<リプレイ>
●出発準備 「今回はドライフルーツでケーキデスか……それは涎が止まりませんネ……」 金の炎と青い氷をまとうキルドレッドブルーを従えたカレー・ルゥ(a08433)はそう呟き、幸せそうにケーキを想像する。 「はっ、こんなトコロ、ベニトさんに見られては大変デス」 涎をぬぐいながら、思わず周囲をきょろきょろと見回すルゥ。すでにばっちり見てしまったベニトは、どうしたものかと考えていたようだ。まぁ、フードで視線がさえぎられているので気づいたかどうかは多分、口にしなければわかならないだろう。 「ケーキっケーキっ♪」 スキップをする勢いでご機嫌な、キミが生まれてくる世界・カエサル(a22041)。ケーキの作り方説明はすっかり人に任せて、出来上がったケーキを食べる気満々でいる様子。実はカサエル、とても甘い物が好きらしい。 「世の為、人の為、なによりケーキの為……今日もがんばりますっ!」 ぐぐっと拳を握り、悠久の頌歌・フィーリア(a29865)はきっぱりと言った。カサエルと同じく、フィーリアもやはりケーキは大好きなようだ。 「盗賊を捕まえて……ドライフルーツを料理小屋まで運んで……お嬢様にフルーツケーキの作り方の教える……だったかな……?」 前進する想い・キュオン(a26505)は霊査士の言っていた依頼内容を確認するように、そう呟いた。呟いた事で、考えていたよりもやる事が多いと再確認をしたのだろう。 「……意外と多いな……」 キュオンはぽそりと、小さく呟いた。 お嬢様はどうして盗賊を捕えたいのかしらと、首を傾げる月蝶宝華・レイン(a35749)。ともあれ、それなりにケーキは楽しみにしているらしいレインは、うまく出来るといいわねと淡く微笑んだ。 「術手袋はちょっとばれるかのぅ……」 赤黒い炎と銀の氷をまとうキルドレッドブルーを従えた闇翳る月明・ルーシェン(a16220)はそう呟き、首を傾げる。 「一応、皮袋に入れとこう」 ルーシェンはそう言いながら、持参した皮袋に術手袋、月冴紫電をしまいこんだ。盗賊が現れたら、ルーシェンは術手袋をはめるつもりでいる。
「一般人はフルアーマーで歩いてないからなぁ〜ん。……ぺんぎんさんスーツでも歩いてないと思うけどなぁ〜ん」 世界樹の幼木・ユグドラシル(a34640)はそう言いつつ、ベニトへちらりと視線を向けた。ユグドラシル自身は格闘服にマントを羽織った格好だ。さすがにベニトも今は、ぺんぎんスーツを着ていないがフードはかわらずかぶっている。 村娘風な服装に、霊布であるストールを肩へかけたアンサラーの吟遊詩人・ライラブーケ(a04505)。彼女は見事なほど、他の冒険者たちからケーキ作りについての期待を寄せられている。料理が得意な冒険者は他にいない上に、前回のパン作りでは美味しいパンを作った結果、弟子までゲットしたようなので無理もないと言えよう。 そんなライラブーケは、紅蓮の炎に水色の氷をまとったキルドレッドブルーを従えていた。 「けーき〜……。べにとさんはライラさんの愛のケーキ作りに、燃え萌え間違いなしですね〜♪ 完璧です〜」 頬を染め、なにやら現実とも妄想ともつかないメモを取る、うっかり医師・フィー(a05298)。毎度の事なのだが、なにを書いているのか、かなり謎だ。いつものように、猫耳フードやうさ耳カチューシャなどをベニトにつけるのはさすがにまずいと考えたらしく、フィーは少々我慢をしている様子。彼女は金の炎とエメラルドブルーの氷をまとったキルドレッドブルーを従えている。 「ベニトちゃんも豪商に見えるように、この『クイーンズネックレス』を貸してあげるよぅ〜」 混沌の闇に舞う光の風花・クローネ(a27721)はそう言いながら、ベニトの首に後ろからクイーンズネックレスをかけた。後ろからかけに向かったのは、さすがに前からかけに行くと逃げられそうだと判断した為だ。 「わぁお姫様みたいだよぅ〜」 ネックレスをつけたベニトを見て、クローネは手をぱちぱちとたたきながら笑顔を向けた。さすがにそんなクローネを見てから、ネックレスを外す事は出来なかったらしいベニト、なにやら少々ショックを受けつつ……お姫様と遠くを見つめて呟いていたようだ。
●道中 「こんにちわなぁ〜ん!」 ユグドラシルが合流地点で待っていたお嬢様に手を振り、声をかける。 「さて、出来れば何事もないといいんじゃがなぁ」 お嬢様が合流した後で、ルーシェンはそう呟く。安全な旅をするに越した事はないとそう考えているようだ。だが、それはお嬢様の望むところではなく。お嬢様自身、面白半分に自らを危険にさらしたいわけではない。だが盗賊の噂が広まり、村人の行き来が難しくなれば、当然ながら料理の練習をする為に小屋まで向かう事が出来なくなる。 出かける事が出来なければこれまで隠れて努力し、覚えて来た練習の続きをする事も、新しい料理を覚える事も出来なってしまう。そんなわけで、出来る限り早く盗賊を捕える事も、お嬢様の望みの一つなのだ。練習が出来なくなったら困るのだと、お嬢様はきっぱりとルーシェンに言った。 お嬢様が盗賊捕縛を依頼して来たのは、なぜなのかと首を傾げていたレインはお嬢様の言葉を耳にし、なるほどと納得した様子。以前からお嬢様と会っている冒険者たちは、さすがにその辺りの事情を理解しているらしく、盗賊捕縛を疑問に思っていないようであった。 「春ですしね、うふふふふー」 紅地に銀糸で刺繍を施したミニ丈のチャイナ服、花槐を身に着けたルゥは機嫌よく言う。フィーリアは幅広の帽子をかぶり、お嬢様っぽく見えますかねと首を傾げる。 お嬢様の案内で、街道を行く冒険者たち。フィーはお嬢様に猫の肉球の話や、ペンギンのお腹の手触りの話などをふったりしていた。 「盗賊はどの辺りで出るのかなぁ〜ん? ちょっと聞いてみるでござるなぁ〜ん」 ユグドラシルはそう言って、獣達の歌を使う。 「この辺りを荒らしてる盗賊を捜してるんだよぅ〜。キミたちは知らないかなぁ〜? どっちの方向にいるか、教えてほしいんだよぅ〜♪」 獣達の歌を使い、クローネも周囲にいた鳥たちへ声をかける。盗賊と言う概念はなかなか伝わらなかったが、道を歩く人を襲う人なら見たとの答えを得る事が出来、盗賊が現れそうな地点を予想する事が出来た。 盗賊出現位置は予想は出来たわけなのだが。冒険者たち、色々と忘れている事があり、霊査士の警告はあまり役に立たなかったようだ。確かに冒険者たち、服装には気をつけていたのだが。 半身ずつ色が違い、狼のような形状をした召還獣のキルドレッドブルーを引き連れた冒険者が4人。ランドアースで冒険者以外に見かける事はまずない、つまり見慣れない耳としっぽを持つヒトノソリンが1人。12人中半数近くが怪しいと思える集団に、手を出す盗賊はまずいないと思われる。 ダークネスクロークは基本的に召還した冒険者の影に潜むが、キルドレッドブルーについては『ついてくるな』と命令しない限り、召還した冒険者に付き従うわけで。彼らはその事をすっかり忘れて出かけてしまったのであった。 盗賊がいるはずの場所を、警戒しつつ、冒険者たちは進む。盗賊が現れぬままに、ドライフルーツを受け取る場所へ到着してしまい。帰路もやはり、周囲を警戒はしてみたものの、盗賊は現れる事なく。冒険者たちは問題の街道を通り抜けてしまった。
●とりあえず、ケーキは作ろう 料理小屋までたどり着いてしまい、どうやら盗賊は現れないままのようだ。 とにかく、ケーキの作り方も教える必要はあるわけで。冒険者たちはライラブーケの指示に従い、必要な材料を調える。その後で、下準備をと、まずは手順を話すライラブーケ。ライラブーケは主にお嬢様へ説明しているわけだが、作り方がわからない冒険者もそれなりの数いて。 「拙者はライラブーケ師匠の手伝いをするなぁ〜ん♪」 ユグドラシルは元気よく言う。 「下手に手を出して失敗すると怖いし……。あ、妾も教えてもらうと言うのはあり……?」 様子を見つつ、軽く首を傾げてルーシェンは尋ねる。 「ベニトさんも一緒に手伝いましょう?」 「ベニトちゃん、一緒にケーキの型にバター塗ろうよぅ〜」 レインがベニトへ声をかけるのとほぼ同時に、クローネがケーキの焼き型を片手に持ち、ベニトにそう声をかける。焼き型を持たない手でベニトの服をつんつんと引っぱり、その直後にひょいとベニトのフードをのぞき込んだ。のぞき込まれたベニトは慌てて、両手でフードごと顔をおおう。ベニトの顔はちらっと見えたようなと言う感じだったようである。 カエサルはドライフルーツをライラブーケの指示で刻み、混ぜ込むのによさそうな大きさにする。カエサル、料理は好きらしいのだが好きと上手は別の物だし、何より本人的には和食屋の女将、らしい。男で女将とはこれいかにと思わなくもないのだが。同盟諸国では何人か見かけた事があるわけで、そう言うものなのかもしれない。 キュオンもやはり、簡単な作業なら手伝えるかと、ライラブーケの指示にあわせて手伝う。 溶いた卵とバターを混ぜる時や、粉を混ぜる時などのポイントを教えつつ、ライラブーケはケーキの作り方を説明していく。ドライフルーツを混ぜた後で、型に入れた後、空気抜きを忘れないようにと注意も入れた。 6月までには一通りって事は、結婚でもするのかしらと呟きながら、生地の入ったケーキの焼き型を焼きがまに入れるレイン。お嬢様自身が結婚するわけではないのだが、同じくらい大事な事の為だとお嬢様はきっぱり言い切った。 「ケーキは大好きですっ!」 きっぱりそう言ったフィーリアは、色々なフルーツや紅茶を用意し始める。どうやらケーキ作りは高度な技と判断し、今回教えを請うのを諦めたようだ。オレンジピールが大好きだったりするルゥは、オレンジの香りがするお茶の用意を始めた。 「料理はセッティングも大事なのです〜♪」 そう言いながら、フィーはミルクの用意を始める。レインはコーヒーを用意し始めた。 飲み物の準備が整う頃には、焼きあがるケーキの香りが料理小屋の中を漂う。 ライラブーケは焼きあがったケーキを型を外し、ケーキが熱い内にブランデーを塗るようにお嬢様へ指示をする。熱いからやけどに気をつけてとかけたライラブーケの声は少々遅かったようで、お嬢様は軽いやけどをしてしまったようだ。お嬢様のやけどは、フィーがヒーリングウェーブを使い、素早く治した。 「おいしいケーキ作れる女の子は、きっといいお嫁さんになれるなぁ〜ん♪」 ユグドラシルは笑顔で、お嬢様にそう言う。 「わぁ……おいしそうだよぅ〜」 焼き上がり、ブランデーを塗り終わったケーキを見て、クローネが目を輝かせて言った。 「出来上がったのを皆で食べるとか、出来るかな?」 頬を染めて、ドキドキしながら尋ねるカエサル。味見をしてみないと、ケーキの見た目はともかく味も成功したかわからないから、食べてみましょうと当たり前の事のようにお嬢様は答える。 こうして冒険者たちはそれぞれの好みに合う飲み物と、焼きたてのケーキを口にした。

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参加者:10人
作成日:2006/03/15
得票数:ほのぼの6
コメディ2
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冒険結果:失敗…
重傷者:なし
死亡者:なし
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