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 なにはともかく、やってみよう!?
 TRPG版『無限のファンタジア』の体験日記です。
 登場人物の紹介はこちら。                          画:888

TRPGって?
キャラメイク
冒険開始!
GMに挑戦
終章


第1話 〜マレナさんと会っちゃった!?〜
○月×日
 僕は大学生。そして、ここにはいないが妹もいる。
 いつものように大学のレポートを終わらせた後、僕はメールをチェックする。

『ねえねえ、お兄ちゃん!
 無限のファンタジアのTRPGルールブックは買った?
 絵もいっぱいだし、すっごく面白いんだよっ!!』

 離れて暮らす妹からのメール。
 それに毎日返事を出すのが、僕のいつもの日課。
 最近は、その日課に『無限のファンタジア』というネットゲームで遊ぶ事も加わっていた。


『無限のファンタジア』というネットゲーム(正確には、PBWという)も、元はと言えば妹に誘われて始めたゲームだ。
 ファンタジー世界に生きる冒険者になって、みんなと一緒に冒険の日々を過ごす。簡単にいうと、無限のファンタジアはそんなゲームだ。僕は今、そのゲームの魅力に見せられて、結構、いやかなりハマっている。

 やっぱり一番の魅力は、画面の向こうにいて、僕と同じく冒険者なってゲームをしている友達との交流だ。
 特に僕が一番仲良くしてるのは、マレナさんというキャラクターだ。
 何と言ってもキャラクターのイラストがかわいくて綺麗で、文句なしに僕の好みに直球どまんなかだし、プレイヤーさんもとても親切で、初心者だった僕は何度も助けて貰ったんだ。

『マレナさんみたいに優しくて綺麗な人が、現実にいたらいいなぁ』と、ありもしない妄想を抱いた事は……無いといえば嘘になるけど。

 さすがに僕も、今日の出来事には、心の底から驚いた。


 その日の僕は珍しく急いでいた。
 うっかり、夜遅くまでネットで無限のファンタジアをやっていて、目覚ましをかけていなかったのが原因だ。
 とにかく、急いで電車に乗らないとっ!!

「あっ!!」
 どしんっ!!
 しまった、急いでいたせいで、人にぶつかってしまった!
「すすすす、すみませんっ!」
 急いで、倒れている相手に手を貸そうとした瞬間。

 僕は、頭の中が真っ白になった。

「もう、痛いじゃない」
 そういって、体を起こすその人は……。
「マレナさんっ!!?」
 言っておくが、マレナさんは、ゲームの中でのキャラクターだ。
 現実にいるわけがない。
 けれど、僕は会ってしまった。
 セーラー服を着ている、本物のマレナさんを!!
「ちょっと、聞いてる? あなたの鞄と私の鞄の中身」
 そういって、マレナさん(のそっくりさん)は言う。
「え? あ、ごごご、ごめんなさいっ……」
 急いで、落ちている荷物の回収を行う。
 と、手が止まった。
「え?」
 これも運命かもしれない。
 『無限のファンタジア』と書かれた、大学ノートサイズの大きな本が落ちているのに気づいたのだ。
「これ……」
「私のよ」
 さっと僕の手から奪うかのように、マレナさん(のそっくりさん)はその本を持っていった。
「じゃあ、私はこれで」
「あ、本当にすみませんでしたっ!!」
 マレナさん(のそっくりさん)の後姿に叫びながら、僕は自分の頬をつねった。
「痛っ!!」
 夢じゃない。
 でも……夢かもしれない。
 遠くかすかに見えるセーラー服を見ながら、僕はまだ、夢だったんじゃないかと思っていた。



 家に帰って、早速鞄の中身を確認してみた。
 その日、僕は鞄の中に、無限のファンタジアのパンフレットを入れていたからだ。
 手帳サイズのこのパンフは、イベントで無料配布されていたんだけど、イラストも一杯入って、かなり見ごたえのある内容だった。

 

 それを妹に頼まれていて、やっと手に入れることができたんだけど……。
「ない、ないっ!?」
 どこを探してもなかった。
 ちゃんと鞄の奥底にいれておいたのに……何処かで無くしてしまったらしい。
 何処で?
「もしかして、あの時?」
 すぐに思い出した。
 朝、マレナさん(のそっくりさん)とぶつかった事を。
 そのときに落としてしまったのだろう。

「でも、あのとき確かに拾ったはず………あっ……」
 そう、あのとき確かに拾ったんだ。
 一冊の手帳。
 それは、生徒手帳だった。僕の持っていたパンフレットは青っぽい色、そして、目の前にある手帳も青いカバーが付けられている。どうやら、間違って持ってきてしまったらしい。
「しししし、しまったっ!!!」
 でも、これで、僕はあの出来事が本当だった事を理解した。
 生徒手帳に付けられた写真。
 それは紛れもなく、マレナさん(のそっくりさん)だった。
「きっと、マレナさんも困っているよな……」
 思わず、マレナさん(のそっくりさん)があれこれと探して、見つからずに泣いている様子を想像してしまった。
 胸が、痛かった………。
「これは早く届けてあげないとっ!!」
 その日、僕は決心したんだ。
 この手帳を必ず、マレナさん(のそっくりさん)に………。
「あ、名前が書いてある……って、生徒手帳だもんな。当たり前か……えっと」
 マレナさん(のそっくりさん)の名前は『四条 美咲(しじょう・みさき)』。
「美咲ちゃんか……可愛い名前だな……うわ、女子高か!?」
 学校を確認する。幸いにも、その学校は僕の家から近い。これなら届けられるだろう。
「けど、女子高か……」
 いや、迷ってはいられない、きっとマレ……違った、美咲ちゃんも困って泣いているかもしれないのだから!
「あ、そういえば……美咲ちゃん。無限のファンタジアの本を持っていたな……本出ていたっけ?」
 さっそく妹に聞いてみると………。



『うわ、もう忘れちゃったのー(TдT)
 私、ちゃんと言ったよーー。
 無限のファンタジアのTRPGルールブックが出たって』

 無限のファンタジアの「TRPGルールブック」?
 なんだろう? TRPG? RPGは知っているけど、この「T」は何なんだ?
 ルールブックっていうから、ゲームのルールが書いてあるって事なんだよな?
 とにかく気になったけど、明日は美咲ちゃんに手帳も返さなくっちゃいけないので、早めに寝ることにした。
 今度は遅刻しないように、ちゃんと目覚ましをかけて。



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