<リプレイ>
● 生命を慈しむ秋の大祭は、今年も賑やかな声で溢れる。
「ん〜! やっぱ祭りっていいなぁ♪」 並ぶ露店を冷やかしつつ、のんびりと楽しむ有斗。入鹿もはしゃいだように、どこから回ろうか見回して。優雅に巡行する神輿行列を眺めるジローは、時代絵巻のようなその様に感心する。真っ赤な林檎飴をじっと見つめる詩杏を見つけた孔明は、購入したそれを彼女に手渡して。良かったら案内してもらえないかな、と微笑んだ。
見かけた詩杏と右京に声を掛けた後、チョコバナナを買おうとした暈人は。 「暈人君見て! 金魚掬いだよっ! あ、あのお面可愛いー! タコ焼き屋もある!」 テンションの高い和の様子に慌てるも。よし、じゃ行くか、と彼女に微笑む。 きらきら、ふわふわ、ほくほくしあわせ。智康のたい焼きはつぶ餡、ドロシーのはクリーム。でも餡子も好きだと、ドロシーはつぶ餡も購入。そしてわた飴に飴細工と、気になる甘い物の店に突撃。迷子にならぬよう、ふたり手を繋いで。 林檎飴、わた菓子、クレープにチョコバナナ。どれだけ食べられるか陣と競う雛玖梨は粉物で満腹になりつつ、負けじと鯛焼きを頬張ろうとしたが。俺の勝ちぃっ、と陣に取られ、むぅと唸って。最後の締めにと、カキ氷を買った。 これはロシアンではないので安心だと。皆で割り勘したたこ焼きを口に運ぶ惑。司と右京も続くが、揃って首を傾げる。たこ焼きなのに、タコの気配が全くないのだ。これではただの『焼き』、タコ入れ忘れられたのかと切なくなる不憫な3人。そしてそんな彼らを後目に、翠と詩杏も首を傾けていた。やたらタコの多い、食べ応え十分のたこ焼きに。 珍しい多国籍料理の屋台を堪能する茂理は、見かけた詩杏に。世界の味覚の勉強かい? と声を掛けて。おじさーんこれください! と、わた飴や林檎飴を買った所在も詩杏を見つけ、すくったヒヨコを見せて。可愛いねーと一緒に微笑み合う。
彼方の焼き鳥に、たこ焼きにクレープにチョコバナナと食い倒れる勢いの麗音。そんな花より団子な男子達にお裾分けしてもらいながらラムネを飲む、【蜜刻】の女性陣。そして負けじと、雛が大きな林檎飴を、朔がわた飴を買いに走り、枝璃夏はそんな様子を眺め目の保養だと笑む。それからアトラは、気合を入れて腕まくり。最後は女の子皆で、金魚すくい対決だ。ひょいっと出目金をすくう雛に、皆の期待を裏切らず上手な枝璃夏。元魔弾として真剣な朔の本気に、アトラも少しは自分も上達したのだと頑張って。彼方はそんな皆の本気と腕前に驚く。そして、何気に負けまいと参戦した麗音のポイには、あっさりと大きな穴が。
やったー釣れたー♪ とはしゃぐ龍麻は、難易度高いうなぎ釣りに成功。でも、掛けた金額は秘密。 カニ釣りに挑戦したフォモールも。 「あ、いたたた。ゆ、指を挟んでます!」 痛いながらも、見事釣り上げる。 一方、両親が出会ったこの祭りで金魚をすくう成美は。破れた紙のポイに、自分はモナカ派だと呟く。
すぐに売切れるおはじきを求めて。晴貴の手を両側から引くニルと穂乃美。そして可愛い職人の匠に目を輝かせるも、お財布を覗き込み、そろりと晴貴を見上げた。そんな二人に苦笑しつつ晴貴は、どれがいい? と尋ねて。嬉しそうに同じ箱を抱え手を繋ぐニルと穂乃美の笑顔に、満足そうに笑んだ。 同じくおはじきを前に、これが可愛いね! と。詩杏と右京といろいろ指差し吟味する悠樹。 好きなラムネを一口飲んだ美鈴は、一緒に来てよかったねと、雄太に微笑む。雄太はから揚げを食べた後、おはじきを見て回って。美鈴の分も購入しようと考えていた。
罰ゲームをかけた射的勝負! 出来るだけ身を乗り出し、陽子をからかうよう突付く智成は犬ぐるみを見事ゲット。陽子は邪魔する彼に銃を向けるも。弾を無駄にしたことに気付き、落としやすい小さな賞品に狙いを変えたのだった。 食べ歩きを楽しんだツムギと瑞羽が挑むのも、射的。3発目でポコンと景品を落とし勝ち誇るツムギに、むくれる瑞羽。そんな彼女にツムギは撃ち落とした可愛いゆるキャラぐるみを手渡して。照れて顔を背けつつそれを受け取る彼女に、口が裂けても言えないなと思う。実は、隣の景品を狙っていたなんて。 繋いだ手の温もりに父の姿を感じつつ。露店を回る癒太は、灯夜を的屋に誘った。そして銃を使い慣れないながらも射撃を楽しむ灯夜の横で。 「むう〜。枕だったらもう少し当たると思うのですが……」 普段射撃主体の彼は思わず呟く。 「むう……残念ですね」 お目当てのぬいぐるみを撃ち落とせず、悔しそうな浴衣姿の水緒に。拙者も挑戦してみるでゴザル、と銃を構えるアンディ。そして狙った一発が。アザラシみたいなぬいぐるみを、見事コテンと落としたのだった。 浴衣着用の【男料理部】4人も食べ歩きを楽しみ、見つけた射的で遊ぶ。硝子郎にねだられた人形を的確に狙い落とした計都は、瑛太にジュースをかけた勝負を挑んで。瑛太も、負けてないわよ〜と気合を入れ真剣に臨む。そして沢山の景品をゲットして。次は、ウキウキ胸弾ませる硝子郎お目当ての蛇女を観に、見世物小屋へ。
● 「綺麗な物見るって癒されるよね」 綺麗なビードロを見つめ詩杏に微笑むトミィ。アリスは梅が枝餅などを買い、食べ歩きつつ皆を案内して。紅綺はそんな楽しげな彼女らを見つめている。 そして、ビシイッとルナが林檎飴で差すのは、お化け屋敷。アリスは詩杏と、そして右京も誘って中へ。えり子は、お化けはスカルロードのお父さんに似ているから怖くないと言い聞かせ、ルナやアリスと手を握り進むが。急に現れたお化けに、全員が大パニック。中でも一番の悲鳴を上げた右京は、あくりょー退散! と固く目を閉じるルナを小脇に抱え、アリスの手を引いて。えり子と詩杏とともに出口へと突っ走る。
互いに虚勢を張りながら、何気に身を寄せ、手を差し出したりし合う直人と春一は。お、俺が怖いンじゃ無ェからな! ビビッてなんかねぇ、と言い合うも。迫るお化けに、ぎゃあっと悲鳴を上げて。うわぁぁああッ!! と相手の腕を引っ掴み、出口へと駆けていくのだった。 怖がる自分の反応を楽しむ相棒に突っつかれ、涙目でぼやき八眼を盾に歩くあずきは。 「うっ……ぎゃあぁぁうわあぁぁあ!!」 迫るお化けに悲鳴を上げて。 「アハハハッ! お前何て声上げてンだ……ってオイ落ち着け」 相棒を掴み、出口へと猛ダッシュ。 天虹は強がる右京を連行し、ウィルとお化け屋敷へ。そして突然現れたお化けに大声を上げてしまうも。何気に隣で驚愕しているウィルに、今叫ンでた? と服を引っ張る。そしてウィルはぜーぜー息を整えてから。走り去った右京の姿がないことに気がついた。
鹿苑寺キャンパス中学2年E組の皆と詩杏を誘い、涼介はお化け屋敷の中へ。 「わ! びっくりしたー」 「ふむ、こんな見せ方もあるんですね」 特に怖がることなくあっさりした反応の麻優里に、面白そうに周囲を見る紫月。逆に那美は泣きそうな顔で友人達の服を握って離さない。 そして、先頭を歩く涼介は立ち止まって。 「さすがに室内で迷うわけが……あれ?」 どうやら、迷子属性発揮らしい。さらに。 「な、なにか追ってきているのですっ」 ふと振り返った漣は背後から迫るお化けに気付き、一瞬固まる。咲夜も思わず声を上げて。 「こっちこないでなのぉ!」 わーっ!? と出口を探して走る面々。 そして何とか外に出た後、マイナは振り返る。お化けがまだ追いかけてきていないかと。
気がついたらそこはお化け屋敷、うわぁぁんっと必死に雅人に抱きつく蘭。その感触を雅人は思惑通り堪能して。ふいに彼女を抱きしめ、見上げる蘭をひょいっとお姫様抱っこ。そしてお化けが見守る中、そのまま出口へと向かったのだった。 何気に心臓バクバクで壱帆と離れぬよう歩く鶴吉は。突然驚かされ思わず手が出そうになるも、彼女に窘められ我に返る。そしてふと壱帆は立ち止まり考えた。ひょっとして怖がって抱きつけば良かったのかなと。鶴吉もそんな彼女の様子に気付いて思う。男としてまだまだ気が利かないのかなぁ俺、と。壱帆は、この近さがもどかしい時もあるかもと思いながらも。その手はしっかりと、彼を離さず握り締めている。 先程から無言の右京に、大丈夫? と声を掛けた弥琴は、ふと振り返って。あ、後ろ後ろ、と迫るお化けを指差す。そして悲鳴を上げ出口まで突っ走った右京に。休憩しよっかと、飲み物を手渡した。
ファルチェと遙にしがみつき、半泣きのヒナノ。ヒナノに抱きつかれ思わず上げた悲鳴を誤魔化しつつ、遙はお化けにも律儀に挨拶。そしてファルチェは、ここは怖がるフリが礼式だと、本気で怖がっているふたりの様子に気付かず感心しながら。 「きゃー、怖いですの」 楽しそうに、棒読みな悲鳴を上げてみた。 「べ、別に怖いわけじゃないわ……」 手を握っているのは、はぐれないためだと。少し強がるフェシアに楓は、頼りになるところをみせられればと思いつつも、出てきたお化けを興味深そうに観察する。そして無事に外に出た瞬間、中から聞こえた絶叫に首を傾けた。 学園祭で迷宮探索した思い出を詩杏と語り、はしゃぎながら歩く風優翔は。先程から様子が変な右京に気付き、のっぺら面と懐中電灯を取り出して。 「う〜きょ〜さ〜ん……」 刹那、ぎゃああぁぁあっ!! と赤い男の絶叫が轟く。 故郷の祭りのことを語りつつ。克乙も詩杏とともに右京をお化け屋敷へと連行し、騒ぎ楽しんで。タンジェリンも、見つけた右京と詩杏をお化け屋敷に誘うも。右京は言い訳を並べ逃げ、詩杏と二人で中へ。そしてお化けの出現に、はわ、と固まる詩杏に。タンジェリンは、これ倒して良いのかと真顔で聞く。そして誕生日の近い彼女に、何が欲しいかと優しく微笑んだ。
お化けや仲間に驚かされ、一人怖がる亜衣に。仕掛けを押し返し、お化けを逆に驚かすお化け屋敷クラッシャーな湊。そして、たまには場の空気を読んでと。 「きゃーやだーこわーい」 棒読みで言ってみた悠に、舜は笑いを堪えられず、亜衣も思わず瞬きする。それからしつこいお化けにキレた悠は、きゃーやだーこわーいと口真似する湊と、舜に渡されたのっぺら面を装着した亜衣を全力疾走で追い立てるのだった。お化け、完全に置いてけぼりで。
● しっかりと手を握って。瑛斗と緑が見つけたのは、お目当てのふわふわわた飴。買ってあげた三色わた飴に笑顔を宿す緑をもっと喜ばせたくて。瑛斗は、つい他にも奢ってしまう。緑はそんな彼に微笑んで。甘いわた飴を、お裾分け。 沢山の人と露店に驚きつつ、泰花は迅を遊戯の屋台へと誘ってみる。迅は上手な人を見つつコツを聞きつつ挑戦し、上手に取れた賞品を泰花へと差し出した。そして、ふとはぐれないか不安になる彼女に。安心させるように微笑んで、ぎゅっとしっかり手を握り返す。 仏頂面の緋桜にネコ耳を装着し、射的にアンズ飴にと手を引く赤音。緋桜は彼女の手の温もりを感じつつも、今日くらいは付き合ってやるかと、自分を楽しませようとする赤音を見て。赤音が楽しそうなだけでも十分なんだけどなと思う。柄ではないから、言わないけれど。 はぐれたりしちゃ、嫌ですよ? と。寄り添う祐理の手を握って。林檎飴片手に空色のビードロを見つめる結は、見上げる祐理の視線に照れ笑い。それから妥協せず真剣に店を巡り、お揃いのビードロを購入して。互いにそれを鳴らして歩く。しっかりと、手を繋いだまま。 チョコバナナクレープを握る一視のもう片方の手は、しっかり五本指を絡めた枢の手と繋がっている。そして差し出された巨峰飴を赤い顔で一口貰って。枢と色んな味を少しずつ分け合い、露店巡りを満喫する。立ち止まるのが惜しいくらい、楽しい刻を共に。 探すは、祭り一大きな林檎飴。少し照れつつ燈子の手を握り、彼女と露店を巡るエイゼン。そして見つけた特別大きな林檎飴は、祭りの灯りを映しキラキラ輝いていて。それを半分こする二人は、間接キスになるのだろうかと照れて顔を赤くする。まるで甘い林檎飴のように。
食べ物のちゃんぽんだとばかり思っていた正成は驚きつつ、颯にその名の由来を聞いてビードロの音色に耳を澄ますが。ちゃんぽん、とは聴こえないでござるな、と首を傾げた。逆につかさは、先入観からかそうとしか聴こえないけどなーと笑う。颯は並ぶ沢山の露店を見回し、珍しい遊びや食べ物の店を中心に巡って。沢山の思い出に、シャッターを切っていく。 梅が枝餅とチヂミ焼きを交換し合って微笑んで。気合入れてお洒落した浴衣姿の諷と聖子は、今度はちゃんぽんを吟味して。互いに似合う柄を選びあった後、そっと吹いてみる。そして響くのは、秋のはじまりを告げる、不思議で優しい音。 振袖姿の紗耶も青い薔薇の描かれたちゃんぽんを手にし、とっても綺麗ですわ、と笑んでから。詩杏に、どれが好みか尋ねた。悠斗も、顔の青い右京に気付き声を掛けるが。ゴーストよりお化け屋敷が苦手という彼に思わず笑いを堪える。 可愛いものを見つけては足を止める梓は。綺麗で繊細な硝子細工にキラキラ目を輝かせて。月と星の瞬く置物に笑み、そっと手に取った。 リカのビードロ選びに付き合う基も次第に楽しくなり、自分もひとつ選んでみるも。リカの眼差しに負け、彼女の分も一緒にお勘定。そんな基にリカはご満悦にビードロを吹きつつ、これってデートみたいですねと笑う。互いに、そんな気はないと言いながら。 このちゃんぽんは食べられないが、キラキラ綺麗だと。ミオは、浅葱と聖羅と3人お揃いで買って。浅葱がそっと吹けば、ぽこん、と優しい音が鳴った。それから、お祭りならではの林檎飴にたこ焼き、お好み焼きにカキ氷と屋台を巡って。見つけたのは、型抜きの露店。ミオが見守る中、一番難しい型を選んだ浅葱と一番易しい型を選んだ聖羅が真剣に挑む。
ひなたやみさかの手を引いて。唯が【arrobamiento】の皆を連れてきたのも、型抜きの露店。そして幸也を突付き、うまく抜けたら賞金が出るとにやり。誰が一番上手に抜けるか、勝負が始まる。型選びが重要という結梨は初級のコマ型を一足先に抜き始めるが。パキンと割れてリトライ。そして次は抜けたが、下が欠けている。未都はそんな様子に豪快だよ〜と笑った後、油断せず慎重に手先に集中する。見よう見真似ながらも動物の型を少しずつ抜くみさか。好きな羊の型を黙々と無言で抜いていくひなたは、上手に抜けて小さく笑んだ後、食べるの勿体無いかもと思わず呟いた。唯も賞金とお土産のために、負けじと綺麗に型を抜く。 それから、型抜きが終わって。幸也くんならいい音で吹けそうと未都に言われ、吹かれた彼の空色のビードロが。秋の夜空に、ちゃんぽん、と綺麗な音色を奏でたのだった。
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参加者:110人
作成日:2009/09/24
得票数:楽しい32
ハートフル10
ロマンティック2
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冒険結果:成功!
重傷者:なし
死亡者:なし
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マスターより許可を得たピンナップ作品は、このページのトップに展示されます。
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