魔法少女が多すぎる?!


<オープニング>


 のどかな昼下がり。
 朝倉ミユキ(小学五年生)は下校の途中でナンパされている女性見つけた。
 それはまったくの偶然であったのだが、
(「つ、遂に来ましたの!」)
 彼女の中で、それは待ちに待った瞬間。
 今こそ、彼女のもうひとつの顔がお披露目となるのだ!
「そこまでですの!」
「はぁ……?」
「えっ……?」
 小学生に声を掛けられ、高校生ぐらいの男女は固まった。
 何? この小学生と目が訴えている。
「ええと、何か用?」
「はい! お姉さん、いま助けますの!」
「はいっ?!」
「みんなの夢と希望、守る力はこの手の中に! さあ、輝くですの!!」
 ミユキの声と共にまばゆい光が辺りを覆った。
 一瞬のうちに光は去り、そこに現れたのは、
「夢と希望の魔法少女ホワイトスノウ、ここに参上ですの!」
 純白のドレスに身を包んだミユキの姿であった。
「「………」」
 二人は言葉を失う。
 何? これ? と、また目が訴えている。
「さあ、お姉さんを放すんですの!」
「ええと……」
「おいおい、何だよこれ。すげえじゃん」
 まだ戸惑う女性に対して、男性の方は強く興味を示し始めた。
「どうなってんだよ、これ?」
「さ、触らないでくださいの!」

 ベシッ! 

 手にした魔法のステッキで一撃。
 男性はまるでボールのように飛んでいった。
 そして、壁にぶち当たると酷いことになった……。
「あら……?」
 ミユキがそのことを正しく理解するのは、一分ほど後のことである。


「よく集まってくれたね。今回はみんなに魔法少女をやって欲しいんだよ」
「……はぁ?」
 長谷川・千春(高校生運命予報士・bn0018)の言葉に、能力者達が首を傾げた。
「『天女の羽衣』のメガリスゴーストによる事件が発生するのを視てね」
「なるほど」
「だから、みんなには魔法少女になって欲しいんだよ」
「なるほど……って、どうしてそうなる! 間の説明が無いぞ!」
「おっと、ごめんごめん。時間があんまり無いんで説明するのを忘れてたよ」
 弁解しながら、千春が話すところによると。
 まず、事件現場に今から向かうとミユキが二人に話しかける直前に駆けつけることができる。
「なるほど、でも何で魔法少女?」
「それはね、ミユキちゃんは自分で魔法少女を名乗ることからも分かるとおり、魔法少女に憧れているんだよ。だから、みんなが魔法少女に変身すれば間違いなく注意をこちらに向けてくるよ」
「そうか、てっきり冗談かと思ったが一応は理由があったんだな」
「そりゃもちろん。でも、十中八九は攻撃してくると思うから気をつけてね」
「待てっ! 何だそれは?!」
「ミユキちゃんが見た魔法少女の作品がそんな感じだからだよ」
「なるほど……」
 言われてみれば、そんなのもあったような、無かったような……。
 まあ、魔法少女同士が出会えば戦う展開なのだろう。
「ちなみに男の人が魔法少女になると汚されたと思って全力で狙ってくれるよ!」
「げ、げげっ」
「もう、殺る気100%って感じでね♪」
「おいっ!」
「まあ、メガリスゴーストの影響を受けている以上、一度は倒さないと助けてあげることはできないからね」
 説得しようとも最終的にはメガリスゴーストの意志が勝つので説き伏せることは不可能。
 加えて降伏もありえない。
「つまりは魔法少女ホワイトスノウを倒すしかないんだよ!」
 あえて、そちらの名前を使うことに意味があるのだろうか?
 まあ、たぶんあるんだろう……。あると信じたい。あると信じよう。
「ホワイトスノウの攻撃手段は大きく分けて、三つ」
「ふむ」
「渾身の力で相手を殴りつけるマジックパンチと」
「それはただのパンチだ!」
「懐から取り出した注射器を相手に突き刺して味方(魅了)にしたり」
「どんな魔法少女だよ!」
「目からビームを放ったり」
「もう根本的におかしい!」
「ごめんごめん最後のは冗談、ビームを出すのはステッキからだよ」
 最後だけまともになったけど、かなり独特な魔法少女だ……。
 色々と混ざったのだろうか……?
「あと、ホワイトスノウはメガリスゴーストによって『魔法的な力で守護されてる』から思いっきりやっちゃって大丈夫だよ」
 倒してもミユキが負傷することはない。
 それに、能力者達のことや不思議な現象のことも世界結界によって次第に曖昧になっていくだろう。
「というわけで、みんなよろしく頼んだよ!」

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参加者
銀・紫桜里(桜華風塵・b30535)
エルム・レガート(夜明けの紫・b39299)
露木・水無月(耳と尻尾はもふもふ・b43410)
笹月・雛菊(灼熱のデイジー・b52752)
蒲生・灯雪(雪雅幻詠・b55309)
綾川・紗耶(青き薔薇の輝きを具現せし者・b64932)
緋神・美歌(まじかるあいどる・b74075)
メモリア・フォルゴーレ(追想の蒼雷・b77665)



<リプレイ>


 ミユキの鼓動が自然と早くなっていく。
 いよいよ運命の時がきた。
 大丈夫、きっと上手くいくはずだ。
 と、思ったところに人影が目の前をよぎって――いや、立ち止まった。
「ここに現れるのは分かっていたよ♪ ホワイトスノウ」
 続いて明るい声が響き渡る。
「えっ? ど、どうしてそのことを知ってますの?!」
「……あ、ちょっと待って。走ってきたから息が」
 額に汗を浮かべて、はぁはぁと息を乱す八人の女性……いや男性も混じっているようだ。
「何者ですの!」
「わたしこそが本当の魔法少女だ!」
 改めた問いに、ずばりと答える蒲生・灯雪(雪雅幻詠・b55309)。
「なんとですの!?」
 予想外の事態にミユキは思わず後退る。
「それで魔法少女を名乗ろうなんて、しかも半端に正義の心とか持ってるからタチが悪いですね」
「半端じゃありませんの! 私が正義を守ってみせますのっ!!」
 緋神・美歌(まじかるあいどる・b74075)の言葉にかちんときて、ミユキが能力者達に迫ってきた。
 かなり近い距離で互いの視線がぶつかり合う。
「なら、本物の魔法少女がどれほどのものかって事を教えてあげますよ」
 言って、美歌がイグニッションカードを取り出す。
「望むところですの! ……と言いつつ、多勢に無勢だから撤退ですの!」
 踵を返して全力ダッシュ!
「「……に、逃げたーーー?!」」
「ふっふふふ、地の利はこちらにありですの!」
「待てーー!」
 そして逃走劇が始まった。
 聞くも涙、話すも涙の物語はまったく挟まずに、
「追いつめたわよ!」
「追いつめられてしまったですの!」
 あれから五分で逃走劇はあっけなく終わりを迎えた。
「所詮は小学生の足ですね」
「くぅぅ……!」
「加えて、この路地は人気も無さそうだな」
「しまったですの! ピンチですの!」
 どうやら自滅するタイプのようだ。
「では、ここからが本番です。ミラクルマジカルるるるるるぅ〜〜〜」
 銀・紫桜里(桜華風塵・b30535)が颯爽と変身する。
「おおっ、本格的ですの!」
 衣服はピンクのフリルに早変わり、ミニスカートとオーバーニーソにこだわりが見て取れた。
「悪しき魔法少女に鉄拳制裁☆ マジカル☆しおりん、華麗に参上♪」
 ぴしっとポーズを決めた紫桜里の横では、
「マジカルドレス・イグニッション!!」
 と高々とイグニッションカードを掲げる美歌の姿が。
「貴方に届け愛の歌、まじかるあいどる★みかふぉるってっしも♪」
 くるくると箒を回しながら、こちらも華麗にポーズを決める。
 その洗練された動きに、
「す、すごいですの!」
 感極まって、ミユキが声を漏らした。
 熱き羨望の眼差し。
 もう今にもサインをねだりかねない。
「ま、魔法少女ですか……。メガリスゴーストの影響とはいえ、また随分な……。あぁいえ、今回は私も成り切らなければいけないんでしたっけ……」
 対照的に、メモリア・フォルゴーレ(追想の蒼雷・b77665)の表情は優れない……。
「父様母様姉様、ちょっぴり挫けそうです」
「大丈夫ですの、こんな魔法少女は私がすぐにやっつけてあげますの!」
「……いえ、そういうわけでは」
 どう勘違いしたのか、メモリアを被害者だと思ったようだ。
「あはははは……」
 そこに、エルム・レガート(夜明けの紫・b39299)の乾いた笑いが聞こえてきた。
「どうしたんですの?」
「高校に進級したら『男の娘』という汚名を返上するはずだったのが、何でこんなことに……えぇーい! 自棄だ自棄。矢でも鉄砲でもロリ服でも持ってこーい!」
「……可哀想に、精神を病んでしまったんですの」
 ほろりと同情の涙を流し、ミユキは決意を固める。
「こんな酷いことをする魔法少女は私が成敗しちゃいますの!」
「違うーーー!」
 能力者の話など聞かず、ミユキからまばゆい光が溢れ出す。
 そして、その身を純白のドレスが優しく包み込み、
「夢と希望の魔法少女ホワイトスノウ、ここに参上ですの!」
 遂に新たな魔法少女が誕生した!
「メモリアさん!」
「はい!」
 ならばと、綾川・紗耶(青き薔薇の輝きを具現せし者・b64932)が青い薔薇を宙に投げ、
「青き薔薇は奇跡の花。可憐に咲いて見せましょう、我が祈りと共に!」
「闇夜切り裂く雷光一閃! 魔を討つ刃は此の腕に!」
 次いで、メモリアも顔を赤らめながら変身を遂げる。
「魔法少女ブルーローズ、ここに参上ですわ♪」
「魔法騎士・ブルーサンダー、此処に見参!」
 青を冠する二人の魔法少女。
 加えて、紗耶の傍らには使い魔であろうか、真ケルベロスオメガの姿もある。
「が、がうが、がう……? がうがうが、がう……」
「意訳しますと、『ま、魔法しょ、少女……? トゥルーケルベロス、参上……』と言っていますわ、あら?」
 フィリップの言葉を、紗耶が訳したものの……ミユキの姿が無い?!
 それを説明するために少しだけ時間を巻き戻そう。
「マジカル☆イグニッション」
 露木・水無月(耳と尻尾はもふもふ・b43410)が黒を基調にしたゴシックロリータの衣装に早変わり、さっきゅん(真サキュバス・ドール)も対照的な色調で姿を現わした。
「響き渡れ、黒と白の二重奏! 魔法少女エボニー&アイボリー。魔法の旋律を奏でに参上なのです♪」
 キラッ☆っと可愛くウインクを投げかける。
 ぷちっ!
 あっ、ミユキから何かが切れたような音が……。
「あああっ、魔法少女が穢されましたの!」
「ぐぁあああ」
 矢のような一撃。
「死ねぇ、変態! デスのぉーーー!」
 水無月を勢いのままに押し倒すとマウントポジションを取って、
「……最近の魔法少女は、げふっ。……大火力で薙ぎ払ったり、げはっ! ……肉弾戦系だったりと、結構過激なの、がはぁ! ……このままだとフルボッコにされて、げほぉおおお!」
 重い一撃が次々と打ち込まれていく。
「ホワイトスノウ、こっちを見なさい」
 と、そこに後ろから声が。
 振り返ると、雪を想わせるようなフリフリロングの白いドレスの魔法少女がいた。
「魔法少女ホワイト☆スノー、日常のために頑張るよ」
「ま、まさか同じ名前ですの?!」
「ちょっと違うかな。違いはスノーと☆だよ。良い子のみんなは分かるよね!」
 灯雪が明後日の方向に呼びかける。
「はっ! もしかして、どこかにテレビが?!」
「……過激でバイオレンス系」
「うるさい、黙れデスの!」
「ぐがっ! ……予想していた通りです」
「って、いけませんの! やり過ぎてしまいましたの!」
 ……嗚呼、既に水無月はグロッキー気味だ。
「私も魔法少女大好きだけど、だからと言って人を傷つけちゃうのは良くないよ」
「……うぅぅ」
 笹月・雛菊(灼熱のデイジー・b52752)の言葉がぐさりと、ミユキの心を刺す。
「いま、『天女の羽衣』から解放させてあげるね――魔法少女、マジカルデイジー! ここに参上!」
 最後の魔法少女の変身と共に、雛菊の花が風に添って辺りを舞った。
「でも、私、負けられませんのー!」
 いざ、開戦!


「まっじかるあいどる、はっじまるよー♪」
 まず響き渡ったのは、美歌の歌声。
 軽やかなステップで魔法陣を描き出し、その力を高めていく。
 他の魔法少女達もそれぞれのやり方で強化を施して万全の態勢へと。
「なるほどですの!」
 で、それを見てしきりに感心するミユキ、改めホワイトスノウ。
「ホワイトスノウだかホワイトアローだか知らないけど、ボクの心の安寧の為、成敗!」
「きゃあああ」
 と、そちらにばかり目を取られていたせいか、エルムの強襲に気が付かなかった。
 いや、気付いていても対処できたかどうか。
(「全力攻撃を喰らわない=男認定されてない、ことがこんなに心を傷つけるなんて!」)
 もう、エルムの心はずたずただ。
 その元凶を取り除く以外に彼を救う術はない。
「ま、まずいですの……!」
「さあ、これで終わ」
 さよならの指先を使おうとしたところで、エルムの動きが止まった。
 見れば、首元に注射器が突き刺さっている?!
「ホワイトスノウに手を出す子はこの『ラディカル☆ゑるむん』が許さないよ!」
「「ああ、魅了されてる?!」
 一瞬の逆転。
「では、ラディカル☆ゑるむんさんは普通の魔法少女を。私は変態を潰しますの!」
「分かったわ♪」
 そして、ホワイトスノウの粛清が始まる。
「そこっ! 大人しくするんですの!!」
「大人しくしたらフルボッコにするんでしょう!」
 水無月を、追って追って、殴って殴って。
「お友達しょうかーん! みんな、手助けおねがいなのですよ」
 水無月の切実な響きに応じて、小石や粉塵が舞い上がるとアヤカシのような姿をとった。
 だが、
「なんのーーーーっ! ついでにてりゃああああですの!!」
 かわして、そして反撃。
「ぐほぉおおお!」
 水無月の体がくの字に曲がった。
「最近の魔法少女は拳で戦うのですよね。そういえば昔はお友達の皆様と一緒に魔法少女ごっことかやりましたわね。懐かしいですわ」
「というか、代わってあげたほうがよくないですか?」
「完全に狙われてますものね。エルムさんがきちんと説明すれば矛先をきっと変えられますよ」
「しない。絶対にしないから! お願いだからボクのSAN値をこれ以上削らないで!」
 凄惨な光景を目の当たりにして誰もがしり込みする。
 しかし、向き合わなくてはならない。
「例え悪漢であれ、更生の機会も与えず一方的に撃滅するなど、魔法少女のする事では在りません! 戦闘と云う名の説得は、弁舌を尽くしてからでも遅くは在りません!」
 メモリアが止めに入った。
「そう、魔法少女に必要なことは、敵も味方も愛すること」
 更に、灯雪も言葉を継ぐ、
「悪に対しても、ただ倒すと言うのは間違いだよ!」
「なるほど……でも、こいつは変態ですの!」
「うーん、まあそうかもしれないんだけど。大事なのは愛を持って戦うこと、それが魔法少女の条件だよ☆」
「ええ、愛を持って正しますの!」
 嗚呼、やっぱり説得は無理だったと、メモリアと、灯雪が得物を構える。
 対してホワイトスノウも水無月から手を離して応戦の構え。
「私は負けませんの! 光よ、集え、そして薙ぎ払えですのーーーーー!」
 ホワイトスノウのステッキより生まれた光の奔流が魔法少女達を包み込んだ。
「皆元気になーれ。フェアリーダンス♪」
「大丈夫だよー、今治してあげるからね」
 光の中から聞こえてくる、灯雪と、雛菊の声。
 そして、
「奇跡よ! ここに!」
 帰ってくる一条の光。
 紗耶の投げた光の槍がホワイトスノウへと襲い掛かる。
「くぅぅ……」
 咄嗟にガード。
 だが、魔法少女達の反攻は始まったばかりだ。
「漆黒の闇に抱かれなさい ノワール★ストライクッ!」
「なんのですのっ!」
 紫桜里の斬馬刀とホワイトスノウのステッキが激しく打ち合わさった。
 そのまま二合、三合。
「闇に魅せられた心に光をっ! サンダーホルテブラスター!!!」
「魔を祓うは天の裁き! 降り注げ、サンダークラック!」
 間隙を突いて、美歌の雷撃、メモリアの落雷!
「……くぅぅ」
 ガードしきれずに、体がふらつく。
 やはり、八対一は厳しい。
「というか卑怯ですの!」 
「魔法少女の仕様だから気にしたらダメですよ♪」
「そう言われるとそんな気がしないでもないですの……」
「というわけでアイボリーちゃん、合わせていくですよ」
「変態は混ざるなですの!」
「がはぁ……」
 やはり、水無月に対しては容赦がない。
 いや、むしろ強化されているようにすら見える。
「いっけー、マジカルデイジー必殺、デイジービーム!」
 今度は真横から、雛菊の呪いの魔眼。
 受けきれずに態勢が崩れる。
「さあ、そろそろクライマックス! 氷と炎、どっちが勝つか勝負です。バーニングブレイカ―!!!」
 美歌の歌声が激しくなっていく。
 それは勝利へと向かう歌。
「って、このまま負けるわけには行きませんのーーーー!」
 ミユキも意地か。
 足を止めて、広域に最大出力のビームを撃ち放つ。
「フィル、行きますわよ! 必殺・ロンド・オブ・ローズ!」
 ならばと、紗耶の声と共に青い薔薇が乱れ飛び(あくまで紗耶のイメージです)。
 必殺技の激しい打ち合いで、体勢が崩れたところに、
「ぽっと出の魔法少女なんかに負ける訳にはいかないのですよ♪」
「今こそ2人の力をひとつに」
「必殺」
 走りこむ、紫桜里と、灯雪。
「負けませんの! 光よ、もう一度薙ぎ払えですのーーー!!」
「「ダーククロスブリザード!」」
 閃光。
 混ざり合う闇と冷気。
 一瞬の静寂の後、ゆっくりと音が戻ってきた。
 そして、決着。


「あうぅぅ……ですの」
 ふらふらと、ホワイトスノウが倒れていく。
 踏み止まろうとしているが、体がまったくいうことを聞いてくれず、ただ重力に身を任せて倒れ伏した。
「激戦を繰り広げた敵が仲間になるっていう王道展開にはならないよね?」
 大事が無いか確認していく、美歌。
 ミユキは既に気を失っているようで返答は無い。
「これがメガリスゴーストになってたのか」
「本当にそのままだったのですね……」
 その間に他の能力者達はメガリスゴーストの破壊を確認。
 ぼろぼろになった魔法少女のコスプレ衣装(年代物)が、そこにはあった。
「とりあえず、これで一件落着よね」
「父様母様姉様、亡霊退治とはいえ、私は何を……」
「これでまたひとつ、私の黒歴史が増えていくんですね……」
 おや? メモリアと、紫桜里は暗く沈みこんでいる。
 ついでにいうと、エルムも同様だったりするというか、いじけているというか、
「ボクが女装なんぞして誰が得をするというのー!」
 とうとう内に溜めておけずに絶叫。
「さっきのは魔法少女のエボニーちゃんなのです。だから、僕とは全く関係なのですよ。うん、僕に似ているのは気のせい、もしくは他人の空似なのです」
 対して、水無月は何やら言い訳がましいこと言っている。
 打たれすぎて、おかしくなってないことを祈ろう。
「うっうう……変態、死ねデスの」
「ひぃいいいい!」
「ミユキちゃん魔法少女はいつだって正義の味方だよ、人を傷付ける為の能力じゃないんだからね」
 ならばと、雛菊が諭すように話しかける。
 意識を失っている彼女に届くだろうか、世界結界の影響を受けずに残るだろうか。
「魔法少女を夢見るのは自由だよ、いつか本当に魔法が使えるかも?」
 ミユキに反応は無い。
 でも、少しでも届いていてくれればと雛菊は思う。
「今日も平和は守られたね。それじゃあ日常に戻ろうか」
 そうして撤収準備を終え、灯雪が仲間達に呼びかけた。
「こうして一つの戦いは終わった。だがしかし、この世に偽りの魔法少女がいる限り、戦いは続く」
「いや、もう十分」
「……やめてください」
「そう? 楽しかったし、またやりたいな」
 にぎやかに魔法少女達が遠ざかっていく。

 楽しそうですの。
 私も立派な魔法少女に……いつか、きっと……ですの!


マスター:てぃーつー 紹介ページ
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楽しい 笑える 泣ける カッコいい 怖すぎ
知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:8人
作成日:2011/04/09
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