追憶の教会

神は居ない、それでも希望はある。

団長吼狼・ディーン(a42160)
町外れに一軒の大きな廃墟がある。
簡素ながらも古風な形式をとるそれは
現役時代はどこか洗礼された物があっただろう。
だが長い間手が入らなかった壁はベージュに変色し
崩れた壁の隙間等至る所から草が伝い
昔の面影は想像するに留まるしかない。

廃墟の中に入れば、
埃は被れど今尚色褪せない厳かな造形を成した豪奢な内装
反し、後に出来たであろう歪な形のガレキ、硝子の破片
それらの出迎えを見るに未だ内部には昔の色がある事が伺える。


子供ならこの類は好きそうだが正直溜息の出る光景
極め付けには今となっては場違いにも見える斜に傾いた大十字架が
地に刺さっている始末。

そこはどうやら教会だったらしいが
今となってはガレキの聖域と称すのも悪くない。


今日は晴れだった。
日を浴びた塵は一種の幻を見せてくれ
どの場所にも光はある、と
そう感じさせてくれた場所だった。


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