Many Many Cat Christmas


     



<オープニング>


 銀誓館学園のクリスマスパーティー。
 毎年、様々な趣向を凝らすパーティーが開催され、学園はクリスマス一色に染まります。
 終業式を終えたクリスマスイヴの日は、様々なパーティーが開かれているようです。

 クリスマスパーティーは無礼講。
 たとえ、今まで一度も口をきいた事が無い人とでも、一緒にパーティーを楽しむ事ができます。
 クリスマスパーティーは、新しい友達を作る為のイベントなのですから。

 気に入ったクリスマスパーティーがあれば、勇気を出して参加してみましょう。
 きっと、楽しい思い出が作れますよ。


 扉を開けると、そこにはたくさんの猫がいた。
 もう見渡す限りの猫、猫、猫である。
 机や椅子の上に、小さな箱の中に、陽の当たる場所でひと固まりになったりと、自由気ままにくつろいでいるようだ。
「おおっ、今年も猫さんが一杯集まったね」
「ニャー」
 初瀬部・ひなた(陽だまり仔猫・bn0153)が近くにいた、でぶ猫を抱き上げた。
「あまり良いことではないんだがな。……こんなに集まっては、今年も里親探しを兼ねて猫カフェをしないことには、どうにもならん」
 そう言った、山田・大五郎(高校生運命予報士・bn0205)の持っているケージの中にも二匹の猫が入っている。
 ここに居るのは、いずも野良猫。
 中には秋に生まれたのか、子猫も混じっている。
「これにまだ有志の人達が連れてくる猫も混じるのか。ある意味、壮観だね」
 百地・いろは(高校生呪言士・bn0209)の腕の中にもやはり一匹の猫が収まっている。
 機嫌がいいのか、ゴロゴロと喉を鳴らしていて、
「もし、カップルが来たら上手く盛り上げてくれよ」
「ニャアア」
 指でちょんと突いて見ると、猫はあくびをするように声を出した。
「そうだな。最近はナイトメアビーストが攻めてくるという事件が続いているし、せめてクリスマスパーティーぐらいはのんびりと平和な時間を楽しみたいものだ」
 大事さを噛み締めるように、大五郎がつぶやく。
 銀誓館学園の力の源はみんなで過ごす学園生活に違いなく。もしかしたら、このクリスマスパーティーに参加する事が、来るべきナイトメアビーストとの決戦において力になるのかもしれない。
「ともかく、成功するように頑張らんとな」
「もちろんだよっ♪」
「ニャオ?」

 今年もクリスマスイベントのひとつとして猫好きの有志達による猫カフェが開かれることになった。
 果たして、いかなる物語が生まれるのか。
 いかなる出会いが待っているのか。
 さあ、期待を胸に扉を開こう。

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参加者
NPC:山田・大五郎(高校生運命予報士・bn0205)




<リプレイ>

●いらっしゃいませ
 猫が居た。
 猫で溢れていた。
「おお! こりゃすげえな。ホントに壮観だわ」
「こんないいっぱいのにゃんこ、見たことないのですっ」
「漣、頼むから落ち着けっ僕を引っ張るな……!」
 沸き立つ一同。
 それを迎える店員、そして猫達。
「「メリークリスマス♪」」
「「ニャオ」」

●二人の時間
「猫ねぇ。……猫だな。……ねこなんだな」
 流刃の振る猫じゃらしに、子猫が瞳孔を広げる。
「にしても、こー以前と関係変わったとはいえ、何が変わったかよくわからんなぁ」
「……うん、ホント何が変わったかわからん……でも、私は今のままで幸せだから……うん、それが一番重要だよな」
 答えながら、まりあもおもちゃを動かす。
 子猫はそんな二人の間で無邪気に遊んでいた。

「はい、そこまで。小織の指は俺の……」
 良が思わず猫の動きを止めた。
「焼き餅?」
「……うん、そう。夢中っぽかったから、さ」
「良も、あんまり猫と仲良しだと私も妬いちゃうよ? あっ」
 話しているうちに猫達がじゃれはじめた。
「猫たちも仲良し。私と良みたい」
 小織がそのまま良の手を握り、
「もう暫くは二人きりでいたいけれど、いつかこんな風に可愛い家族が増えるのもいいな」
「ああ、一番すき……だから、賑やかになっても」

 昂夜の膝に黒猫がぴょんと飛び乗ってきた。
 頭を撫でてやると、喉を鳴らしながら、そのまま膝の上で丸くなり、
「優しいものは分かるようだな」
「……?」
 緋雨の言葉が理解できず、昂夜はやや首を傾げた。
 だが、彼女の優しくて温かな笑顔を見ていると、それ以上は何も言えなくなって。
 猫が喉を鳴らす音をBGMに、二人の温かな時間が過ぎていく。

 群がっていた。
「わあ、これまた一杯きたね」
 紫音が餌を持って近付くと、白、黒、三毛など猫だらけに。
「どれどれ」
 餌を置いて撫でる、撫でる、愛でる。
「可愛い」
「確かにね」
 昭憲も黒のブリティッシュショートヘアの子猫をもふり中。
 自分から近付いて来てくれたこの猫には感動もひとしおで、
「一緒に暮らすかい?」
「じゃあ、わたしも」
 紫音が目を凝らす。うーん、可愛いのが一杯だ。

「ふかふかーすりすり」
 目をキラキラと輝かせ、美咲が猫と遊んでいる。
 そんな姿にスルガは微笑みを浮かべつつも、少し胸の中がちくりと痛んだ。
「にゃっ」
 気付けばスルガは猫ごと美咲を膝の上に。
「……うん、これなら落ち着く」
「あわわ、ちょっと恥ずかしいですよぅ。でも、嫌じゃない……あったかくて落ちつくの」
 猫と一緒に幸せなひと時。
 里親になろうと言い出したのは、そのあとだ。

「き、気のせいか……なんか重い……」
 枢の頭に肩に太股には、猫が鎮座していた。
 それを見守る一視の心中は穏やかではない。
 無言のままに枢に肩を寄せ、
「……か、かずみ……どうしたの?」
「枢。枢の一番近くに寄っていいのは俺なんだからな。誰よりも何よりもだからな」
 言ってから気付いたのだろう。
 照れて顔が赤くなっている。
「うん……かずみだけ……だよ」
 返ってきた答えも恥じらいでいた。

「あ、渓さん、この子可愛いですの……って、重いですの」
「……これまた凄い重量級なことで」
 ファルチェと渓が見つけたのは、まるまると太ったでぶ猫で、
「ちゃんと運動しないとダメだぞー? ほら、プニプニ」
「うんうん運動しないとだめですよー。ぷにぷに♪」
 お腹を指で突っつくと、猫はご機嫌な顔になった。
 そして十分後。陽だまりの中で、うとうととする二人と一匹の姿が。

「俺は、紅茶か、な。鉋はどうする?」
 だが、柳の言葉は聞こえておらず。そこには「にゃー」に「にゃー」を返す鉋の姿があった。
(「楽しそうで良かった、よ」)
 そうだ、
「メリークリスマス、鉋」
「おおっ、めりーくりすますでござる」
 ちゅ。
 と、鉋のほっぺに唇の感触。
「……猫もいいけど、俺のこともかまってくれ、よ」
 耳まで真っ赤にして、鉋は――おずおずとキスを返した。

「華も猫に囲まれてるな。重くないか?」
「ちょっと重い、けど……平気。かわいい、よね」
 紅羽の目に華の膝を独占した猫達が映る……羨ましい。
(「いや、そんなことは」)
「どうした、の?」
 華は首を傾げ、その時!
「あっ」
 膝上のデブ猫が肩に飛び乗り、バランスが崩れて、
「と、大丈夫か?」
 紅羽が抱き寄せて難を逃れた。
「ご、ごめん……っ、大丈夫、だよ。ありがと」

 映音の両手には溢れんばかりの猫が。
(「……こういうのも幸せかも」)
 和みながら、悠理はその様を見つめる。
「肉球ぷにぷにとか、してみますかー?」
 近付いてくる、映音。
(「俺、好きとは言ったけど肝心な事を言ってなかったよな……」)
 その時、悠理に浮かんだのは別のことで、
「なぁ映音、俺と付き合ってくれないか?」
「……はい、わたしでよろしければ喜んでー♪」

「うっ……!」
 ヴェティルは見た。
 猫を両手に抱え、ご満悦な絵毬の姿を。
 微笑ましくはあるが……ちょっと面白くない。
「ヴェティル君はどんな子が好き? キジトラや三毛も可愛い……ん?」
 訪ねてくる絵毬を余所に、後ろに回ってそっと抱き締める。
「三毛もブチも茶トラも好きだが……俺は絵毬が一番好きだ」
「ぅ……ごめん、拗ねないで? 絵毬は貴方だけの猫だからいっぱい愛して欲しいの」
 二人の手がそっと重なった。

 猫にまみれたリリエル。
 押しつけてくる猫をあやす蔵人。
「……意外と人懐こいな、お前」
 もう手慣れたもので、猫の方もご機嫌だ。
 そこに、
「寝たら埋まるぞ?」
「んー……」
 リリエルがうつらうつらと。
「ん。クロ猫もこっちー」
 膝をぽんぽんと叩き、寝ぼけたままに蔵人を引っ張り込む。
「おっ……」
 柔らかな感触に包まれて、また時が過ぎていく。

 子猫を膝に抱えて、ヴァンと、ティスは談笑中。
「いやぁ……やっぱり猫はいい、猫万歳」
「そんな風に言って下さって、嬉しいです……」
 自分が褒められたみたいで、ティスは照れて頬に手を当てた。
「んー、やっぱり動物はやすらぎますねぇ」
 子猫達もだいぶ懐いてきたようで、二人の撫でる手をあまがみしてくる。
「この子たちで」
「ああ、今日から君達は僕ら家族の一員だからね、宜しく」

 紀菜は猫をモフるのに夢中になっていた。
「……ここはそういう場所ですから……そ、その」
 が、拐に見られているのに気付いて頬を赤く染める。
「良いんですよ? その猫も、喜んでるみたいですから」
 応える拐の声もうわずっている。紀菜は勇気をもらおうと猫を撫で、
「拐さん……その……メリークリスマスです。……今日は貴方と過ごせて良かったです」
「ええ。メリークリスマス――」

●出会い
「おひさまの匂いがしていい感じー♪」
 小春の手には大型のもふもふの猫が。
 ぎゅっと抱きしめて顔を埋めれば、ふわっと柔らかい感触が広がっていく。
「センパイは」
 そして琉姫に目を向けると、
(「マンチカンっぽくてかわいい、ツンデレっぽいし、ちっちゃいし……はうはうー」)
 幸せそうに呆けた姿がそこに。
「あっ、ええと……あれだよ、このわくてかを制御する自信がなくってだね!!」

「真理、この猫さんを剥がしてもらえるか?」
「あっ、はい」
 葵の背中には一匹の黒猫が。
 そして真理の腕の中には白黒のぶち猫が抱かれている。
「む、俺はこんなおっとりしたイメージなのか?」
「は、はい……どう、でしょうか?」
「穏やかそうで……いいな。こっちはどうだ?」
「わわ、私、こんなに可愛くない、ですよ?」
 楽しそうな声に猫達が目を細める。
「大事に、しましょうね」
「あぁ」

 土鍋に入った一匹の猫。
 おっかなびっくりと撫でている夜斗。その後ろに隠れている澄。
「大丈夫だったよ」
「うん……」
 夜斗に促されて、澄が手を伸ばし、
「あった、か……い、ちゃ、んと頑張って……生きてる、んだ、ね」
「ああ。お前、俺の所に来るか?」
 返答代わりに喉が鳴る。
「なら……名前を」
「名前か……」
「瑪瑙ちゃんはど、うか、な」
「お、良いね〜」
「ニャオ〜」

「ん? 早速一匹近づいてきてくれたな」
「わぁ、この子はとても人懐こいのですね、可愛いです」
 明彦が抱き上げた灰色と白のキジトラの子猫を、ハディードが撫でれば、
「ニャーニャー」
「ん……誰かを呼んでいるんですか?」
 きょろきょろ。
 隅の方に黒い子猫が。
「あきの抱いている子猫さんが連れて行かれると思ったのでしょうか?」
「なら、俺達と一緒に暮らしてみないか?」
「ニャー」

「さつきちゃんはどんな子が良い?」
「ボク? ……そうだなぁ、猫ならどんな子でも」
「あっ! 見て見て、この子の瞳」
 和奈が抱き上げた猫は、
「さつきちゃんみたいな綺麗な空色! 貰って行くのこの子にしない?」
 さつきはじーっと見つめ、
「和奈さんの腕の中も気に入ってるみたいだし、その子に決めよっか」
「えへへ、ボクたちの子だしかわいい名前付けてあげないとね♪」

「やはり今年も大盛況のようだな。にゃんこ恐るべし」
 ヴィランは愛猫の小梅を撫でながら会場の様子を眺める。
 いや、それはすぐさま一匹の子猫を大事そうに抱えたファルクに移り、
「とても賑やかで楽しいものだね」
 ファルクが素直な感想を。
 その間に子猫は丸くなって眠りについた。
「運命のにゃんこと出会えて良かったな。メリークリスマス」
「来て良かったよ、ありがとうヴィラン」

「あ、あれは……夢見ていた猫団子……!」
 まひるの目には映ったのは固まって寝ている猫達。
 そうっと近寄き、顔をうずめ……、
「にゃふ……♪ あ、この子、目元がちょっと進護さんに似てない?」
「お、俺にか……?」
 確認しようと進護が覗き込めば、
「……うわ、こら舐めるな」
「わわ、くすぐったいよ……♪ この子、結社で飼いたいな」
「そうだな、居たら顔出すのがもっと楽しみになりそうだ」

「あ、あの子可愛……ぁ」
 昴の目に人懐こそうな子猫に入った矢先、新がそれを抱き上げた。
「な、な、こいつ可愛くね?」
 そして見せびらかすように、子猫を昴の前に。
「ふふ。うん。可愛いです」
「なー。猫飼ったことある? 俺飼った事なくてさ」
 これもまた縁であろうか、昴もこの子猫を飼いたいと思っていたところ。
「なら、二人なら……きっと幸せにしてあげられそうですね」
「お、それはいい」

「……ぉ。ついに一匹の猫が」
「あ、漣ちゃんのところにも仔猫が……」
 凛と、羽衣の視線が集まる。
 とてとてと歩み寄ってくる子猫。
 漣がそっと持ち上げて頬ずりをすれば、子猫が肉球を押し付けてきた。
「可愛い……そして柔らかいのです」
 次に浮かぶのは、
「連れて帰りたいなぁ………ダメ?」
「……私は別に構いませんが」
 二人の視線が凛に集まる。
「……世話はお前がちゃんとするんだぞ? いやまぁ、僕も出来る限り世話はするがメインはあくまでもお前だからな? ……羽衣、なんだそのもの言いたげな目は!」
「いえ、私は何も? ただ、なんだかんだ言いつつも……凛様らしいなぁ、と」

 モーゼの十戒のようであった。
「……その……どんな猫でも俺が近づことするだけで逃げよるねん」
 苦笑う、悟。
 が、
「でも、逃げない猫がいる……」
 倖の言う通り一匹の黒猫が。
「お前は平気なんか?」
 しゃがんでみたが逃げない。
 恐る恐る触ってみても大丈夫。
「この猫、Anandaで引き取ろうと思う……そうしたら、相澤もまた会いに来られるよ」
「マジで!? スモモちゃんもナイス!」

「らいど・おーん……って、そんなに気に入ったのですか?」
 水無月の頭の上には一匹の子猫。
「一緒に来るといーのです」
「ニャア」
「特徴からすると――」
 興味は尽きない。
 さて、名前は何にしよう?

 青く澄んだ瞳が見つめている。
 それは一匹の猫。
 優しく撫でてみれば、猫は嬉しそうに目を細めた。
 メイベルの中にも嬉しい気持ちが広がり、
「私の家に……来る……?」
 口から自然と言葉がこぼれでた。

「やっぱり猫は可愛いですね」
 猫用のおやつを持参した、小雪は膝と言わず、背中や肩まで猫で埋まっていた。
「……あら、この子の毛並みは狐に変身したわたくしに似ていますね」
 これは運命だろうか。
 うん、きっとそう。

「やっぱり猫はいいねぇ……ん?」
 ナギの目に留まったのは、隅で丸まっている一匹の子猫。
 よく分からないが、すごく気になる。
 今日遊んだどの猫よりも惹かれている――よし!
「なあ、うちへ来るか?」

 黒夜はうめいた。
「参加する予定はまったくなかったのだが……くっ、何だこの猫たちは……!」
 二匹の猫がまるで睨んでいるようで目が離せないのだ。
 むぅ、気になって仕方がない。

「……?」
 いつの間にか、英史の足元に猫がいた。
 ただ、じっとこちらを見ている。
「可愛くないなあ。でも、嫌いじゃない……かな」
 抱き上げて膝の上に。
 次いで浮かぶのは、一緒に暮らすためのこと。

●お楽しみ中
 雪花の膝の上では黒猫がゴロゴロと丸まっていた。
(「猫さんって気に入ると気が済むまで動こうとしないんですよね……」)
 自分が乗ろうと思っていた虎狐は動かぬものかと様子をみる。
(「兄様の膝の上は私のものです、兄様にも撫でてもらいたい……」)
 リリーもまた同様に。
「今日は、膝、この仔に取られちゃったね」
 と、雪花は二人を抱き寄せる。
「うん、でも可愛いから許しちゃうのですよ」
「では、虎狐ちゃんの膝には茶トラの猫さんを乗せましょう」
「あ、それなら、リリーちゃんの膝にも乗せてあげましょうー」
 そして、賑やかに時が過ぎていく。

「子猫も居るのか……とても小さいな」
 十六夜が猫じゃらしを揺らせば、子猫は小さな身体を目一杯に動かす。
「そう言えば悠仁の好きな動物ってなんだろう?」
「……好きな動物?」
 ちょっと考えてみる。
「猫か……猫だな」
 悠仁はそう答えて目の前の子猫に……!
「……あの、爪出して」
「シャアアア」
「飛びかかって来るんですが……!」
「悠仁?!」

 萩吾はカメラを手に仲間達の姿を追っていた。
「ふわもこー!」
 猫に頬をすりすりする紗理亜。
「にゃーにゃーにゃー!」
 既にキャラ崩壊まで。
「猫だ、猫だ、猫だっ!!」
 浮かれているのは青葉も同じ。
 子猫を抱き上げては、適度に抱きしめ、頬ですりすり。
「……あら? みんなどこに、ちょっ、何撮ってるの!?」
 ようやく気付いて紗理亜は赤面。
「あ、親分命令! 美人に撮ってくれないと、あとで引掻くから、よーく覚悟しておくようにっ」
「ラジャ! でも美人に撮れるかはモデルによ……善処シマス!」
 と、逃げた先には、
「……ってなぜ!?」
 猫に逃げられ苦悩する、ももきの姿があった。
 仲間達の猫は触れても一人だと……。
「おっ!」
 そこに歩み寄る一匹の子猫。
「俺こいつと一緒に生きるわ。萩吾写真撮ってくれー!」
「オメデトだ! ……おっ!」
 二人が目を留めた。
 レナがふてぶてしい態度のぶち猫と見つめ合っている。
「……」
 煮干が目の前で振られる。
 貫禄たっぷりに猫は立ち上がり、鋭く前足を。
 空振り。
「……ふ」
 浮かぶのは勝ち誇った笑み。
「おっ……」
 だが、猫も負けじとレナの手をあまがみしてきた。
 続いてシャッター音が鳴る。

 結社から連れてきた、うに、しゃこ、キャビアも元気一杯に遊んでいる。
「ほらほら」
 燐の振る猫じゃらしに釣られる猫達。
「はっ……まさかあなた方はキャビアさんの御兄弟か御親戚でいらっしゃいますか!」
 黒い子猫の集団に埋もれていくデイヴィッド。
「いっぱい食べてください!」
 更に撒いて、その姿が……。
「おめえらとも頻繁には会えなくなっちまうんだなあ」
 と、ハズレがうにらを撫でて感傷に浸っている。
 彼らの結社【天然キャットタワー】は年末に解散の予定だ。
 でも、
「皆、本当に猫好きだよな。俺もだが」
 寅靖がカメラ越しに見る顔は素敵なものばかり。
「ほら、みーけ君が入らないと駄目でしょ?」
「ありがとう。じゃあ、おいで」
 燐と、みーけがカメラマンを交代。
 刻まれていく思い出。
 更に、
「お、流石にうちは里親になる奴多いなあ!」
 新たな出会いも。
「思い出の集合写真、いきますにゃ〜!」
 セルフタイマーのボタンを押して、みーけが駆け寄る。
 精一杯の笑顔を。
 そして、仲間達への感謝を込めて。

「喉の辺りをこうやってな」
「え、ええと……こうでしょうか」
 準の教え通りに、翼の指が動く。
 痒いところに手が届いたと猫は目を細めた。
「……可愛いですね」
 だが、準はそれには応えない。
 興味はむしろ、藍乃と真咲の会話に。
「猫は好きー? アタシはね、昔は猫になれたんだよー」
「動物は全般的に好きだな。そうだ、今更だが狼は平気か?」
「犬も猫も大好きだよ!」
「そうか、ならば良かった」
 楽しそうだ。
「……準先輩、何かたくらんでいるのですか」
 と、翼が聞いた時には既に遅く。
 準が猫をけしかけた!
「わわっ……ひゃぁあ!?」
 突然、飛び掛ってきた猫に藍乃が椅子から落ちそうになる。
「大丈夫か?」
「……わわ、真咲、ありがとー」
 すんでのところで助けられた。
 でも、近くて。
 互いに相手を意識するには十分であった。

「猫が可愛いのは解るよ、解るけどね? にやにや顔きもちわるいよ、奈緒?」
 ほとんど棒読みな一輝の言葉。
「ええい、気持ち悪いって言うな! もう今日だけは、徹底的に埋もれると決めてきたんだ……!」
 奈緒が言い返し、猫の群れに飛び込んでいく!
 それを見守る仲間達……いや!
「にゃにゃーん!?」
 猫と存分に戯れるエーリアルの歓声が割り込んできた。
「かわいい、かわいいかわいいかわいいですよ」
 もう幸せの絶頂。
 修が奈緒に視線を戻せば、
「……ネコに埋もれて幸せそうだな」
「あー幸せー」
「ここはまさに桃源郷です……! こっちの猫さんもあっちの猫さんも可愛い……」
 いつの間にか、桜華も猫に埋もれているではないか。
「いいな、猫うもれ……せっかくだし写真とろうか」
 如路が幸せそうな姿をフレームに収めていく。
「えーい……儘よ!」
 その間に、瞳も迷いを捨てて猫の群れに飛び込んだ。
 だが、入ったところが悪かったのか猫達は蜘蛛の巣を散らすように走っていく。
「ああっ!」
 去っていった。
 猫が、猫が……。
「瞳は……何落ち込んでんの、ほら」
 一輝が猫を抱いて目の前に。
「あれ、猫が? ……あれ、僕の周りにも!?」
「先ほど、木天蓼を渡しておきましたから」
 桜華に言われて気が付いた。
 いつの間にか、瞳の周りに猫が集まっている。
 しかも……動きが怪しい。
「あああああああ」
 ごろりと横になった猫のお腹を、エーリアルがもふりだす。
「あっ、うちの子達も」
 気が付けば屋上倶楽部の通い猫達まで。
 何と楽しいことだろう。
「……結構癒されてたんだよな」
「はい、これ」
 そこに柚木が猫じゃらしを差し出してきた。
「結社のロッカー掃除してたら、使わなくなってたものがたくさん出てきたんです。大切に思い出を作って行きたい、ですね」
「ああ」
「おや、早速」
 柚木が指し示す先に、猫を抱いた桜華の姿が。
「桜華は里親になるのか。……良かったな」
「はい、必ず。この猫さんと飼い猫と仲良く暮らします!」

「にゃー? にゃーにゃーにゃにゃー」
 猫を前に、朝霞は会話を試みていた。
 だが、猫達は素知らぬ顔。
 と、いうよりも早く遊んで欲しそうに朝霞の周りを走り回っている。
「ぐすん……でもまあ、これはこれで。おやっ?」
 大きな猫が二本足で歩いていた。
 いや、猫の着ぐるみ(龍麻)だ。しかも全身に猫を乗せて猫だらけ。
「猫の楽園♪ 動物っていいよね〜♪ 心が和まされるよ〜」
「にゃー♪」

「猫! 猫! 猫! 猫好きにはたまらない空間だね。ひなニャン……じゃなかったひなチャン」
「でしょう、深冬先輩。お待ちどう〜」
 テーブルの上に紅茶が並んでいく。
「ひなた様もいかがです?」
 すると対面の芽亜からお誘いが。
「そうそう、猫を撫でたりモフッたりしながらね」
「母が撮った、猫がいる風景写真集を持って参りましたよ」
「うーん」
「あ、ひなた先輩。人の入りが谷間になってますから、5分くらい休憩入れて大丈夫だと思いますよ」
「ほんと?!」
「折角今年も企画してくれたんですから、無理せず先輩達も楽しんでくださいね!」
「ありがとう、葬くん。大好きだよー!」
「ひなちんももふもふにゃ〜♪」
「にゃあ?!」
 凪のバックアタック!
「わっそこはダメだよ〜」
「なかなか……おっ!」
 凪が鋭い視線を向けたその先に、
「はわはわにゃ〜ん……って百地さんいつの間に」
「いや、注文をね……」
 レイラと話をしている、いろはの姿が。
「えっと、メリークリスマスです!」
「うん、ゆっくりしていって」
 話が弾んでいる。
 油断している。
「……恋人さん多いですよね」
「まあね」
 今度は夏美と話し始め、
「わたしもいつかは……」
 その時、猫のカップルが通り過ぎた。
「って、ネコさんも恋人いるですか」
「いや、猫だから……ひゃあ!」
「いろはちんももふもふにゃ〜♪」
「もふもふにゃ〜♪」
 凪と、ひなたのバックアタック!
「いろは!」
 そこに救い手が。
 茂理が特製の猫寄せコートで、いろはを包み込んだ。
「助かっ……えっ?!」
 周りに群がる猫達。
「たかり様も尋常じゃないねー。もう逃げ出そうなんて出来る状態じゃ無いよ」
「うわゃあああ!」

「ゴッホのキューピッドになって頂けませんか?」
「こんにちはチェルノタさんと一緒に遊びにきましたよ」
 クロランタとサーシャの声に大五郎が振り向く。
「ああ、二人とも、加えて二匹とも元気そうだな」
「チェルノタさん覚えていますか? 子猫の時にお世話になった大五郎さんですよ」
「どうだろうな?」
 覗きこむと、びっくりしたような顔に。
「こんにちは。相変わらず大人気ですねー」
 と話しかけてきたのは、悠。
「……あの私も」
 更に、一匹の猫を抱いた巫由が。
「恥ずかしながら猫を飼った経験がなく……もしよければ、育て方を教えてもらえないでしょうか?」
「ああ、構わんよ。ゴッホの相手も……おや」
 目に留まったのは、月依。
「あっ……」
 猫が通り過ぎていく。やはり、自分には縁が無いのだろうか。
 そう思い始めた時、白い猫が月依の足に乗っかってきた。
「えっ、えっ」
「おめでとう」
 大五郎が賛辞を送る。
「いいですね……むむっ、尻尾の三毛模様が猫変身した時の私にそっくり」
 そこに、悠も一匹の白猫に目を止めた。
 出会いは無数に。
「ゴッホ、照れてないでごーごー!」
 そして、またひとつ。

「みぃ〜猫さんばかりずるいにゃ〜ボクも撫でるのにゃ☆」
「ああ、すまんな」
 苦笑しながら、レイジが祢琥魅の頭を撫でる。
「ね……猫さん、がたくさん……!!」
 そこにエルデの声が耳に飛び込んできた。
 見れば、スティックの先に紐でおもちゃをぶらさげて猫と遊んでいる。
「あ、遊びましょうです! おいでください……!」
 とてとてと猫が。
 いや、それよりも――いた!
 優雅にこちらを眺める那由他が。
「私、猫変身はしない派なんだけど、猫の勉強になると思って見てただけだから」
「いや、違うんだ、那由他。別に俺は二股をかけているわけではッ」
 慌てて弁解。
 猫を撫でながら、那由他は冷ややかにそれを見守る。
「大変そうですね。こんにちは白木さん」
「みぃ!」
 そこに流我が現れた。
「流我とノクターンにもおすそわけだにゃ〜」
 祢琥魅は弁解するレイジを余所に手作りのクリスマスケーキを取り出す。
 餌に釣られたわけではないのだろうが。
「おや、ノクターンは白木さんが大好きですね」
「そうなのかにゃ」
 ちなみに後ろの方ではまだ弁解が続いているようだ。

「我が生涯に一片の悔い無し……!」
 氷一は猫に埋まっていた。
 究極の癒死(いやし)を求めて行き着いた先がこれ。
 すなわち、猫布団!
 単に猫に埋もれてるだけと侮る無かれ!
 その温かさ、柔らかさ、
「うふふ。ふかふかー」
 超幸せそうな風姫の顔が全てを物語っている。
「あったかほかほかですにゃー」
 壱もまた同様に猫に埋もれていた。
 全身に掛かる心地好い温もり、視界を掠める猫達の仕草。
「ダメですよーひっかいたりしちゃー」
 のんびりと、ごろごろと。
「……ひなたよ、見えますか俺の上にある死兆猫が……っ!」
「うん、ご機嫌みたいだよ♪」
 人も猫も、ね。

「おや、大事な帽子が?」
 閉店間際に目を覚ましたシャンフォンは慌てて周りに目を配る。
 落ちていた……が、黒猫が中にいて、出ていくそぶりがない。
「仕方ないネー」
 肩をすくめ、猫入り帽子を抱えて帰路につく。
 同様に多くの猫が温かな家に向かっていた。
 メリークリスマス。
 楽しいこと、幸せなことが、一杯ありますように。


マスター:てぃーつー 紹介ページ
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楽しい 笑える 泣ける カッコいい 怖すぎ
知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:105人
作成日:2010/12/24
得票数:楽しい15  笑える2  ハートフル13  ロマンティック2 
冒険結果:成功!
重傷者:なし
死亡者:なし
   あなたが購入した「2、3、4人ピンナップ」あるいは「2、3、4バトルピンナップ」を、このシナリオの挿絵にして貰うよう、担当マスターに申請できます。
 マスターより許可を得たピンナップ作品は、このページのトップに展示されます。
   シナリオの参加者は、掲載されている「自分の顔アイコン」を変更できます。