三つ巴の戦い:善と悪の天秤



<オープニング>


●ホワイトガーデンの危機
 かつて行われたピルグリム戦争。
 冒険者達の活躍でピルグリムマザーは倒れ、ホワイトガーデンには一応の平和が訪れた。
 ピルグリムの残党による被害もあったが、マザーを失ったピルグリム達に大規模な集団を作る気配は無く、個々の討伐によって対応できていた。

 しかし、そのピルグリム達に異変がおきようとしていたのだ。

※※※※
「再び、皆様の力を借りねばならない事態となったようです」
 エンジェルの霊査士・エリアード(a90210)は、冒険者達にそういって頭を下げた。
 彼の説明によれば、ホワイトガーデンの森の一つに多数のピルグリムが集結して、大きな群れを作っているというのだ。

「ピルグリムの群れは、現在森にあった古き神殿から現れたギア達と戦っていますが、このままだと数日中にギアを滅ぼして遺跡を破壊してしまうでしょう」
 そうなれば、ピルグリム達が再び村や町を襲ってエンジェルを捕らえて産卵するようになるかもしれない。

「あの悲劇を繰り返すわけにはいきません。今ならば、ギアとピルグリムとの戦いを利用して、ピルグリムの群れを滅ぼす事が可能なのです」
 エリアードはそう言うと、集った冒険者たちの顔を見渡して説明を続けた。

「ピルグリム達は、理由は判りませんがギアを最優先で攻撃するように動いています。その為、ギアとの戦闘中に冒険者がピルグリムを攻撃しても冒険者に反撃してくる事はありません。
 ただし、ギアは自分を攻撃する者に対して無差別で攻撃を仕掛けてきます」
 つまり、ギアとピルグリムが戦っている場所では、ピルグリムのみを攻撃すれば、自分達が攻撃される事は殆ど無いという事だ。

「勿論、ギアかピルグリムのどちらかが戦場からいなくなれば、次の目標は冒険者という事になります。もし残ったのがピルグリムならば、皆さんの力でピルグリムを殲滅してください。もし、残ったのがギアであるのならば、ギアの攻撃をかいくぐって逃げ出していただけるようにお願いします」
 ギアの数を減らす事は、相対的にピルグリムの戦力を増やす事になるのだとエリアードは説明した。
 逆に、この森のギアの数がピルグリムの数を上回れば、遠からず、この森のピルグリムはギアによって殲滅される事になる。

「敵を倒さずに逃げる事は、時には、相手を倒してしまうよりも難しい事かもしれませんが、皆さんならば可能な事だと信じています」
 そして、エリアードはそう言うと、倒すべき群れの説明をはじめた。

●善と悪の天秤
「皆さんには、多少難しい所に行って貰いたいと思います。……此方です」
 そうエリアードが指示した場所は、森の中の奥地……とても見通しの悪い所。
 多くの木々が生い茂ったこの場所で、ピルグリムとギア達の衝突が起こっているという事である。
「ここは見通しの悪い場所であり、いつピルグリム達と出会うか、いつギア達と出会うか予測できない土地です。聞いた話によれば、ピルグリムの数は二十体以上はいるとの事。対してのギア達の数は十体程と聞いています」
 今回集められた冒険者は10名……ギア達を戦力とみれば、頭数だけでは五分五分と言える。
 しかし今回のピルグリム達は、守護者であるギア達よりも一回り強い。実際の戦力をみれば、不利である事は間違いない。
 ただ、時間をかければ掛ける程にギアの数も減っていく。
「あまり時間がありません、一刻も早く向かい、ピルグリム達を追い払って下さい。宜しくお願いします」
 エリアードは端的にそう告げると、静かに頭を下げた。

!注意!
 このシナリオは同盟諸国の命運を掛けた重要なシナリオ(全体シナリオ)となっています。全体シナリオは、通常の依頼よりも危険度が高く、その結果は全体の状況に大きな影響を与えます。
 全体シナリオでは『グリモアエフェクト』と言う特別なグリモアの加護を得る事ができます。このグリモアエフェクトを得たキャラクターは、シナリオ中に1回だけ非常に強力な力(攻撃或いは行動)を発揮する事ができます。

 グリモアエフェクトは参加者全員が『グリモアエフェクトに相応しい行為』を行う事で発揮しやすくなります。
 この『グリモアエフェクトに相応しい行為』はシナリオ毎に変化します。
 エンジェルの霊査士・エリアードの『グリモアエフェクトに相応しい行為』は『協力(consensus)』となります。
 グリモアエフェクトの詳しい内容は『図書館』をご確認ください。

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参加者
無垢なる超死神さま愛好家・ガム(a01017)
命の紋章・エルフォン(a01352)
黒焔皇・エルド(a07547)
狂風の・ジョジョ(a12711)
慧眼の静風・キルレイン(a12779)
へたれ黒犬王子・レイ(a25187)
月笛の音色・エィリス(a26682)
誓言の藍歌・メイフィート(a27707)
がんば・レグ(a30220)
時の輪の謡い手・エルシー(a30716)


<リプレイ>

●索敵〜敵と敵
 冒険者達は急ぎギアとピルグリム達の出没している森の最奥地へと向かっていた。
 周りは至って平和な光景が広がっており……一目では、ホワイトガーデンの危機であるとは信じられない。
 そんな……いつもと変わらない、ほのぼのとした光景を見て……時の輪の謡い手・エルシー(a30716)は心の中で、幾度となく呟く。
(「沢山の想い出があるホワイトガーデン……今も、姉様が静かに眠るホワイトガーデン……そんな、大切な場所を荒らすピルグリムは赦せませんの……あの時から、ずっと……」)
 ホワイトガーデンは、誰もが知る通り……エンジェル達の故郷。そこが今……ピルグリム達の為に、危機に瀕している。
 エルシーと同じく、エンジェルである月下幻想曲・エィリス(a26682)も……自然問いその表情を厳しい物にしながら。
「……自分の故郷の事ですもの。何を置いてでも、駆けつけるのは当然ですわ。手負いの身なれど……力を尽くさせていただきます。ピルグリムにも……そして悪いのですけれど、ギアにも……もう好きにさせたくはありませんもの」
 そんなエィリスの言葉に、誓言の藍歌・メイフィート(a27707)が。
「そうですね……でも、身体には気をつけて下さいね。それにしても……ギアとピルグリムは、何故戦い合うのでしょうね。まぁ……私達にとって倒さなければならない敵であるのは変わりません。確実に倒して生きましょう」
「ええ。突然ピルグリムがギアを何故襲ったのかは判りませんが、この状況は最良の形で利用したい物ですね」
 そう告げたのは慧眼の静風・キルレイン(a12779)。
 ピルグリムとギアがいがみ合う理由……それは今判らないけれど、只一つ言える事……それは、今こそ好機である、という事。
「ギア達に攻撃の手が及ぼされないように注意しなければな。さて……舞台が見えてきたぞ」
 そう黒焔皇・エルド(a07547)が言う通り、目前に見え始めてきたのは……広く、鬱蒼と生い茂った森。
 その中からは……既にキン、キン……という、剣戟のような音が鳴り響いていた。
「……もう始まっているようですね。急がないといけませんか」
「そうね……それじゃあ私は走り回って、多くの敵を見つける事にしますね。皆さんも少し危険かもしれませんが、絶対に生きて帰りましょうね」
 無垢なる超死神さま愛好家・ガム(a01017)の言葉に、夜天貫く灰閃一矢・レグ(a30220)と狂風の・ジョジョ(a12711)が頷く。
「よし……それじゃあ行くとするぜ! キルレイン、木の上からの索敵は任せたぜ」
「判りました」
 とキルレインが頷き、そしてエルド、レグ、メイフィートの三人が、その場に武器を置く。
 狭い森の中……大きな武器を持つ事は、只でさえ体力を疲弊させる事になりかねない、という作戦の上である。
「それじゃ……いこうか。エルフォンさん、クリスタルインセクトを御願い」
「ええ……それでは、行きますね」
 命の紋章・エルフォン(a01352)の召喚に応じて、冒険者達の前に現れるクリスタルインセクト。
 ……目の前の森は広く、音はしているとはいえ……その一を、直ぐに掴み取る事は難しいだろう。
「……良し、それでは、行きましょうか」
 そして冒険者達は……ギアとピルグリム達の戦場となる、この広く暗い森の中に足を踏み入れるのであった。

●討ち取らねばならぬ者
 クリスタルインセクトを先頭に進む。
 鬱蒼と生い茂る森の中……数分歩いた先まで行くと、クリスタルインセクトの前に現れたのは、手負いのピルグリム。
 きっとギアとの戦闘において、命からがら逃げ出したピルグリムという事だろうが……。
「……居ました……いきます……」
 エルフォンはそう呟き、クリスタルインセクトをピルグリムに嗾け意識を離す。
 続いて冒険者達が、クリスタルインセクトの下に辿り着くと、周囲を取り囲むと直ぐに、そのピルグリムは地に伏す。
「よっしゃ、まずは一匹っ!」
 ジョジョは景気づけのようにそう叫ぶと共に、直ぐにその耳を澄ます。
 キーとなるのは剣戟の音……その音は前と左のどちらからも聞こえてくる。どちらかというと……左の方が多いような気もするが、判断がつかない。
「……どうやら、分散して闘っているみたいですね。数までは……流石に判りませんが」
 ガムの言葉の通り、人ではあらずのギア……悲鳴や断末魔の叫び声等響く事はない。
 剣戟の音が聞こえ、その数は僅かに減っているようには聞こえるが、それを確定付ける理由は無い。
「じゃ、俺達はこっちの方に向かう、終わり次第、倒した数を叫ぶ事は忘れないようにな」
 ジョジョが告げると、エルド、キルレイン、ベンジャミンと共に前方へと走っていく。
「……それでは行きましょうか。エルフォンさん、捕まって下さい。クリスタルインセクトを出したままだと、離れてしまいますから」
 そういうメイフィートの言葉に、エルフォンは頷き……担がれて再び意識を離し……再びクリスタルインセクトを、左の方向へと向かわせる。
「こっちですわね……急ぎますわ」
 エィリスの言葉に頷いて、残る冒険者達はクリスタルインセクトの後に続いていった。

 前方へと向かった四人。
 数分後……彼等はギアとピルグリムとの交戦に接触する。
「よし……いくぞ」
 そう告げると共に、エルドはウェポンオーバーロードを使い、武器を呼び寄せ……その武器を振りかぶったまま、ギアの所へと近付く。
 突然の冒険者達の登場にピルグリムはその視線を向けるが……対してのギアは、只黙々と目前のピルグリム達に攻撃を続けていく。
「……戦闘の為に作られた機械……。不気味な物ですね」
「そんな事、今考えててもしょうがないだろう。さぁ……始めようじゃねえか!」
 キルレインの言葉にジョジョがそう吐き捨てると共に、ジョジョは接敵状態のピルグリムに攻撃を仕掛ける。
「木々は倒さないで下さい、倒れた木がギアに当たって我らに攻撃を仕掛けてくる可能性があります」
「く……判ってるよ!」
 キルレインの警告が無ければ、ジョジョは木々諸共に当たりを薙ぎ払って居た事だろう。
 デストロイブレードを使い攻撃力を上げた一閃を……目前のピルグリム達に薙ぎ払う。
 そしてその攻撃に合わせてエルドが、奥にて遠距離攻撃を行うピルグリムの所へと一気に距離を詰めて、デストロイブレードを放つ。
 二人の渾身の一撃によって、2体、3体……と次々にその場に倒れていく。
「これで……六匹っ!」
 勿論そんな冒険者達の攻撃に黙っているピルグリムではない。攻撃のターゲットをギアから冒険者達に切り替える。
 中距離の所から、産卵管を伸ばそうとするピルグリム……キルレインはその動静にいち早く目を付けると。
「行きます……届け、矢っ!」
 とホーミングアローを放つが……さほど大きなダメージを与えたようではない。
 全体的な能力にさほど差がないのだろう。弱点を突く攻撃は……効きづらいようだ。
「くぅ……仕方ないですね。私は周囲の警戒を担いますよ」
「判った……一気にブチ倒すぜ! これで七匹だっ!」
 また一閃……ジョジョがデストロイブレードで敵を倒し、そしてエルドも遠距離のピルグリムを終えて、残るピルグリムを殲滅する。
 一匹、2匹、そして……3匹。全てのピルグリムを殲滅すると共に、ギアは……一直線に、次なる敵の方向へと動き始める。
「10匹……これで此処は終わりか」
 エルドが剣に付いた血を振り落とすと、くるくると舞っていたベンジャミンが。
「Hey! ミーのファンキーでソウルフルな歌と踊りを堪能するネー!」
 適度なサイズのアフロを震わせながら、高らかな凱歌を掻き鳴らすベンジャミン。ピルグリム、そして……ギアから受けたダメージは、即座に回復していく。
「それでは、次の所に参りましょうか……あちらです」
 キルレインの言葉に促され、四人はギアの向かった方向へと走っていった。

 一方、左方では。
 クリスタルインセクトと、自己の意識の狭間を繰り返すエルフォン……そして彼を担ぐメイフィート。
 次第に……仲間達との距離が離れ始めていた。そしてクリスタルインセクトは……交戦中の集団と遭遇する。
 距離はかなり離れている……その事を確認すると、エルフォンは。
「……離れてしまいましたね。皆さん……御願いします、先に行って貰えませんか」
 突然の申し出に、メイフィートは驚いた顔をする。
「先に……って。危ないですよ。迷子になるかもしれませんし、足を止めている暇は有りませんから」
「いいんです。それよりも……先に行って、ピルグリム達を倒して下さい。必ず、合流しますから」
 真剣な瞳のエルフォンに、意志を汲み取ったエィリスがこくり、と頷き。
「音はまた二方向に分かれておりますわ……私達はもう一つの方向へと向かいますの。メイフィートさんは、クリスタルインセクトの所に向かってですの」
「……」
 エルフォン、そしてエィリスの目を見て、メイフィートは……判りました、と頷く。
「絶対に、絶対に……生きていて下さいね」
 そうとだけ言い残し、メフィストフェレスの番犬・レイ(a25187)とレグ、ヨルと共にクリスタルインセクトの先へと走っていく。
「……勝手を言って、申し訳無いですね……」
 そう……四人の後ろ姿にエルフォンは呟いた。

 数分後……レイ達は、クリスタルインセクトの所へと辿り着く。
「良し……速攻で潰すよ」
 その口調、雰囲気が一気に変わるレイ。キルドレッドブルーと融合し、金銀の氷炎を身に纏う。
「凛弦-黒犬-の威力……思い知れ!」
 同じくメイフィートとレグも、ウェポンオーバーロードを使い置いていた武器を呼び寄せ、それぞれが狙った敵へと攻撃を仕掛けていく。
「手負いですが……やり方次第で、です!」
 特にレグは、敵の状態と、攻撃手法によって、使用する攻撃方法を的確に切り替えて攻撃していた。
 確かに重傷を負ってはいるが……すぐヨルが高らかな凱歌とヒーリングウェーブを使い、回復に専念しているお陰で安心して攻撃に傾注出来る。
 メイフィートはギアから攻撃を受けないように注意して攻撃を仕掛けると共に、レイはキルドレッドブルーとの融合攻撃を仕掛ける。
 次々と倒れていくピルグリム達……最後の一匹。
「……邪魔、とっとと消えろよ」
 レイのその言葉が、葬りの一撃となる。
「……次は何処だ?」
 何処か……冷ややかなレイの言葉。
 そんなレイの言葉に応じるかのように、又動き始めるギア達。
「どうやら……あっちのようですね」
 そうレグが言うと、レイ達は頷き……ギアから少々距離を離したまま、先に進んでいった。

 そして、ガムとエルシーの二人は……というと、まだギアと接敵していないピルグリム達を見つけ出しては攻撃していた。
 斬っては逃げ、斬っては逃げ……一体一体、確実にピルグリム達を倒していく。
 数体目のピルグリムを倒して、そんな彼女達が次に正対したのは、ピルグリムを索敵中のギアである。
「……止まって!」
 ぴたり、と動きを止めるガム、そしてエルシー。
 ギアはそんな二人の動きを僅かに……警戒するが、すぐさまギアはピルグリムを探し進み始める。
「本当にギア達はピルグリムだけを倒すように動いているようですわね……幸いですの」
「そうみたいですね……追い掛けましょうか」
 そうしてギアの後を追うガムとエルシー……遅れていたエルフォンとエィリスとも合流し、残るピルグリムの音の方向へと一歩、一歩近付いていく。
 ピルグリムとギアの動きを見極め……左右から一気に取り囲む四人。
 エィリスとエルシーの二人の回復が、次々とエルフォンとガムだけではなく……ギア達も回復していく。
 実際の効果の程は、無感情のギアは傍目からは判らないが……その攻撃力は再び復活しているようには見える。
 更にエルフォンのエンブレムブロウの攻撃と、ガムのデストロイブレードの連発……冒険者とギア達の仮初めのコンビネーション攻撃に……流石のピルグリム達も、なすすべ無くその場に倒れていく。
「……ふぅ……これで、20匹は越えたでしょうか」
 エルフォンの言葉に、エルシーがこくり、と頷く。
「エリアードさまの言う話では二十体以上との事ですの……もう、あらかたのピルグリムは倒せたと思いますの」
「まぁ、まだ残りはいそうです。ギア達も動いていますし……ね。警戒しつつ、動く事にしましょうか」
 そう言うエルフォンの言葉に、エルシーはこくり、と頷いた。

●去就
 カウントも25体を越える頃。
 ギアの数はさほど減ってはおらず、ピルグリム達の数の倍以上はまだ居る事だろう。
「良し……もう良い、撤退だ!」
 そんなジョジョの指示の叫びに従って、次々と森を出始める冒険者達。
 1体、2体のギア達に見つかるものの、決して攻撃される事は無く、易々と森の中から脱出していく。
 外に出て……夕闇に包まれ始めた空を見上げながら、エルシーが。
「……ふぅ、終わりましたね。また来るときには……静かな森でありますように……ですの……」
 と、空に掛かる丸い虹を見上げる。
 そして……森を遠くにして、汗を拭いつつ……ふぅ、と息をつくレイ。
「ふぅぅ……つっかれたー……。レグもみんなも、ちゃんと無事か?」
 先程までの、眼光鋭いレイとは違い、何処かのほほんとしたレイ。
 そんなレイの言葉に、レグは周囲を見渡して……そして、気付く。
「あれ……エィリスとガムは何処?」
 今、この場に居る冒険者の数は……たった10人。
 二人の姿は今此処にあらず……その姿はまだ、森の中にあった。
 ガムが、全てのピルグリム達を倒すところまで見届けたいと告げて、その言葉にエィリスが頷いたのである。
 勿論……ギアの数が二倍以上の状態、放っておいても、ピルグリム達がその戦況を引っ繰り返す事は難しい。
 ギアの攻撃により、一体、又一体……と、全てのピルグリム達は、そのギア達の目の前に倒れていく。
 全滅……それを見届けると……ほんの少し、ほっとしたような表情で。
「……終わりましたね、では此処を去りましょうか」
 そんなガムの言葉に、多少の不安ながらも頷くエィリス。
 しかし……その気配に気付いたギア達が……ふらり、とエィリス達にターゲットを向ける。
 獲物が居なくなったからこそ、次なる獲物を……という事なのだろうか?
「……来ましたわ!」
「く……こっちに!」
 慌てて走り抜けようとするが……重傷を負ったエィリスの身では、次第にギア達にその距離を詰められる。
 手を引くガムに、エィリスは……荒い息を整えながら、残るミストフィールドを、その場に続けざまに放った。
 そして……立ちこめる靄が晴れる頃には、ギア達の目前からは……エィリスとガムの姿は消え去っていた。
「……ギアも、ピルグリムも……絶対に、絶対に許しませんの……」
 そんな、エィリスの……小さな呟きを、森に残して。


マスター:幾夜緋琉 紹介ページ
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参加者:10人
作成日:2006/03/31
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