● ふたりのランララ聖花祭 〜四葉と花冠〜

 澄んだ青空の下。
 二人は朝露の花園に来ていた。
「わあ……綺麗やなっ!!」
 ハクゥは辿り付いた花園に大喜び。
「うん、本当に綺麗だね」
「この花も綺麗やし、あ、この花もっ」
 どうやら、ハクゥは花園にある花に目移りしている様子。
 その様子を見守るかのようにヘルディスターは眺めていた。
「……良いこと思いつーいたっ♪」
 ぐっと拳をつくって、ハクゥは嬉しそうに何かを作り出した。
「何してるの?」
 覗きこむヘルディスターにハクゥは。
「ふふ、できるまで内緒なんよー」
「それじゃ、それまでこの辺、見てるね」
 ヘルディスターも何かを思いついたらしく、花園をじっと見つめては屈みこんで何かを探している。
 二人はそれぞれで思いついたことを形にしようと頑張っていた。

 そして、数時間後。
「ルディ、出来たんよ」
 ハクゥは後ろ手に何かを隠しながら、ヘルディスターの前にやってきて。
「はわっそれくれるの?」
 すとんっ。
「ルディ、大好きー」
 背伸びをして、ヘルディスターの頭の上に乗せられたのは、色とりどりの綺麗な花冠であった。
 その花冠はとてもヘルディスターに似合っていた。
「わあいっ! ありがと♪」
 ヘルディスターはとっても喜んでいる。と、ヘルディスターはそっと何かを差し出した。
「あ、あのね。さっき、見つけたの♪ クゥにあげるね!」
 それは、四葉のクローバーであった。
「クゥにいーっぱい、幸せが訪れますように」
 そのヘルディスターの言葉は、ハクゥの心の中にすうっと入って嬉しさを倍に、いやそれ以上にしてしまっていた。
「嬉しい、ありがとなぁ」
 すっごく嬉しくてけれど、それをなかなか伝えられなくて。
 ハクゥは、にこにこと嬉しく微笑むしかできなかった。
「僕はクゥが幸せなら幸せだよ」
 にぱーと嬉しそうに笑って、ヘルディスターはハクゥの額にそっと口付け。
「る、ルディ……」
 その行動にハクゥはどきどき。微笑むを通り越して、頬がぽっと赤くなっている。
「えへへ! 愛してるよ、クゥ♪ これからもよろしくね!」
 ハクゥは、そうにっこり微笑むヘルディスターに、にこっと微笑み頷いたのであった。


イラスト:縞海すずめ