【巨乳狩り団を壊滅せよ!】ついに北へ



<オープニング>


「とうとう、支部も北を残すところになりました」
 巨乳狩り団壊滅を望むひとり、ドリアッドの霊査士・シィル(a90170)はいよいよ終焉を予期する。しかし興奮に焦らず、正しい情報を冒険者たちに伝えなければならない。
「さっそくですが、北方支部のメンバーは全員女性で、誰もが腕利きの兵士にしてよく回転する頭脳の持ち主です。4つの支部のうち、間違いなくここが最強ですね。そしてみんな豊満なバストを誇っています。まあこれはどうでもいいのですが」
 首を傾げる冒険者たち。連中に女性がいるとは予想外であった。彼女たちにさらわれた娘たちは何をされているのやらと思う。
「北方支部の作戦は、徹底した毒攻撃です。いくら冒険者が一般人より遥かに強いといっても、毒で弱ってしまえばやられる可能性はあります。……油断しないでくださいね」
 シィルは今までで一番、心配そうな顔になった。

マスター:silflu 紹介ページ
シリーズシナリオ4回目です。今度の巨乳狩り団は女性で、毒攻撃が中心です。単純な力勝負では負けないでしょうが、油断すると痛い目に遭うかもしれません。

参加者
さすらいのギター宣教師・フェイ(a02632)
分の悪い賭けは嫌いじゃない・リヴァル(a04494)
ヒトの武道家・シンゾウ(a06491)
ヒトの剣聖・ジュダス(a12538)
大天使長・ホカゲ(a18714)
銃神・ガンナー(a19434)
征嵐の牙・ガリュード(a25874)
双風を守護する者・ライシェス(a27374)
世界を救う希望のひとしずく・ルシア(a35455)
牡丹色の舞闘華・ヤシロ(a37005)
蒼き疾風の弓士・リャン(a40065)
囚われし戒めの鎖・セルティアーナ(a40817)


<リプレイ>


 輝かしく咲き誇る麗しい花畑のど真ん中にその館はあった。真っ白な清潔感溢れる壁やら丸い窓やらマーブル模様の屋根やらひょうっと伸びた茶色の煙突やら、さながら童話の中のお菓子の家。巨乳狩り団北方支部のアジトは実に可愛らしく、軽やかな歌でも流れてきそうな乙女チックを外へ外へ主張していた。放し飼いにされているらしい犬がキャンキャンと吼えている。
「団員は女性ということだが……これはまた」
 ヒトの剣聖・ジュダス(a12538)は調子が狂ったように呟いた。
「まず見た目で油断させようということなのかもしれません」
「それはありうるな。これなら中の者もか弱いだろうと想像してしまうだろう」
 天使長・ホカゲ(a18714)とさすらいのギター宣教師・フェイ(a02632)は慎重に分析結果をはじき出す。北方支部が支部の中で一番手強いという話を、一行は再度頭に叩き込んだ。
「ところで、敵も巨乳、被害者も巨乳か……。どうやって見分けんだ?」
 征嵐の牙・ガリュード(a25874)がむうと唸る。
「被害者なら、部屋に閉じ込められてるだろうから……歩き回っているのが、敵かな」
 囚われし戒めの鎖・セルティアーナ(a40817)がもっともなことを言って、ガリュードは納得した。
 作戦は奇襲班と陽動班に分かれての先制攻撃。今までは囮作戦だったが、今回は積極的に叩くのである。
 皆、配置についた。風下に陽動班、館の裏手に奇襲班。
「やるよー!」
 破壊乙女妹で嫉妬ブレイカー・ルシア(a35455)が声の矢文を射出し、館の壁に突き刺した。元気のいい声が響き渡る。
『冒険者参上ー!』


 敵が現れたのはすぐだった。ビキニのようなきわどい鎧姿の女性兵士が9人、入口から飛び出してきて、揃って冒険者を睨んだ。
「来たか。外見とは裏腹に男勝りの屈強さを感じるな」
 ジュダスは勇猛の誓いで己を奮い立たせる。風舞華姫・ヤシロ(a37005)は眉根を上げた。
「用意万端という感じだね。……そうか、外で犬が鳴いていたのは外敵を報せていたわけか」
 侵入者にかける言葉はないのか、巨乳狩り団の中央3人が即座に矢をつがえた。次の瞬間、ヒュカっと空気を切り裂いて矢の雨が飛来した。毒矢に違いなかった。
「む?」
 ジュダスは驚愕した。すべての矢が彼に向かって飛んできた。ひとりを集中して攻撃する算段らしい。しかし今は豪運状態、何とか服にかすめるだけにとどまった。
「みんな、かすり傷ひとつ負わないようにね!」
 ルシアが急速に間合いを詰め、右端の団員に飛び蹴りをお見舞いした。取っ組み合いの末、まずひとり地面にフォール。まともに戦えば負ける要素はない。
 左端の団員3人が何か小さい袋を懐から出した。そして口を開き、一斉に投げつける。ぱあっと風に乗って白い粉が舞った。これがまともなものであるはずがない。
「く、痺れ粉?」
 ヤシロがたちまち動けなくなり、その場に伏せる。これをチャンスと見た敵のひとりが意気揚々と突撃してくる。手には鋭利なナイフ。
「平気だ。こういう時のために俺がいる!」
 双風を守護する者・ライシェス(a27374)が毒消しの風を起こした。ヤシロは体に活力が戻り、起き上がった。彼女は最初から、タイミングよく救ってくれると仲間を信じていた。そして接近してきた相手をカウンターでまんまと返り討ちにする。
 残り7人。また別の団員がナイフを投げつけてきた。異様に速く、正確だった。
「戦い慣れてるね。そんなにいいモノを持っていながら、汗臭い訓練に明け暮れていたんだ?」
 防具からはみ出しそうな敵の豊乳を見て嘆息する蒼き疾風の弓士・リャン(a40065)。慎重に強弓でナイフを叩き落し、様子を窺う。
 団員たちは危機を感じ取っている。これまでこの波状攻撃で敵を倒せなかったことはなかった。さすがの冒険者、正面からぶつかり合っては勝ち目はないと判断した。
 団員たちはナイフを投げながら一目散に走った。館の中へ退避するつもりなのだ。完全に敵地に入られては攻略に支障が出るかもしれない。陽動班はすぐに追跡した。


「裏側には扉がないようだね。じゃ、頼むよ」
 銃を帯びる者・ガンナー(a19434)がヒトの武道家・シンゾウ(a06491)を見る。シンゾウはお任せくださいと言いながら、爆砕拳で壁を破壊した。チーズをスプーンでくり抜くがごとしである。ハイドインシャドウが使える捨て身の博徒・リヴァル(a04494)は風景に同化しておいた。
 奇襲班はすかさず開いた穴から内部へと押し寄せる。構造も何もわかりはしないので、とにかく進んだ。歩き回っているのがいたらそれが敵だ。問答無用で捕らえればいい。
 と、エントランスに辿り着いた瞬間、陽動班が追い詰めた団員が戻ってくるのを発見した。団員は新たな敵に躊躇し足を止める。陽動班が間もなく追いついた。
「ここは任せて」
 と、リャン。まだ館内にいるだろう残りの団員の捕獲をしてほしいと言っているのだ。奇襲班は頷いた。
 階段を駆け上がった直後、胸のパックリ開いたスリットドレスを着た娘と鉢合わせた。……これが本当に敵か? そう思ったところへ娘が口を開いた。
「わ、私はここに捕らわれた者です。どうか武器をお納めください」
「……見たところ、怪しい物は持ってませんし……信用しても、いいのでは」
 セルティアーナが言う。念のためフェイが裾の中も調べたが、何も武器はない。この格好で何かしようと思っても無駄に終わるのは明白だった。
 奇妙なことが起こった。
 娘が自らの胸の谷間に手を突っ込み、もぞもぞいじりだした。呆気に取られる冒険者たち。なぜいきなりそんなハレンチを? が、理由はすぐにわかった。谷間から……小型のスプレーが取り出される!
 うそーん? と度肝を抜かれるのと、スプレーが噴射されたのは同時だった。瞬時に目に猛烈な痛みが襲いかかった。涙が止まらない。眩暈もしてきた。
 複数の足音が聞こえてきた。巨乳狩り団が集結してきたのだとわかった。誰かが声を上げた。
「ふふふ、騙されたわね。せっかく捕らえた巨乳っ娘たちを帰してたまるものか。まだまだ楽しむんだから」
 北方支部団員はいわゆるひとつのレズビアンであるらしい。何がそんなに楽しいのかは同じ性癖を持つ者でないとわからないところだ。
「くっ……ダメだ、体が、ぐ?」
 飛び蹴りを食らい、呻くガリュード。目や鼻、口など粘膜へ直接毒を食らわせば、どんな強者でもたちどころにこうなってしまう。
「立て直しを! あんなところに隠されたのでは仕方ありません!」
 ホカゲの毒消しの風で、ようやく感覚がまともになった。同じ手は二度と食らわないと冒険者たちは相手を睨みつける。見れば見るほどの巨乳、いや爆乳。全員が3桁の大台に達しているやもしれぬ。谷間はおそらく四次元であろう。
「もう容赦しないのだ!」
 フェイが言葉どおり、輝く光の槍を叩き込んでひとりを打倒する。団員たちはざわめき立つ。だがこれは慈悲の聖槍、気絶しているだけだ。しかし精神的ダメージを与えるには充分だった。
 手にしているのは毒のナイフか、おのれよくもと斬りかかってくる団員。その時、リヴァルが姿を現して紅蓮の咆哮を飛ばす。まず3人を拘束した。すると、別の3人が再び胸の谷間からスプレーを出した。
「もうその手は食わないよ!」
 ゴーグルとマスクを装備したガンナーが先頭に出る。スプレー攻撃をものともせず、瞬く間に緑の束縛で封じる。セルティアーナはせっせと動けなくなった順から縄を打つ。
「う……なんて奴ら」
 毒攻撃さえ通じない。団員たちは逃亡を考えたが、階段の途中で待機している巨大な肉壁(言うまでもなくシンゾウである)が邪魔で、1階には逃げられない。
 後退した。不本意だが、さらった娘たちを人質にしてでも――そう考えた。
 追う冒険者。団員は逃げながらまたゆさゆさ揺れる谷間から何かを取り出す。筒だ。それを口にあてて中から矢を吹いた。が。
「冒険者と一般人、戦闘力の違いは毒程度では覆せないってことだ」
 ガリュードがその前に武器を振るい、烈風を生じさせていた。針がことごとく返され、逆に自分の肩に命中した。やはり痺れ効果のある毒矢だったのだろう。団員はこてんと崩れ落ちた。
 最初に目を眩ました時点で逃げていれば敗北だけは免れただろうに。彼女らの敗因は、毒さえあれば勝てるという自惚れに他ならなかった。


 身動きがとれないようギュウギュウに縛られた団員たちは、悔しそうに冒険者たちを見上げた。ボリュームあるバストが縄の間に挟まれ、前面に突き出している。すでに解放されて喜び合っている娘たちも、さっきまでこうだった。まるで逆転の図である。ガリュードとライシェスが囁きあっている。
「どうだ、この女たちは?」
「……。いや、俺はルシアが」
「じゃあ今の間は何だよ」
「ち、違う! 俺はあくまで比較した上でっ。……ルシアが一番に決まってるだろ」
 この団員たちは今までと違い、少なくとも見た目は美麗の女性である。同情の念が催された。
「まあ、これを機に普通の町娘に戻ることだ」
「そうしろ。せっかく綺麗な肌をそんなに傷つけないでやったんだから」
 ジュダスとリヴァルが真剣な口調で告げた。ホカゲが膝をついて聞く。
「本部の情報を教えてくれると嬉しいのですが。別に力づくでは聞きませんから」
 答えはない。
「ところで、その胸、本物? どうしたらそんなに大きくなれるの?」
 リャンが自分本位の質問をぶつける。これも答えはない。
「これ以上は無駄だと思うし、それより娘さんたちを帰さないと」
 もうここにいる意味はない、とフェイ。皆同調し、娘たちを連れて出口に向かった。
「……本部はそう簡単にはいかん! せいぜい覚悟しておけ」
 支部長から声がかかった。冒険者たちは振り向き――そのまま無言で歩き去った。
 館の外に出て、山の端に輝く夕陽を浴びる。無事に仕事を終えたという達成感を増幅してくれる暖かさだった。
「さあ、いよいよ残すは本部だけだね!」
「ふ、長い道のりだった気がします」
 今までの戦いを思い出すヤシロとシンゾウ。様々な出来事があった。決して平坦な道ではなかった。
 もうすぐ終わる。冒険者たちはすべての終局の間近に立った。


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作成日:2006/01/14
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