≪自己鍛錬推進部≫狂喜乱舞、もふもふ戦隊っ!


<オープニング>


 もふもふだった。
 カラフルだった。
『なんだ貴様らは! 我らの悲願、もふもふ帝国の建国を邪魔しようと言うのか!』
 ついでに変な人もいた……。
「ああ……もふもふ……もふもふなのです!」
 でも、そんなのは柚子の目には入っていない。
 赤、青、黄、緑、桃、黒、白と、鮮やかな色調のもふもふ達。
 まるでモーラットのような球形で、つぶやらな瞳も同様。違うのは手足が無くて本当にまん丸なことだ。
「……もふもふ……素敵です、ね」
「うん、魅了されそう……」
 遊璃と、沙希の目線は自然ともふもふ生物へ。
「これは、もふり甲斐がありそうっすね」
 総仁も同様。
 もふもふ生物達は互いにじゃれあって、みんなの心を鷲掴みにしている!
「……というか、あの変な奴も虜になっているんじゃないのか?」
『はっ?!』
 威の言葉に、見入っていた変な人が正気に。
『いかん、我がもふもふ戦隊のあまりの魅力につい見入ってしまった。……って、お前達聞いてないだろうっ!』
 一喝!
 まあ、それでも聞いてない人は聞いてなかったりするのだが。
「すいません、ボクが代わりに話を聞きますので」
『うむ、それならよく聞くがいい』
 煉司がフォローを入れると、変な人は偉そうに語りだした。
『ここはもふもふ帝国(予定地)! 世界を征服し全てをもふもふで埋め尽くす! それこそが我が野望! それこそが世界の運命!』
「何やら自分に酔っておるのぉ」
「……きっと可哀想な人なのよ」
 ポムと、雪の率直な意見がぐさり。
『………』
 変な人、沈黙。
『……ふっふふふふ、いいだろう戦争だ! 我が最強無敵のもふもふ戦隊の力を見せてくれる!』
 その声と共に、もふもふ生物がジャンプする。
 まずは、白!
『驚きの白さ、その毛ざわりはありとあらゆるものを魅了する!』
 続いて、黒!
『いささか太り気味な豊満ボディ。だが、その抱き心地は神が作りしバランス!』
 お次は、桃!
『発する匂いは極上のハーブのよう。リラックスすること間違いなし!』
 今度は、緑!
『天使の如きハーモニー。その鳴き声は神すらも聞き惚れる!』
 で、次は……あれ?!
『どうした……って、いつの間にっ!』
「ああ、ごめんごめん」
 紹介タイムの隙を狙って、初瀬部・ひなた(陽だまり仔猫・bn0153)が一匹捕まえていた。
 コホン…改めて、黄!
『恐るべしリトル・デーモン。その甘え上手はついついワンランク上の餌を与えてしまいたくなるほどだ!』
 そして、赤!
『熱血ドジっ子。天然ゆえのその愛らしさについつい頬も緩んでしまう!』
 おおおっ!
 恐るべし、もふもふ達。いずれも恐るべき使い手だ。
 ならば、最後の青は?!
『最後は……ちょっと残念な子だ』
「何それ?」
『実は何も特性が無い。だが、それゆえに逆に何か構ってしまいたくなる!』
 ああ、確かに見ていると、どこかのCM犬のような瞳で訴えている。
 ぼくいらないの? ぼくいらない子なのって。
「これは手強そうじゃのぉ」
「でも、ゴーストみたいだから倒しておきましょう」
 ポムがどれからもふろうか目星をつけ、煉司が仲間達に呼び掛ければ、
「まあ、じっくりもふってからかですね」
「ど・れ・に・し・よ・う・か・な♪」
 楽しげな声が、もう準備は万端。
 さあ――Ready Go!

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参加者
久留宮・沙希(中学生科学人間・b55661)
穂村・煉司(紅蓮旋刃・b57176)
氷山・雪(銀嶺の覇者・b59616)
ポム・プリス(暗闇の月・b61392)
両儀・威(蒼空の守護者・b66987)
沢住・総仁(祈槍降架・b70516)
有宮・遊璃(エメラルド・b72514)
森部・柚子(土蜘蛛のお嫁さん・b73521)
NPC:初瀬部・ひなた(陽だまり仔猫・bn0153)




<リプレイ>


『ふあっはははははは。もう既にもふもふ戦隊の虜だな』
 能力者達の様子を見て、司令官は満面の笑み。
 何と言うか――愛する我が子を褒められて浮かれているようだ。
 ゆえに気付いていなかった。思惑とだいぶずれていることに。
「そういえば何者だと聞かれて答えていなかったのでお答えしましょう!」
『……むっ』
 能力者達があーだこーだ言いながら隊列を整えていたことに。
「ボクらは――!」
 先頭に立つ、穂村・煉司(紅蓮旋刃・b57176)が声を上げると他の八人も続く。

「「――秘密結社銀誓館から来た正義の使者! 銀誓戦隊モフルンジャー!」」

 見事に声が重なった!
 三人ほど正義の後ろに(?)が付いているが――まあ、誤差ということで。
「正義に燃える赤! もふレッド!」
 おっと間髪を入れず、久留宮・沙希(中学生科学人間・b55661)が歩み出る。
「悪を狩る暁の刃モフルオレンジ!」
「同じく、モフルンジャーホワイト!」
 続くは、煉司と、沢住・総仁(祈槍降架・b70516)。
 沙希を中心に扇状に広がりながら、フィニッシュへと持っていくパターンだ!
「(いや、そこはそうじゃなくて。こう右手を腰に回して左右対照になるようにっすねー)」
「(なるほど、こうだね)」
 ……うーん、割と即席か? 扇を手に、総仁が演技指導中。
「正義の紫天使。もふパープルじゃ! 天使の心でもふってやるのじゃ〜♪」
「もふブルー!」
 今度は、ポム・プリス(暗闇の月・b61392)と、両儀・威(蒼空の守護者・b66987)が颯爽と。
「(もう少し言い回しが必要じゃのぉ)」
「(次は考えておきます)」
 ……正義の味方もいろいろと大変みたい。
「癒しの緑、もふグリーン……もふもふなら……ミィも、負けません……」
「わたしは慈愛の戦士もふブラック!」
 有宮・遊璃(エメラルド・b72514)が愛猫への思いを胸に!
 森部・柚子(土蜘蛛のお嫁さん・b73521)は……黒いけど慈愛っ!
「ちょっと地味な燻し銀、モフシルバー。……え、ええと初瀬部さん?!」
「もっと真ん中真ん中♪ おっととと、元気が一番! もふゴールド!」
 氷山・雪(銀嶺の覇者・b59616)が、初瀬部・ひなた(陽だまり仔猫・bn0153)に押されながら。
 遂に揃う、銀誓戦隊モフルンジャー九人の戦士達!
 手には正義の証――イグニッションカード!

「「イグニッション!!」」

「可愛いもふもふ達を独占する悪逆非道! 例え天が許してもわたし達が許しません!」
「もふもふはジャスティスなのです! それで世界征服を企むとは言語道断! オシオキです!」
 武装を終えた、柚子と、沙希がぴしゃりと指差す。
『むぅぅ、まさかモフルンジョー……実在していたとは』
 司令官もかなりノリノリだ。ジョーじゃなくてジャーだけどね。
「さあ存分にもふ、もといもふらせて頂きます!」
「全力でもふらせて……もとい倒させてもらうよ!」
 対する二人もノリノリに。
「銀誓戦隊として、せいいっぱいがんばるのです!」
 負けじと総仁も!
 特にもふりを頑張ろうと心の中で付け加えるのも忘れない。
「もちろんゴーストたいじもわすれないーよ!」
 更に本職も忘れない! いい子だいい子だ。能力者の鏡のようだ。
「うむうむ」
 隣では、ポムがうなずいている。
 だが、こちらは全力でモフりまくる事を決意しているだけなので一緒にしないようご注意ください〜。


『おのれ、ちょこざいな! あくまで歯向かうというならば――もふってしまえ!!』
 司令官の号令の下、もふもふ達が一斉に動き出す。
 ころころと、ぴょんぴょんと。
「おおー! これは素晴らしいもふもふ……!」
「なんというか……攻撃をためらってしまうのぉ……」
 総仁と、ポムはもう目を離すことができない!
 七つのもふもふが生み出すメルヘェンな光景! ま、まさに奇跡だっ!
「なんてすさまじい攻撃。和んでしまって思わず攻撃することを忘れてしまう!」
 沙希が近付いてきた赤モフへと。
『ふあっははははは! どうだ、軍門に下る以外にあるまいっ!』

 ――ボカーン!

『……へっ?!』
 指令官の顔色が瞬く間に変わった。
「さあ、今のうちに」
 対して悪夢爆弾を打ち込んだ、威は早くも次弾を準備中。でっ、ボカーーン!
『バカな、我がもふもふ戦隊がこんな手で?!』
 もふもふ達はすやすやとお休み中。
「やったー! ゲットー!」
「ああ、もふもふです……」
 しかも次々と能力者の手に掴まっていくではないか?!
『お、おのれ、かくなる上は……』
「待って下さい。理解し合うことは叶いませんがもふもふを愛する心は同じのはず! 貴方のもふもふに込める想いを是非聞かせて下さい!」
『……しかし』
 煉司と、司令官が睨み合う。
「私は黒モフにしようかのぉ」
「……私は青モフを」
「あっ」
 遊璃がそっと青モフに手を伸ばすと、煉司の視線。
「……もしかして……希望していました?」
「大丈夫、別のにするから」
『バカ者がっ! もふもふは数も少ない至高の存在! それを易々と譲るとは……いいだろう。貴様に真のもふもふ道を説いてくれるわっ!!』
 くわっ!
(「……よく分からないけど上手く行ったみたいだ」)
 煉司が役目を終えて振り返れば、
「この子達、起きても大丈夫だね」
「命令がないと攻撃してこないのかもしれませんね」
 ひなたの問いに、威が白モフを捕まえながら言った。
「桃色もふは寝てても関係ないのです。この可愛い寝顔とハーブのような香り!」
「もふもふかわいーいでーす。かわいーいはジャスティスなのです。全力でモフモフするですよ〜」
 総仁と、沙希ははしゃぎまくり!
 他の仲間ももふもふ達を捕まえて、ご機嫌な様子。
「さすがに残ってないか……」
 いや、雪が手招きしている。
「一匹捕まえておいたの」
 そう言って、足元でじゃれついている黄モフを抱っこ。
 近付けば、煉司にも鼻頭をくっつけてくる。
 他のもふもふ達も似たり寄ったり。
(「かわいいなぁ、この子たち……すごくもふもふ……ゴーストじゃなければいいのに……」)
 遊璃がそれらを眺めながら、口元を緩めていると、
『ミュゥ、ミュゥ』
 膝に乗せている緑モフが構って欲しそうに鳴き声を上げた。
「……大丈夫、よしよし」
『ミュ〜ゥ♪』
 撫でてあげれば、すぐさまご機嫌にその美声を披露。
 他のもふもふ達も同調するように歌い。
「はあ、癒されるー」
 総仁の抱っこした桃モフからは心地よい香りが広がっていく。
 だが一点……邪魔な存在が、

『――このように人類は理想のもふもふを生み出すために品種改良を続けてきたのである。つまり、人類の歴史はもふもふと共にあったと――ふらべぱーーーー!』

「うっさい! 私はいまモフモフ中なの! 邪魔しないで!」
 沙希の放ったデモンストランダム・裏拳がクリーンヒット!
 その足元では赤モフが動きを真似て、くるりくるりと回っている。
『お、おのれ……話が聞きいなどと私をたばかったな!』
「いえ、そういわけでは」
 煉司が慌てて取り繕うとしたところに、ポムが凄まじい殺気。
「邪魔は許さぬのじゃ」
 黒モフを抱いたまま、更に痛烈な一撃。
『……ぐぉぉぉ』
「うむ、良い抱きごこちじゃのぉ」
 素知らぬ顔で、しっかりと抱き直す。
 ともすれば零れ落ちてしまいそうな黒モフ。だが、それでいて重過ぎもしない。
 むしろ面積が増えた分、もふもふが増えた感じだ。
「もふもふ……毛並みもナカナカじゃのぉ」
 ポムはご満悦。
『おのれ……一度ならず、二度までも!』
 対称的に司令官は激怒。
「まあまあ、それよりもこの子達のことを教えてよ」
 ひなたが頭に青モフを乗せたまま、無邪気な笑みを見せる。
『ミィ……』
 もっとも、青モフは何やら悲しげな表情。
 ボクもういらないのって視線を、遊璃に送り続けている。
「ご、ごめんなさい。……もう誰かに、貸したりしないから」
『……ミィ!』
 遊璃の広げた手に青モフが飛びつく。
 しっかりとキャッチ。
『うむうむ。人と、もふもふは分かりあえるのだ』
「それより話してよ〜」
 顎に手を当ててうなずいていた司令官を、ひなたがつつく。
『そうせがまれては仕方が無いな。今度こそ心して聞くがいい!』
 そして、また熱く語り出した。
(「司令官は何をしたいんだ?」)
 威は首を傾げるばかり。
 だが、その手は膝の上で寝転がっている白モフのさらさらとした毛並みを撫でることに余念が無い。
(「やっぱり、ペットとして飼おう」)
 と、密かに思っていたりもする。捕獲用に麻袋も準備済み。
 ……あまり人のことを言える状態ではないよね、うん。


『もふもふ達にも撫でて欲しいポイントとゆうものがある。例えば、そこの黒モフはお腹の辺りを撫でるとご機嫌になって、体から力が抜けていき――』
 司令官の話は続いていた。
「なかなか語ってくれるわね……しかしこの感触。癖になりそうよ」
「確かに」
 黄モフを挟んで、雪と、煉司が口元をほころばせる。
 柔らかな毛並みに、頬を埋めたり、抱きしめたり――まるで夢のような時間。
 だが、そろそろ終わりにしないといけない。
 何せ――先ほどから舞台袖でおっきなもふもふが出番はまだかなって、様子をうかがっている。
「なるほど貴方のもふもふに対する愛は理解しました……生前に会えれば仲良く出来たかもしれません。……ちなみに貰っていいですかコレ(もふもふ)」
『ふっ……止むを得んな。所詮、人はもふもふ無しでは生きていない生き物』
 再び、煉司と、司令官の視線が交錯。
『ゆえに愚かにも争いは絶えん。……つまり! 誰が渡すかぁあああ!!』
 激昂して、司令官が動き出せば、もふもふ達が暴れだした。
 そのまま一気に大行進!

 ――もふもふっと蹂躙していく。

「……素晴らしい感触でした」
 遊璃が直撃を受けてよろめく。
 もう少しあの感触を味わっていたかったが、顔を引き締めて森王の槍――発射!
「お前はもふもふの邪魔なのです!」
 柚子も和弓で狙い撃ちだ!
『ふあっはははははは! その程度でもふもふの愛を破ることはできん!』
 だが、司令官はあっという間に回復。
「なら、踊りましょうか」
 今度はダンシングワールド!
 雪が織り成すリズムに合わせて、もふもふ達が踊り跳ねる。
 回って回って、跳ねて跳ねて。
 総仁の回りをくるりくるり、柚子の肩に飛び乗って、指令官の頭でブレイクダンス♪
「凄いぜー!」
「映像として残せればいいのですが……」
『うむ、非常に残念だ……』
 何か、司令官まで和んでいる。
「とりあえず、今の内かな……」
 チャンスっぽいので、威が攻撃。
『いいぞいいぞ――げほぉおおお!』
 で、直撃。
『お、おのれ、二度ならず、三度までも! ……はっ?!』
 気が付いたときには――もう準備が出来ていた。ふるぼっこにするための準備が、ねっ!
「さあ、年貢の納め時です」
「覚悟はいいよね?」
 雪の指先からは冷気が、沙希はもう一発デモンストランダムを。
『ま、待て……話せば分か――ぐはぁ、げふぅ、あぱぁ!』
 連打! 連打! 連打!!
 回復する暇すら与えられずに、司令官は消えていく。
 だが、本番はここからだ!
 遂に出番が来たよと、巨大もふもふ――最終鬼畜妖獣兵器もっふもっふ登場っ!!
「これが空気も読めちゃう、ふるもっふ……! しかも特大! 全属性と極上のもふ感を兼ね備えた、まさに最終兵器……! 全力でもふ味をしょうがんするです!!」
 だが、能力者とて負けてはいない。
 というか、総仁のように迎撃準備は万全だ!
『ミュゥ、ミュゥ』
『ミィ』
「えっ、緑モフ?!」
「他のもふもふ達もです!」
 生き残っていたもふもふ達が、もっふもっふに突っ込んでいく。
(「……白モフは、あっ!」)
 威が慌てて確認すると捕まえていた麻袋が破れていた。戦闘力が低くてもやはり妖獣。
「そんな!」
 振り返れば、もふもふ達はもっふもっふに吸収された後で。
「……私のモフモフが……」
 ポムが怒りに肩を震わせ、殺気立ちながらクルセイドモード。

「きゃーー! 可愛いですーーー!」

 けど、柚子が顔を赤らめ、目をハートマークにしながら走っていった。
「ひとりでは危ない」
 それを、煉司が追いかけ、二人同時にダーイブ!
「あ〜もっふもっふ……今なら死んでもいいかもしんない」
 抱き締めながら、煉司が声を上げる。
 何という抱き心地!
「ぬぅ! 邪魔じゃ……」
『ミュ?』
 ポムが二人に文句を言ったところに、黒モフが毛の海からひょっこりと顔を出した。
「おおっ……モフモフ黒」
 どうやら、単に埋まっているだけらしい。
「け、けど、そしたら……」
 沙希の声に反応して、もっふもっふがジャンプ!
「ううう、なんてすさまじい攻撃なの! さ、避けられないじゃない!」
 ぎゅう〜! けど、もふもふ♪
「白モフ、いま助けるからな」
 跳びついた、威は逆にもふもふ体当たりで全身が埋まった。
「いけない、回復を――届け、もふもふへの情熱!」
 雪が慌ててヘブンズパッション。傍らでは、遊璃もヤドリギの祝福で。
(「……羨ましいな」)
 うん、そう思っちゃうのは仕方が無いよね。
「もふられるために生まれてきた存在の攻撃はまさに至上だぜー!」
 総仁のように、ああも堪能されては。
「危ない!」
 そこに警告の声。
 見れば癒し手の二人を狙って、もっふもっふが大ジャンプ!
「来ましたぁ!」
 同時に歓喜の声。
 戦場はもう大混乱♪
「もふもふ……もふもふ……!」
(「もふもふ……♪」)
 幸せそうな、柚子や、遊璃の顔。
 いや、他の者も大差ない。
 しかし、非常に……非常に残念なことに、回復アビリティの数には限りがあって。
「悲しいけど、これって戦いなんだよね」
「これが今生の別れ。存分にもふられてお逝きなさい」
 沙希と、雪が思いっきりもふり始める。
「もう一回……」
「あと五分……」
 まあ、最後までもふることに余念の無い能力者達であった……。


「悪は断罪されたね! ひなたちゃん!」
「断罪成功! もふもふもばっちりだよ♪」
「うん、モフモフで大満足」
 沙希と、ひなたが満足げに握手を交わす。
 だが、他の面々はちょっと消沈気味?
「皆さん……お疲れ様、でした」
 遊璃は仲間を労いつつも、帰ったら思う存分ミィをもふろうと決心しているし、
「成仏しろよ、白モフ」
 威はとても残念そうだ。
「団長、一匹連れて帰りたかったのです……」
「うん、勿体ないことをしたような気がするなぁ……」
 柚子の非常に物欲しそうな声に、煉司がうなずく。
「色んな意味で強敵でした……確かにちょっともったいない気もするけれど」
「また会いたいのぉ」
 雪が短く黙祷している横で、ポムは感触を思い出しながら自分の尻尾をもふもふと。
 遠く眺めたその先に、あのもふもふが見えたような、見えないような。
 けれど、彼らの胸中に残ったものもある。
 そのことを、いずれ気付く日が来るだろう――あのもふもふの感触と共に。


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いまいち
参加者:8人
作成日:2010/07/09
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