野良猫(妖獣)餌付け大作戦!


<オープニング>


 山中の森の中に少し開けた場所があった。
 新緑の季節を迎え、背を伸ばし始めた草の間を蝶が行き交う。
 そこに走り込む、いや飛び込んでくる影。
 大きく体を伸ばして、体長1mはある大きな猫が草むらに飛び込んで来たのだ。
 だが、するりと抜けるように蝶は空へと逃げる。
 大きな猫は……いや、どこかおかしい。立ち上がったものの、よたよたとした動きを見せている。
 よく観察すれば分かるのだが、まだ子猫のようだ。
 体を大きく見せようと足をぴんと立たせるが、動こうとした途端に草むらに転がってしまう。
 そこに更に一匹の子猫が飛び込んできた。
 兄弟なのだろうか、こちらも『大きい』子猫だ。
 ちょっかいをかけていき、そのまま二匹でじゃれあい始める。
 更に子猫は次々と飛び出し、いつしか八匹にもなった。

 ――ガサガサ。

 ピクンと、子猫たちの耳が立つ。
 物音が近づいてきているのを知ると、子猫たちは先ほどのおぼつかない足取りが嘘のような猛ダッシュで茂みの中に飛び込んでいった。
「うん? 何かいたような気がしたんだが……」
 物音の正体である男性は広場をさっと見渡して、首を傾げる。
 気のせいかと思い直し、男性が姿を消した十分後には再び子猫たちは姿を見せるのであった。


「頼みたいことがある。と、言っても元『天之羽羽矢のメガリスアクティブ』だった、天童つむじが、マヨイガの視肉からメッセージを受け取ったらしくてな」
「それって、ゴーストさんに視肉を与えてマヨイガに連れてきて欲しいってやつ?」
 切り出した山田・大五郎(運命予報士・bn0205)に、初瀬部・ひなた(陽だまり仔猫・bn0153)がすぐさま問い掛けた。
「ああ、そうだ。視肉から伝えられたゴーストは、まだ人間を殺した事が無いゴーストたちで、その力も大きくは無いようだ」
 ちなみに、天童つむじは視肉の意図を全て分かっているわけでは無いようだが、『助けてあげて欲しい』という気持ちを感じたと言っている。
「これから、大きな戦いが起こる可能性もある。力の無いゴーストは巻き込まれて消滅したり、あるいは無理矢理傘下にされて戦わされる可能性は高い。重要な仕事ではないかもしれんが、助けられる範囲で助けてやって欲しい」
「なるほどね、了解だよ。みんなも異存はない?」
 ひなたの問い掛けに、他の能力者も同意を示した。
「ありがとう。みんなに連れてきて欲しいのは八匹の大きな子猫だ」
「……大きな子猫?」
「分かりづらいと思うが、そう形容するしかないんだ」
 体つきは子猫だが、その大きさは1mもあるという。
「ちなみに動きも子猫のようなもので、戦闘能力の類はほとんどない。ただ、一点だけ厄介なところがあってな」
「厄介なところ?」
「どうにも警戒心が強いようなんだ」
 近づけば、逃げて姿を消してしまう。
 場所は山の中というし、気づかれずに接近するのはまず不可能である。
「そこで、今回は餌付けしていくのが有効だろう」
「餌付け?!」
「ああ、視肉は適時もらえることになっているから、焦らず、じっくりと餌付けしてくれ」

 1.まずは子猫がよく現れるところに視肉を置きましょう。
 2.子猫が視肉を食べるようになったら餌を置いているのが自分たちであると認識させましょう。
 3.子猫との距離を縮めて行きましょう。
 4.警戒心が薄れてきたら撫でてみましょう。

「という感じだな。子猫たちのいる場所はそう遠くない。みんなで時間を合わせて、1日に1〜2回ぐらいの範囲で会い行けばいいと思う」
「むぅ、長期戦だね」
「そうなるな。とはいえ、難しくはないと思う。上手く友好関係を結んでマヨイガに連れて来てくれ」
「OK、楽しみに待っててね〜」

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参加者
山内・連夜(葬奏の喚者・b02769)
那智・れいあ(空翔ける銀獅子・b04219)
エルデ・レグリディカ(ひだまり憧憬・b31176)
須賀・義衛郎(天を取る者・b44515)
綾川・紗耶(青き薔薇の輝きを具現せし者・b64932)
柳谷・凪(お気楽極楽あーぱー猫娘・b69015)
風薙・葉月(神なる蟲の巫女姫・b83330)
音無・舞子(ムーンライトダンサー・b83874)
NPC:初瀬部・ひなた(陽だまり仔猫・bn0153)




<リプレイ>


 林道の脇に標識が立った。
 大きく『野犬注意』と書かれたそれは、進むのをためらわすのに十分な存在感を放っている。
「まあ、こんなものか」
 山内・連夜(葬奏の喚者・b02769)はひと息つくと別の道へと目を配る。
 草木を揺らしながら、近付いてくる仲間たち。
 誰の手にも標識が無いところを見ると、予定通りに設置は済んだようだ。
「数は足りたかい?」
 須賀・義衛郎(天を取る者・b44515)が問いかける。
「ええ、十分でしたわ。これで多少の抑止力にはなると思いますの」
 答えたのは、綾川・紗耶(青き薔薇の輝きを具現せし者・b64932)。
 そして、他からも肯定が示される。
「ゾンビハンターのオレちゃんが、ゴーストの保護か。我ながら奇妙な状況だと思う」
 肩をすくめ、義衛郎が仲間の様子をうかがえば、
「おっきな子ねこさんゴースト……可愛いのかな? どんな子なのかな? すごく楽しみ……♪」
 音無・舞子(ムーンライトダンサー・b83874)が期待に胸を膨らませ、
「うーーん、早く見たいんだよ」
 初瀬部・ひなた(陽だまり仔猫・bn0153)は焦れている。
「そろそろ戻ってくる頃だと思うが……おっ」
 視線を巡らせば、下調べに向かったエルデ・レグリディカ(ひだまり憧憬・b31176)の姿が見えた。
 双眼鏡を首に掛け、何やら……夢見心地のような?
「……1mの……子猫……何が好きでしょうか……」
「「おっ!」」
「もしかして見つけられたの?!」
「……はい、見つけました! ちいっちゃくて、大きくて」
「ほうほう」
 正気に返った、エルデが懸命にその可愛さを説明する。
 身振り手振りも加えながら出来るだけ詳細に。
 もうそれだけ想像が膨らんできて、
「子猫妖獣と、仲良くなるんじゃぁぁ!」
 耐え切れなくなったのか、風薙・葉月(神なる蟲の巫女姫・b83330)が思わず叫んだ。
「……ごほん、取り乱しましたわ」
「気持ちは分かるんだよ」
「うんうん、しっかり餌付けして仲良くなってもっふもふするんだよ〜♪」
 取り繕ったところに、ひなたと、柳谷・凪(お気楽極楽あーぱー猫娘・b69015)が心底同意する。
 もう、こうなったら早くその姿を拝みたいところだ。
「でも、その前に。お願いします、ころちゃん!」
 エルデのケットシー・ガンナーは、こくりとうなずいて茂みに移動。
「マトラも頑張るのだ〜」
 更に、凪もケルベロスベビーを呼び出して見張りを頼む。
 こうして警戒態勢も万全。
(「これで、あとは……餌付けだな。普段は餌をやって懐かれても責任を取りきれないからできないが、今回は仕事でも有るし、細かい事は気にせず楽しめそうだ。……まぁ猫はでかいんだが」)
 連夜は餌である視肉を確かめると、仲間たちに行こうとうながす。
(「今度は野良猫ちゃんか、上手く懐いてくれるといいな」)
 そして、那智・れいあ(空翔ける銀獅子・b04219)が草木を掻き分けながら歩き出した。


 エルデが見たというのは森の中の開けた場所であった。
 だが、猫妖獣の姿は影も形もない。
「居ないね……」
「きっと隠れたんだと思います」
 物音すら聞こえてこない。
 本当にここで合っているのだろうか。
「痕跡が残っていないか調べてみるか?」
「持ってきた視肉を無駄にするわけにも行きませんものね」
 義衛郎が提案すると、葉月が補足。
 で、手分けして調べてみれば、あちらこちらに痕跡らしいものがあった。
「さすがに1mものサイズなことはありますね」
「この辺りがテリトリーなのかな?」
「まあ、来てたことは分かったんだ。視肉を置いて様子を見るとしよう」
 取り出される視肉。
「そして、容器もちゃんと8個あるよ」
 れいあが用意したそれを受け取って、いよいよ餌付け作戦は開始された。
「取り合いにならないように少し離して置いてみましょう」
 設置場所を見ながら、エルデが細かな修正を指示していく。
「どうか食べてね……お願い」
 自分の置いた容器を見つめる、紗耶。
「ちゃんと食べてくれてると良いよね〜」
「分けて置いたから、ケンカせずに食べてくれると良いなあ」
 凪と、義衛郎も上手くいくようにと。
「そのためにもまずは離れましょう」
「ええっ?! まだ大子猫さん見てないよ!」
 と、ここでひなたが声を上げた。
「気持ちはわかりますが、野生の猫だもの。慎重に様子を見た方が」
 れいあを始めとして、他の者もほとんどが同意見。
「そうか、俺は隠れて食べるのを見守ろうかと思っていたんだが……」
 ちなみにこれは、連夜の意見。
 どうしたものかと相談しながら、まずは離れてみる。
 距離を取ってから物陰に潜むと、茂みが動いてあどけない猫の顔が現れた。
 他の場所でも立て続けに起こり、八つの顔がキョロキョロと辺りを見回している。
(「おおっ!」)
 しかし、一匹が能力者に気付いて茂みに引っ込むと他も次々と引っ込む。
「……ああっ」
「……まあ、仕方ないね」
「姿も確認できたことだし、引き上げるとしよう」
 と、能力者たちが動き出したところに、
「……あの、やっぱり心配なのでこっそり、林道を見張っておきます。今ってルールを守らない人もたくさん居るから……もし、通っていこうとする人が居たら」
 声を掛けて帰ってもらいますと、舞子が言い出した。
「そうか、俺も見張りをしようと思っていたところだ。付き合うよ」
 連夜が応えて、他の仲間に任せてくれと目配せを送る。
「じゃあ、よろしくね」
「ご無理はなさいませんように」
「ああ、ほどほどで切り上げるよ」

 そんなこんなで、二日目の朝。
 銀誓館学園へと通う前に、能力者たちは件の場所に立ち寄っていた。
 恐る恐る容器を覗き込めば中にあった視肉が無い。
「食べてるよ!」
「こっちもです!」
 次々と上がる嬉しい報告。
「……もう確認するだけでどきどきなの」
 思わず、舞子は安堵の息をはいた。
 これで一歩前進だ。
 再び視肉を置いて、その場を後にする。
 けれど、もう初めのような不安は無い。代わりに楽しさが胸を占めていた。

 三日目の朝を迎えた。
 能力者たちは時間を合わせて早朝と夕方に餌付けを行なっている。
 そのいずれも綺麗に食べられていて、
「そろそろ次の段階なのだ〜。視肉を食べにくるまでじ〜っと待てばいいのかな?」
「まず匂いを覚えてもらう事がいいのかしら? 餌から距離をとって隠れているのはどうでしょう?」
 凪と、紗耶が頭を悩ます。
 いつも通りの時間に来たものの、まだ警戒は解けていないのか、猫妖獣の姿は見当たらない。
 そして、能力者たちの方針も纏まりを欠いていた……。
「どうしたものかにゃ〜……にゃ?」
 ふと、茂みが動いたような。
 凪が目を凝らしてみると見間違いではない。
 確かに動きがある、それも複数。
「(近くに来ているみたいですね)」
「(ここはそっと離れてみるか)」
 小声で相談して、能力者たちは素知らぬ顔で離れていく。
 1日目に隠れた場所ぐらいまで来ると、後ろから物音が聞こえてきた。
「あっ! 出てきたよ!」
「ご飯が来るのを待ってたのね」
 十分に距離もあるせいか、猫妖獣たちは逃げようともしない。
 まあ、れいあが言ったように早く視肉を食べたいというのが一番の理由だろう。
「む〜〜、早くもふもふしたいにゃぁ」
 凪は真っ白で毛並みツヤツヤのお姫様みたいな猫妖獣をロックオン。
 もっとも、それは他の能力者も余念がない。
 ようやくきちんと見られたということもあるが、子猫の愛らしさがやはり強力だ。
「あっ! あの子、ころちゃんによく似てます!」
「ふわふわなんでしょうか? 見た感じではそうにしか見えませんが」
「うーーん、早く抱っこしてみたいんだよ」

 それから、れいあが猫用のミルクを与えてみたり、葉月が匂いを覚えてもらおうとボールを置いてみたり、舞子がハンドベルを鳴らして呼んでみたりと試行錯誤が繰り返された。
 更に能力者のこまめな餌付けもあって、猫妖獣の警戒心はだいぶ薄れてきたように見える。
「おいで」
 と、舞子が試しに微笑みながら声をかけてみる。
 灰色がかった茶とらは反応を示したものの、近寄って来ようとはしない。
 距離にして、5mぐらい。
 能力者の力を持ってすれば、一足で埋められる距離だ。
「ううう、まるで拷問のようなんだよ……」
「ひなちん我慢だよ。撫で撫でもふもふまでもうちょっとなんだよ」
 だが、今はまだ我慢の子。
「ここで怯えられたら、今までの苦労が水の泡ですわ」
 地に伏せ、葉月は子猫と視線の高さを合わせることで怯えらずにすむかと試しているところ。
(「ねえ、わたくしたちは怖くないわよ。一緒に遊びましょう?」)
 紗耶は心の中で呼び掛けてみる。
 しかし、距離は縮まらない。
「そろそろ名前で呼んでみようか? 脅かさないように穏やかに、一人一匹ずつでね」
 こちらも楽しみが必要と、れいあが出した提案にすぐさま反応が、
「あの真っ白で毛並みツヤツヤのはボクのヒメちゃんなんだよ〜♪」
「では、あちらの人懐っこい感じの灰色がかった茶とらの子は、ミロって、名前付けてあげよう」
「わたくしはあの黒猫を。足元だけ靴下をはいてるみたいな白毛ですし、タビだとそのまま過ぎるから……。幸あるように、とハッピーというのはどうでしょう」
 既に用意されていたのか、次々と名前が挙がっていく。
 こうして、五日目、六日目と夢を膨らませながら日々が過ぎていった。


 とうとう、餌付けを始めて七日目。
 距離は縮まってきているし、猫妖獣も明らかに能力者たちのことを意識している。
 だが、そこから先はどう進むべきか……?
「どうしよう?」
「距離はかなり縮められているしね」
「最初は触るくらいにして、少しずつスキンシップを増やしていくべきじゃないか?」
 義衛郎がそう言って猫妖獣たちに目を向けるとサバ猫が恐る恐る近付いてくるではないか?!
「……あっ、コマ」
 名付けをした、葉月が一歩前にでる。
 それに反応して、ぴくりと動きが止まったものの、また恐る恐る歩き始めた。
 どうなるのか?
 固唾を呑む能力者たち。
 コマは葉月に近付いて匂いをかぐと、頬をこすりつけてくる。
「おっ!」
 ひなたの出した声にぴくりと反応するが、コマは逃げずに踏みとどまった。
「おおっ!」
 また、ぴくり。
「「しーーっ」」
「ごめんなんだよ……って!」
 止めるのに反して、ひなたはまた声を上げた。
 もっとも今度はちゃんとした理由がある。
「いつの間にか、他の大子猫さんたちが!」
 そう、他の猫妖獣たちも近付いて来たのだ。
 腰の引けたような動きではあるが、それでも近付いてきている。
「触っても大丈夫なのかな?」
「慣れてきたってことですよね……。撫で……! 撫で……させて、ください……!」
 足元に擦り寄ってきた猫妖獣にどう対処するべきか。
 手を出したながら、れいあと、エルデは困惑を浮かべる。
「ここまで来たら触ってみるしかないだろう」
 連夜も足元に来た茶虎に手を伸ばし。
 他の者も同じように。
 ゆっくりと、怯えさせることなく、触れるか触れないかというギリギリで。

 ぴくん!

 触れた瞬間に猫妖獣の身体が反応した。
 だが、まだ踏み留まっている。
 そのまま、ゆっくりと撫で始めると、身を竦ませながら喉を鳴らし出した。
「や〜ん、可愛いのだ〜♪」
 抱きつきたいところだが、凪は懸命に我慢して優しく撫であげる。
 他の者も同様に。
 ようやく、ここまでたどり着けことに感動しながら、手でその感触を確かめていく。
 まだ幾分の怯えは残っているが、向こうもこちらを受け入れようとしているのだろう。
「ミロ、私が君のお母さんだからね。ずっとずっと忘れないでね……♪」
 舞子が撫でれば、目を閉じて喉を鳴らす。
 そうしているうちに徐々に緊張も解け、三十分後にはすっかり気を許した猫妖獣たちの姿が。
「さあ、猫じゃらしですよ! まろちゃん!」
「ほらほら、松千代もこっちだよ」
 エルデと、れいあの周りで猫妖獣が飛び跳ねる。
 勢い余って転がった茶虎を、連夜は「やれやれ」と起こしてやったり、
「さあ、こちらですよ」
 葉月の転がすボールに飛び掛ったりと、警戒していたのが嘘のように猫妖獣たちは甘え始めた。
「もふもふ……もふもふは正義ですわ」
 紗耶もハッピーを膝下に寄せて堪能中。
「ヒメちゃんもふもふするまで長かったんだよ〜♪ さあ、ひなちんもだきゅもふするのだ〜♪」
「ひなちゃん、こちらもどうぞです!」
「ひゃっほう♪」
 で、能力者たちも思いっきり満喫している様子。
 そうしているうちに、猫妖獣たちも遊び疲れたのか、いつしか大きなアクビを始めて。
「眠くなってきたのか、なら暖かいとこに行くか」
 連夜が茶虎を引っ張っていくと、既に葉月と、義衛郎が春の日差しの中、猫妖獣に膝枕をしていた。
 それぞれに前足まで乗っかる形。
 人肌と太陽が気持ちいいのか、ご機嫌そうに眠っている。
「しかし、子猫とはいえ体長1mは伊達じゃないな。ちょっと重い……」
 義衛郎は苦笑しながら背を撫でる。
「でも、悪くないですわ」
 葉月もそっと撫でてやった。


 穏やかに時間が過ぎていく。
 そんな中、紗耶が、ひなたにあることを頼んでいた。
「ひとつだけやってみたいことがあるのですが、相愛満月をやらせてくださいませんか? きっとひなさんとならできるはずですの、ルナエターナルが♪」
「詳しくないけど紗耶ちゃんとならできるんじゃないかな」
「それでは試してもいいですか?」
「いいよ」
 月光で出来た黄金色の糸が、紗耶と、ひなたを結んでいく。
 それははっきりとした証で。
「この輝きがわたくしたちの絆……ですのね。いつか全てのモノとこの輝きが繋げれば……」
『にゃー』
「きゃっ! ……ハッピー?」
「混ぜて欲しいのかな?」
「そうかもしれませんね」
 乱入者を見て、二人が笑い合う。
「ねえ、ここじゃなくてわたくしたちと一緒に危なくない場所へ行きませんか?」
 紗耶が視線を合わせてハッピーに問いかける。
「そう、そこはとっても良い所だしボク達もすぐ遊びにいける。視肉さんはとっても優しいし、仲良くしてくれる人もたくさんいるよ」
 次いで、れいあも。
 猫妖獣たちは分かっているのか、分かっていないのか。
 いずれにしても能力者たちにべったりだ。
「絶対に、マヨイガで幸せになって欲しいし、そうしたら、また会いに行くから……♪」
 舞子がミロを膝下に抱えたまま、言い聞かせるようにそっとささやく。
「ちょっと名残惜しいがまた会えるか」
「はい」
 で、猫妖獣たちは幸せそうにごろごろと。
「……それにしても。この子猫たち、妖獣なのに激痛を覚えていないような? 最近こんな妖獣が増えているみたいですけど……妖獣たちも、変化しているのかも?」
「どうなんでしょう?」
「でも、ひとつ言えることは可愛い妖獣さんがマヨイガにまた増えたってことね。遊びに行くのがまた楽しみになるよ」
『にゃーーおっ』


マスター:てぃーつー 紹介ページ
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参加者:8人
作成日:2012/05/19
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