<リプレイ>
●食欲くすぐる秋風の匂い ――10月10日。 双十節のこの日、獅子舞闊歩する中華街は、普段以上の賑わいをみせていて。 そして爽やかな秋風が運ぶのは、食欲を刺激する美味しそうな匂い。
「中華街の必須アイテムですよね?これさえ有ればカンペキです♪」 何と言っても、肉まん。それしかありません!! と。アルトはひたすら肉まんに狙いを定め、中華街中のあらゆる肉まんを存分に食べ歩き始める。 「甘いのの次はしょっぱいの?」 弥琴は右京に案内を頼みながらも。詩杏と右京の二人に、バイト代でごま団子を買ってあげて。飽きないよう味の違うものを選びつつ、少しずつ沢山の種類を食べられるよう中華街を歩いていく。 コンビニなどでも手軽に買える中華まん。だがやはり本場は違う。中華まんでも、ココナツまんや野菜まん、高菜まん、キノコまん、カボチャまんにパンダまんなどの変わった種類もあって。その他の中華でも、ここでしか味わえないものが沢山だ。茂理はそれらを堪能し中華街を隅から隅まで味わいつくすべく、気合を入れた。 一方、人で混雑する中。きょろきょろと危なっかしく歩く詩杏に世話好きスキルを発動させて彼女を紳士的にフォローしながらも。片っ端から食べ歩く双牙は、自分の勧めたものを食べてはほわんと笑む彼女に和みつつ。存分に中華街を満喫して歩く。
……双十節に中華街? ……何それ人混みに圧殺されにいくの? と。 最初従兄弟のイーライから聞いた時そう思った恭介だが。詩杏の誕生日だと知り、いつも以上に人の多い中華街で、彼女のためにプレゼントを探す。逆にイーライは、お祭りの日のチャイナタウンの賑わいと美味しい食べ物に、テンション上がりまくりだ。 そして、恭介は中国紅茶のミニセットを。イーライはカスタード味の可愛いウサギ饅を箱ごと、詩杏へプレゼントして。再び食べ歩きへと向かうのだった。
この3人でのお出掛けは何だか不思議で新鮮。 そう思いつつ、暈人と孔明と蒼馬は、それぞれ探し始める。 「ブタまんは……違う」 「あっ、これ気に入ってくれるかな?」 「うおっ! なにその猫パンダ……」 本日の主役が喜びそうな、プレゼントを。 そして三者三様、暈人が可愛く美味しいパンダまんを。孔明が、蒼馬もきゅんとしたパンダの着ぐるみ仔猫マスコットを。蒼馬がパンダ入りの花文字を選んで。見つけた詩杏に手渡した。 でも……これで、終わりではない。 3人からのとっておきのプレゼントは、合作のバースデーケーキ。マジパンのマジパンダと和風の飾りつけがされた、抹茶とマロンのシフォンケーキだ。詩杏は、わあっと瞳を輝かせ、お礼の言葉と笑顔を3人へ返す。 そして、笑顔と獅子舞と思い出を一緒に。一枚の写真に収める。
異国情緒の雰囲気と、キラキラしている千破屋の横顔を見つめながら。彼とはぐれぬよう手を繋ぎ、ジングルも幸せ一杯の笑みを宿して。中華まんや月餅やタピオカジュースを、二人で仲良く半分ずつ。でも量は半分でも。甘さと美味しさは、倍。 だけどパンダまんを割る時だけは。ひー! ごめんなさいー! と、思わず悲鳴を上げてしまう。とはいえ、口に運べば、その美味しさに再び笑顔が。 パンダさんは少し可愛そうだったけれど。半分こしながらじゃれ合い食べる本場の味は……ほっぺたが蕩けちゃうくらいに、美味しい。
何気に隠れた趣味である料理の研究をしつつ食べ歩くタンジェリンは、詩杏を見つけ、途中買ったパンダ帽を彼女に被せてから。 そっとその右手を取ると、誕生祝いや気遣いの言葉とともに、互いの温もり混ざる小さな手の甲に優しく口づけをして。微笑み、パンダ帽の上から彼女の頭を撫でてあげる。
詩杏に祝いの言葉を伝えた後。空と禊は、中華街を食べ歩きデート。 禊がパンダ饅を、空がブタさんの顔の肉まんを買って半分こしようとするも。そのあまりの可愛さに、なかなか半分に割れない。だが、えいっと思い切って、ついに口に運ぶと。その美味しさに、思わず笑みが零れる。 そして。 「はい、空。あ〜ん♪」 禊から差し出された半分のパンダさんを。空は、照れながらもぱくり。 大好きな人から食べさせてもらったその美味しさは5割増しで。 とっても、甘い味がした。 そんな同じ結社の禊を見かけたアシュレイは、お邪魔しないよう隠れつつも。 「おめでとうございます詩杏。おひとつどうです?」 詩杏に肉まんをプレゼント。そして彼女の荷物を持ってあげながら、一緒に食べ歩きを楽しむ。
「あむあむ、これもおいしい。あ、あそこにも売ってる」 目についたものを片っ端から購入し、風優翔の荷物まで持つ涼介の両手は一杯。風優翔はそんな彼を一応応援しつつも、戦利品の美味しさに舌鼓を打つ。 それから出会った詩杏も誘って、さらなるグルメの旅へ。風優翔は詩杏と手を繋ぎ、涼介と一緒に彼女にも沢山の食べ物を差し出す。 そしてそんな3人の前に現れたのは、獅子舞。 ラッキー! ではあるが。噛まれるとなると何だか痛そうで。さらに何故か自分達目掛けやって来る獅子舞に、思わず逃げてしまうのだった。 それにしても華がねぇなオレらーと。華やかなパレードを横目に笑った功貴のお腹は、あちらこちらから漂う良い匂いに早速ぐーぐーと鳴っている。だが、それも当然。中華まんや肉まんや桃まん、変り種まで、どれも美味しそうで目移りせずにはいられない。菊里はきょろきょろ見回しつつ、頑張って沢山食べますよと笑んだ。何せ今日は、明来の奢りであるから。 「二人とも、手柔らかに……頼むぞ」 そうそっと財布を覗き込み、心配気に呟く明来。だがその顔はどこか楽しげだ。 それから3人は、一通り食べ試そうと買った沢山の各種中華まんや、杏仁豆腐や甘栗を皆で分け合って堪能して。詩杏を見かけ、彼女にお祝いの言葉と桃まんをプレゼント。そして、偶然やって来た幸せの獅子舞を見つけて。楽しそうに声を上げる。
詩杏と美味しいものを半分こしつつ食べ歩く龍麻の前に現れたのは、噛まれると幸せになるという獅子舞。そんな獅子舞に噛んで貰いたいものの少し物怖じする詩杏を連れて。龍麻は積極的に近づき、彼女と共に、かぷりとひと噛みして貰ったのだった。
「小龍包って食うの難しいんだよなー。一口で食うと熱くてヤケドするし、少しずつ食うとスープこぼれるし……」 そう崇之が言う間に。がっふがっふとそれを頬張った雪隆は、声にならない声を上げている。そんな雪隆を後目に、炯はガイドブック片手に詩杏の贈り物を探すが。 実は今日は、炯の誕生日。 崇之と雪隆は二人のために、適当にハッピーバースデーを歌って。 詩杏には、大きな桃まんの中から小さな桃まんが沢山出てくる饅頭を。炯には、でっかいぺきんだっく……に蝋燭は刺さらなかったため、巨大豚まんに蝋燭を立ててプレゼント。 桃まんを割る度に、いちいちはわっと声を上げ、二人の歌に喜ぶ詩杏の隣で。炯は、気持ちだけ有難くいただきますから静かに……と呟くも。弟が居たらこんな感じなのかと思いつつ、ある意味盛大に祝ってくれる二人に。気軽に『けいおにーちゃん♪』と呼んで下さいと、にこり。
赤い従者を引き連れた、赤と蒼の着物姿の二人のお姫様。 「右京、肉まん買ってきて欲しいのじゃ。妾の分と詩杏の分とな」 何で俺が!? と言いつつも。いそいそ肉まんと、飲み物まで律儀に買ってくる右京。当然代金は彼持ちである。 茉莉花も詩杏も、買い食いは慣れていないが。友と一緒ならば……心強くて、美味しい。
詩杏を祝うべく探していた所在は彼女を見つけ、大きく手を振って駆け寄る。 「詩杏ちゃんも一緒に食べない?」 そして途中買った点心セットを取り出し、一緒に堪能して。美味しいねー♪ と、二人揃って笑みを零す。 えへへ、色々ありますね! と。エルデも大きな中華まんを詩杏と半分こしながら、沢山色々美味しいもの食べようと微笑んで。そしてふと獅子舞を見つけ、果敢に近づいてみて。ちょっぴり怖いながらも詩杏と一緒に噛まれつつ、何気に願掛けもしてみたり。
詩杏と右京に挨拶やお祝いを済ませた克乙は。二人と楽しく横浜談義をし、乙姫も連れて来たかったと思いつつ、楽しく食べ歩き。そして右京と共に誕生日の詩杏に美味しいものを奢ってあげながら、バザールで買い物をしたりと中華街を歩く。
●目に手にするもの、全てが楽しい思い出 小食の私にはこれくらいがちょうどいい、と。少し小振りの肉まんを買い、賑やかな中華街を歩く伊良子が入ったのは、中国茶専門店。そして店内を見回した彼は、ぱっと小さな笑顔の花を咲かせる。香りと味が忘れられなかった、七分咲きの八重桜のお茶を見つけて。 そして、同じ中国茶のお店で。 「中国茶や、茶器でも見に行きませんか?」 太一郎のそんな誘いに頷いた詩杏は、目の前でじんわり開く造形茶の茶葉にほわーっと感嘆の声を漏らす。それからパンダと花の描かれた茶器を気に入った詩杏に。太一郎は、それを彼女にプレゼントしてあげるのだった。
初めての中華街に、初めてのチャイナドレス。楽しみで、そして少し緊張しながらもえり子が選んだのは、シルバーの刺繍がされた長め丈の空色のチャイナドレス。レイも青と白のものを選び、ルナは詩杏にこれはどうかと勧めながらえり子に髪をお団子にする手伝いをして貰って。赤に金の刺繍の入った袖なしミニ丈のものを着てみる。詩杏は迷った挙句、白に蒼の刺繍の半袖ミニ丈なチャイナを手に取り、珍しい男の子用の小洒落たアジサイ柄アオザイ姿のトミィに左右にシニヨンを作って貰う。アリスはそんな皆の姿に微笑み、自分も赤と黒のチャイナドレスに袖を通してみた。 そして、わいわいと着替え終わった後は。 「はい包子(ポーズ)!」 皆でばっちり記念撮影。それから出来上がった写真にそれぞれがメッセージを書いて、詩杏へと手渡したのである。 それは世界にたったひとつだけの、素敵でかけがえのない誕生日プレゼント。 そしてチャイナ服姿のまま、桃まんを頬張った後。今度はパンダグッズのお買い物。 「ぬいぐるみ〜♪ パンダさん〜♪」 「パンダのヌイグルミ、ぷにっとしてて可愛いの」 「ぱんだトコトコ……可愛い♪」 チャイナドレスに身を包む天使達の笑顔は、今日も満開に咲き誇っている。
ランチバイキングや豚の角煮、あんまんなどを堪能すべくやって来た雄太に誘われて。中華街を彼と歩く美鈴は、時間をかけ選んだお気に入りの藍青色のチャイナドレスを手に、来て正解だったと微笑む。そして着てみたその姿は、購入せずにはいられない程に彼女に良く似合っていて。雄太も食い気を一瞬忘れ、そんな彼女に見惚れてしまうのだった。
詩杏を見かけて声を掛け、贈り物の花文字を手渡した後。 黎楊は、中洋折衷のワンピースでおめかしをしたフルラージュとはぐれぬよう、優しく彼女の手を取って。人で賑わう中華街を案内し、彼女に似合う春藍色の落ち着いた髪飾りを見つけプレゼントする。逆にフルラージュも彼に、翡翠と中国結びのお守りを選んであげた。 幸せがいつも傍にあるようにと、願いを込めて。
目的は、獅子舞に頭を噛まれる事。 みーけは獅子舞グッスを見ながら、獅子舞がいないか注意して探して。その姿見つけると近くにいた詩杏を大声で呼び、獅子舞の元へと急ぐ。 そして揃って二人の頭に。念願の獅子舞のひと噛みが、かぷり。
瑠璃羽が詩杏や右京と挑戦するのは『漁洗鍋』。 鍋の左右の取っ手を擦り、水飛沫が上がればラッキーなのだという。 「コツはちょっと手を水でぬらすんだって」 こっそり右京に聞こえぬよう詩杏にコツを教える瑠璃羽。その甲斐あってか、詩杏の擦った鍋から、ゴワンゴワンという音とともに水飛沫が上がる。 そして喜ぶ詩杏の髪には。瑠璃羽のプレゼントした、パンダのヘアピンが。
紗耶が詩杏とともにやって来たのは、パンダグッズ専門店。二人は、あんなパンダやこんなパンダを手に取って微笑み合う。 そして、来る前からカタログ片手に燃えている妹と、パンダだらけな店内に目を輝かせる詩杏に付き合う悠斗は、ふとあるものを購入して二人に手渡した。それは、可愛くて食べるのが少し勿体無いパンダまん。どこから食べるか性格でるよなと微笑んだ悠斗は。どう食べていいか散々悩んだ挙句、何故か鼻から食べた詩杏に笑いつつ。紗耶とともに、彼女にお祝いの言葉を伝えたのだった。
今日はリーリィの誕生日。 一日違い生まれのリーリィと詩杏は、互いにお祝いを言って。それぞれのイメージカラーである赤と蒼のチャイナに身を包み、一緒に記念撮影。 そしてその写真に咲いたのは、同じ年の少女の、心から楽しそうな笑顔。
「詩杏お姉ちゃんってパンダグッズに興味があるんだね。私もパンダ大好きだよー♪」 雛菊は詩杏と共に、パンダ専門店の中を隅から隅まで見て回って。 そして互いに気に入ったキーホルダーとパンダ顔の手提げ鞄を買って、二人で交換こ。
亮は詩杏を連れ、右京と共に彼女のプレゼントを探して歩くが。人の多さにはぐれぬよう詩杏と手を繋ぐ。そして迷子になりそうな彼女の様子に、右京もついでに反対側の手を握っておく。 そして亮は、右京もデレた脱力系パンダぐるみを詩杏のプレゼントに選び、購入した。勿論シャズナのお土産も一緒に。 それから中国服を着てみた亮は、チャイナ服姿の詩杏を見て。満足そうに頷くのだった。
誕生日の詩杏を楽しませるべく、ぐっと気合を入れる古杜は、初の中華街にきょろきょろしつつも。可愛いパンダさんのいる雑貨屋へ詩杏とともに入る。 そしてお湯を注げばカップに咲く工芸茶を見つけて。二人一緒に購入し、嬉しそうに微笑み合った。 いつもは着物の詩杏を連れて。みるがやって来たのは、チャイナドレスの店。 二人で様々な色柄に目移りしつつお気に入りを選んで。みるは自分の分と、プレゼントに詩杏の分も購入して。二人お団子頭のチャイナドレス姿で、賑やかな中華街を並んで歩く。 詩杏と右京を誘い、パンダグッズの店にやって来た悠樹は。定番のぬいぐるみだけでなく、様々な種類のパンダな雑貨を、二人と一緒に存分にウキウキ見て回って、楽しんで。誕生日の詩杏へ、パンダのコインケースをプレゼント。 食べ物にも興味を引かれつつ。翠は詩杏と右京と一緒にチャイナ服を着て、記念撮影。 そして、誕生日のいい記念になりましたの、と喜ぶ蒼いチャイナ姿の詩杏に。翠色のチャイナを着た翠は、改めてお祝いを言ったのだった。 「詩杏、誕生日おめでとう」
獅子舞に何度も頭を噛まれ、チャイナドレスを身に纏い、美味しいものを存分に食べて。 両手一杯の荷物を抱えた詩杏は、とても幸せそうな顔で中華街を歩いている。 沢山の皆と、楽しい時間を共に過ごせて。
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参加者:52人
作成日:2009/10/18
得票数:楽しい24
ハートフル4
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冒険結果:成功!
重傷者:なし
死亡者:なし
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