ランララ聖花祭・朝露の花園でのひととき

● Eternal promise

 まぶしく輝く太陽の陽射しが射し込む朝露の花園。
 そこに、藤色のドレスを着た、1人の女性の姿があった。

「う……ん。風、気持ちいいな♪」
 そよそよと流れる風に髪を揺らし、ミリィは摘んだ花を編んで冠を作りながら、彼が現れるのを待っていた。
「ヨウ、遅いけど……大丈夫かな?」
 ぽつりと呟きながら、ミリィが花園の先を見つめたその時。
 1つの人影が、その向こうからやって来るのに気付いた。
「やれやれ……皆、ノリで試練しかけてくるか? 普通……」
 そう苦笑しながらこぼす青年……彼こそ、ミリィの待っていた相手、ヨウだった。
「あ、やっと来た……」
 それに気付くと、立ち上がってヨウを出迎えるミリィ。
 そんな彼女の姿に、ヨウはふと動きを止める。
 彼女が身に着けているドレスは、とてもとても似合っていて……。
「……綺麗だよ、ミリィ」
 つい、見惚れてしまいながら告げるヨウに、ミリィは嬉しげに「ありがと♪」と微笑み返すと、用意しておいたプレゼントの箱を取り出す。
「はい、お待ちかねのプレゼント。それと……これもね」
 差し出しながら、ミリィは身を乗り出すと、ちょんっ、と……彼の頬にキスを贈る。
「あー……ったく、もう!」
 ――彼女の、その仕草に、どうしても我慢が出来なくて。
 腕を伸ばしたヨウは、ミリィをぎゅっと抱きしめる。
「ヨウ……」
 抱きしめられたミリィは、照れて顔を赤くしながらも、そっと伸ばした腕で彼を抱きしめ返す。
「ミリィ……愛してる。ずっと一緒にいような」
「私も……。ずっと、傍にいたい、な」
 花園で抱き合いながら、互いに告げ合った言葉は、深く強い想いが込められていて。
 2人は見つめあうと、抱き合いながら寄り添い……そんな彼らを、そよ風に乗った花園の香りが、優しく包み込んでいった……。


イラスト: 金子卓生