重傷のハルヒを気遣うように、カナメはハルヒを抱き寄せる。怪我なら大丈夫だと言いつつも、ハルヒは大人しくカナメに寄り添った。 小舟の上。煌く波間を見ていたハルヒは不意にカナメの横顔に目を遣る。 「海……なんとなくカナメさんの髪の色に似てるよね? 深くて濃くて綺麗な青色なの。僕ね、カナメさんの髪の色……物凄く好きだから、なんだか、ここの事、物凄く気に入っちゃった」 カナメの顔が見る間に赤くなる。 一瞬遅れて身に良く馴染む腕がぎゅっとハルヒを抱き締めた。 「俺の好きな色はね、ハルヒさんのその青い瞳かな。覗き込んでると、まるで吸い込まれそうで……凄く、大好きだよ」 ありがと……と呟いてハルヒも抱き返す。 そのまま2人でずっと、同じ青を見ていた。
●砂浜―ステラ・ミラ 「星……綺麗だな……」 砂浜でシルヴィアと寄り添いクロスは空を仰ぐ。確かに夜空は綺麗だったが、やはりクロスにとっては傍らの少女に勝るものは無く。 「その……シルヴィアも。君と過ごせて本当に良かった……いつも独りだったからな……」 言葉を切り、クロスは息を吸い込んで照れを宥め口を開く。 「ずっと、一緒にいて欲しい……」 「……あの……あり……がとう……嬉しい……」 更に頬を火照らせ、最上の微笑みを咲かすシルヴィア。 「ずっと……貴方とこうしていたい……。私もこうやって……誰かと寄り添うなんて……初めてよ……幸せ……とても……」 潮騒に紛れ呟きが落ちる。 互いの温もりが交わり1つになり、全てが暖かな夜闇に溶けて行った。
●シャート 幼馴染のような男に誘われて、フローライトは戸惑った。何にもしませんから緊張しないで下さいとジラルドは苦笑した。緊張を紛らす為にフローライトはワインを飲んだ。星辰館謹製の、極上のワインだ。『心臓に悪い』と思った通りに酔ってしまったフローライトをそっと抱えてジラルドはベッドに横たえる。 首に絡められた腕を解こうすれば逆に抱き寄せられて、2人はベッドに倒れ込んだ。 「あのさ、ジル……俺、お前となら構わないよ。昔からずっと、こうして一緒になれたらなって……」 ジルラルは体の下、柔らかな体の鼓動が早まるのを感じる。 「だから、その……」 言葉は途切れ寝息に変わり。 ジラルドはくすりと笑うと彼女の額にキスをして、良い夢をと囁いた。
●星辰の海 海に漂う小舟の上で、ほんの些細な事で喧嘩をした。今まで星辰の海を楽しく眺めていた筈なのに、今は別の方向を見ている。 けれど結局好きなのだ。喧嘩をしても愛してる。思い切ってシルフィーが振り向けば、同じように此方を見たレイと目が合った。 「好きだ。愛してるんだ」 視線を逸らしかけたレイが動きを止める。そっと舟を揺らし過ぎない様にレイの元へ近付くシルフィー。精一杯の愛情を込めてシルフィーはレイを抱き締める。 「レイの望む事がしたいんだ……」 首筋に顔を埋め、シルフィーが囁く。銀の髪に頬寄せて、レイはシルフィーの小さな体を抱き返した。 「じゃあ、沢山キスがしたいな」 少女は悪戯っぽくそう言って、レイとシルフィーは言った通りの事をした。
●アルドラ ウィヴの作った極上のケーキを食べ切って、イーリスは幸せそのもの。一人掛けのソファーに腰掛け、幸せそうに紅茶を傾けていたウィヴの膝の悪戯な猫の様に登り、イーリスはぺったりと持たれ掛かる。 「今日は一緒に居てくれてありがと………そんで、いつもありがと……」 声が胸を直接震わせる。熟れた林檎の様に甘く赤い双眸に見上げられ、恋人の突然の行動にウィヴの中で愛しさばかりが募った。 「大好……」 ウィヴは分かっているよと言う様に指先をイーリスの唇に当て、それから深く奪う様なキスをした。抱き締めれば羽根に腕が当たり、唇の中で艶めく声が上がる。一頻りキスを交わした後くったりと胸に持たれ掛かって来たイーリスの銀の髪を撫るウィヴ。 「……愛してます、イーリス」 そう言って、一層深く微笑んだ。
●星辰の海 「美しいですね……蒼に吸い込まれてしまいそう……」 星辰の海を振り返りヴァイナが吐息をつく。 「ああ、こんな風に酒が呑めるなんざ俺ァ幸せもんだわ……」 ザスバは豪快に笑う。 洞窟と外海の合間に小舟を止め、星空を肴に1つの猪口で注しつ注されつ星見酒。 酒は美味い。惚れぬいた女と呑むのならば、尚更格別だ。そう猪口を傾けるザスバ。 愛し愛されるという事はこんなにも暖かいのですね……。ずっと……こうして、お傍において頂きたい……。 惚れた男の幸せそうな様子に触れヴァイナの中に潮の如くに暖かさが満ちる。目と目が合い、思いが互いの間を寄せては返し。ザスバは何も言わずヴァイナを広い懐に抱き寄せた。猪口が転がる。2人はそれを見もせず。照れが勝るまでずっと抱き合っていた。
●メイッサ 柔らかなベッドに並んで腰を掛け談笑を楽しんでいた2人の声が、不意に途切れがちになる。 口を噤みルミルを見詰めるディスティン。蝋燭の火が揺れ、じりじりと音を立てて蝋が蕩ける。微かに笑んで全て分かっていると言う様に、ルミルはディスティンへ身を寄せ、抱き締めた。吐息を感じられる程に近付く唇。触れる前に約束を紡ぐ。 「来年も……その次も……ずっとずっと一緒にフォーナ祭を過ごしたいですね」 「はい……フォーナを一緒に過ごしたいですね……」 微笑を形作る唇が合さる。歯列を割る柔らかな舌先。唇から、触れた場所から、蕩けてしまいそうだった。大きな掌と体にそっと押し倒され、ベッドが軋む。絹のシーツの滑らかな肌触り。全て受け止めて背に手を回すルミル。衣擦れの音を幸せに聞きながら、合さる体に心振るわせるのだった。
●セルファ 星辰の海で一頻り遊んで、帰り着いた暖かな部屋。 「ルヴィンの誕生日おめでとうってことで! ね?」 酒に手を伸ばすミィミーを止めてみたものの、潤む瞳で見上げられれば、愛妻家のルヴィンとしては折れるしか無く。斯くて愛する妻はほろ酔い気分。しょうがねえな、と運んだベッドの上、気付いたミィミーはルヴィンの不意を付いて大きな体をベッドへ押し倒し、取り出したイヤーカフスをルヴィンの火照る耳朶に付けた。 「うん。似合う似合う」 満足気に笑うミィミー、組み敷かれたルヴィン、まったく仕方ねえと笑う。ぱたりと倒れこんで来たミィミーを受け止め、長い金の髪を撫ぜるルヴィン。 「プレゼントも嬉しいが、何よりも笑顔で元気なミィミーをみるのが一番だ。これからも一緒にいてくれな……」 逞しい腕で柔らかなミィミーの体を抱き、ルヴィンは優しくキスをする。何だか幸せで、寝息を立てる妻に寄り添ったまま、ルヴィンはそっと目を閉じた。
●エルライ 簡素な石造りの部屋のベッドに腰掛けて過ぎ行く年の思い出を語り合う2人。過日の宴の話に至った時、恥らいつつもセイルフィンはフィリスへ抱き付いた。 「あの時のこと……僕一生忘れないから、もっと僕の傍に来て欲しいなぁ」 微かに震えている体を抱き返すフィリス。とても冷静ではいられなかった。顔に朱が昇る。心と体全がセイルフィンを欲しているのだと痛いほど分かった。 「これを言うのも何回目になるかは分かりませんが……私の全てをフィンさんにあげます。だから、フィンさんの全てを私にください……」 セイルフィンは喜びと熱で潤む瞳にフィリスを映し、笑みを咲かせた。 「うん。いいよ。全部あげるから、誰よりも僕の一番傍に来て欲しいなぁ……」 誰も来た事が無い程、傍に。青年は与える為に、少女を優しくベッドへ横たえる。少女は受け入れる為にベッドへ横たわり。睦言と吐息だけが密やかに夜闇の中へ、落ちた。

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参加者:36人
作成日:2006/01/04
得票数:恋愛38
ほのぼの1
えっち4
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冒険結果:成功!
重傷者:なし
死亡者:なし
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