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 なにはともかく、やってみよう!?
 TRPG版『無限のファンタジア』の体験日記です。
 登場人物の紹介はこちら。                          画:888

TRPGって?
キャラメイク
冒険開始!
GMに挑戦
終章


第2話 〜美咲ちゃんとの再会〜
▽月●日
 講義が終わった後。
 僕はさっそく、美咲ちゃんの学校に向かった。
 ……美咲ちゃんって女子高なんだよな。僕が行っても大丈夫……かな?
 ちょっと心配しながらも、美咲ちゃんの学校に無事たどり着いた。
 …………。
 女の子ばっかり……だな。まあ、女子高なんだから当たり前といえば当たり前
なんだけど。
 何ていうかその、校門で待っている僕はかなり異質のような感じで。
 早く来てくれないかなと思っていた矢先。

「「あっ……」」
 互いに気づいた。
 どうやら、相手もわかってくれた様子。
「ごめん、ちょっと時間ある?」
 思い切って呼びかける僕。
「あの、何の用?」
 上目使いで僕を見る美咲ちゃん。それもまた可愛いわけで。いやいや、今日は
目的があってきたんだ。
「僕の荷物に、君の物が入っていたものだから……これ、君のだよね」
 そう言って美咲ちゃんの生徒手帳を渡す。
「あ、ありがとう……」
「それじゃあ、僕はこれで……」
「ちょ、ちょっと待って」
 くいっと僕の服の袖を、美咲ちゃんは引っ張った。
「え?」
「喫茶店」
「喫茶店?」
「近くに喫茶店があるの、美味しいパフェとか……コーヒーとかも美味しいから、
だから……」
 どうやら、まだ僕に用があるようだ。
「いいよ。何処にあるの?」
「こっちよ」
 美咲ちゃんが僕の腕を掴んで、走り出した。
「ちょ、ちょっと!」
 僕も美咲ちゃんに合わせて、走り出し、校門を後にした。



 喫茶店。
 そう滅多にこない場所のひとつでもある。
 まあ、妹に連れられて何度かは行った事はあるけど、たいていはファミリーレ
ストランやファーストフード店で済ませてしまう。
 目の前には美咲ちゃん。
 いったい、何の用で僕を引き止めたんだろう?
 も、もしかして、僕に一目ぼれ………な訳ないか。
「生徒手帳、届けてくれてありがとう。私の学校、生徒手帳の再発行に時間がかかって大変なの。助かったわ」
「あ、いえ。その……元はといえば周りを見ていなかった僕が悪いんだし……」
「まあ、そうね」
 ……え? 今、さらっとキツイ事言われた?
「それよりも、何かお礼しないと。ここのコーヒーを奢るってだけじゃ駄目よね?」
 お、お礼っ!?
 ぜ、全然考えていなかったっ!!
 お礼お礼お礼お礼……な、何がいいんだろう?
「えっと……その……すぐ決めるから、ちょっと待ってて」
「わかったわ……あ、その前に」
 ふと、思い出したかのように、美咲ちゃんは鞄を開ける。
「私もあなたに渡すものがあるの」
「渡す、もの?」
 そう言って、美咲ちゃんが取り出したもの。
「あああっ!!」
 それは無限のファンタジアのパンフレットだった。僕が無くしたと思ってたパンフレットは、美咲ちゃんが持っていてくれていたんだ!
 無限のファンタジア?
 そういえば……あのとき、美咲ちゃんは無限のファンタジアのTRPGルールブックを持っていたっけ?



 もしかして美咲ちゃん、TRPGの事を知っているかも!?
 僕は、美咲ちゃんからパンフレットを受け取った後。
「あの、美咲ちゃんは、その、TRPGとか知ってるの? 無限のファンタジアのルールブック持っていたし……」
「……ああ、そうか。手帳を拾ったから……」
 小さな声で呟いてから、美咲ちゃんは言った。
「知っているわ。さすがにベテラン相手には難しいけど」
「じゃあ、教えてくれないかな? 無限のファンタジアのTRPGの事!」
 その言葉に、美咲ちゃんはちょっと考え込んで。
「……いいわ、私でよければ教えてあげる」
 僕は心の中で、ガッツポーズを決めた。
 もしかすると、これはもしかして大チャンスっ!?
 TRPGの事知りたかったし、しかも、美咲ちゃんから教えてもらえるなんてっ!!
「じゃあ、私の家に行きましょう。説明するには、ここじゃちょっとね」
「あ、うん。わかった」
 美咲ちゃんが席を立つと同時に僕も立つ。
 ここでは、割り勘で注文した分を支払い、外へ出た。
 そういえば、美咲ちゃんの学校付近に来るの初めてだったんだよな。
 迷子にならないようしっかりとついて行かないと……って、その心配はいらなかったようだ。
 美咲ちゃんの歩くスピードは、それほど速くはなかった。
 いや、それでも一生懸命早足だったけど、僕の歩くスピードよりも少し遅いくらい。
 少しスピードを遅くするくらいで丁度よかった。
 そういえば、妹も歩くの遅かったな。女の子って、歩くの遅いのかな?
 そんな事を考えて歩いていると、前方に本屋さんを発見した。
「あ、美咲ちゃん。本屋に寄っていってもいい?」
「早くしてね」
 了解を得て、僕は本屋に入る。確か、ゲーム雑誌とかゲームの攻略本が置いてある場所にいけば……あったっ!! 無限のファンタジアのTRPGルールブックだ。一度見たから、間違いない。
「……買っていなかったの?」
「うん、そうだけど?」
「…………あ、そう」
 とにかく僕はこの本屋さんで、無事、TRPGのルールブックを手に入れた。

 ほくほくしながら、美咲ちゃんの横を歩く。
 そういえば、美咲ちゃんの家はどんな家なんだろう?
 どきどきしながらも、僕は美咲ちゃんを追い越さないように、急がせないようにゆっくり歩きながら、考えていた。



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