≪銀誓剣術士団SSM≫赤の貴婦人


<オープニング>


 突然、目の前が見知らぬものへと変化した。
 そこは高い天井であり。
 大理石を敷き詰めた床であり。
 部屋の隅には上半身が裸になった男の像があった。
「えっと、これは?」
 現状を把握しようと、雷が辺りを見回す。
 おかしい。
 先ほどまで結社に居たはずなのに。
「大広間か、ダンスホールといったところでしょうか?」
 いま、一同の目に映っているのは、市女の言ったそれ。
 そして、彼らの視線はある一点――椅子に座った妙齢の女性と従者達に吸い寄せられていく。
「ようこそ……と歓迎したいところですが、まずはどうやって入ってきたのかしら?」
 こちらを推し測るように女性は視線を投げかけてくる。
「どうやら、あの人の仕業ってわけじゃなさそうだね」
 魅の指摘に、女性は眉をひそめた……いや、続いて不敵な笑みが浮かぶ?!
「よく見れば素敵な客人ではありませんか、是非ともおもてなしをしなくてわね、おーっほっほほほ」
 いつしか女性の顔は妖艶に、目では隙無く獲物(男)を狙っている。
 薄っすらと開いた唇から犬歯のように鋭い歯が。
「……吸血鬼、か」
 昂夜のつぶやきに応えるように、女性が椅子からゆっくりと立ち上がる。
 身につけた真紅のドレスがふわりとたなびいた。
「そう、わたくしは吸血鬼。吸血鬼、エナメル・シャーリング。またの名を赤の貴婦人、この世すべてのいい男と可愛い男の子を食らう女よ」
「「えっえええ?!」」
 能力者のどよめきと同時に、どこからともなく声が聞こえてくる。
『戦士諸君、ようこそ』
 声の主は吸血鬼達ではない。
 見れば、彼らも声の主を探しているようだ。
『闘神の独鈷杵は、それを所有するに相応しい主を捜し求めている。戦士達よ、戦え。百の戦いが繰り広げられたのち、もっとも勝利した組織の元へ、闘神の独鈷杵は復活するであろう』
「なるほど、そういう事ですか」
 ようやく納得がいったと、信長が吸血鬼達に視線を戻す。
 それは彼らも同じ。
「メガリスが懸かっているなら、なおさら負けられないな」
 律が戦闘に備えようとイグニッションカードに手を伸ばしたとき、敵の首領と思われる女――エナメルがおもむろに口を開いた。
「おーっほっほほほ。これは何ともいい贈り物ね。メガリスに加えて、あなた達のような子を手中に収められるなんて」
 エナメルは恍惚として能力者達に見入っている。
 具体的には、信長、律、昂夜、
「……自分は格好よくも可愛くもありませんが」
 でも、大牙にも向いている。
「なんで私にまでちょっと生温そうな視線を向けてくるんでしょうか?」
 雷にも。
「いや、俺だって」
 そして、天生にも向いていた。
「つまるところ男性が全員ターゲットにされたということでしょうか」
「いや、私は女性ですから」
 市女の言葉に、雷が即座に反論。
 当の女吸血鬼は胸の前で腕を組んで強くうなずいている。
「そこ! うなずかない!」
「ふっふふ、大丈夫よ。お姉さんはそんなの気にしないから。優しくリードしてあげるわ」
 ぞぞぞっと身の毛が立つ。
 危険だ!
 かなり危険だ!
 どうして危険かは言えないが、めちゃくちゃ危険だ!!
「シャレで済みそうにありませんね」
「……捕まったらどうなるんだろう?」
「考えるな! 倒せばいいんだ!」
「って、あれ!」
 指摘された先にはチェーンソー剣を両手に持って襲いかかってくる従者こと従属種ヴァンパイア達。
「「ヒャッハー!」」
「うわっ、ひゃっはー言ってる?!」
「そんなことよりも」
「「イグニッション!!」」
「さあ、私がみんな仲良く食べてあげるわ♪」
「嫌だっ!」
 と、そんなこんなで、大事なものを守るために戦闘開始だ!

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参加者
瀬神・昂夜(黒狼の牙・b04251)
天宮・信長(天狼地祇・b16653)
雪風・大牙(人食い虎・b20851)
渚砂・魅(閃刃の舞乙女・b58841)
風間・雷(シルバーライトニング・b61308)
宇佐美・市女(死神の葬送曲・b66472)
緋山・律(焔の謡い手・b67971)
夜麻・天生(夜摩に連なるもの・b79520)



<リプレイ>

●互いの初手
「「ヒャッハー!!」」
 それは無秩序で、ただ本能のままに動く、獣の群れであった。
 ある者はチェーンソー剣を振り回し、ある者は豪快に飛び跳ね、ある者は奇声を上げ続ける。
「状況が良く、掴めませんが……やるしかない、様ですね……」
 雪風・大牙(人食い虎・b20851)が得物に手をかける。
 他の能力者達も瞬時に迎撃体制へ。
「総員抜刀! これより戦闘に突入しますっ」
「「おう!!」」
 そして、風間・雷(シルバーライトニング・b61308)の声に、能力者達も一気に動き出す。
 まず機先を制した、瀬神・昂夜(黒狼の牙・b04251)が先手必勝と間合いを詰め、僅かに残っていた距離は一足でゼロに変わる。
 同時に両手の獣爪がきらめき、次いでキーーンとよく通る音が戦場に響き渡った。
「あっぶねえなぁ!」
 攻撃をいなした敵はすぐさまチェーンソー剣を横薙ぎに振るう。
 さすれば、またも金属音が響き渡る。
「見かけによらず出来るな……」
「相手は貴種と従属種ですか……」
 傍らでは、天宮・信長(天狼地祇・b16653)も敵と切り結んでいる。
 相手の技量は確かだ。こちらの攻撃にまったく後れを取っていない。敵の弱みといえば、連携がまったく取れていないことだが、それは彼らにそういう考えが無いだけであろう。少なくとも、
「殺しちゃあダメよ」
「任してください。ちゃんとエナメル様に捧げてみせますから!」
「あんだと、それは俺がやるんだよ!」
「寵愛を受けるのは俺だ!」
 彼らの主人たるエナメルへの忠誠という一点では合致している。
「みんな張り切っているわね。さて、子猫ちゃん達の具合はどうかしら?」
 そんな状況に満足しながら、エルメスは能力者達に艶かしい視線を送りつける。
「どう見られようとも、敵に対して為す事は変わらん……全力で、叩きのめすだけだ」
 昂夜が断罪の拳で目の前の従属種をくの字に曲げた。
「やるじゃねえか、次は俺が相手だぜ!」
 しかし、追撃に移る前に次なる敵が飛び掛ってくる……いや、横から黒い飛来物!
「……先手必勝……爆ぜろ」
 着弾と同時に黒い塊は爆発すると、黒燐蟲の群れとなって従属種達に襲い掛かった。宇佐美・市女(死神の葬送曲・b66472)はその戦果を見て取ると次弾の暴走黒燐弾を準備する。
「さぁ、いきますよ、エナメルさん!」
 今度は敵のすべてを巻き込んで、雷のジャッジメントサンダーが駆け巡った。
「……っう、やってくれるわね」
 が、エナメルは余裕の表情だ。
 いや、どこか恍惚としていようにも見える。
「きちんと戦術を理解し」
 こちらを見定めながら舌をなめずる。
「その上、連携まで取れているとなると容易く勝たしてはくれそうにないわね」
 心底楽しそうに、そして妖艶に、笑う。
「……あの、舌なめずりするのやめてくださいませんか」
「あら、ごめんなさい。でも、あなた達があまりにも美味しそうなものだから……つい、ね」
 雷に答えながら、またもエナメルは蛇が獲物を狙うように舌をなめずる。
(「なにやら不穏なオーラがあの貴種からでているが……」)
 敵との距離を計りながら、緋山・律(焔の謡い手・b67971)が『曼珠沙華』を頭上で回して力を高め、
(「倒すべき相手だからな、容赦しない−−絶対に、勝つ」)
 即座に一歩踏み込んで黒影剣を放つ。
 受けた従属種は一瞬、苦痛に顔を歪めるが、
「ヒャッハー!」
 すぐさま高く飛翔。
 そして、回転を加えて落ちてくる。
「おっと、そうは問屋がおろさないってなぁ!」
 床から影が一気に伸びて、従属種を空中で切り裂いた。
 夜麻・天生(夜摩に連なるもの・b79520)はそのまま影を操り次の目標へと向ける。
「ヒャッハー! って聞くのは好きだけどねぇ……叫ぶ方にはなりたかねぇなぁ。それに……うちのメンツの方が美人だしな!」
「あら、この魅力が分からないなんて、まだまだ子供ね」
 前かがみになるエナメル。
 しかし、誰も見ていない。
 前衛は倍に近い従属種の相手に手が一杯で、更に後ろになると遠くてよく見えないのだろう。
「レディの相手を忘れるなんて、失礼ねっ!」
 言って、銃声が鳴る。
 急所をえぐるかのように、ダメージが蓄積していた大牙に直撃した。
「……ぐっ」
「なるほど、性癖はともかく侮れませんね」
 信長はエナメルの危険度を一段階引き上げる。
 そして、また銃声が。
 再び、大牙を……いや、昂夜が割って入った。
「くだらんな、お前の明後日な方向の野望に興味はない」
「ほんとつれないわね。でも、そんなところもまた可愛いわよ」
「ほざけ」
 と、昂夜がそんな話をしている間にも、横合いから従属種が襲い掛かってくる。
 それを後退と、クルセイドモードで体勢を整え、
(「しかし……格好良いも可愛いも縁遠いと思うんだがな、俺は」)
 僅かに浮かんだ雑念は振り払う。
 耳に届くのは叫び声と剣戟。
 既に戦いは一瞬の隙も許さない厳しいものへと変化していた。

●五分と五分
 互いに初撃を打ち合うと、前衛は乱戦になった。
 そこに急所を突くエナメルの攻撃。
 猛攻にさらされ、前衛の四人は息をつく暇もない。
「初撃は互角……敵の狙いも、こちらか」
「……変わりに突破される心配はありませんね」
 大牙と、信長が敵の攻撃をいなして、すぐさまその場を離れる。
 後を追うように次々と迫ってくる従属種達。
 奇しくも前衛にエナメルが狙う対象が集まってしまったのも、こうなった理由のひとつである。だが、それよりも敵の猛攻に、回復が追いつかない……!
「攻撃がバラけているので、範囲回復のやり甲斐もありますが」
 それを口にした、雷はトーテムスピリットで回復に追われる始末だ。
(「……とりあえずボクは女性でよかったと心底思うよ」)
 現状を見るに自分は渦中に居ないと、渚砂・魅(閃刃の舞乙女・b58841)がそっと胸を撫で下ろす。
 不謹慎ではあるが、白燐奏甲で仲間の傷を癒す以上は重要なことだ。
「(とりあえず、雷さんは頑張って。色々と)」
 聞こえない程度につぶやいて、仲間を白燐奏甲で癒すために更に足を踏み出せば、大牙が従属種と揉み合う形で目の前に迫ってきた。その肩口にはチェーソー剣が深く食い込んでいる。
「どうしたどうした! ヒャッハー!」
「奇声をあげて相手を威嚇……素人、だな……」
 大牙は身を引いてそれを振り払い。
「なっ?!」
 無防備になったところに紅蓮撃を叩きこむ。
「……ガッ」
「……一々五月蝿い、少し黙っていろ」
 更に弱ったところへ、昂夜が断罪ナックルを打ち込んで文字通りに黙らせる。
 巧みな連携攻撃に従属種はもう起き上がってこない。それどころかその姿が消えていく……。
「なるほど」
「……そういうことになっているのね」
 この戦場から弾き出されたのを、能力者達も、エナメルも見て取った。
「ということは、手に入るのは勝利とメガリスを得るための権利だけということね……」
 はぁ、と諦めの混じった溜息をエナメルが吐き出す。
「でも、お互いにメガリスは一つでも多く必要でしょう」
 問い掛ける信長。
 その答えはお互いに分かりきったこと。
「そうね。でも、本当に残念だわ」
「こちらとしては大助かりですよ」
 雷を始めとして安堵の表情を浮かべた者は少なくない。
「いいわ、あなた達が苦しむ姿とその血を持って、わたくしの享楽といたしましょう」
 優雅な一礼と共に、エナメルは標的を指差す。
「ブラッドスティール……!」
「……くぅ」
 警告の声も虚しく、律の体が急激な脱力感に包まれる。
「「ヒャッハー!!」」
 続けて従属種達の攻撃。
「遊びに付き合う暇など……ない……」
 大牙が割って入るも攻撃は苛烈だ。
 律と、大牙は直撃を避けながら攻撃を凌いでいく。……だが、その終わりは見えない。
「こいつら……」
 振り下ろされる剣を受け止める。
 掴み掛かってくる腕を振り払う。
 死角を互いにカバーしながら、僅かな隙を突いて反撃、そして回復。
「大丈夫? 今癒すからちょっと待ってね」
 その後ろに、魅がついた。
「凌ぐだけでも大変ですね」
「こうも敵が攻撃一辺倒だと、間違いなく誰かが倒れるな……」
 少し離れた場所では、信長と、昂夜が支えあっている。
「ヒャッハー!」
 飛来してくる敵を、
「右」
「左」
 二手に分かれてかわすと挟み込むように痛撃を打ち込む。
「これで二人目か……くっ……」
 昂夜の膝が折れた。
 急激に体から力が無くなっていく。
「残念だけど、また会いましょう」
 声の先には昂夜を指差す、エナメルの姿が。意識を繋ぎ止めようと無意識に指を伸ばすが、そこに従属種が止めの一撃を振り下ろす。

 戦場からまたひとり戦士が消えていった……。

「……これで七対六か」
 市女は消えていった仲間から敵に視線を戻す。
 既にどちらの陣営も前衛は大きく傷ついている。
「夜摩天の沙汰が下ったようだぜ。おめぇさんは地獄行きだとよ!」
「……影よ」
 天生と、市女の闇の手が仇とばかりに従属種を大きく切り裂いた。
 体がぐらりとよろけるも、
「エナメル様の愛を受けるためにもここで倒れられるか……ぐぉ」
 持ち堪えたところに、大牙の紅蓮撃が今度こそ従属種の姿を消した。
「歪んでいるが意気込みだけは……十分、だな……」
 そうつぶやいた大牙の背には唸りを上げるチェーンソー剣が。
「この……」
 振り返ろうとしたところで意識が遠のいていく。
 その掠れていく視界の中で、信長が従属種を切り伏せている姿が、見えた。

●総力戦
 戦いは一進一退を続けている。
 どちらも決定的な差を出せぬまま、ひとりまたひとりと戦場から消えていく……。
「メガリスが絡んでいる以上、この戦いには負けられない」
 朦朧とする意識を、律が必死に繋ぎ止める。
 従属種が食らいついてくる。
「こんなところで負けるわけにはいかないんだ、自分のためにも世界のためにも……!」
 振り払うように放ったのは渾身の紅蓮撃。
 業火に焼かれて、従属種がまたひとり消えていく。
 そして、律も後を追うように倒れて、
「……後は頼む!」
 消えた。
 もう何も残っていない。
「本当に残念だわ。こんなにもいい子達を手中に収められないなんて」
 心底残念そうにエナメルはつぶやく。
 だが、その浮ついた言動とは裏腹に手にしたガンナイフは次の獲物を探している。
「ちぃ、俺も前に出るぜ」
 前衛の数の差を埋めようと、天生が旋剣の構えを取りながら前に。
「二人は僕が倒れるまで無理をしないでください」
 そう言って、信長が従属種を引きつけようと攻勢を強めた。
 降りかかる火の粉を払うように『Mithras』が左右に揺れては火花を散らす。そして、空いた手で打ち尽くさんと断罪ナックルが放たれる。
「いまだ。纏めて吹き飛べっ!」
 そうして生まれた空間に、魅が渾身の力を篭めて白燐蟲の大群を解き放った。
 ひとり、もうひとり、従属種が倒れていく。
 その中に信長の姿も……。
 さしもの彼も、猛攻に耐えきれなかったのだろう。
「……これで四対ニか」
 ようやく能力者達のアドバンテージが確かなものになった。
 だが、それを生み出すために払った犠牲も大きい……。
「あと、従属種はひとり。このまま一気に倒しちゃうよ」
「分かってるぜ!」
 魅と、天生の影が挟み込むようにして従属種に伸びる。
「ヒャッハー!」
 対して、敵のスタンスは変わらない。
 ダメージを最小限にしながら、猪突猛進に攻撃を繰り返す。
「まだまだ。このくらいじゃ倒れないよ」
 魅が押しとどまりながら旋剣の構えを。
「邪魔だなんだよぉ!」
 意地と意地をぶつけあうように、剣と剣がぶつかり合う。
 甲高く剣戟の音がどこまでも響いていく。
 長く思えた打ち合いも実際にはほんの数秒の出来事で……。
「これで――!」
「終わりだぁ!」
 ほんの僅かに従属種が早く倒れた。次いで、エナメルの攻撃を受けて魅も戦場から消える。
「……くそぉ!」
 気が付けば、残った能力者は三人。
「さあ、後はあなただけですよ」
 敵はエナメルを残すのみ。
 ようやく、ようやく、長い戦いに決着がつこうとしている。

●赤の貴婦人
「ここまでやるとはね。あなた達をわたくしの物に出来ないのがとても残念だわ」
「初めに言っただろう」
 天生が長剣を向けて言い放つ。
「こっちはみんなアンタよりいい女ばっかりなんでな、そっちには行けねぇや」
「そう、そうだったわね。なら――」
「……決着をつける」
 まずは、市女が飛び出した。
 既にアビリティは出し切っている。おそらくは他の二人も同様だろう。
 手にした巨大な鎌を豪快に振るい、時間差をつけて天生が長剣で切りつける。
「そこですっ!」
 二人が生み出した隙を逃さす、雷が黒曜の剣を突き出す。
「……ほんと、やってくれるわ」
 傷口を押さえながらエナメルが解き放ったのは蝙蝠の群れ。
 能力者達に群がるとその血を奪って主の傷を癒していく。
 だが、
「どうしました? そんな攻撃では私たちを倒すことなんて出来ませんよ」
 雷が詰め寄る。
 エナメルが僅かに後退すると、空いたスペースを使って市女の大鎌が鋭く走る。
「……くぅ」
 傷を深くしながらも、エナメルが再び放ったのは同じく蝙蝠の群れ。
「……切り札が切れたか」
 市女の言葉に、エナメルの顔が曇った。
「どうやら、そういうことらしいな」
 ならばと、天生がやや強引に打ち込む。
 じりじりと長期戦になど、させやしないと強い意志を篭めながら。
 ガンナイフと打ち合って火花が散る。
 それが数合続いたところで、エナメルが僅かに距離を取った。
「確かにこれ以上は無粋ね。いいわ、これで決着をつけましょう」
 足を止めて攻撃の構えを取る。
「始める前にあなた達の名を聞いておきましょうか。さぞ、名のある戦士達なのでしょう?」
「私たちは、銀誓剣術士団SSM。あなたたちから未来を守るものですっ!」
 雷が高らかに言ったと同時に三人が走った。
 そして、銃声が鳴る。
 黒曜の剣と、白銀の大鎌が、軌跡を残した。
「覚えておくわ……銀誓剣術士団SSM……」

●決着
「勝者、銀誓館学園。戦士達よ、汝らの勝利はしかと見届けた」
 どこからともなく声が聞こえてきた。
「しかし今はまだ復活の時では無い。いずれまた戦いの時が訪れるであろう」
 そして、景色が霞む。
 視界がはっきりしたときには結社に戻っていた。
 消えた仲間の姿もある。
「くそぉ、最後の最後でやられるなんて情けねぇ……」
 悔しがる天生を初めとしていずれも無事な様子。
「それにしてもエナメルさん。……最後に舌をなめずってましたよね」
「……目をつけられたな」
「目をつけられましたね」
「まあ、(男と間違えたわけではなく)いっちゃんの魅力が性別を超えたんですよ……きっと」

「そうですか……って、全然嬉しくありません!」


マスター:てぃーつー 紹介ページ
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楽しい 笑える 泣ける カッコいい 怖すぎ
知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:8人
作成日:2011/01/30
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