≪移動診療所『東風』≫高原の村へ



<オープニング>


 羊皮紙が綴じられて作られた、愛を振りまく翼・ミャアお手製の冊子を手にとって、天水の清かなる伴侶・ヴィルジニーが口にした言葉は、「本当に行くの?」であった。
 雪山の麓、風光明媚な高原に抱かれた、静かな湖畔に、カルザワイなる名の村はあった。雪の積もった丘、凍てついた湖面、山に入れば飢えた獣とも戦えるという……。
「ちょっと盛り込みすぎかもしれないけどぉ」
 そう言いながらもミャアは、『旅のしおり』に熱心に目を通すヴィルジニーを嬉しそうに見つめる。
「お昼は、スキーをしたりソリで滑って、雪合戦もやるの?」
 ヴィルジニーが尋ねると、ミャアは瞳をきらきらとさせて言った。
「夜はねぇ、『ワクワク☆雪上ディナー』だよぉ。いいでしょぉ。昼の戦果次第では、ワカサギとか猪鍋とかぁ」
 ちょっといいかも。小さく肯いて、ヴィルジニーはしおりの項を繰った。深夜の部、なる文字が目に飛び込む。
「現地で一泊はわかるけど、『ヒミツの夜空の下』ってなんだ?」
「それはねぇ」ミャアは悪戯っ子の笑顔となった。「カップルで星を見に行ったりするのぉ〜、うっとりでしょお?」
「う、うん……」
 澄んだ瞳で見つめられ、同意せざるを得ない少女であった。
 
 
●ミャアの旅のしおり
 
 ノソリン車でトンネルを抜けるとそこは雪国のはず!
 手前の宿場町を朝イチに出れば、現地に昼過ぎくらいには到着よねぇん。
 雪のアーチかもしれないけどぉ。
 
 昼の部:ドキドキ☆ウィンターリゾート
・雪の積もる丘
  雪合戦/スキー/そり(レンタルあり?)
・凍てついた湖面
  ワカサギ釣り/スケート/アイスホッケー
・雪山
  食材狩り(熊や猪?)

 夜の部:ワクワク☆雪上ディナー
・カルザワイ中央広場
  みんなで食事。メインはバーベキュー。
  昼の戦果次第では熊鍋猪鍋!(美味しそうでしょお?)
  ミカンはあらかじめ雪に埋めちゃうよねぇ?
 
 深夜の部:ラブラブ☆星空デート
・カルザワイの宿
  現地で一泊でしょお!
・ヒミツの夜空の下
  みんなが寝静まってからカップルで星を見に行ったり……。
  新婚夫婦やカップルもいるわけだしねぇ。

 翌朝の部:ワイワイ☆おみやげショッピング
・カルザワイ観光協会
  記念におみやげを買いましょお。

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参加者
双刀の女装護剣士・ファル(a21092)
雪原に一輪の花・メイ(a25325)
芳香の医術士・ヨナ(a25570)
愛を振りまく翼・ミャア(a25700)
黒百合と歩む意志・ティア(a34311)
前線医術士・アイリーン(a34682)
小さな絵描き天使・ゼフィ(a35212)
神を斬り竜をも屠るメイドガイ・イズミ(a36220)
絵画療法・クロノス(a37251)
加護を齎す黄金色の聖女・リリーナ(a39659)
NPC:天水の清かなる伴侶・ヴィルジニー(a90186)



<リプレイ>

●『東風』カルザワイへ
「あ……」
 荒ぶる魂眠りしメイドガイ・イズミ(a36220)は息を飲んだ。深き森に抱かれたドリアッドの集落で暮らしてきた彼にとって、これまでに見たことのない光景が広がっている。驚きのあまり広げられた唇は、薄く結ばれてからも、花のような笑みを含んでいた。
「思いっきり遊ぶのですよ〜っ」
 荷台に立ち上がり、元気よくそう言ったのは、芳香の医術士・ヨナ(a25570)だった。ひらひらと衣の裾を波立たせ、小さな肩を振るわせる。寒さはどこかに吹き飛んでいた。
「すごく綺麗です……」
 ふんわりと空気を含んだ羽根の外衣を羽織って、祝福されし思い出・ティア(a34311)は凍りついた湖やその奥に広がる針葉樹の森を見つめる。
 絵画療法・クロノス(a37251)はノソリンの背にまたがっていた。胸には絵描き帳が抱かれ、背中の革袋には十二色が揃った水彩絵の具が収められている。
「左手に見えますのが〜ボクたちが宿泊する……えーと」雪原に一輪の花・メイ(a25325)は旅のしおりへと視線を落とした。「その名も『恋のロレンス亭』でございますよう〜」
 土地の案内人を真似た幼妻に、柔らかで優しい微笑みを向けたのは、東風に舞いし女装護剣士・ファル(a21092)だ。
「アイリーンはどうして参加することにしたの?」
 天水の清かなる伴侶・ヴィルジニーからの突然な問いにも、前線医術士・アイリーン(a34682)は戸惑わなかった。光を閉ざす雲が払いのけられでもしたかのように、ヒトノソリンの少女は明るい笑みを浮かべ、そして、心地よさそうに瞳を細める。椅子の隙間を埋めるように腰をヴィルジニーの傍らへと寄せ、アイリーンは言った。
「私の目的は」数本の指がヴィルジニーの瞳の前に掲げられた。「三本ですなぁ〜ん! ひとつはミャアさんに教えてもらう! もうひとつはメイドガイのイズミさんがなんであんなに可愛いのか調べる! もうひとつは……」
「うん、それって何?」
 尋ねたヴィルジニーの左腕に抱きついて、笑顔のアイリーンは言ったのだった。
「もう叶ったからいいのですなぁ〜ん」
 『恋のロレンス亭』の屋根が雪面に投げかける影に入り、空気の冷たさは増したように感じられた。併走する形となったもう一台のノソリン車に乗る同族の少女へ、ヴィルジニーが尋ねる。
「ねえ、ゼフィはどうして参加したんだ? 雪が好きなの?」
 つぶらにすぼめられた唇に人差し指をおしあてて、空色の翼の見習い医術士・ゼフィ(a35212)はしばらく考えた。何事かに思い当たったのだろう、澄んだ紫水晶を思わせる瞳を輝かせ、荷台から身を乗り出すように顔をヴィルジニーに近づけて、彼女はこう答えた。
「動物が好きだから、絵も書けると思いましたし……それに」落ち着き払って大人びた氷上となり、人差し指を頬に寄せて、ゼフィは言った。「観光で懐を潤す村へ行き、民のための休暇を行うんです」
 と、そこへ、宿の入り口へと続く階段の中程から、少女の声が響いてきた。手の平を翻して翼のように広げ――もっとも、彼女の背にはエンジェルの翼があったのだが――、カルザワイの美しさをさあご覧なさいとでもいわばんかりの表情を浮かべているのは、愛を振りまく翼・ミャア(a25700)である。この旅の企画者だ。
「今回はあたしの企画した旅行に賛同してくださってありがとうございまぁす」
 少女からの挨拶は、思ったよりもずっと長かった。危うくミャアが自らの半生を語りかけたところで、屋根から雪が落ちた。白い帽子をかぶらなければ、ミャアはそのまま語り続けていただろう。
 身を震わせ雪を落とし、企画者の少女は言った。
「事故に気をつけて、カルザワイの自然を満喫してくださぁい」
 
●ドキドキ☆ウィンターリゾート
 雪面を滑降する技術であるスキーを教える前に、まずファルがメイに対して行ったのは、庇護を誓う言葉を贈ることだった。秘めやかに誓約を澄ませるとファルはメイに言った。
「止まれなくなった時は転んで止まって下さい。雪の上ですから安全ですし」
「何せ初めてだから。何もないところで滑って転んでも笑わないでよね――」
 そうメイが言いかけた瞬間だった。彼女たちが立つ傾斜が比較的なだらかな雪面を、よろよろとした速度でヨナが滑り降りてくる。右へ左へと揺らめきながら、なんとか体勢を整えようとしているが、あえなく転倒してしまい、雪の粉塵を舞いあがらせた。
 メイをリードしながら、ファルは転んだ少女へと近寄り、立ち上がるのに手を貸してやった。その時だった、後方から雪へと尻餅をつく音がして、彼が振り返ってみると髪まで雪まみれになったメイが弱々しい笑みを浮かべている。
「うー……こんなハズじゃぁ……きゃっ」
 立ち上がろうとしたメイは、膝と膝を合わさるような格好のまま、丘を降ってしまう。素早く回り込んだファルが支えなければ、そのまま麓まで降ってしまったかもしれない。
「大丈夫ですか、メイ……!」ファルは絶句した。メイに手を貸しながら、雪面を怒濤のごとく過ぎ去る緑の物体に気づき、目を奪われたのだ。「……えと、今盆栽が滑ってたような」
 ヨナとメイはまったく気づいていなかった。そこでファルは今見た光景をなかったことにした。
 そこへ、ふわふわと浮かぶ獣の背に揺られ、少女が雪の斜面を登ってきた。それは、フワリンの首に抱きつくティアだった。
「一緒に乗りましょう」
 丘の上に戻った少女たちは、そこでひとつのソリに座りこんだ。
 楽しげな声をあげて遠ざかってゆく少女の背を、ファルがにこやかに見つめる。手の平をかざして陽を避けていた彼の瞳が、凍りついた湖面に点在する、白ではない、鮮やかな色彩を映したのは偶然だった。
 
 密やかな白い息を掌から漏れださせ、イズミは皆に自らの驚きを告げた。
「湖が凍ってるなんて初めて見ました……。上を歩けるんですね」
 鉤爪で氷を貫いたはいいものの、厚い氷に穴を穿つには、少し腕の長さが足りなかった。月影に潜みし緑の影・リンノスケは震え上がって指先の水を切り、穴への止めは宿の主から借り受けた古い槍に任せた。
 ヴィルジニーとリンノスケ、クロノスとイズミの四名は、仲良く並んで糸を垂らした。だが、クロノスに限っては小枝がしなっても気にする風ではなかった。膝に広げたスケッチに、凍りついた湖面を描くため、青に線を引くのに忙しい。
 銀の腹を持った小さな魚が、ときには三匹も四匹も連なって、凍りついた湖面を跳ねまわった。イズミたちはなかなかの成果に笑みを交わして互いを褒め称えた。
 鉄の刃が氷を薄く殺ぐ、冷ややかで、軽やかな音が聞こえた。イズミが振り返ると、そこには艶やかなブラウンの毛を長く伸ばした猫を胸に抱き、颯爽と雪面を滑る少女の姿があった。
 靴の底に敷かれた鉄の刃で湖面に小さな孤を描き、仲間たちの傍らに止まると、ドリアッドの医術士・リリーナ(a39659)は、首を伸ばして釣り竿の先で跳ねまわる魚を見つめる愛猫に、こう言い聞かせた。
「あら、ヒマワリ。その方々は夜の食事のためにワカサギを釣ってくださっているのですから、邪魔をしてはいけませんわ」
「山へ行ったの……ミャアだなあれ」
 ヴィルジニーの声に気づいてクロノスが顔をあげる。だが、すぐにスケッチへと戻されてしまった。山へと続く坂道を登る仲間たちの姿にはあまり興味を示さない。それよりも、仲間の腕から垂れ下げる尻尾の表現に苦慮したいようだった。
 
「……この近辺なら、動物も多いと思う。この水、ちょっとしょっぱいから……鹿とかがここに来る可能性が高いし、その鹿を狙って熊とかも来ることがあるから……」
 ゼフィの言葉に、ミャアとアイリーンが息をひそめた。狙うは鹿や猪といったところだが、もしも、熊が来てしまっても……敵として不足はない。
 腕輪にはめられた金剛石を煌めかせて、ミャアはわが身に鎧聖の力を降臨させた。
「熊の爪や猪の牙くらいならぁ、肉球で止められる、にゃふぅ」
 背の低い茂みに積もっていた丸い帽子のような雪のかたまりが、がさがさと枝の揺らされる音に続いて地面に落ちた。割れた帽子の中央を踏み潰したのは、黒い蹄の持ち主だった。
「か、可愛いなぁ〜ん!」
 抱きつきたかった、けれど、相手は獲物であり、夜の『ワクワク☆雪上ディナー』において友人たちのお腹に収まる山からの恵みである。アイリーンは言った。
「ミャ、ミャアさん……! 『ま〜しふる☆じゃっべり〜ん!』を教えてくださいなぁ〜ん!」
 人差し指を唇の前で揺り動かし、ミャアは舌を鳴らすのではなく口で言った。
「ちっちっち。今は上級版、『れいんぼぉ〜♪ ま〜しふる☆じゃっべりぃ〜ん』なんだよぉ」
 だが、そのとき、ミャアは気づいた。光の聖槍を掌に精製する術を、今日は用意していないことに……。
「……あの……」
 あまりの無念さか、互いに抱き合って涙するふたりの少女に、ゼフィは遠慮がちに呼びかけ、その肩を指先で突き、雪面を見るよう促した。
 そこには、彼が響かせた眠りの歌によって四肢の力を失い、雪にまみれて横たわる立派な獲物の姿があった。
 
●ラブラブ☆星空デート
 ティアが皆のカップに注いでまわった、澄んで明るい色彩からジャスミンの香りを漂わせる茶ももうない。イズミが手腕をふるった料理の数々は皿の片隅に名残を残すばかりで、焚き火の赤い焔もすっかり落ち着いていた。
 銀の星々がちりばめられた漆黒の天蓋、優しげな光を降らせる月に見守れれがらの食事会は、ミャアの長いあくびによってお開きとなった。
 だが……そのあくびが偽りの仕草であったことを、仲間たちは知らない。星空を仰ぎ見ての散策にでかけた恋人たちの後を、寝室にひきとったはずのミャアがつけていたのである。
「さぁて、せっかくデート向けの企画を用意して、様子を見に行かないという法はあろうか」
 愛らしい顔にかすかな悪意を滲ませても、ミャアはやっぱりまだ愛らしい。白い毛並みの猫の着ぐるみを身につけ、いざというときには雪に伏してしまえば、誰も気づかない……そのはずだった。
「何してるの」
 冷ややかな眼差しをヴィルジニーが傾けている。慌ててミャアは弁明を行った。これはのぞきではなく、団員の関係を正確に把握することで、旅団の働きを高める目的があること。それに――。
「場所の目星は昼間のうちに探しておいたよぉ」
「弁明になってないな、それ……」
「あ、ヴィルジニーさんも来る? 一緒にのぞこ」
 肩を落としたヴィルジニーだったが、気を取り直したようだ。興味がないわけではない。アイリーンとリリーナを誘ってくるから、とそうミャアに言い残して、少女は『恋のロレンス亭』へと駆けていった。
 
 愛しき戦乙女を護る者・シヴァルはその闇を封じたかのような瞳を、愛するドリアッドのキリ番ハンター・フィリスへと傾け、彼女の身体を力強く引き寄せた。その際、フィリスの肩からは、松の針葉が雪に落ちたが、彼は気づかなかった。
「フィリス……これからもずっと……傍に居てくれ……」
 男の言葉に女は静かに答えた。
「シヴァルさん、星が綺麗ですの……何だか幸せですわ」
 一面の瞬くような星空を背景に、丘の頂に立つふたりを、麓に腹這いとなってミャアたちは見ていた。「いきなりすごいのを見ちゃった」、それが少女たちの感想だった。雪面を這いずりながら――そうしていたのは、仲間のうち彼女だけであった――ミャアは言う。
「じゃあ、次に行ってみよ」
 
 紅蓮の刃・レンに手を引かれ、ヨナは深く肯いた。フォーナで彼の踊ったダンス……今宵はあの月が見守ってくれている、成功させられそうな気がしていた。
 月影に浮かび上がったふたりの姿は、寄り添う、離れ、再び寄り添うのだった。ヨナの小さな肩を抱きとめ、その吐息を首筋に感じながら、レンは行った。
「……これからも、よろしくお願いしますね」
 
「綺麗なダンスだったな」
 そう言ったヴィルジニーの口元を、ミャアの肉球が塞ぐ。宿の横手に設けられた東屋のベンチに、ファルとメイが腰掛ける姿を見つけたからだ。
「ん、空気が澄んでるから星が綺麗ですね」ファルは自分の外衣を相手の膝に広げた。「メイ、寒くありませんか?」
「ううん、寒くないよ。ほらこのマフラー。暖かいよ」
 そう言って、メイはマフラーを解いた。そして、ファルの首に巻きつけ、自身は彼の胸に頬を預ける。
「静かですね」
「いつだって星は見えるけど、ファルと一緒に見る星はどうしてこんなに綺麗なのカナ?」
 メイの身体を強く抱きしめて、ファルは白い吐息混じりに囁いた。
「えと、メイの方が綺麗ですよ」
 
 いくらか憔悴した様子で、ふらふらと雪に足跡を残し、『恋のロレンス亭』に帰ったミャアたち。彼女たちは一様に頬を紅潮させていた。もう、お腹いっぱいであった。色んな意味で。
 そんなアイリーンたちを宿の戸口で向かえたのは、メイド姿のイズミだった。にこやかに彼は言った。
「お帰りなさいませ……そろそろお休みですか?」
 
●ワイワイ☆おみやげショッピング
 皆の先頭を切って、その小さな赤い三角屋根の店へと駆けこんだのはアイリーンだった。
「面白い物探すなぁ〜ん」
 肯いてリリーナが言う。
「旅行の記念になるお土産が良いですわね」
 しゅん……! と奇妙なくしゃみをしたのはクロノス。彼はカルザワイ名物を探していたが、何がいいのか思いつかないようだ。そのとき、ヴィルジニーが何かを手にさげて近づいてきた。
「これは?」
 それは、凍りついた湖面にシロクマが踊る絵が茶色の革表紙に彩色された、スケッチブックだった。こくこく、と肯いて少年は手を差しだす。
「……どれもこれも可愛くて、どれにするか迷っちゃいます」
 弱々しい笑みを浮かべ、ヨナはそう囁いたが、実は先ほどから少し気になっている品があった。店主が側に立つ柱にかけられた、小さなお守りだ。
 ゼフィは雪のように真っ白でふわふわに膨らんだ輪郭のテディベアを抱いている。そして、ミャアはといえば、渋く行ったようである。雪景色が描かれた手紙用の羊皮紙を手に取っていた。
 ファルはメイに思いとどまらせようとしたが、イズミが妻と同じ品を気に入っている様子に気づき、制止の言葉を口にはできなかった。のたうつ魚を口に加えて後ろ足で立ち上がる熊の木彫り――。
「ふたりお揃いの物が良いですよね」
 ファルの言葉にメイは木彫りを棚へと戻り、ペンダントを指差した。
「あ、これなんて良くない? ほら、綺麗でしょ」
 密かに胸を撫で下ろすファルであった。
 
 行きよりも荷物が増えたノソリン車は少し窮屈だった。けれど、ティアは膝の上に大事そうな包みを抱えて、笑顔である。重たくなったのは、何も車だけではなかった。ありったけの想い出が、自分にも皆の心に満ちていることを、少女はとても幸せに感じていた。


マスター:水原曜 紹介ページ
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作成日:2006/01/25
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