＜スレッドリプレイ・岐路＞

【業務スレッド7】岐路　ヒトの霊査士・フィオナ（a90255）

●岐路 「これで、何か分かるかな？」 　表裏縹色・パニエ（a28408）ら、狩猟者一行が持ち帰った遺留品を霊査し、追跡行に赴いた一同の話を一通り聞いたヒトの霊査士・フィオナ（a90255）は、とても難しい顔をした。 「まぁ、案の定ってーんですか。 　いよいよ、碌でもない感じってのは分かりましたですよ」 　苦笑いを浮かべた彼女は、一つ咳払いをして話を仕切り直す。 「連中は幾つかの部隊に分かれているようです。 　まず、荒野の残虐シーンですか。アンデッド工場部隊と呼ばせて貰いますが。あちらは、見ての通り彼等が自分達の戦力を増強する為に用意したサイクルというか装置でしょうね。一体、どれだけの期間繰り返されていたのかまでは分かりかねますが」 　まず、彼女が語ったのは聞くまでも無く殆ど知れていた事であった。 「どう考えても、放っておけない懸念事項ですが…… 　あそこには、守兵も含めて相当の戦力が配置されてます。可及的速やかな攻略、殲滅は必要ですが、大変な激戦は避けられないでしょう」 　彼女は「取り敢えずそれはさて置きますが」と続けた。 「残りの部隊は、それぞれ……『偵察隊』、『調達隊』、『主力戦闘部隊』、この内、偵察隊は先の『狩猟者』作戦により全滅させましたから、残りは工場、湖の別荘も含めまして大まかに四部隊ですか。 　全体の残党冒険者は、二十数名。モンスターアンデッドは数十体以上、ピルグリムワームアンデッド一体、ピルグリムグドンアンデッド十数体に、グドンアンデッド六百余、湖を守る魚アンデッドやはり数百……しんどい数です。 　救いというか光明というか。期待出来ます情報としては、別荘には、件の『それらしい少女』も居る事が挙げられますか」 「ふむ……」 　杪冬・ポーラリス（a11761）は、顎に手を当て思案にふける。 　数字を聞くだに部隊を一つ潰し、五分の一を乗り越えた、と思うのは楽観が過ぎるだろうが、全容が解明し、達成度に一つの目安が示されたのは好材料になるだろうか。 「現状では、此方の動きが気付かれているという事は無いでしょうが。 　既に戦端が切られた以上、コレまで以上の警戒は必要でしょうね。予測される残党軍の規模から言って、恐らく主戦級の部隊規模を持つのは、アンデッド工場と主力戦闘部隊だと思われます。 　主力戦闘部隊は、調達部隊や偵察部隊からの報告・要望を受けてピルグリムグドンを含む集落の破壊等の荒事を引き受けているようですが、展開次第ではコレがこの本拠を強襲してくる可能性も又、否めません」 　冷徹な言葉は、危険な可能性を語る。 　アンデッド工場で見た光景を鑑み、フィオナの話を聞く限りでは、彼我の戦力比に関しても決して楽観は出来ないだろう。 「……が、目的を考えれば黙って守備を固めている訳にも無論いかねー訳でして。 　主戦部隊が現状はやや遠方に居るのも好材料。 　今の所気付かれていない、というアドバンテージを生かして、先手を打つ――次の作戦を立案する必要が、アタシ達にはある訳です」 　霊査士は、一同の顔を見渡す。 「そこで、テメーらの意見が必要です。 　戦力増強を止めなければキリがありません。その上、大戦力に後背を突かれる事を考えますとぞっとしますから。次回作戦について、アンデッド工場攻撃は、規定路線となりますが、問題は湖の別荘です」 「問題？」 　知の探求者・エコーズ（a18675）の片眉が上がる。 「ええ。アンデッド工場を攻撃すれば、確実に本拠に異変は伝わるでしょう。敵首魁が存在すると考えられる此方に異変が伝われば、コレを取り逃がす可能性は上がります。 　考えられる対策としては、同時に湖にも潜入部隊を派遣する事ですが」 　フィオナは一旦言葉を切って、眉を顰める。 「……先に述べた主戦部隊の存在を考えれば、この本拠に守兵を置かない事は考えられません。必然的に攻撃に割ける人数は、ある程度限定される事になるのです」 「……」 「その上、本拠戦力は不明。 　……あは。お世辞にも、勧めたい任務にはなりませんね」 　つまり、少数精鋭による「極めて」危険な任務になるという事である。 「……追跡行の大成功が、皮肉に選択肢を増やしました。 　正直、決断はこの部隊の命運を決める岐路にすらなるでしょう」 　静かに語る少女の言葉に力が篭る。 「テメーらの意見を、聞かせて下さい」 　1. 危険は承知。湖の別荘に潜入部隊を派遣する。 　　　（18） 　2. 目下は、アンデッド工場攻略に全力を尽くす。 　　　（22） 　3. その他（何か特別にある場合は。補助的選択肢になります） 　　　（19）