命無くとも恋せよ、乙女っ!


<オープニング>


 夜の公園に男がひとりたたずんでいた。
 口からは定期的に溜息と、
「はぁ、またふられた……」
 絶望に染まったつぶやきがもれている。
「……やっぱり、僕には生きている価値は無いんだ」
 男の視線の先には、池。
 自殺したらどうなるかな、なんて考えが頭の中を行ったり来たり。
「あ、あの大丈夫ですか……?」
「もう死にたいです……っていつの間に?!」
 慌てて、男が振り向くと後ろには女性が立っていた。
 心配そうにこちらを見ている。
 何だろう? この胸の高まりは?
「……えっと、月並みな言葉で申し訳ないのですけど、自殺はいけないと思いますよ」
 綺麗な瞳だ。
 スマートで、長い黒髪。間違いなく美人に属する。
「私でよければ話を聞きますから、やめにしませんか?」
「……はい」
 言葉尻にハートでも付きそうな感じで男はうなずく。
 だが、そこに異変が起こった!
『ダメー! 私からその人を取らないでーー!!』
「「へっ?」」
 二人が声の方に振り向けば、そこには着物に袴と大正浪漫あふれそうな女性が。
 でもって、何か青白い炎。
 それが比喩ではなく嫉妬によって起こった炎であることなど二人は知る由もなく。
 ただ、襲いかってくるのを見守るしかなかった。

「みんな、よく集まってくれたね」
 長谷川・千春(高校生運命予報士・bn0018)が能力者達を出迎えた。
 ついでに「大丈夫」とか「問題なし」とか妙なつぶやきも混ざっている。
「……嫌な予感を感じるのだが、何をつぶやいているのかな?」
 恐る恐ると、百地・いろは(高校生呪言士・bn0209)が尋ねれば、
「ああ、ごめんごめん。ちょっと面白くて厄介な依頼になりそうだから、みんなで大丈夫かなと思って、まあいろいろとねっ」
 言葉と共に快活な笑み。
 それが、更に不安をあおる。
「大丈夫大丈夫。ただの公園に出る地縛霊の退治だよ。……ただ、ある条件を満たしながらでないと、とっても強いってことぐらいかな」
「いやいや、全然大丈夫じゃないぞ」
「ああ、心配しなくていいよ。ただ告白すればいいから」
「「はいっ?!」」
 思わず絶句。
 告白って、なに?
「その地縛霊って、女の人なんだけど、凄く嫉妬深いというか……。たぶん彼氏を取られたか何かしたんじゃないかな。そのせいで、男の人の気を惹くことができた『女の人』を見ると現れて襲いかかってくるんだよ」
 つまり、件の公園で『女性』が男性の気を惹くことに成功すれば現れる。
 幸いだったのはデートスポットなだけに、既に意中の人と行く人が大半なこと。
 しかし、近い未来に犠牲者が出る運命予報も出てしまった。
「なるほど、それは早く退治しなくてはならないね。しかし、今までの説明でどうして告白が出るのだろう?」
「簡単だよ。愛に飢えているから告白するとコロリといくよ」
 どうにも効果覿面らしい。
 攻撃することも忘れて言った当人に抱きついてくるようだ。
 しかも、抱きついている時間のは告白が情熱的であればあるほどに長い。
「それでいいのか、地縛霊」
「まあ、その辺で縛られてるっぽいから仕方ないんじゃないかな」
 とはいえ、これをしなければ、地縛霊の操る炎はあまりに強力。
 次々と重傷者の山を築くことになるだろう。
「はぁ、やるしかないのか……」
「まあ成仏させるぐらいの勢いで、みんな頑張ってきてよ」
 そこまで言って、千春ははたと気づいた。
「ああっ! 肝心なことを伝え忘れてたよ。こんな地縛霊でも結構純情なところがあるから、Hなのはダメだよ」
 指を立てて、めっという仕草をする。
「それじゃあ、いい知らせを待ってるからね。いってらっしゃい」

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参加者
緋桜・瑞鳳(静穏の闇に咲き誇る華焔・b00860)
上山・誠示郎(駆け出しの剣士・b05167)
山本・真海(元気はつらつ忍者姫・b05587)
レイ・ヤン(余音繞梁・b11470)
都築・アキ(ターンコート・b16871)
大木・夏美(すてっぱー・b20748)
片瀬・栞(黒蓮仙刀・b44490)
影太刀・シュリケン丸(ラストニンジャ・b45806)
NPC:百地・いろは(高校生呪言士・bn0209)




<リプレイ>

●月の下、あなたは何をする人ぞ
 月から優しい光が零れ落ちていた。
 既に日は暮れて久しく、件の公園には能力者達以外に人の気配は無い。
 そんな夜更けに、彼らが何のために集まったかといえば、
「告白とか実は初めてなのですよ? なにか……照れますね。いろは先輩、どうしましょう?」
「私に聞かれても……」
 大木・夏美(すてっぱー・b20748)が声を掛けるも、百地・いろは(高校生呪言士・bn0209)は困惑気味。むしろ彼女の方が教えて欲しそうだ。
 ――もちろん、どう告白するかを!
「面白いもんが見れそうだな、頑張れよ!」
「勉強させてもらうね」
 上山・誠示郎(駆け出しの剣士・b05167)が送り出そうとすれば、山本・真海(元気はつらつ忍者姫・b05587)が期待に満ちた眼差しを向ける。
 ダメだ、もう逃げ場が無い――いろはの表情が更に曇った。
(「告白、かぁ。恋愛とか……さっぱりだなぁ。……しかたない。漫画とかゲームとかの真似とかしとこうかな。なんかもー、わたしのキャラじゃないような気もするけど」)
 傍に見ている、片瀬・栞(黒蓮仙刀・b44490)もどこか冴えないが、
(「でも、いろはちゃんの逢引は楽しみよね」)
 単純に面白いものは見えそうだ。

 池の側にひとりの虚無僧が立つ。
 誤字でもなければ、ゴーストでもない。あえて言うならば、ミスキャストだろうか。
 ともかく虚無僧姿の影太刀・シュリケン丸(ラストニンジャ・b45806)が立っていた。
「今宵も見事な星空よ。この輝きに勝る美など、この地上にはあるまいて」
 月が明るく街の光もあって星を見るのは難しそうだが、今はそんなことどうでもいい。
 彼が何かを憂えていることが肝心なのだ。
「そんなところで、どうしたの?」
 いろはが歩み寄るのもまた予定調和。
 声に反応して、シュリケン丸が振り返り、
「これは夢か幻か、なんと美しい女人でござろう。とてもこの世のものとは思えぬ」
 あまりのオーバーアクション!
 それを近くの茂みから見守っている仲間達は……思わず吹き出しそうだ。
「あれほど輝いて見えた星々も、もはや目に入らぬ」
 感情は篭っているのだが、それがもう逆効果しか生まない。
「貴女の美しさに、視覚までもが麻痺してしまったようだ。嗚呼!」
 熱演は継続中。
 というか、もうほとんどクライマックス!
(「青春……?」)
 期待していたものとのギャップに、緋桜・瑞鳳(静穏の闇に咲き誇る華焔・b00860)が思わず目をふせれば、
「よし、今だ! いけ! そこをそう……がばっと!」
 隣では完全に野次馬モードに入った、誠示郎が無責任なエールを『小声』で送り続けていた。
「よく、あれに反応できるなぁ……」
 瑞鳳は声を出して、ふと気づいた。
 肝心の地縛霊がまだ出てきていない。というか、出てくる素振りが無い。
「あのまま進んじゃいますよ」
 夏美も気になって周りをきょろきょろ……あっ!
 後ろに女の人が立っていた。
 視線はラブシーン(?)を続ける二人に釘付けで、でも出て行きそびれてる感じ。
「って、いつの間に?!」
 慌てての茂みから飛び出して、能力者達が展開。
「むっ、現れたでござるな」
 それに反応して、シュリケン丸が、いろはを抱えて高笑いと共に華麗に飛び去る……?
『あーっ、それダメェ! 私からその人を取らないでーー!!』
「いや、ちょっと待つのはそこの清純な愛らしい女子! お前だ! ……で合ってるよな?」
「ちょっと二人して何処に行くのよっ!」
「降ろしてくれ」
 なんかもうグダグダ〜。
 とりあえず、
「「イグニッション!」」

●振り向いてよ、地縛霊っ!
「よーし、告白大作戦行くぞー!」
「もきゅ」
 レイ・ヤン(余音繞梁・b11470)の声に真モーラットピュアの太郎が周りを元気に飛び回る。
 どうにか、グダグダから脱出した能力者達。
 だが、やることは……結局、告白だぁ!
「お前のことが好きだぁー!!! お前が欲しいぃー!!!」
 誠示郎の直球ど真ん中。
 言われた地縛霊はその瞬間動きを止めた。そして見る見る顔が赤くなっていく。
「うわっ、すごく純情……これは割と簡単?」
 栞が思わずつぶやく。
 それほどにあっけなかった。
 ついでに――ちゅどーん!
 固まった地縛霊に攻撃の雨が降り注いで大ダメージ。
「ちょっと待て! これから俺に抱きいてくるところだったんだぞ!」
 すかさす、誠示郎が抗議した。
「ごめん、あまりにも隙だらけだったんで」
 まあ、さもありなん。
 殺れるときには殺っとく、これも能力者の修練の賜物よ。
『よくも私の恋路を!』
 だが、これで倒れる地縛霊でもない。
 背後に青白い炎を背負って憤怒の表情を浮かべている。
 そこに響いてきたのは魂を込めたバラード。
 この場面に相応しい。というよりもブラストヴォイスで愛を歌っている。
「大好きだよ!」「もきゅ!」
 ――ズカズカ!
「可愛いね〜!」「もきゅ!」
 ――ズカズカズカ!
「今度どこかに遊びに行かない?」「もきゅ!」
 ――ズカズカズカ、ズカッ!
 太郎の鳴き声も一緒になって地縛霊を誘う。
 ……というか、単純に攻撃してるよね?
「私たち付き合おうよ!」「もきゅ」
『攻撃してくる人とは付き合えません!』
「もっともね……」
 さすがに攻撃と一緒に告白しても効果は薄い。というか、あったらそれは別の意味で怖いよ!
「お姉さまのバカー!」
『ぐふぅ……』
 言った瞬間に、真海の獣撃拳が深く突き刺さった。
「昼も夜もお姉さまの顔が浮かんでしまうの。お姉さまのお顔を見れるだけで元気になるの。お姉さまが触れたところから身体がとっても温かくなるの。お姉さまが笑いかけてくれれば天にものぼる気持ちになるの。でも、お姉さまは私だけを見てくれない……」
 地縛霊には、真海の目に薄っすらと涙が浮かんでいる気がした(錯覚です)。
「お姉さまのことを思うと胸が苦しくなるの。とっても苦しくて、お姉さまに乱暴なこともしてしまうけれど。でも、お姉さまのことが好きな気持ちは消せないの!」
『……そんなにも思っていてくれたなんて、ごめんなさい』
 二人はそっと抱き合う。
「お姉さま、嬉しい」
 女の子同士というのも結構絵になるものだ。
 もっとも真海、曰く――女の子同士の時には、お姉さまって呼ぶといいのだと、お父さんに教えてもらった本に書いてあったのだとか……せつねぇーー!
 で、やっぱり――ちゅどーん!
「こっちを向いて欲しいな」
 『悼み嘆くモノ』を構えたまま、都築・アキ(ターンコート・b16871)が呼び掛ける。
 ゴーストは敵。ゆえにそれを討ち滅ぼすためならば何だってできるはず。
 そう、倒すための手段であるならば――全力で、『好き』にだってなれるはずだ。……たぶん。
「――キミのこと、好きだよ」
『えっ?!』
 逆上する間もなく、地縛霊はまた停止。
「寂しい目をしているから。僕は、キミの寂しさを埋めてあげたい」
『……そんな』
 恥ずかしそうに地縛霊は両手を頬に添える。
 もじもじして――ちゅどーん!
『けほけほ、もう酷い! 酷すぎるわ! 何の恨みがあって私の恋を邪魔するの!!』
 度重なる妨害に地縛霊は遂に怒り心頭!
 生み出す青白い炎も何か五割ぐらい増した気がする。
(「ふっ、ニンジャにとって色恋沙汰など無用の長物。されど、そうした人の心理を利用し惑わすのも、またニンジャなのでござる」)
 今度は拙者の番と、シュリケン丸が間合いを詰める。
「毎朝拙者の味噌汁を作ってくれ! 好きな具は豆腐と油揚げでござる!」
 ……えーと。
「忍の道は茨道! それで良ければついてこい!」
『……はい』
「って、それでいいのーっ?!」
 栞が思わず叫んだ。
 いや、マジでそれでいいのか地縛霊っ! ついでに、ちゅどーん!
「もう何でもありね……」
「そうですね。でも、浮気とかダメなのですよーっ」
 夏美の声に、地縛霊ははっと気づいた。
『そんな……でも、ごめんなさい。私は恋をして幸せになりたいの!』
(「うーん、少し可哀そうな地縛霊なのかも知れん」)
 どういう意味で可哀想かは別として、誠示郎はそう思う。
 何にしても、恋に溺れて、恋に死ぬタイプなのは間違いない。いや、それで死んだのか。
「ふふ。ただひとたび、『ごめん』の台詞だけで、キミのこと、諦めると思った?」
 おっと、いつの間にか再びアキが詰め寄っている。
 二人の距離が近い。
 ちょっと前まで燃え盛っていた嫉妬の炎もどこへ消えたのやら、二人を邪魔するものは何も無い。
「だから、言っただろう。キミのこと、好きだって。――キミが振り向くまで、何度でも何度でも、キミに言うよ」
『ああ、そんな……。私には婚約者が……』
「って、今までそんな話無かったでしょー?!」
 栞のツッコミも聞こえない。
 もう完全に二人の世界(地縛霊のみ)。
「好きだよ。キミが。ぞくぞくする程に」
 そして、アキが首筋に吸血噛み付き。
『あああっ……こんな、男の人に首筋を噛まれるなんて……私、もう、お嫁に行けない』
 なんかエローイ。
 地縛霊の方も痛みを堪えるためか、アキの身体をぎゅっと抱きしめる。
「なんか、ご馳走様って感じね」
 はっ! いつの間にか周りの目が痛い。
「僕も男の子だから多少えっちな気分になったけど、相手はゴースト。僕は生身の方が良いんだよ」
 慌てて言い訳をするが、視線は変わらない。
 じーーーっ。
 振り向けば、地縛霊までそんな視線。ついでに極大の炎。
「まずい!」
「頼む! 俺の全力の愛を受け取ってくれー!」
「だめー。お姉ちゃんはわたしのものだもん」
 それを見て、誠示郎と、栞が続けて告白。
 地縛霊は動きを止めて右を見た(誠示郎)、左を見た(栞)。
 どっちに行けばいいのと、また右を見て、左を見て。
 また右を見て、左を見て(エンドレス)。
「いつまでしてるの……おねえちゃん、好き」
 気が付けば、いつの間にか、栞が抱きついて上目使いで見ている。
 自らの特性を生かした、理想的な攻勢である。というか……汚い、あざとい?
 ――ジロリ!
 睨みひとつで一同がぶるった。すいません、もう何も言いません。
「すみませんごめんなさいっ」
 と、夏美が謝罪に紛れて攻撃。うん、やっぱり行き着くところは、ちゅどーん♪
『けほけほ、もういい加減にしてよ!』
「ゴメンな、怪我は平気か? やー、だって好きな奴が他の奴に靡いてんの見んのってすっげー口惜しーじゃんか」
 今度は、瑞鳳がそっと手を取る。
 優しくエスコートして立ち上がらせると、
「まぁ、お前すっげー可愛いし無理もないのは判ってっけど、やっぱり俺のことだけ見てて欲しいと思う訳よ。女子同士ってのも変か?」
 セリフが恥ずかしいだけに、顔も赤面。
「でも惚れたもんは仕方ないしなぁなぁ、そう思わね?」
 地縛霊はうつむいて、またもじもじと。
『私でいいんですか』
 何を今更。
 でも、瑞鳳はちゃんと笑って、抱きついてくるのを待つ。
『ああっ、あなたみたいな人を私待ってたの』
「よしよし可愛いなぁ、ちっちゃい子猫みたいだ。なぁ……俺の子猫ちゃん?」
 抱きついてきた地縛霊の頭を優しく撫でる。
 それを見て、真海はせっせっとメモを取り、
(「これは無くても大丈夫だったね」)
 レイが保険の意味で持ってきたヒュプノヴォイスも無用になりそうだと思った。
 まあ行き着くところは結局、ちゅどーん! なんだけどねっ!
『イタタタ……私はただ好きな人と一緒にいたいだけなのに』
「あんまりふらふらされたら焼きもち焼いちゃいます」
 そこに更なる刺客、夏美が寄り添う。
 もっとも地縛霊は別の意味でふらふらだ。
「えと、こういうの初めてでうまく言えないのですけど……その………」
 でも、夏美は真っ赤になってうつむいている。
「大好き、なのです……。ずっと……そばにいて欲しいのですよ……」
 そのまま抱きついて地縛霊のふくよかな胸に顔を押し付ける。
 そっと、地縛霊も彼女を抱きしめた。もうほとんど条件反射に近い。
(「あっ、お母さんに似ててほんわかします」)
 抱きついた感じがよく似ていた。
 見上げれば、地縛霊も何か笑っているような。ぼろぼろのような――ちゅどーん!
「さあ、次はいろは先輩の番ですよ」
「……いや、もう」
 いろはが複雑そうな表情を浮かる、夏美が振り返ると地縛霊は消えていた。

●乙女達の第二ラウンド
「ふう、終わったね」
「……一生分の恥ずかしい台詞を吐いた気がする」
「というか、いろはは告白しなかったね」
「いや、もうあれだけやれば十分だろう……」
「なら、口直し」
「……えっ?!」
 いろはが話しているところへ、アキが抱きついた。
 まあ、直ぐに殴られるにしても頑張ったぐらいの役得は……役得は……あれ? 殴ってこない?
「……えと……その」
 いろはは照れたまま、もじもじとしている。
 何この展開? もしかして、このまま押し倒せる?
 じーーーっ。
 そこで気づく、周りの視線。
「あっ………きゃあああああ!」
「ぐはぁ……」
 突き放すように、アキの鳩尾に強烈な一撃が決まった。
 完全な不意打ちで息を吐くのも苦しい。
「……浅はかなり」
 どこからともなく、シュリケン丸の声。
 だが、彼の姿は無い。ニンジャらしく言葉だけ残して去って行ったようだ。
「女ってのは複雑だな……俺達も気を付けないとなぁ、色々と」
 代わりに、誠示郎が助け起こす。
 複雑というか、何というか。
 まあ、今回のケースを当てにすると痛い目に遭うのは間違いない。
 読者諸氏は十分に注意してほしい。
 ともかく、誠示郎が供養にと線香に火を灯して消えた場所に供える。
「たくさん愛を感じてもらえたかな?」
「そうだなぁ、夢を見ながら逝けたかなぁ……実際可愛い女子だったのは確かだしな。次はいい男に巡りあえますように」
 真海と、瑞鳳が手を合わせた。
 それにならって、他の能力者達も合掌。静かに冥福を祈る――彼女が素敵な恋と巡りあうように。
「いつかわたしも告白とかする相手の人とかあらわれるのでしょうか?」
 つぶやいてから、夏美は気づいた。
「……なにかアレです。なにか困りますよ? よく分かりませんけど困るのです……」
 真っ赤になって、ジタバタ。
 だから、
「ぃ、いろは先輩は恋人さんとかどうですか!?」
「えっ、えっと? 私?!」
「いろはちゃんの告白は聞けなかったから、その辺はじっくり聞かせてもらわないとねっ」
 栞がすかさず逃げ場を無くす。
 真海が目をキラキラさせながらメモの準備。
「そうそう百地って真面目一徹でそういうの縁遠そうだけどどうなんだ? 恋愛いいぞー♪ えへ、俺の大好きな人の話聞く? 聞きたい?」
 更に、瑞鳳が腕をがっしりとロック。
「百地って押しに弱そうだし、ちゃんと勉強しておかないと、いい男は掴まえられないぜ」
「えと、その……お願いします」
 こうして、第二ラウンド開始〜。
 命短し恋せよ、乙女っ!


マスター:てぃーつー 紹介ページ
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参加者:8人
作成日:2010/05/25
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