さざなみ、歓声、弾ける火種。夜が更けるまで火を囲み、心行くまで最後の時を……


<オープニング>


 楽しき時は、速く流れてしまうもの。
 忙しき時も、楽しく過ぎてしまうもの。
 今年も大きな盛り上がりを見せた銀誓館学園の学園祭2010が、早くも閉幕の時を迎えました。
 毎年大盛況の水着コンテストに、最後の一人になるまで殴りあうバトルロワイアル。そんな熱戦に次ぐ熱戦に、結社の仲間と企画し準備した結社企画も、大盛況のうちに幕を下ろしたことでしょう。
 もう、一般客は家路につきました。校舎の灯も消えて、下校を促すアナウンスが流れています。
 七月十八日、十九日と楽しんだ皆様、忙しなく動き回った皆様、改めてお疲れ様でした。
 しかし、まだまだ学園祭は終わりません。
 最後を飾るイベント、打ち上げパーティーがこれからはじまるのです……!

 静かなさざなみが打ち寄せる海岸線。月が輝き星が煌く夜の空。
 連なり歩いてきたあなたたちは、海岸にいくつかの大きな灯りを発見しました。
 それは、炎。
 揺らめく火影があなたたちを誘っています。
 キャンプファイアーへと誘っています。
 ……許可は既に下りています。
 踊るのもいいでしょう、歌うのもいいでしょう。
 キャンプファイアーの炎に照らされながら、夜の浜辺で楽しいひと時を過ごしませんか?
 もちろん、節度は守らなくてはなりません。キャンプファイアーにゴミを投げ込むのは禁止です。きちんと、各自で持ち帰るようにいたしましょう。
 けれど、キャンプファイアーの後片付けはいりません。全て、翌日までに業者がやってくれます。
 ただ、炎を囲み心を躍らせ、学園祭最後のひと時を楽しみましょう。
 そう。夜が更けるまで……。

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参加者
NPC:春宮・静音(バトルマニアレディ・bn0097)




<リプレイ>

●焔揺らめく海岸が、学園祭最後のライブステージ!
 星空への旅立ちを、数多のキャンプファイヤーが祝福する。浜風の中で紡がれる鼻歌に導かれ、翼なき奏者たちは心よりの音色を響かせた。
 一つ、また一つ、大地に繋がる縄が外された。
 音が優しさを増していく。リズムが激しさを増していく。
 暖かさが一抹の寂しさに塗り替えられ、転調。前奏は、悲喜様々な涙と共に終幕した。
 歌姫が静かな声を響かせて、涙を優しさで包み込む。奏者たちは音色を風に乗せ、歌声を遥かな空に誘った。
 旅人は、両親から受け継いだ想いを胸に出立する。音色が導く先にある、存在すら定かではない島に向かって。
 間奏を飾るアレンジが、己の全てを賭して見送る決意の証。
 途切れてしまう演奏は、己の全てを出して見送るために選んだ道。
 眩い焔に守られて、重なる音色は世界を巡る。
 旅の成就を、出会いを願い、高らかに響いて収束する……。

 波の音、焔のさえずりに身をゆだね、えり子は深く息を吐き出した。
 振り向けば、仲間たちも構えを崩している。炎に近い場所だからか、汗が伝い落ちてもいた。
 けれど表情に曇りはない。元気な笑顔を弾けさせ、えり子はマイクを抱き寄せる。
「夏果さんのギター、明さんとカルスさんのサックスコンビネーション……凄くカッコ良いですっ」
「えり子さんこそカッコよかったのですよ。何が、とか、上手くは言えないんですけど……」
 逸らされていく目線とは裏腹に、夏果の頬は緩み続けている。
 カルアはそんな彼女の肩を軽く叩き、一歩前に出て振り向いた。
「えり子ちゃんの歌声は天使のアレと同じで、いつまでも聞いていたくなる。ルナちゃんは元気いっぱいで、見ているだけで癒される。明さんの音は渋みと深みがある良い音だし、夏果ちゃんも頑張ってた!」
「そんなに一気に言わなくても、まだまだ時間はあるから大丈夫ですよ?」
「まぁ、分からないでもない。今の演奏はいつも以上に、一体化しているように思えたからな……」
 からかうような言葉だったけど、綾瀬はまんざらでもない笑顔を浮かべている。明も笑顔は同様に、楽しげな仲間を眺めていた。
「えりこちゃんの歌声はやっぱり素敵でした。明君もサックス演奏する姿、とっても絵になるのね。アレンジなんてさすがだったよ! ギターのなつかちゃんもとってもお上手だったし……」
 ただ一人、ルナが笑顔を曇らせる。寂しげに瞳を伏せていく。
「……歌って、気持ちがそのまま表れるんだって。私の声は……どんなふうに皆に届いているかな?」
「……」
 さざなみが余韻をさらうと共に、カルスがピンク色の頭を優しく撫でた。えり子も屈んで視線を合わせ、柔らかな頬に触れていく。
「大丈夫……ルナちゃんの優しい心、ちゃんと皆に届いてますよっ」
 心からの楽を感じた言霊が、笑顔の花を咲かせていく。
 世界に種をまくのだと、智恵理がショルダーギターを構えなおした。
「また来年も、皆で演奏できるとええな」
「まだ、今年は終わっていませんよ?」
 綾瀬がベースギターに指をかけ、軽快な音色を奏でていく。
「素晴らしい夜だ。一夜が明ければまた日常に戻る。最後まで祭の夜の余韻を楽しもうじゃないか」
 サックスを握りなおす明の横で、夏果はギターの調子を確かめた。
「星空まで届けましょう。最後まで、私たちの歌声を!」
 内田オフィス同好会は、再び静寂に包まれる。
 嵐の前の静寂は、炎が爆ぜると共に破られる――!

●スイカが人で人スイカ!? デンジャラスで喰えないスイカ割り!!
 姓をエルンスト、名をアリーセ。
 スイカはピクリとも動かず、夜の砂浜に座していた。
 浜風吹くままに細やかな金髪をなびかせて、スイカは頬を緩ませる。瞳を虚ろに細めたまま、目隠ししている奏へと視線を送る。
「叩いたら殺る、本気で殺る……」
「うぐ……」
 二歩、長くて固い棒を握り締めた奏が退いた。安堵とも取れる溜息を吐き出して、傍観する静音はひとりごちる。
「スイカ役ならまだしも、叩く役にならなくてよかったわ。手加減するとはいえ、無抵抗の相手を殴るのは気が引けるもの」
「怪我すんなよー」
 祥は労いの言葉を送りつつ、たこ焼きをはふはふしながら口に運んだ。
 導き手が居ないからか、奏はふらふらと歩き続け、アリーセの横を通り抜ける。
「ああ」
 トロピカルジュース片手に眺めていたリリーアが、小さく頷き手を叩いた。
「そうなのですね。スイカ割りとは、人の頭を西瓜に見立てた遊びなのですね。さすがサムライの国ですわね」
「……リリーアさん」
 一人合点しているリリーアに、静音は焼きイカを置きながら向き直る。肩に手を乗せて、青い瞳を覗き込む。
「……普段はともかく、今のアリーセ先輩は信じちゃ駄目。本当のスイカ割りはね……」
「はぅ」
「あ」
「あ」
 軽い音と小さな悲鳴、惚けたような声が浜辺に響いた。
 視線を移せば、アリーセの頭を叩いた棒が小刻みに震えている。
 担い手たる奏は顔を青ざめさせ、慌てて棒を投げ捨てる。目隠しすらも破り捨て、脱兎の如く逃げ出した。
「……南無」
 瞳を瞑り合掌した祥は、何事もなかったかのようにトウモロコシに手を伸ばした。リリーアも首をかしげながら焼きソバを拾い上げ、程よいソースに舌鼓を打っていく。
 小さな溜息を吐いた静音の瞳の中では、アリーセがゆらりと立ち上がっていた……。
 ーーその夜、奏のまともな姿を見たものは誰もいなかった……。

●綺麗な花火は幸運の印。ロシアン花火でレッツゴー!
「ご来店ありがとうございます」
「……前団長から……スペシャル丼、デリバリー……」
 武曲を呼び止め一礼した凛の隣で、灯萌は電飾煌く丼を頭に被った。武曲が反応できないでいるうちに、ずずいっと距離を詰めていく。
「美味しかった?」
「え?」
「文曲さん絵入り痛オニギリ」
「え……あ、う……」
「……灯萌」
 ジト目で灯萌を睨んだ凛が軽く頭を下げさせたけれど、頬染め眼を逸らす武曲の口からは美味しかったとの呟きが放たれた。
「え?」
「凛ちゃーん、灯萌ちゃーん、速く選んでよー」
 尋ね返す前にセラフィナから召集の声をかけられて、別の表情を見せていた二人は軽い挨拶と共に武曲と別れる。改めてGMRのメンバーと合流すれば、ディースリーが首を捻っていた。
「これは少し湿っているような? しかし……」
「……まあ、よく選べ。不発弾は罰ゲームだからな」
 小さな溜息を吐き出しつつ、凛は右の花火を選び取る。灯萌も左の花火を拾い上げ、残されたのはディースリーが調べていた一本のみ。
「ですが……あ、あれ!? もう、コレしか……?」
「それでは……早速……打ち上げ……ましょう……」
 戸惑う彼女の手を引いて、鈴がロケット花火を並べていく。
 火をつけてしばしの後、耳をつんざく爆音が轟いた。
「空に咲く大輪の花が美しいです……」
 白い肌を染めていく、色鮮やかな赤の色。青、緑黄色と入れ替わり、ディースリーは切なげな溜息を漏らしていく。余韻を楽しんでいた凛は瞳を開き、ロケット花火の残滓に視線を移した。
 鈴だけ、小刻みに震えている。
「罰ゲームは鈴か。さて、ならばこの大量の」
「ノンノン、罰ゲームはこの!」
「ジュース……ですね」
「へ?」
 凛が取り出したスイカを留める形で、笑顔のセラフィナが指ぱっちん。ディースリーが密閉されたカップを取り出して、震える鈴に渡していく。
 饅頭にホイップクリーム、ハバネロにおでん缶、セロリに胃腸薬ハバネロペッパーソース!
 蓋を剥がせば香ってくる、前衛的にして特徴的で刺激的なシェイクの匂い!
「んく……」
 覚悟を決め、鈴は中身がなくなるまで流し込む。
「……きゅぅー」
 飲み干したのか、カップの中には何もない。
「……惜しい人材を亡くしましたの」
「うん、おいしい人材を亡くした……」
「馬鹿言ってないで救護だ救護! 誰か担架を!」
 合掌するセラフィナと灯萌を叱り、凛は荷物を広げていく。
 狂騒と言う詩を織り成して、少女たちの夜は更けていく……。

●思い出は、煌き翔る花火のようで
 ――今日は来てくれて有難う。これから花火やるんだけど、一緒にどうかな?
 元気に笑うレイラと静かに頭を下げたゆかりに、武曲は微笑み楽しかったとの答えを返す。手を取った遥日は様々なキャンドルが集う場所に彼女を誘い、準備を整えていたスズが弾んだ調子で出迎えた。
 皆思い思いの花火を手にとって、一瞬顔を見合わせる。呼吸を合わせて火を点し、ざわめく波のような音色が響きだす。
 小さな紅の星々が、蒼が白の煌きが、砂に紛れて消えていく。
 燃え尽きた星屑は水を張ったバケツに投げ入れて、新たな花火が点された。
 地上を、七色の流星が走り行く。仮初の宇宙に身を委ね、レイラは唯はしゃいでいた。
「はわわー綺麗……」
「……、……」
「赤いキャンドル青いキャンドル知ってるかいっ、っと」
 スズはヘビ花火が成長していく様子を眺めている。ゆかりはキャンドルが燃え尽きる前に新たな色を追加した。鼠花火が踊り狂う様子を眺め、武曲は静かな溜息を吐いていく。
「楽しいものだな。こういうのも」
「ええ。心が安らぎます」
 頷き返しながら、遥日は線香花火を手に取った。皆も示し合わせたかのように選び取り、火も点けずに見つめあう。
 心地よい静寂が世界を満たす。自分を保てたのは、キャンプファイヤーの組み木が小さく爆ぜてくれたから。
「……えっとね」
 波の訪れと共に立ち上がり、レイラは四人が振り向くのを待った。
 瞳の端が、炎に照らされ煌いた。
「本当に最高の学園祭でした……お客さんと、頑張ってくれた皆のお陰……ありがとう」
 ……余計な言葉は必要ない。ただ立ち上がり、真っ直ぐに見つめ返していく。
「はい」
「……ええ」
「……ああ」
「こちらこそ有難う、俺も楽しかったよ」
 優しい言葉に導かれた彼女の顔には、湿っぽい空気など微塵もない。元来の明るさで、一斉に線香花火に命を吹き込む。
 小さな息吹きが、ささやかな幸せの証。
 終幕を終えても続いていく……。

●甘い時間、甘い思い出
 温もりに誘われ甘い匂いを立ち上らせる大きなワッフル。食めば柔らかさが唇を暖めて、含めば甘酸っぱい香りが広がった。転がせば生クリームとチョコが調和して、心地よい後味を残していく。
 少しずつ、慈しむように、少女たちはワッフルをつまんでいく。
 温もりを求めるのは、涼しい世界に身を委ねていたから。学園祭で用意した巨大な氷と、それで作った数々のかき氷が心を楽しく満たしていたから。だから温もりも欲しいのだと、知羽耶が用意したレモネードにも口をつける。あるいは紅実の紅茶やココアで喉を癒し、静かな息を吐いていく。
 お茶会が、更に愛しい時間に変わっていく。
「……あ、そうそう」
 ふとした調子で手を叩き、ホーリィが荷物から何かを取り出した。
「企画の様子を写真に撮って、ミニアルバムにしてみたの。来てくれた方達にもお渡ししたんだけど、みんなの分も……」
 開けば色鮮やかに広がり行く、形として残された思い出たち。頬が緩んでいくみんなを眺め、ホーリィも笑顔の花を咲かせていく。
「みんなの存在があったから、頑張れたと思うの。本当にありがとう、お疲れ様でした」
「私のほうこそ、ありがとうございました。本当に、本当に嬉しいです!」
「……本当、木蔭にきて良かったな。あんなに氷を削ったの初めてだし、皆でトッピングをわいわい加えたのも楽しかったし……」
 なおも言葉を続ければ、紅実が彼女の手を優しく握り締めた。アカリは目を擦りながらもページを捲り、数々の思い出に目を通していく。知羽耶優しく肩を叩き、そっと小さな耳に囁いた。
「ホーリィちゃんに出会えてホントによかったよ。つらいとき支えてくれて有難う」
「来年も頑張りましょう!」
 優しい言葉が終わる頃、アカリが元気な声を響かせる。
 誓いの言葉が途切れぬ間に、少女たちは体を寄せ合った。
 追憶の時は夜が更けてなお、心赴くままに続いていく……。

●労うためのバーベキュー! 静かなリズムも浜辺に刻んで
「みんな俺の不在中ありがとうな! ウチの客の入りには泣けたが、まぁ過去は気にせずに騒ごう! 乾杯!」
「乾杯!」
 高らかな挨拶がマオの口から紡がれると共に、勢いよくグラスがかち合わされる。響く余韻に身を委ねるままに喉を湿らせた二丁拳銃道の面々は、アズサを残して全員調理側へと回り込んだ。
「え?」
「え?」
 マオ曰く。
「あ、いや。団長として、皆を労いたくてな」
 智巳曰く。
「学園祭はあんまり手伝えなかったし、後夜祭ぐらいはと思って……」
 聖曰く。
「私も手伝えなかったし、智巳のサポートをしようと思って」
 悠曰く。
「皆育ち盛りだし」
 結論。
 食事役のアズサを中心に、調理役も関係なく食べていこうと言う流れになった。
「この焼きそば、ソースの濃さが丁度良いな」
「はは、ありがとう。ほら、皆も食べた食べた」
「ふふっ、こう見えて、意外と智巳は料理が上手いのよ?」
「意外とは余計だ、意外とは」
 舌鼓を打つアズサに、得意げに微笑む聖。智巳は新たな焼きそばをいためつつ、少しずつソースを掛けていく。肉を焼いていたマオはジュースで喉を潤して、視界の端に武曲を捉えた。
「おー……と、あっちはあっちで楽しんでいるみたいだな」
「焼きそば、いただきまーす」
 近くに他者の姿を見つけ、マオはタッパーにでも入れて持っていこうかと思い直す。最中にも悠が食事側に回りこみ、焼きそばを堪能し始めた。
 ――気付けばお腹が膨れていた。長い時間が過ぎていた。
 揺らめく焔に誘われ、アズサが智巳に語りかける。
「それでは一曲、お相手頂けますか?」
「みんなで行きましょう。最後のひと時まで」
「そうだな。ゆっくりするのは後回し、最後まで騒ぐとしましょうか」
 聖も同道する流れとなり、三者はキャンプファイヤーに己の軌跡を刻みだす。マオはサングラスの位置を直し、静かに頬を緩めていく。
 大きく伸びをした悠は、星々の眠る白浜に背を預けた。
「こんな感じで来年も楽しみたいなー」
 瞳を閉じれば、心地よい睡魔がやってきた。舞踏のリズムに流されて、深い場所へと落ちていく。
 気付けば自分も踊っていた。それが夢だとは、目覚めるまで気付かなかった。

●終曲、静寂、鎮まる炎。されど星々は輝いて
「結局、歌わなかったなー」
 浜辺に寝転び、秀都は大きく伸びをする。心地よいバラードに身を委ね、シャンデリアのように煌きを世界に与えてくれている星々を眺めていく。
「ま、それもいっか。結構楽しかったぜ。激しくなくても、熱い心の歌声は……」
 静の中にも熱を捉え、瞳を閉じてすくい上げる。
 ライブが終わるその時まで。炎が消えるその時まで。
 後夜祭の喧騒を。喧騒と言う名の遥かな歌を。
 2010年銀誓館学園学園祭。ひと夏の思い出が、静かに幕を――。


マスター:飛翔優 紹介ページ
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楽しい 笑える 泣ける カッコいい 怖すぎ
知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:30人
作成日:2010/08/03
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冒険結果:成功!
重傷者:なし
死亡者:なし
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