●残念!

 まだ時間もあるし、少しくらいなら……。
 そう思って、あなたは彼女の歌を聞く事にした。

 美しい歌が、その場に響く……。
 それでいて、心地よい……。
 ああ、なんて気持ちがいいんだろう。
 原っぱに寝転んで聞いたら、どんなに気持ちがいいか。
 あ、あれ? まぶたが……重い………ぞ………?

「あらあら、お休みになってしまわれたようですね」
 彼女はすやすやと眠るあなたに向かって、そう言った。
 けれど、あなたの耳には届かない。

 気が付けば、そこはスタート地点。
 どうやら、相手の罠にはまってしまったようだ。がっかり。