● 出会った時から、ずっと

 ふわりふわりと、純白のドレスが舞う。
 そして、頭には白いヴェール。
 今日のルゥルは、いつもとは違うドレス姿で、彼の姿を探す。
 女神の木の下で、静かにけれど、少し緊張した面持ちで。

 木々の合間を歩いて、コジロウはルゥルの待つ木の元へと向かう。
 コジロウも慣れない白いタキシードを着て、この場所に来ていた。
 いつもと違うタキシード、気持ちが引き締まるようである。
(「だけど、こういうときだからこそ、俺は俺のままでいたい」)
 そう思い、コジロウは笑みを浮かべる。
「おぉ、ステキじゃないか」
 その言葉にルゥルも嬉しそうな笑みを浮かべるが……。
「お父さん、涙が出そうだぞ。お嫁に出したくなくなっちゃう」
 このコジロウの言葉にルゥルは、とたんに不機嫌になった。
「こんなときに何を言ってるなぁ〜んっ」
 少しむくれているものの、内心、ルゥルはほっとしている。
 いつものコジロウらしい言葉。それにルゥルの緊張は少し解れたようだ。
(「思わず、カッコいいなぁ〜ん、なんて見とれちゃったのに」)
 今日だけは見逃してあげようかと思う。
 だって、今日は……大切な日なのだから。

 ルゥルの手を取り、コジロウは真面目な顔でルゥルを見つめる。
 その時間が長く、長く感じられた。
「ウェディングドレスは、脱がすことにもう一つの意味があるとは思わないか?」
「ま、また変なことを言ってるなぁ〜ん……」
 ちょっぴりふざけた言葉。けれど、その真面目な顔は一切崩さずに、繋いだ手もそのままに。
「こうなることを、俺は知ってたよ? 君と出会ったあの時から、ずっと」
「こ、コジロウさん……」
 と、おもむろにコジロウは、ルゥルの唇に自分の唇を重ねた。
 深く神聖な誓い。
(「ずっと一緒に居られるように……」)
 ルゥルはそれだけを願って、誓いのキスに心を込める。
 その様子にコジロウは満足げな笑みを浮かべ、ルゥルを抱き上げた。
「だから、これから先、どうなるかも分かってる」
 囁くようにコジロウは続ける。
「君の全てが、いつまでも俺のものだってこと」
 その言葉にルゥルも嬉しそうな笑顔を見せた。
「大好き……じゃなくて、えと、んーと……愛してる、なぁ〜ん」
 女神ランララが降臨した、このランララ聖花祭で、一組のカップルが結ばれた。

イラスト:華谷百花