More Cat Christmas


   



<オープニング>


 銀誓館学園のクリスマスパーティー。
 クリスマスイヴの日は毎年、様々な趣向を凝らすパーティーが開催され、学園はクリスマス一色に染まります。

 クリスマスパーティーは無礼講。
 たとえ、今まで一度も口をきいた事が無い人とでも、一緒にパーティーを楽しむ事ができます。
 クリスマスパーティーは、新しい友達を作る為のイベントなのですから。

 気に入ったクリスマスパーティーがあれば、勇気を出して参加してみましょう。
 きっと、楽しい思い出が作れますよ。


 扉を開けると、そこにはたくさんの猫がいた。
 見渡す限りの猫、猫、猫である。
 机や椅子の上に、小さな箱の中に、陽の当たる場所でひと固まりになったりと、自由気ままにくつろいでいるようだ。
「ひえぇ……さすがに収集がつかなくなってきたんだよ〜」
 と、初瀬部・ひなた(陽だまり仔猫・bn0153)が両手で三匹の猫を抱えては右往左往している。
 他にもスタッフと思われる生徒が準備をしているが、考えていたよりも大変なのが見て取れるようだ。
「猫もこれだけ集まると大変ね」
「弱音を吐いちゃダメなんだよ! 徐々に伝統になりつつある猫カフェを今年もやるんだよ!」
「そうですね。里親募集中の猫もかなり混じっていますし、こういう機会は是非残さないといけませんよね」
「そのとおり! 今年も猫さんのため! カップル達の幸せなひとときのため! あと、ボク達の癒しのためにも!!」
「「おおっ!」」
 テンションを上げる学生をよそに、猫達は大あくびをしたりとのんきなもの。
 おもちゃで遊んだり、キャットタワーに登ったりと悠々自適に楽しんでいた。

 というわけで、今年もクリスマスイベントのひとつとして猫好きの有志達による猫カフェが開かれることになった。
 果たして、いかなる物語が生まれるのか。
 いかなる出会いが待っているのか。
 さあ、期待を胸に扉を開こう。

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参加者
NPC:初瀬部・ひなた(陽だまり仔猫・bn0153)




<リプレイ>


「……おお、何かすげえ光景が。よくもまあ、こんだけの猫が集まったな」
「どうしよう、みんなかわいすぎるんですがどうしましょうかね先輩」
 感嘆の声を上げた晴臣に、笑弥が目をきらきらさせながら問いかける。
「どうするかって、まぁ……」
 言って、二人が視線を巡らせれば、
「あぁ……あったかいなり……」
 横になった白亜が自分の上に猫を乗せている姿が目に入った。
 猫も居心地が良いのか目を細めてじっとしている。
「ご機嫌みたいだね」
 傍らの優人も猫の喉元を撫でいる。
「ほら! 優人! 猫あったかいよぉ!」
 そこに、白亜が優人にも猫を乗せ始める。
「わぁ、ふわふわであったかいですね」
 乗せているうちに自分から乗ってくる猫もいて、二人はぬくぬくと埋もれていく――。
「ひなちゃん、ひなちゃん、たくさんいますですよ……!」
 声のした方を見れば、エルデが猫を膝に乗せて、ひなたに何やら報告中だ。
「わー! だいぶ集めたね」
「これもこの猫じゃらしのお陰です……! とっ……また来ました!」
 どこを見ても猫と戯れる人の姿が。
 そうして、見回しているうちに足元に猫が寄ってきて「ニャー」と鳴いた。


「はわー、この間はお疲れ様でした、はい、メリークリスマス!」
「メリークリスマス」
 レイラといろはがプレゼントを渡し合っていた。
 他にもクリスマスらしくそんな光景が――、

「……あー……酷いな、これは。フェシアは大丈夫?」
 暴れる猫を押さえながら、楓が問いかける。
「ええ、あんまり被害はないみたい……プレゼントも無事だし」
「良かった……。もうちょっと大人しく――」
 そこに不意打ちでフェシアが楓の頬に軽くキスをした。
 今まで猫ばかり構っていたのでそのお返しだ。
「後でゆっくり食べてね」
 まだ、動揺している楓に、フェシアはプレゼントを渡す。
「……おっと、フェシア。私からもクリスマスプレゼントだ」
 正気に返って、楓も――メリークリスマス。

「貴方はお腹を撫でさせてくれるの? ふふ、可愛い……」
 横になった猫を、舞矢が髪をとくように優しく撫で上げる。
 海星はそんな彼女を優しく見守り、
「メリークリスマス、石花海。……今日は付き合ってくれてありがとな。……正直引き受けてくれると思わなかったんで嬉しかった」
「……らら、なんでしょう、か……プレゼント? ……私に、です?」
 うなずいて用意した物を手渡す。
「……私も、プレゼント、用意して、きました。……楽しかった、今日のお礼もかねて、です」

「お久しぶりです」
「おお、久しぶりだな」
 緋薙・悠が愛猫を連れて、大五郎の元を訪れていた。
「去年もらった子がこんなに……うん、あまり変わってない」
 よく考えれば、もらった時点で既に大きかった……。
「こっちは凛々しくカッコいいもふもふさんになっちゃったよ!」
 と、ここで小春も猫を抱いて顔をみせる。
「どちらも元気そうで何よりだ」
 二匹を見て大五郎が破顔。
「悠〜、こっちの猫さんも可愛いよ」
 そこにメイプルが声をかけてきた。
 手元にはブチと三毛猫が重なり合って丸くなっている。
「ブランも皆と一緒に遊ぼうね♪」
 呼びかけに応えて、白猫がぱっと飛び降りてきた。
「わーい、猫さんこっちにおいで、一緒に遊ぼうよ♪」
 メイプルの持っているおもちゃに釣られて他の猫も近寄ってくる。
「そうね。新しい看板猫を探しましょう」

「相変わらずまるまるとしてますの。……でも、あれ? なんだか去年より更に丸くなってる?」
 ファルチェが、まるまるっとしたでぶ猫を指でつついている。
「さては、相変わらず運動さぼったに違いないですの。もう、運動さぼったらダメなのに……」
 猫は素知らぬ顔で大あくび。
「これは聞いてないね……」
 渓もつついてみるがやっぱり暢気なものだ。
「それじゃ、夜まではまだしばらく時間があるし。今年もこのまま……」
「うん、のんびりといきますの」

「お名前なんて言うの〜?」
 ひかるが猫じゃらしを振ってにこにこと。
 隣では彩が猫を引き寄せて柔らかな毛並みに埋もれいた。
 そして、悠輝は紅茶を飲みながらそんな二人を見守っていたのだが――、
「「猫あたーっく!」」
「って、ちょっ、えぇ?!」
 彩とひかるの猫ツープラトンの前になす術はない。
 というか、一緒になってもふもふだ!
 もう三人で心ゆくまでお楽しみ。
「クールでカッコイイみかちゃんも好きだけど笑顔で一緒に遊んでくれる貴女も大好き。わたしもひかるも、猫ちゃんもね!」
「うんうん、そうだよ〜、どんなみかちゃんもずっと大好きよ! 勿論あさも大好き!」
「――ありがと。私も、大好きよ」

「ふふ、可愛いですよね」
 月子は猫を抱き直して柔らかくぎゅーっとする。
「――目の前の猫さんも今度ぎゅーってしてみたいな?」
「む? 目の前のって……あ、ああ、魔術でなる方か」
 悪戯っぽい月子の微笑に、連夜は視線をさまよわせる。
「今日は無理だが……俺のはあんな感じだ」
 そこには真っ黒なボンベイの子猫が。
「まぁあんなに可愛いいものでもないと思うが……しかし、物好きな猫だと思っていたが、単に降りられないだけか……拾ってくるか」
「じゃあ、一緒に行きましょう」

「アレ、何で悠仁見てるだけなの? ほらちょう可愛いぜ!」
 眞琴はひょい、と足元の黒猫を抱き上げて悠仁の頭の上に置いた。
「……こ、このネコは爪を持っていないよな? いや爪があるのは普通に良いとして、ええと」
 助けを求め、悠仁は視線をさまよわせる。
「十六夜、すまないがこの黒いネコをちょっと何とか」
「……悠仁はもう少し猫と言うか動物に慣れた方が良い気がする。抱き上げる……のは難度が高過ぎるので、撫でるを実行してみてはどうだろうか」
「……撫でる?」
「そう」
 おっかなびっくり、悠仁が頭の猫に手を伸ばす。
「……何か、ネコ、頭に爪を立てている気がするのだけれど……?」
「うん、ほら。綺麗な薔薇には棘がある。可愛いにゃんこも、爪がある。っつー事で、どんまい」
「さあさあ」
「……ああ」

「動物って可愛いけど、飼った事は無いんだー。猫ってどうやって撫でたら良いの?」
「撫で方か……しつこくし過ぎないことかな」
 陽は、寅靖に教えてもらうと早速、手を伸ばした。
「えへへ、ふかふかー」
 柔らかな感触。猫も気持ちがいいのか喉を鳴らし始め、
「触れてみると猫可愛いなぁ、里親募集の子も居るから、ご縁があれば探してみるのもいいかな?」
「気の合う猫が居たら里親になってみると良い。世話の仕方は教えてやるよ」

「屋敷の人、一人ひとりにちゃんと目を配ってる、そんな感じがして……だから、ボクはそんな先輩のことが大好きになったんだ!」
 誕生日を祝った勢いのままに、一は普段思っていることを口にした。
 もう顔が赤くなってしょうがない。
 ユゼンも思わず恥らいで猫を集めて埋もれていく。
「ん、わたしも、大好きだよ、はじめ」
「……あ、えと、せっかくだから一匹もらっていこうかな?」
「それじゃ、この子なんてどう?」
 ユゼンがくすっと笑い、抱え上げたのは口周りが白い赤茶のトラ猫。
「今日は素敵な時間を、ありがとう、わたしのサンタさん。メリークリスマス」

「猫とかカワイイヨネ」
「うん、猫は可愛いと思うよ。……本物は特に」
 チラリチラリと『不自然』にならないように夏野が、リッタの様子をうかがっている。
「猫とかいたら無条件でお胸にぎゅーっとしたくなるよね」
「そうかもね」
「……その、リッタさん。し……白いぬことかいたらぎゅーっとしたくならないだろうか!」
「白い猫は抱きしめるより、しっぽ触ったりねこじゃらしチラつかせて遊ぶほうが好きだよ」
 がくっ。
 ……白い猫とは夏野が猫変身した姿なのである。残念。

「あはは、みんなかわいいね」
 猫をいっぱい抱っこした舞華はもうすっかりご満悦。
「そうそう、みんな可愛いな」
 応えた叶一は冗談交じりに舞華を撫でるとくすぐったそうな笑みが浮かぶ。
 でも、ふと気付けば一緒にきたもう一匹の姿が無い。
「あれ、ハンペンが……」
「んと……っち、行ってみよ?」
「ああ」
 二人はそっと手を繋いで捜索を始める。

「……? 先輩、どうしました?」
「この猫たち、大量に集めたら、さぞぬくいんだろうと思ってな」
 晴臣が周りの猫達をどんどん手元に。
「……確かに、きっとあったかいです」
 ならばと笑弥も手伝う。
 10分後には、
「うん、やっぱりぬくい……いっそこのまま持ち帰……って、いや無理だ。でもぬくい」
「……猫、あったかいです」

「ふわぁ、こっちの子すごいふわふわぁ♪」
 目移りしている遊姫に、五十鈴は目に留まった子猫を抱き上げ、
「……ほら、遊姫さん。この子は真っ白でとっても可愛いわよ」
「うわぁ、ちっちゃくって可愛いですね この子、なんて名前なんでしょう?」
「なんて名前なのかしらね」
 そっと、子猫を遊姫にバトンタッチ。
「わぁぁ♪」
 抱いてみると温かくて柔らかくて――、
「い、五十鈴さん!? この子寝ちゃいました、ど、どうしましょう!?」
「あらあら」

「ぎゅっ、てしちゃダメなのよね?」
 類の顔に緊張が浮かび、その頬を香夜がちょんとつつく。
「笑顔の方が、にゃんこさんも、よってきます……よ」
 ほわりとした微笑。
 それでリラックスして猫と戯れていると――いつしか、香夜の身体に猫が群がり始めた。
 困っていると後ろから類が抱きつき、
「転落防止の即席猫フェンス。……腕の中に暖かい命があるのって、どうしてこんなに幸せな気分になるのかしらね」
「みんな一緒、だから……もっと幸せ、なんですよ……?」

「うち、ほんまはこう言うん、大好きやねん」
 と、姫乃が小虎をイメージしたぬいぐるみを振って猫を誘う。
「おいでおいで……って!?」
「ふーーーーっ!」
 だが、すぐ横で小虎が全力で威嚇。
「っておいバカ止めろ爪を出すなってぎゃああああああ!?」
「あーもう、なんとなく予想ついてたけど」
 多数に無勢、あっという間に返り討ち。
「でも、こんな猫にも人気なんやね、先輩。そんな人と一緒のクリスマスで、よかった」

「大丈夫……?」
 つかさが問いかけるも、涅雅は緊張した面持ち。
(「猫を脅かしたり乱暴に扱ったりするのはNGだったな」)
 事前に受けた説明を守り、涅雅は無抵抗で耐える。
 一匹が体をよじ登り出せば、すぐさま次のが。
「こころなしか黒菱の方が懐かれてるような……?」
 とりあえず、つかさは涅雅の頭にしがみつく白い子猫に触れてみる。
「離れないな」
「離れないのか……」
「この子、すっかり黒菱の頭上がお気に入りみたいだね。……一緒に来るかい?」
「ニャー」

「崇君、私は何匹モフらせて貰えるか試そうと思うんだ」
「煌お姉ちゃんがその気ならこちらだって、沢山の猫を集めるんだい! ふふふ秘密兵器猫じゃらしーーー!!」
「おお、崇君その猫じゃらしいいな。後で貸して貸してー」
「やっぱりこれだけの猫がいたら大量に集めてその中に寝転んで猫たちに埋もれたいよね」
「猫に埋もれる……だと……それは禁断の……!」
「煌お姉ちゃんもやろうよ!」
「やろう……折角の後輩のお誘いだしね!」

「想真くん、この子想真くんみたいですよ〜」
 シーナが抱え上げたのは元気なオスの黒猫。
「えー、僕もっとかっこいいよ? ……と、これはしーちゃんっぽいよ! ぼーっとして無防備なとことか」
 言って、想真は白猫に軽くキスを。
「………ううう〜!? ……ねこぱーんち!」
 顔を真っ赤にして、シーナが猫パンチを繰り出した。
「ってちょっ、痛いなにすんの!」
「………」
「変なしーちゃんだなぁ……」
「ううう……」

「もしかして負けてます?」
 目的の猫を抱かれたのが、窓日は悔しかった。
「この貫禄は俺も勝てそうに無いわ」
 と、鶫は言っているが猫は目を閉じてご機嫌のようだ。
「……くぅ」
 悔しいので、窓日が片っ端から猫を積み上げていく。
「……って、猫は積むもんやないで……?」
「鶫さまもいかがです?」
 はいどうぞ、と三匹押しつければ苦戦しながらも何とかあやしている。
「ほんまに好かれはりますのねぇ」
 苦笑のつもりが、窓日の顔に微笑が浮かだ。

 明は戸惑っていた。
 今まで動物に触れる機会があまりなかったので、どう接したらいいのか分からないのだ。
「ま、そこはにゃんこマイスターの由紀にご教授頂くとしようか!」
「にゃんこマイスターとは何ぞ?」
「ふ……懐きやすい子はもちろんだが、人を警戒している子も時間をかけてだが懐かせることができる……それがにゃんこマイスターだ」
 立て板に水のように、由紀が語る。
「……そうか。由紀さんはマイスターなのか。……何に介入?」
 篁・悠のツッコミは軽く流され、
「……触ろうとしたら逃げられたりしないかなぁ、猫に」
「落ち着いて優しく撫でてみると良い」
 と、早くも指導が始まっている。
 まあ、難しいことなんてほとんど無いので他の面々も猫と遊びだした。
「ねこーねこー」
「ほらほら、こっちやで」
 杏珠と、智恵理の転がす毛糸だまを四匹の子猫が追いかけ、
「ヌコカワイイヨヌコ」
 アンジェレネが猫の目線まで身を屈たかと思えば、寝転がりながら様子をうかがう。
「……アンジェレネさん、転がると毛だらけになると思うのだが……」
「フフフ、スパッツ穿いてるノデ、パンツは見えないデシお?」
「スパッツでもダメー!」
 慌てて、杏珠がスカートを押さえに走った。
「そうだ! スパッツだからってはしたないぞっ! いいか、猫カフェとは――」
 実演として、沙雪は猫を可愛がり、大人しそうな猫を智恵理の頭の上に置いた。
「なんや? 頭の上があったかい……って、こらぁ、さゆ君。そんなことしたら、プリティーなうちが益々プリティーになってまうやん」
「……可愛いけど自分で言うなよっ!」
 口論を始めた二人を、杏珠が「あらあらうふふ」と眺めだす。
「お待たせしました。コーヒーと紅茶と――」
 と、ここでティータイム。
 給仕を務めている龍麻が飲み物を運んできた。
「ここの所色々と気を張ることも多かったけど、もふもふな猫だらけな空間というのは実に和むなぁ……」
 とりあえず、いい休息になりそうだ。

「さあ、猫のお風呂のできあがりだ。ほらほらー」
 部屋の一角を占拠した茂理はビニールプールを膨らませ、中に温水とカツオブシエキスを注いだ。
 が、猫達は水面に顔を付けてペロペロと舐め始める。
「しまった、そう来たか……おっ!」
 水に入りだす猫も。
「よしよし、それそれー」
 猫を促すように水をぱしゃぱしゃと。
「いろは。素晴らしいだろー♪」
「水を飛ばすな!」

「ほーら、怖くありませんわよ」
 芽亜が盛り付けたドライキャットフードに早くも猫達が寄ってきた。
 食べているところに、芽亜が遠慮がちにタッチすると猫はぷいっとどこかに行ってしまう。
「あっ、ダメだよ。猫さんは食べているのを邪魔されるのが嫌いだからね」
「そうなのですか」
「うん、食べ終わってお腹一杯のときの方がいいよ」
「なるほど、では少し待つとしましょう。ひなた様もご一緒にいかがですか?」
「いいよ〜」

「……ふふ、可愛いなぁ」
 レイラの頬が思わず緩む。
 ソファーにもたれかかった彼女の元には五匹の猫が用意したお菓子を狙って群がっていた。
「すぐ無くなっちゃうかもこれ……」
「「ニャーニャー」」

「……それにしても天国!」
 ほとんど猫に埋もれるようにして、小春は猫を満喫中。
 記念に少しでもそれを残そうとカメラのシャッターに手を伸ばす――。


「いろんな猫さんがいらっしゃいます、けれど……ふふ。でも、ずっと膝に収まってくれているこの子に決めてしまおう、と」
 繭の膝の上には、シールミテッドの綺麗なラグドールの女の子が。
「いいね、繭に似合うんじゃない? 僕は……迷う……すっごい迷う、けど……この子、かなあ。アビシニアンのオス二匹。この子ら兄弟だろ? どっかを選ぶなんて出来ないから二匹ともか」
「お名前はどうしましょう、か……。桐子さんは決めて、ます?」
「あんま名付けのセンス無いからなあ。あ、繭付けてよ。ね?」
「……。わ、わたしが決めるん、です? え、と……」

「抱っこしてみる?」
「えっ」
 紅羽から猫を手渡され、華はまず抱いて頬ずりをした。
「わ、ふわふわ」
 気持ちいい。
 しばらく愛でていると、紅羽の視線が猫に向かっていることに気付き、
「あ……このにゃんこ、気に入った?」
 しかし、華の問いに返答はない。
 代わりにどうかなと、紅羽が目で問いかけてくる。
「僕たちのおうちに来てくれる?」
 ほわほわと円らな瞳がこちらを見返し、
「名前、考えなくちゃね」
「そうだな……とびっきり可愛い名前、考えないとな」

「みけねこさんが寄ってきました!」
 百合音の元に一匹の猫が。
 触れるとくすぐったそうにして、撫でる手を舐め返してくる。
「みけさんかわいいのです! かわいいのですよ! おなかふわふわなのです!」
 どうやら、名前も決まったようだ。
「百合音さんの三毛猫さんも、とっても可愛いですね。おなか、わたしも触って良いでしょうか」
「いいのですよ! 気持ち良さそうなのです!」
(「皆さん楽しそうですね。猫も可愛いですけど、皆さんも可愛らしいです」)
 そんな様子を富弓は微笑ましく見つめる。
「にゃー」
 と、富弓の足元にも擦り寄るふわふわの猫が。
 こんな風に時も過ぎ、休憩も兼ねてティータイムへ。
「えへへ……この子に気に入られちゃったみたい、連れて帰ろうかな?」
 姫月の膝の上にはマンチカンの子猫が。
「名前はそうですね……白い姿から取ってスノウにいたしましょう」
「はぅ……みけさんお持ち帰りしたいのです……」
 和気藹々とおしゃべりが続き、
「皆さん、里親になられるのでしょうか。猫さんが増えると、アパートもますます賑やかになりますね」
 シーラの言葉に一同がうなずいた。

「ナニこの状況……鈴音ちゃんが、女王として君臨して……る?」
 水無月がティータイムを楽しんで帰ってくると、鈴音ちゃん(猫)の下に、
「いやいや、友達ではなく下僕を(しかも3匹も!)連れてくるとは予想外なのですよ。あー、全員女の子ですか……予定とは違いますが、あなたたちも今日から僕の家族なのですよ」
 もうやけっぱちだ!

 腕で猫達を取り囲み、頬を寄せて、タキはその温かさを堪能していた。
「……あれ? いつの間にか一匹フードの中で眠ってる」
 が、気がつくとそんなことに。
「……そういえば、里親募集もしてたっけ……ね。お前、うちの先客と仲良くできる?」
「にゃ〜」
「そうか、じゃあ一緒に行くか」

「いろはちゃん、お時間あったら里親募集中の猫を教えてくれませんか」
「ああ、それならこの辺の子だよ」
 真冬は案内された場所をぐるり見回す。
 途中で、小さくて白い子猫を見つけた。
「ナーナー」
 と、真冬に向かって懸命に呼びかけている。
「……この子にします。せっかくだからいろはちゃん名付親になってくれませんか?」
「私が?」
「はい、お願いします」
「……小さくて白い子猫か……『粉雪』というのはどうだろうか?」


「今日から、キミは『ヒトミ』デシお」
 波長の合った猫に、アンジェレネが名前をつけていた。
 そして、もうそろそろ閉店時間。
 海星と舞矢は破れ耳でおデブの黒猫を引き取って仲良く帰路についていく。
「ね、叶一……次はどこ行く?」
「何処へでも行くさ。ずっと、二人でな」
 ようやくハンペンを見つけた舞華と叶一も二人、手を繋いで店を後に。
「さて、残り時間もあとわずかだね」
 龍麻が時計に目を遣り、そして下を見る。
「どうしたんだ、おまえ。寂しそうな顔してるな。俺についてくるか?」
 返答の代わりに三毛猫は龍麻のズボンを登り始めた。
「痛い! 痛い!」

 すべての人と猫に、メリークリスマス!
 より多くの幸せがあらんことを。


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楽しい 笑える 泣ける カッコいい 怖すぎ
知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:67人
作成日:2011/12/24
得票数:楽しい13  怖すぎ1  ハートフル10  ロマンティック2 
冒険結果:成功!
重傷者:なし
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