≪密林の楽園Gパンポルナ≫ホワイトガーデンに憧れて



<オープニング>


 空に雲が流れる。
 真っ白な雲を眺めていると、なんだか自分が動いているような気分になって不思議な気分だ。
「今日も良い天気なぁ〜ん」
 リーリルさん(ヒトノソリンの人妻 32歳)は鍋で何かを煮込みながら空に視線を移す。
「お空にはエンジェルさん達がいっぱい居るなぁ〜ん……」
 お空の国には、あの白くてフワフワでちっちゃい羽を持った子達がいっぱい居る。そう思うだけでリーリルさんは何か幸せな気分になれるのだ。
「なぁ〜ん!? かぁちゃん鍋が焦げてるなぁ〜ん!」
 木の実をいっぱい抱えて帰ってきた息子が、ボーっとしているリーリルさんの前に在った鍋から立ち上る煙を凝視すると。抱えていた木の実を投げ捨てて駆け寄り、慌てて火に砂をかけて消した。
「ふぅ……かぁちゃん……またホワイトガーデンとか言うところの事考えてたのかなぁ〜ん?」
 いつもいつも……好い加減にするなぁ〜ん! と少し厳しい口調で言う息子に対して、
「うふ……あはは、ふわりんはふぁ〜んって鳴くのかなぁ〜ん?」
 リーリルさんは夢見る乙女の瞳で息子を見つめ返したのだった。

「エンジェルとはこういう事だ! と言う依頼を覚えているか?」
 唐突にアムネリアが切り出した。
「ふに? ……よく覚えてるなぁ〜ん。はーい、グリモアー☆ で始まって、オレはドリアッドをやめるぞぉぉぉ! で終った依頼だったなぁ〜ん」
 赤い実の・ペルシャナ(a90148)は暫し考えると、掻い摘んで覚えている事を言ってみた。掻い摘みすぎである気はするけれど、気にしたら負けである。
「うむ、多分その依頼だ……その依頼でホワイトガーデンの事を知ったリーリルさんがな、毎日毎日ホワイトガーデンの事ばかり考えてな……狩りの時に空を見ながら放った矢が前に居た夫の耳元を掠めて飛んでいったり、夜ご飯の時に鍋を焦がして危うく火事を起こしそうになったりと失敗の連続らしい」
「そ、それは大変なぁ〜ん。何とかしないとなぁ〜ん」
「少しでもホワイトガーデン気分を感じさせてやれれば満足すると思うんだが……相手は一般人だし、連れて行く事はできないからな。大変だと思うが頑張ってくれ。あ、ついでに村の子供達とも遊んであげると喜ばれると思うぞ?」
「解ったなぁ〜ん。頑張るなぁ〜ん」
 アムネリアは宜しくな? と言うと食堂の方へ歩いていった。

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参加者
愛想義心の朱蓮・ナリュキ(a02194)
悪代官・スケベエ(a04439)
衝撃の緑鱗・ズク(a07531)
七色の尾を引くほうき星・パティ(a09068)
紅い魔女・ババロア(a09938)
炎に輝く優しき野性・リュリュ(a13969)
黒衣の天使・ナナ(a19038)

NPC:赤い実の・ペルシャナ(a90148)



<リプレイ>

 清々しく晴れた青空の下、わいわいがやがやなぁ〜んなぁ〜んと沢山の子供達、そして一緒に騒ぐ良い大人……つまりはヒトノソリンの人妻のリーリルさんが騒いでいた。

「今回は毛色の変わった依頼じゃな。しかしけなげな人妻の依頼となれば断るわけにはいくまいて」
 ニヤリ……と、悪代官・スケベエ(a04439)が笑う。
 いかにも何か狙ってます、出来れば嫌がる人妻の帯を引っ張りアーレーと回してそのまま(以下閲覧削除)である!
「このわしは女性には天使のように優しいでのう」
 あれな妄想で緩んだ口元を扇子で隠し、視線をリーリルさんにロックオン☆
「な、なぁ〜ん……何か寒気を感じるなぁ〜ん」
 そんなスケベエの視線を感じたのか、リーリルさんは身を護るように両腕で体を抱いて辺りを見回していたけど。
「リーリルさん家に突撃隣の晩御飯……じゃなくて、ホワイトガーデン気分を味あわせてあげるのなぁ〜んね☆」
「ホワイトガーデンを見せ付けてやるぜ!!」
 エンジェルの衣装を着た、ノソ神様・ナナ(a19038)がニッコリ微笑みかけ、衝撃の緑鱗・ズク(a07531)がグッ! と親指を立てると、周りの子供達と一緒にパァと顔を輝かせた。
「わぁ、エンジェルさんぁ〜ん」
 とか言ってナナの所に集まっているのを見ると、ズクの姿は目に入っていない……立てた親指を眺めながら、なんだかやけに風が目に染みた。
「家族ってなんだかいいなぁ〜んね。リュリュも子供欲しくなってきちゃったなぁ〜ん……」
 子供達を見つめてほわわ〜んと、炎に輝く優しき野性・リュリュ(a13969)は目尻を下げるが……、
「……今はそんな相手はいないけどなぁ〜ん……」
(「振ったのはリュリュの方みたいなものなぁ〜んし、今はこれでいいなぁ〜ん! ……きっと」)
 暫くして、ふっと遠くを見つめるリュリュ……春は、まだ遠そうだった。

「いやはや、何もかもが懐かしい物じゃの」
 青空を見上げ、愛想義心の朱蓮・ナリュキ(a02194)が感慨深げに呟いた。普段よりもモコモコした羽付きの服を着込んだ彼女は灰色の髪のと眼の色と合わさって、一寸神秘的だ。
「にゃはは☆ ボク、よく考えたらホワイトガーデンには、半年以上行ってなかったのだ☆」
 そんなナリュキの横で、面白そうだから来て見たけど実はよく解らないのだ☆ と、七色の尾を引くほうき星・パティ(a09068)が笑う。
「喜んでもらう為じゃが、全ては自分が楽しむ為じゃよ〜」
 面白そうだから参加したと言うパティに同意するようにナリュキは朗らかに笑った。
「ホワイトガーデンって敷居も高め……というか空の上よね、謎も多いし私だって憧れるわ」
 私は純真だし心は何時でも少女のままなのーと、紅い魔女・ババロア(a09938)は言い張る。
 本日の恰好は、髪型は巻き毛作って空から落ちてきたエンジェルッ子っぽく、衣装はエンジェル霊査士っぽい恰好だ。
「お、奥さん……もやってみますか?」
 ババロアはそっと羽付き衣装をリーリルさんに差し出す。
「わーい、エンジェルさん見たいなぁ〜ん♪」
「ババロア……」
 それは無理が無いかの? 主に年齢的なもので……とナリュキは思ったりもしたが、喜ぶ32歳の人妻と28歳の独身を見て、まぁ……良いかと遠くを見つめた。

「それじゃ、ホワイトガーデンには欠かせない雲を出すなぁ〜ん」
 んしょ、んしょとリュリュが大量の綿を詰めた袋を取り出す。
「手伝うなぁ〜ん」
 ナナと、赤い実の・ペルシャナ(a90148)が一緒に袋の両端を持って袋を引っ張ると――
「「「なぁぁぁ〜〜ん!?」」」
 綿がパァ―ン! と弾けた……辺り一面に白くてフワフワと綿が飛び散りヒトノソリン3人がアタフタする。
「あ、圧縮しすぎなぁ〜ん……」
「南無南無じゃ」
 降り積もる綿に埋もれるヒトノソリン3人、その様子を遠巻きに見ていたナリュキが満足そうに笑う。
「雲なぁ〜ん、綺麗なぁ〜ん♪」
 なぁ〜ん、なぁ〜んと嬉しそうにリーリルさんと子供達は、はしゃぎ、
「この上をあるくとふわっふわっなぁ〜んよ♪」
「これがフワリンだぞ」
 何とか立ち直ったナナが綿の上を歩いて見せ、ズクがフワリンを呼び出すと、楽しそうなぁ〜ん! っと子供達が突撃して行く。
 そんな子供達に、ババロアが白い付け羽を配り、
「これを着ると良いわ……今日、この村はホワイトガーデンになるのよ!」
 ふわふわな綿が宙を舞い、フワリンと羽を付けたヒトノソリンの子供達がはしゃぎまわる、周りの大きな木にはスケベエが巻きつけた蔦が何となく豆の木っぽく。端の方には何故か宝箱。
 それは確かに、何となくホワイトガーデンっぽかった……のだが、
「ホワイトガーデンには虹があるのだ☆」
 パティが辺りに水を撒いて、虹を出そうとする。そしてそれを見たズクが、口から水を霧吹きし、小さい虹を作り出した。
「なぁ〜ん! 凄いなぁ〜ん、面白いなぁ〜ん!」
「面白いのにゃ☆ どっか〜ん☆ と手伝うのだ☆」
「流石ズクじゃの♪」
「ふぉあ!? ごふぅ!?」
 そんな事をするものだから……もっと吐けとばかりに、わんぱくな男の子がズクの腹にボディブローを連打し始めた。子供たちに混じってパティとナリュキが居るのは気のせいだ。多分。

「そういえば、あの子はどうしてるかなぁ〜ん……」
 楽しそうにズクやフワリンと遊んでいる子供たちを見て、何となくホワイトガーデンに居るフワリンを思い出す。
「な、なぁ〜ん!?」
 そんな少しセンチメンタルな気分に浸っていたナナの耳に、リーリルさんの悲鳴が聞こえた。
「良いではないか、良いではないか」
 白いポテポテしたキグルミを着込み、ひょっひょっひょといかにも悪役ですよ? な笑いでリーリルさんの腰の辺りに手を回すスケベエ、なかなか堂に入っている、と言うよりも地っぽい。
「あ、始まったみたいなぁ〜ん♪」
 予定していたヒーローショーが始まったようだ、ナナも楽しみにしていたらしく、黒いノソリン尻尾をパタパタと振って子供達の後ろから覗き込む。
「何するなぁ〜ん! 酷いなぁ〜ん、離すなぁ〜ん!」
 当の子供達はリーリルさんを助けようとスケベエの脛を蹴ったり、顎にアッパーブロウを連打していたりする。キグルミを見たら殴る! 正しい子供の反応である。
「みんな安心して、頼りになるエンジェルの冒険者が倒してくれるわ」
 フワリンの上に仁王立ちするズクを指差してババロアが告げる……ヒーローの登場を待たずにスケベエが既に倒れそうなのは気のせいだろう多分。
「い、いちきゅーきゅーえっくす……なぁ〜ん……忘れちゃったなぁ〜ん」
 ペルシャナは打ち合わせどおりにナレーションを入れようとするものの、そんな長台詞が覚えられる訳も無く、途中で解らなくなって困った顔でズクを見つめた。
 ズクは仕方が無いと頷くと、スケベエに向き直り、
「あたた……ほあたぁ!」
「あふ、あふふふふ、あふん」
「ほぁ、ほあたぁ!」
「のひょひょほよひょ」
 指先一つでスケベエを突付いたり、それを受けたスケベエが奇声を上げる……どう見てもオッサン2人で戯れているようにしか見えない。何かもうグダグダである。
「「……」」
 どうするのなぁ〜ん? とナナがペルシャナを見て……ペルシャナも困ったように小首を傾げている……と、
「みんな離れるのだ☆」
 パティがメテオ☆インパクト MK.IIIに赤く透き通る矢を番えて颯爽と現れ――
「「ひっ、ひゃらぽぺ!?」」
 放たれた矢が2人の足元に直撃すると、どっか〜ん☆ と、二人は星になった。
「「「わ〜、おねーちゃん凄いなぁ〜ん!」」」
 悪役2人を吹き飛ばしたパティの周りに、リーリルさんと子供達がわーっと集まる。
 エンジェルとか全然関係無い感じでパティがヒーローだった……首元に抱き付いた子供にきゅっ☆ っとやられて一瞬ホワイトガーデンに旅立つ所だったけど。

 一頻り盛上がった後、リュリュが子供たちの前で人差し指を立てて片目を瞑る。
「お姉さんが色々教えてあげるなぁ〜んよ♪」
 勿論ホワイトガーデンの事をであるが、
「ほほう? それじゃ妾にも教えて欲しいのじゃ」
「な、なぁ〜〜ん!?」
 行き成り現れたナリュキのタックルを腰の辺りに受けて、そのままゴロンゴロンと転がって行く。
 ――ボチャン。
「なぁん!? 何でこんな所にドロドロした液体があるなぁ〜ん!?」
「ふっふっふ、妾が用意しておいたドロリ沼(光の海のつもり)なのにゃ♪」
「ちょ、あ、そ、そこは……なぁぁぁ〜ん」
「ほれほれ、色々教えてくれるのじゃろ?」
 どろりどろどろどろりにまみれ、2人の世界がこんにちわ。
「みんな、あっちでフワリンで遊ぶなぁ〜ん」
 どろどろで縺れ合いアレな感じになったリュリュとナリュキから視線を逸らし、ペルシャナは子供達を引き離したのだった。

 そろそろ日が暮れ始めた頃。
「皆、プチホワイトガーデンはどうだったかなぁ〜ん?」
 集まった子供達の前でナナが問いかる。
「「「楽しかったなぁ〜ん♪」」」
 その問いに、リーリルさんと子供達は両手を上げて楽しかったと応えた。
「奥さんも皆でホワイトガーデンネタで盛り上気持ちスッキリかな」
 楽しんでもらえて良かったなぁ〜ん♪ とナナは微笑み、うんうんとババロアが頷いた。


 一方その頃……パティに吹き飛ばされた2人がドロリ沼(光の海のつもり)にて。

「スケベエよ。俺はお前の事は嫌いではないぞ」
 ズクは21歳、スケベエは51歳である、祖父と孫ほどにも離れた2人であるが。
「愛があれば年齢なんて!」
 スケベエはズクに応えるように手を握って、
「噂になると恥ずかしいから」
 熱烈に、真直ぐに見つめてくるスケベエに頬を染め、ズクは顔を逸らした。


 ――もうすぐ夜が訪れる、そんな匂いを風は運ぶ
 2人の幸せを願いつつ、護衛士達は村を後にしたのだった。


【おしまい】


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作成日:2006/03/25
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