三色の龍


<オープニング>


 とある高校の放課後。
 新校舎から離れた場所にある旧校舎。
 この古い校舎の一部を使って、非電源ゲーム同好会がカードゲームを楽しんでいる。
「これ、チートイとかあんの?」
「ない。諦めろ」
「アメリカ生まれの役のくせに……なら、ポン」
「花牌がある件について」
「ワイルドカードもあるんだが」
「捨て牌見にくいぞ」
「オタ風いらね」
「おい、『アナー・トリプレット』はどの風でも一飜だぞ」
 どうやら、カード麻雀のようだが、どこか様子が違う。
「そのW……西か。アタリ。『オールスーツ・アンド・アナーズ』で五飜は32点」
 どうやら麻雀のようなカードゲームらしい。
 たまにはこういうゲームもおもしろいと盛り上がる面子であるが、そこにお客さんが現れた。
「おまえら〜! 神聖なるまーぢゃん部の部室で、そんなことするなんてっ!」
「そうです、非常識です!」
「そんなのより、本物の麻雀をしよう」
 旧制服を着た女子の姿だった。
 だが、一人が手にしているのは、巨大な竹の槍。
 呆然としている非電源ゲーム同好会のメンバーに、それが投げつけられ……辺りは紅と化す。

「お集まりいただきまして、ありがとうございます」
 教室では能力者達を山本・真緒(中学生運命予報士・bn0244)が出迎えてくれた。
 机には中華まんの袋が人数分用意されている。
「こういったものが一層おいしく感じられる季節ですね」
 ほかほかの中華まんをいただきつつ、能力者達は運命予報士から、これから起こるであろうゴースト事件について説明を受けた。
「この地方の高校に地縛霊がいるみたいです。高校といっても旧校舎であまり人はいないのですが、最近になって結成された同好会が、部室として地縛霊がいる部室を使うことになってまして、その部員さんが襲われるんです」
 部室は旧麻雀部が使っていた場所。
 ここで、麻雀以外のゲームをしていると地縛霊が出現するという。
 携帯ゲームで麻雀をしていても同様。
 地縛霊は通常の麻雀しか認めず、それ以外のものを死をもって排除しようとしてくる。
「地縛霊はこの学校の旧制服を着ている女子高生の姿をしています。三体いて、それぞれ違った特色があるようです」
 スピード重視の「速攻の緑龍」は、その機敏な身のこなしで能力者達に襲い掛かってくる。
 風を操ることにも長け、仲間を癒したり、毒霧で周囲の者を毒で苦しめる。
 意外にもデジタル派らしき「情念の赤龍」は、冷静に戦況を分析し、状況に応じて手段を変えてくる。前衛・後衛、攻撃・支援どちらでも対応可能なハイブリッドタイプで、もっとも厄介なゴーストであろう。
 そして「孤高の白龍」はオカルト派だと思われるが、素性は不明。
 あえて不利な状況で戦うことで、最大の力を発揮する。
 三体のコンビネーションはかなり強力であり、風向きひとつで致命的な打撃を受けかねない。
 ならば、こちらもそれ以上のコンビネーションを見せてやろうではないか。
 能力者のチームワークがゴーストに負けるはずがありません……真緒の言葉を受けて、能力者達はゴースト討伐へと赴いた。



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参加者
十条寺・達磨(マッドハッター・b01674)
斉藤・夏輝(蒼雲桃楼・b16003)
永陸・武史(車軸の雨・b26923)
祭屋・宴(溺れるナイフ・b38961)
皆月・弥生(夜叉公主・b43022)
ジンク・ネームレス(ボールライトニング・b46260)
今泉・晶(小雪の精・b59574)
御社・燕馬(無免許断罪人・b61800)
神薙・王二郎(青嵐の小龍王・b65871)
ノウラ・アウストリース(銀星姫・b67635)



<リプレイ>

 廃校、というにはまだ早い、とある高校の旧校舎。
 今のところ人はいないが、たまに部活などで一部が使われることがあるという。
 そのうちのひとつ、旧麻雀部部室。
 近い将来、ここで惨劇が起こる。
 麻雀を愛した者達の成れの果てによって……。

「麻雀牌もありましたし、始めましょうか」
 御社・燕馬(無免許断罪人・b61800)は、これからゴーストを呼び出す儀式を行うため、部室を漁っていた。探していたのは麻雀牌のセット。
「お、あったか。それなら、全員でゲームできるな」
 その声を聞いて、永陸・武史(車軸の雨・b26923)は携帯ゲームをしまった。
 机に置かれた麻雀牌は、かなり使い込まれているようで、ケースなどもボロボロであったが、牌が抜けているということもなく、問題なく儀式を始めることができる。
 その儀式……選ばれたゲームは、麻雀牌でのジジ抜き。
 ゴーストは、この部室で麻雀以外のゲームをプレイすると現れるという。
 ならば、麻雀牌で違うゲームをしても出現するはず……そして、それはゴーストに対する最大の侮辱である。麻雀はしないし、これなら怒ってすぐに出てくるだろう。
「麻雀は全然わかんないけど、ジジ抜きならわかるよ!」
 祭屋・宴(溺れるナイフ・b38961)は読んでいた麻雀のルールブックを後ろに投げ捨てると、広げられた牌と燕馬の説明に注目した。
 この牌の中からランダムに一枚抜き、残りの牌でトランプのジジ抜きと同じようにゲームを進行していく。基本は同種牌が揃ったら捨てていき、早く全部牌がなくなった者が勝者。
 牌が少なくなる終盤までどの牌が「ジジ」なのか、誰が「ジジ」を持っているのかわからない……その緊張感を楽しむのだ。
 麻雀牌で代用でき、誰でもすぐ理解が可能なこのゲームは、儀式にうってつけ。
「牌でジジ抜きなんて初めてだよ」
 十条寺・達磨(マッドハッター・b01674)が、裏向きで抜かれる一枚の牌を眺めた。
 麻雀牌を使う遊びはいくつかあるけれども、こうやってプレイするのは誰も経験ないだろう。
 だからこそ、ゴーストに対する「イヤミ」にもなる。
 ゲームが始まろうとしている中、斉藤・夏輝(蒼雲桃楼・b16003)は配られる使い込まれた牌を見て、疑問を浮かべていた。
「一部が透明だって聞いてたけど、それとは違うのね」
 麻雀牌は同種牌四枚のうち、三枚が透明だと教えられたらしい。ちなみに、夏輝がうろ覚えだったルール「点数の代わりにレートに応じた血を抜く」というのも、激しく何かが違う。
 さて、見慣れぬ数字や絵柄に戸惑いつつも、牌を配り終え、ゲームを開始。
 おのおの、揃っているペアを場に捨て、手牌を整理していく。
(「九種九牌ですね……麻雀なら場の状況によって流すか、国士を狙うか考えるんですが……」)
 配牌は「一四九(59)138東西北白中」、見事に手牌がバラバラだったノウラ・アウストリース(銀星姫・b67635)。
 思わず麻雀の思考になってしまうが、非なるゲームである。
 対子を揃え、手牌を少なくし、早くアガリたいものだ。
「慣れないもので、ちょっと混乱してしまいます……」
 今泉・晶(小雪の精・b59574)はぎこちない手つきで、牌を並べていた。
 牌の数字などは全然わからないが、とりあえず同じものを二個揃えれば……と、頭で考えてはいるものの、このゲームはゴーストを出現させる手段。そう思うと緊張して、手が震える……そして、牌を倒してしまったりと、いろいろミスも出てきた。
 リラックスしないといけませんね……深呼吸して、緊張をほぐす晶。
「これ、同じ牌だ。よーし、あと二枚!」
 發を揃え、まもなくリーチといったジンク・ネームレス(ボールライトニング・b46260)。
 しきりに仲間の顔色を伺っているのは、周囲にゴーストが現れないか警戒しているから。
 ゲームをしている背後に竹槍が飛んできたら大変だ。
 皆月・弥生(夜叉公主・b43022)も真剣にゲームをプレイしつつ、周りに異変がないか、チェックを怠らない。

 ゲームは中盤。
 二索をペアにした神薙・王二郎(青嵐の小龍王・b65871)が残り手牌二枚とジンク並び、宴が三枚で次に続く。白熱した戦いが続くが、その勝負に水を差す者が現れた。
「おまえら〜! まーぢゃんしろー!」
 声に振り向き、すぐさまイグニッションカードを手にする能力者達。
 部室の奥に影が見えた……その姿は、セーラー服を着た女子高生であるが、顔に生気はない。
 地縛霊だ。
「もーちょっとでトップだったのに!」
 王二郎が残り二枚の牌……五筒と白を不機嫌そうに場へ叩きつけた。
「ゲームではさいきょーかどうかわからなかったけど……お前らを倒してしょうめいするよ!」
 その怒りを、ゴーストを打ち倒す力へと変える。全身に浮かぶ白虎の淋漓たる意気。彼の気合に満ちた瞳が、「發」と書かれた緑色のスカーフの地縛霊・速攻の緑龍を睨む。
 ジンクもまた、緑龍に並々ならぬライバル心を向けていた。
「女の子の格好してても騙されないぞ、この嘘つきゴーストめ」
 姿こそツインテールで背の小さなかわいい少女であるが、中身はゴースト。
 偽りを許さぬ心が、邪を憎む……その正直さの具現が魔狼のオーラ。
「俺のスピードについてこれるかい! いくよ!」
「三元牌にちなんだゴーストね……まずは、發からです!」
 ノウラも剣を構え、緑龍にターゲットを絞る。
「赤いのが現れたわよ。こっちは私と祭屋さんで抑え込むわね」
 弥生は「中」と書かれてあるスカーフをつけた情念の赤龍を確認すると、すぐに動いた。
 黒燐蟲が破壊の力を宿した剣を手に、赤龍が持つ二本の竹を組み合わせた槍を警戒する。
 自分に来たら耐えればいいだけが……赤龍はここにいる全員を狙える位置にいる。しかも、その攻撃によって、エンチャントした者が持つ武器の力が封じられてしまう。
「計算高いらしいから、みんなも注意してね」
 赤龍がどう動くか……全く予断を許さない。
「武史ちゃん、一人で大丈夫? 苦しかったら、すぐフォロー行くからね!」
「やってみないとわかんないが……」
 宴は、一人で白地のスカーフをつけた孤高の白龍に挑む武史を心配した。
 だが、その心配は彼の表情を見れば無用なものだと、すぐにわかる。
 強い敵と戦える……そういった気分の高揚がにじみ出ていた。
 彼なら大丈夫だろう。宴は安心すると、すぐに赤龍へ視線を戻す。
「情念の赤龍さんとやら、お相手願おうか! あと、ぶっちゃけ麻雀ってどうやるの!?」
 赤龍は彼女の言葉を無視すると、無言で周囲の状況の把握に努める。
 その間、能力者側の後衛陣も態勢を整えていた。
「マリー、力を貸してくれ」
 達磨は霧のレンズで遠距離攻撃を可能にし、ケットシーのマリーゴールドから魔力供給を受けていた。晶は雪の鎧をまとい、術力を強化している。
「白龍の動きが読めませんから、気をつけてくださいね」
 ゴーストなのに、白龍は笑顔を見せていた。
「麻雀は楽しいよ……でも、強い相手と戦うのは、もっと楽しいんだ」
 武史と同じような表情。
 だが、素性はまったくもってわからない。
「そんなに麻雀したいなら、とりあえず現世ではやめろ」
 燕馬の冷たい声が飛んだ。
 それにもかかわらず、笑みをこぼし続ける白龍。
 理解不能……だから、何が起こるかわからない。

「速さなら負ける気がしない! 勝負だ!」
 ジンクの揚げた気炎で、戦いが幕を開けた。
 王二郎とノウラが真正面からぶつかっていくところを、死角を突いて緑龍に襲い掛かる。
 しかし、緑龍の機動力・反応速度は彼を上回った。
 撃ち込もうとした蹴撃は、追い風を受けて速度を増した緑龍の一発によって迎撃される。
 跳ね返され、床を叩いて悔しさを全身で表現するジンクだが、めげずに飛び掛った。
 三日月の牙が緑龍に喰らいつき、王二郎が続けて青龍の拳打を叩き込む。
「速攻で攻めても、和了れないと意味なんかないわよ!」
 王二郎の一撃で体勢を崩す緑龍に、ノウラが斬り込んだ。
 剣に宿した黒一色の気迫が、緑のオーラ漂うゴーストをなぎ払う……しかし、ノウラの言ったことは、能力者自身にも当てはまる。いくら速攻で落とそうとしても、安い手ばかりでは相手を潰せない。
 剣を受け止めると、緑龍は顔に邪笑を浮かべた。
「その手は封じさせてもらう!」
 達磨が破壊力を削ごうと、魔の霧をゴーストの周辺に発生させ、晶は地の底を這うような低く悍ましい言葉で緑龍を呪う。しかし、その一連の攻撃を掻い潜り、緑龍は緑色の毒霧を能力者達に浴びせかけた。周囲は、あたかも緑一色に染まる……。
「アメリカ生まれの役を技名にしてる奴に、文句をいわれる筋合いはないよ!」
 体を蝕んでくる毒に苦しみながらも、王二郎が挑発する。
 そこへ……赤龍の気配が飛び込んだ。
 周囲の緑に咲くただ一点の紅華のように、赤龍を包む唐紅の気迫が、緑の毒に染まった部室へ鮮烈に映し出された。その炎のような気迫をまとった姿は、まるで赤い羽根を広げた孔雀のようで。 
 赤龍は弥生と宴をかわし、集中されている緑龍のフォローへ入った。そして、激しき真紅の一撃が王二郎を襲う。
 たった一撃で防具は破壊され、火傷が体を痛めつけた。
「これ以上は危ない! 下がれ!」
「ごめんなさい! 引き止めれなかったわ!」
 燕馬の舞が王二郎に降りかかった災いを消し去り、弥生が黒燐蟲の力を与える。
 次に何かあれば、王二郎の身の保障はない。幸い、赤龍が背負っていたオーラは消え去り、力が発揮できないでいるものの、追撃してくる可能性もある。
「壁になるわ。後ろには通さないからね」
「マリー! 穴を埋めろ!」
 夏輝がすぐにフォローに入り、マリーゴールドも壁になって後ろに下がった王二郎を守る。
 赤龍は能力が封じられたはず。すぐに、遠距離攻撃で彼がとどめをさされることもないだろう。
 そうなる前に……夏輝は緑龍を睨んだ。手にしたナイフが鈍い光を放つ。
「こっちを無視しないでよ!」
 宴が赤龍の背中に向けて剣を振り下ろした。
 えぐられた傷口から流れ込んでくる力に、相応の手ごたえを感じるが……相変わらず、赤龍は微動だにもせず、周囲を見回している。
 一方で、武史は白龍と激しい攻防を繰り広げていた。
「やるな……こうでないと、わくわくできないぜ」
 剣に魔気の色を浮かべながら、白龍の顔を覗く武史。
 ゴーストの目に浮かぶのは殺戮の炎……だが、そこになぜかライバル心のような感情を覚える。
 そうかといって、倒れてしまっては迷惑をかけてしまう。
 体力はまだ十分にある。こいつを抑えている間に、仲間が他の龍を倒してくれれば……。
 そのとき、武史の背筋に、今まで感じたことのない悪寒が走った。
「一人でも、寂しくはないよ。孤独は、私を育ててくれるから」
 意味深な言葉と共に、能力者がゲームで使っていた、机に裏返したままの牌を白龍が開く。
 白。
 地獄単騎の白。即ち、独釣寒江雪。
 刹那、強烈な冷気が武史を襲った。
「まだまだだ……」
 剣を振り上げ、闘気を鼓舞する武史。

 緑龍に攻撃を集中するも、火力不足で倒しきれない能力者達。風の流れが変わり、力を取り戻した赤龍が、傷ついた緑龍に一筒の如き盾を与えて守る。
 二体の龍の連携に翻弄されていた能力者達だが……その連携が徒となり、一気に形勢が逆転した。
「ずっと、これを狙ってたのね。石になるといいわ」
 夏輝がその期を逃さず、ガードを固めた緑龍に呪いの一刺し。
 まるで満月を思わせるような丸い盾を貫き、緑龍を石像へと変えた。
 ここで初めて、赤龍に焦りの挙動が見られた。
 予期せぬ出来事に唖然とする赤龍を置いておき、緑龍を破壊した能力者は、次なるターゲットである白龍に集中する。
 白龍は傷を癒す力を失ったまま、武史と戦い続けていた。
「援軍参上! 速攻でいくよ!」
 ジンクが白龍に蹴撃を見舞っていく。ノウラもそれに続き、黒き刃の斬撃を繰り出した。
 傷を癒せない、強化できない……このままではやられていく一方だが、ゴーストは能力者達の僅かな隙を突いて、逆転を狙う。赤龍の放った竹槍がジンクの詠唱兵器の動力炉を停止させ、白龍は強烈な冷気でノウラを瀕死まで追いやった。
 しかし、白龍に次を凌げるだけの力は残っておらず……達磨の放った一撃に崩れ落ちた。
「悪い、ちょっと休憩させてくれ」
 危険というほどではないが、武史の傷もひどい。
 何が起こるかはわからないため、一旦戦列を離れる。
 残された赤龍は、能力者達の力を削ぐ戦略に出た。
 竹槍でエンチャントした者の力を次々と消失させていく。攻撃力がなくなるということは、回復力もなくなるということ。
「まずいわね……」
 弥生は黒燐蟲の光が消えていくことに、焦りを感じた。
 ゴーストの前に全く無力……ただ、引き下がるしか手段はない。
 だが、そんな攻撃も夏輝の前には何の効力も及ぼさなかった。
「これ以上は……させません」
 怨念のこもったナイフが、赤龍へ深々と突き刺さる。
 すでに半分の者は負傷と武器封じを受けて無力化しているが、晶は呪言を唱え続け、完全回復した王二郎も加わり、最後の攻勢に出る能力者達。
「麻雀が難しいことはよくわかったよ!」
 宴もかなり傷ついてはいるが、赤龍から力を奪取して持ちこたえている。
 王二郎の連脚を受けてうずくまる赤龍に、漆黒の気をまとう一撃が突き刺さる。
 赤龍の手から槍が消えた。もう限界か?
 だが、最後に残された力を炎に変え、能力者達を葬り去ろうとする……しかし、それよりも速い一撃を有する夏輝が、二本のナイフで赤龍を切り裂き、打ち倒した。
「楽しむのは結構ですが、人に押し付けてはいけません」
 燃えるように消えていく、麻雀を愛した者の思念を見送る夏輝だった。

 なかなか苦しい戦いであったが、皆無事のようだ。
「安らかに眠れ……そして、すみませんでした」
 仲間が麻雀牌を片付けている中、燕馬が部室の奥に一礼する。
 なぜか湧き上がってきた得体の知れない罪悪感。
 これからは雀荘に近づかないで生きていこう……燕馬も片付けに戻る。
 能力者達の疲労は、顔に色濃く出ていた。
 三体だけで、十人の能力者と互角に渡り合ったゴーストだ。
 いずれも、強力な敵だったことは間違いない。
 でも、怪我人はおらず、無事に帰れるということに武史は安息する。
 痛む体を引きずって、能力者達は旧麻雀部部室から立ち去った。 


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いまいち
参加者:10人
作成日:2009/10/05
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