メガリス修学旅行:大海原を行く死霊船を攻略せよ!


<オープニング>


「今年の修学旅行はメガリス探索らしいですね」
 放課後の教室。マリーア・ヴィンゲルター(中学生真ヤドリギ使い・bn0268)は教卓の前でそう語り始めた。
「なので、今回は学年に関係無く参加出来るみたいです。現状、差し迫った危機はありませんけどこの世界結界が弱まった状態で、そのメガリスも知覚出来るようになっています、誰かが悪用する前に確保しないといけません」
 えーと、マリーアは資料に目を通すとあっさりとそれを口にした。
「あ、私達の担当は北極海みたいです」
 北極海の、正確にどこかまでは言及出来ない。現在、そのメガリスは北極海を彷徨っているのだという。
「メガリスの名前は追放王の船。現在、北極海を大量の骨が集まって出来た船の中心で彷徨っています。船の中は骨の姿をしたリビングデッドが大量に徘徊してるみたいです。ですので、このリビングデッド達をくぐり抜けて船の中心を目指して移動――追放王と呼ばれる強力な地縛霊を倒して終了ですね」
 世間一般の修学旅行とカリキュラムの物騒さが違う気がするが――思い返せば、イベントの多くはこんな感じだった気がする。ようするに平常運転だ――問題ない。
「敵の強さは大した事はありませんが、数は多いですからそこだけは要注意ですね」
 敵は大きく分けて三種類。
 槍を持った骨の雑兵がたくさん。これは近接の単体へ突いて来る。
 中ボス的な巨大な弓を持った巨大な骨の弓兵。遠距離の広範囲へと巨大な魔法の矢を射て来る。
 そして、メガリスのある場所にいる老齢の男の姿をした地縛霊、追放王だ。近距離の全周を大量に召喚した骨の拳で殴りつけ、遠距離の視界内に大量の矢を召喚、降り注がせて攻撃してくる。
「メガリスの形状は呪文の掘られた骨らしいです。実際の能力は一切不明なんですけどね」
 マリーアはそこで一度言葉を切ると集まった参加者達へ微笑んだ。
「修学旅行ですけど、いつも通り戦って戦って戦うだけです。一生懸命頑張りましょうね?」
 かなり染まったものである――こうして、銀誓館学園らしい修学旅行が始まった。

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参加者
楠井・沙智(スレノディ・b12699)
平良・虎信(荒野走駆・b15409)
暗都・魎夜(全てを壊し全てを繋ぐ・b42300)
氷柱・六花(氷結王女・b45346)
狭霧・霞(海賊王の愛娘・b49390)
烏頭森・万葉(億千万の棘茨荊・b60331)
雨宮・沙耶(静水鏡華・b65153)
玖珂・香登(偽白の従者・b69886)
八葉・文(八つ神の舞巫女・b71444)
蒼月・秋奈(月下ニ咲ク花・b72525)
神谷・恭一(ラーズグリーズ・b73549)
ベネフィカ・サクラ(黒衣纏いし銀の剣・b77415)
NPC:マリーア・ヴィンゲルター(中学生真ヤドリギ使い・bn0268)




<リプレイ>


「よっしゃぁ! 概ね世界も平和になって、まともな修学旅行だぜ!」
 暗都・魎夜(全てを壊し全てを繋ぐ・b42300)が歓声と共に鬼の手から一番乗りで飛び降りた。
 ジャキ、と言う軽い着地音。魎夜は周囲を見回した。
「……?」
 三百六十度、見渡す限り海が広がっていた。地平線がまるく感じる辺り、自分達が置かれた自然の雄大さがわかるというものだ。
 ここは北極海――冬になれば氷に覆われる最北の海である。
「大方こんなオチだと思っていたよ!!」
「最初に説明したじゃありませんか」
「……マリーアもすっかり慣れちゃったんだな」
 叫ぶ魎夜の後ろに降り立ったマリーア・ヴィンゲルター(中学生真ヤドリギ使い・bn0268)は自然の流れとこの状況を受け入れている。そんな様子を見て楠井・沙智(スレノディ・b12699)が苦笑した。
「戦闘を楽しむ性格はしてないつもりなんだけど。でも、観光よりこっちの方が落ち着くのね。我ながら業の深い青春時代を過ごしたものなの」
 沙智は今度は足元を見る――それは数え切れない程の数の骨で作られた甲板だ。
「今回の依頼は、幽霊船の撃破……?」
「正確には、この幽霊船を作っているメガリスの回収ですね」
「えっと……幽霊船の制圧が、目的なのね。海賊のゴーストを、殲滅すればいいの?」
 いずれにしても修学旅行っぽくは無いけど……とにかく、がんばる、と蒼月・秋奈(月下ニ咲ク花・b72525)がコクコクとうなずいた。
「北極で幽霊船探索が修学旅行とは、さすがだなぁ」
 玖珂・香登(偽白の従者・b69886)もしみじみとこぼす。思い出されるのは、やはり物騒な学園行事の数々だ。
「臨海学校が普通だったので油断してたのです」
「でも、この状況をいつも通りと言えるのは……やれやれ、感覚が常人離れしてしまったのかね」
 八葉・文(八つ神の舞巫女・b71444)の言葉に神谷・恭一(ラーズグリーズ・b73549)も小さく肩をすくめる。それにベネフィカ・サクラ(黒衣纏いし銀の剣・b77415)もクスリと笑みをこぼした。
「そう思ってしまう辺り、随分染まりましたね……」
 ここにいる全員がこの幽霊船に挑むという非日常こそが自分達らしい、と思っているのが事実だ。
「まぁ、手早くすましたいね。さすがに北極海、寒くてかなわないよ」
「皆さんには相当寒そうな場所ですけど、雪女の私には丁度いいです」
 恭一の呟きに、雪女である氷柱・六花(氷結王女・b45346)が綻ぶような笑顔で言った。さすが雪女、マイナス十五度程度は散歩日和である。
「お、お出迎えみたいだぜ? 骨のある……」
 大量の足音を聞いて平良・虎信(荒野走駆・b15409)が振り返ると――ポリポリ、と頭を掻き掻き苦笑した。
「っつーか、骨しかないな!」
 その通りだ。骨で作られた幽霊船に乗っていたのも骨の乗組員だ。しかもその数はたくさんだ――それを見て虎信は得物を見つけた獣のように歯を剥いて笑った。
「まァ良い、強そうなヤツならば大歓迎だ!」
「ごきげんよう、幽霊の皆さん。この船は大海賊 キャプテン・カスミがいただきましたの。さあ、荷物をすべてお寄こしあそばせ!」
 狭霧・霞(海賊王の愛娘・b49390)が胸を言って言い放つ――それに対する回答はジャカジャカジャカ!! と突きつけられた大量の槍の穂先だった。
「さぁ始めましょうか、骨と幻の戦争を」
 烏頭森・万葉(億千万の棘茨荊・b60331)が翼を模した戦旗をはためかせる。万葉の召喚に答えた幻影兵は十三人にも及ぶ能力者達の背後に出現した。
 スゥ、と雨宮・沙耶(静水鏡華・b65153)は息を吸い込む。冷たい空気は肺に突き刺さるような感覚を訴えてくる――それを思う様、想いを乗せて沙耶が言い放った。
「どこから来てどこへ行こうとしていたのかはわからないけど、長かった旅路もここで終わり――さあ、最後の祭りだよ。存分に盛り上げて!」
 双方が骨の看板を蹴る――ここに北極海を舞台としてメガリス獲得の激闘が始まった。


 ――複数の槍の穂先が眼前まで迫る。
「――はっ!」
 ギィン! と火花を散らし、香登が七支刀を薙ぎ払いその骨の雑兵の槍の群れをまとめて振り払った。その体勢を崩した骨の雑兵の一体を返す刃で香登は切り伏せる。
「骸骨だらけの幽霊船、なんというかわかりやすくていいな」
「ああ、数は多いけど――」
 恭一が放電光が絡みつくその右手を突き出す――それと同時、一条の電光が複数の雑兵を巻き込み薙ぎ払った。
「――まとまって出てくれるからね、片付けるのは楽なものだよ」
「あ、また来たよ!?」
 ランタンを掲げベネフィカが船の奥を照らす――ガシャリガシャリ、と骨を鳴らし、槍を構えた雑兵達が姿を現した。
「……広い上に団体さんね」
 秋奈が呆れ果てたようにこぼす。
 甲板である程度の敵を倒し終えた後、能力者達は幽霊船の中へと挑んだのだが。
「中も立派ですねぇ」
 マリーアがどこか感心したように呟いた。人間の骨によって器用に組み立てられた船の中は、ちょっとした迷宮のようなものだった。
「てめぇら、どっからでもかかってきやがれ!」
 魎夜が七支刀を構え、言い放つ。その横で、虎信が喉を手で抑えながら一歩前へと出た。
「仕方ねぇ。雑魚がばっかに群がれるのも飽きてきた頃だ。久々にやってやろう!」
「ふふ、お付き合いしますよ?」
「ええ、私も」
 六花が術扇を開き文が深く息を吸う――四方八方から迫る骨の雑兵が一斉になだれ込んでくる、その直前だ。
「我が身まといし冷気よ氷結せよ。マレビトを冷たくもてなせ!」
 六花が両手の術扇を舞うように振るう。それと同時に氷雪地獄が吹き荒れ、文と虎信が声を吐き出した。
 地獄の如き叫び声が、暴君的ブラストヴォイスが、凍てつく骨の雑兵達を粉々に打ち砕いていく。
「あー、歌うのは本当に久々だったぜ。ま、すっきりしただろ?」
 喉を押さえ虎信はそう苦笑する。博打的な手段だが、仲間と合わせればこれほどの効果を発揮するのだ。
「あら、今度のお客様は大物のようですわよ?」
 霞の言葉に、仲間達がそちらに視線を向ける。ガシャ、と薄暗闇の向こうから想い足音を響かせ、その巨大な骸骨が姿を現した。
「また、ぞろぞろと引き連れてきたね」
 骨の弓兵の前には六体の骨の雑兵がいる――それを見て、沙耶が動いた。
 逆手に構えたナイフと忍者刀を手に四体の雑兵の前で横回転――暴れ独楽によってその骨を切り砕いていく。
「神を魔王を全てを殺せ、穿てミスティルティン!」
 そこへ戦旗を振り下ろした万葉の号令に従うかのように、巨大な植物の槍が叩き込まれた。
 ガキン! と三体の骨の雑兵が粉々に砕け散る――その瞬間、骨の弓兵がその巨大な矢を射放った。
 その巨大な矢は空中で弾けると小さな矢を大量に撒き散らし、能力者達へと降り注ぐ。それに対して、すかさず沙智がヒーリングヴォイスの歌声を響かせた。
「回復は任せて!」
 その沙智の言葉にマリーアはうなずく。そして、他の者達も沙耶と万葉が作った『道』へと駆け出した。
「茨よ、その指で絡み取りたまえ」
 ザワッ! とマリーアを中心に茨が骨の足場を埋め尽くしていく。虎信は骨の雑兵に視線を向ける事無く通り過ぎた――その骨の雑兵は茨の世界によって絡み取られ、身動きを封じられていた。
「信じる事がチームワークだからなァ!!」
「ああ、師匠も言ってたぜ! 誰かを信じられるから全力が出せるんだって!!」
 虎信と魎夜が床を蹴る。虎信は右の回し蹴りから始まる連続蹴りを魎夜は燃え盛るヘッドバッドを弓兵へと叩き込んだ。
「切り伏せる!!」
 そして、それにわずかにタイミングをずらし跳躍した香登が七支刀を構え縦回転――ローリングバッシュで太い肋骨を数本切り落とした。
『――!?』
 骨の弓兵が息を飲んだ――気がした。そこには二体の秋奈とベネフィカの幻影兵が迫っていた。
「総てを焼き尽くす紅蓮よ……」
 秋奈の紅蓮撃とベネフィカの神霊剣を動きを同調した幻影兵が繰り出す。立て続けの猛攻――そこへ、霞が握り拳を作り言い放った。
「霧の魔物よ。お相手してさしあげなさい!」
 霞の背後を骨の弓兵は見上げる――自分よりもはるかに巨大な霧の巨人が、無慈悲にそのレイピアを突き出す!
 バキンッ! と澄んだ破壊音が響き渡り、串刺しとなった弓兵が砕け散った。
「残る雑魚も片付けさせてもらおう」
「ですね」
 恭一と文の背後から幻影兵が駆け出す。そして、茨に絡まれた雑兵達を破壊した。


「……ここにいたのですか」
 六花がその姿を見て、憂いの表情でこぼした。
 雑兵が出なくなった頃、能力者達は船内をくまなく捜した。そして、ついに追放王を見つけ出したのだ。
 それは、この船からすれば小さな部屋だった。窓もなく、華美な装飾も一つもない。あるのは、年老いた男とその王座だけだ。
『…………』
 能力者を前にしても追放王は王座に座ったままだった。その姿には王と呼ぶ威容はない。むしろ、長い年月そこに追いやられ続けたくたびれた咎人のように見える。
(「あぁ……追放された側、なんだな」)
 恭一は抱いていた疑問が氷解するのを感じた。例え、追放する側であろうとされる側であろうと敵は敵――倒すという意志に揺らぎはない。
「残るはあなただけです……ここから開放しますのです」
 文の言葉に、追放王はゆっくりと立ち上がった。バキンバキン、と王座は風化したように砕け散っていく。
『――――ハッ』
「……ッ!」
 背筋に冷たいものを感じて、能力者達は反射的に身構えた。追放王がその長い髭の奥で確かに笑ったのだ。
 バキバキバキ、と追放王の周囲に魔法の矢が生み出されていく。狂った笑みを浮かべた追放王は、戦いの合図だと言わんばかりにその魔法の矢を視界一杯に降り注がせた。
 ――追放王は、おそろしい敵だった。
 ただの一体で十二人の能力者を真っ向から迎え撃てる――それほどの実力を秘めていたのだ。
(「……王、ね」)
 その呼び名に沙智は皮肉を感じずにいられない。無数の骨の腕を召喚し、魔法の矢を大量に降らそうと追放王と名付けられたこの地縛霊はどこまでも孤独だ。
 ――誰もが銀誓館学園の今までの戦いを思い出す。
 自分達よりも強大な敵と戦った事もある。自分達よりも多い軍勢とも戦った事も。幾度となく戦い、そして勝って来れたのは仲間がいたからだ。
 どれだけの烏合の衆が相手だろうと、絶望的な強大な敵が立ち塞がろうと仲間がいるれば戦い――そして、勝利出来る。
「あぁ、修学旅行なんですね、これ」
 ベネフィカが笑みをこぼす――その事を再確認し学び修める……確かにこれ以上銀誓館学園にふさわしい修学旅行もないだろう。
 だからこそ、勝って帰らなくてはならない。この学んだ事を、活かすためにも――!
「幽霊船に積まれたお宝は、海賊王の愛娘たるこのわたくしがいただきますわ!」
 霞が言い放ち、霧の巨人が瞬断撃を繰り出す。それを追放王は召喚した骨の腕で受け止めるが、その切っ先は骨を貫き追放王の脇腹に突き刺さった。
「相手が誰であろうと、殺られる前に殺るだけの事ッ!」
 虎信が真正面から突っ切り、追放王へと青龍の力が宿る拳を繰り出す。のけぞる追放王へと真横から回り込んだ魎夜が思い切り突っ込んだ。
「王様、あんたのお宝もらっていくぜ!」
 ライジングヘッドバッドが追放王を強打した。魔炎に包まれふらつく追放王へベネフィカの幻影兵が非実体化させた竪琴を振り下ろした。
「体力を吸収させるつもりはありません!」
「蒼月さんの身に宿り、癒しと力を与えたまえ」
「ああ、助かる」
 優しい吐息を吹きかけるように文は香登へ祖霊降臨を施し、香登は目の前の水鏡へと飛び込んだ。
『――!?』
 そして、鏡雨転身を活かし追放王の背後へと回り込み香登はローリングバッシュを叩き込む!
「まだまだ!」
 沙耶が手中に生じた水刃を振りかぶり、投擲した。その水刃手裏剣は追放王の胴を横一文字に切り裂く。
「貴方は既に死人なのです、なぜ現世を彷徨いますか? 苦しいのなら、私が貴方の魂を救います!」
 万葉が戦旗を振りかぶる。それと同時に、幻影兵が宙を駆けその非実体化した戦旗を袈裟懸けに振り下ろした。
「出でよ致命の凶刃、汝の名はダーインスレイヴ!」
 ザンッ! と追放王がその膝を揺らす。だが、追放王は踏み止まる――その慈悲や救いすらも拒むように。
『――ッ』
 追放王が声なき叫びを上げ、巨大な骨の腕を召喚――しようとした、その時だ。茨が絡みつき、追放王の動きを封じ込める!
「今です!」
 茨の世界を使ったマリーアの声に、六花と沙智が同時に動いた。
「雪女の技が、冷気だけだと思わないことです!」
「この船は私達が貰うの。貴方は行きたい所へ行くと良いのよ」
 二本の光の槍が追放王を刺し貫く。そこへ秋奈の幻影兵が宝剣を紅蓮の炎に包み、十字の斬撃を振り下ろした。
『……ッ!』
 その身を燃やされながら追放王が目を見開く。そこには螺旋状の文字列をその拳にまとった幻影兵がいる――恭一だ。
 恭一のデモンストランダムが追放王を殴打した。ゆっくりと、糸が切れた人形のように追放王が崩れ落ちる。
「追放の旅は……終わるのです」
 文のその言葉が届いたかどうか――それは、永遠にわからない……。


「ところで……この船自体がメガリスって、回収とか、どうするのかしら? 小さくなるとか、シンボルの何かになるとか……」
「大丈夫ですよ? きちんとメガリスの本体は他にありますから」
 ああ、それはよかったわ、と胸を撫で下ろす秋奈とマリーアのやり取りに苦笑しながら、沙耶が他の仲間達に視線を向けた。
「さあ、お宝はどこですの? わたくしが、いただきますわ!」
 霞はやる気満々で周囲を探し出す。ほどなくしてメガリスは発見出来た。追放王が倒れたそこに、文字の刻まれた骨が一つ落ちていたからだ。
「とったら即座に音を立てて崩れるってことはないよな? 日本はまだ暑くてもここじゃぁ水浴びはしたくねぇしな」
 そういいながら香登がメガリスを拾う。それを眺めながら興味深げにこぼした。
「んー、いったいどんな効果なんだろうなぁ、骨を集め使役するみたいな効果かねぇ。いったい対価はなにを支払わせられるやら」
「今まではメガリスって騒動の種とか戦争の道具とかってイメージだったけど。落ち着いた事だしもっとちゃんとした使い方を探したり、それぞれの来歴を研究してみてもいいかもね」
 沙智もそう笑みをこぼすと、万葉もコクリとうなずいた。
「放浪王さんの忘れ形見、どんな思念が残ってるのかな? 大事にしたいよ」
 それに仲間達もうなずいた。
 能力者達はゆっくりと沈んでいく幽霊船を鬼の手から見下ろし、 魎夜が叫んだ。
「まだだ、俺は諦めない! こんな僻地でも、白熊と戯れたり、オーロラを眺めたりなんてイベントは可能なはずなんだ!」
 その叫びは、虚しく北極海へと響き渡った。


マスター:波多野志郎 紹介ページ
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知的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:12人
作成日:2012/09/27
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