<リプレイ>
●陰 三重県松阪市……すっかり夜の帳が落ちた街角を歩く能力者達。 「しかし下水道ですか……分かっては居るのですけれど、薄暗いし、あまり永く居たいという場所ではありませんね?」 「ああ、まったくだ。でもこういう所だからこそ、ゴーストが沸いてくるんだよな……」 「そうだね。まぁ下水道はゴーストが溜まりやすい訳、と……今後の未来の為にも、何かしらの対策は考えないといけないかもね」 「そうですね。放置しておくといつかは下水道に立ち入る可能性のある工事関係者の方々も危険です。無論地上に出て来ればそれはそれでまた危険です。力亡き人々の安全を守るのは私達能力者の使命ですし、謹んでその役目を果たさないといけませんね」 ユリア・ガーランド(天上の蒼・b03877)と暗都・魎夜(全てを壊し全てを繋ぐ・b42300)、多比羅・惣一郎(甲鉄の緋蜘蛛・b43715)に真神・綾瀬(蒼風の舞姫・b39277)ら四人の会話。 町の地下に張り巡らされた、生活排水の行き着く先、地下下水道。 当然ながらその臭いやらは余り好ましくない臭いであるし、人がそうそう居るような場所ではない。 「まぁ随分と薄汚れた場所ではありますしね。なぜなら……ゴーストなどというゴミが溢れているのでありますから……メイドとしては、こうも散らかった場所は我慢ならないのであります。だからわたくしが、綺麗さっぱり掃除してやるのです!」 と、四人の言葉に秋雨・しぐれ(戦技無双の舞踏姫・b84279)が拳を握りしめて叫ぶ。 崔より話を聞いた能力者達は、地下より這い寄る闇の住人、リビングデッドやその他のゴースト達を倒す為に、急ぎその場所へと向かっていた訳で。 深夜の丑三つ時とあっては人気もなく、仄かに灯る街灯が僅かに道を照らす程度……人気なども当然にない。 「それにしても哀れなゴーストたちよね。彼らも心優しい存在であれば、マヨイガに受け入れられたり、使役ゴーストとともに生きていく、そんな道も選べたでしょうに……」 「そうですねぇ、これからは人と魔が共存していく時代なのですよぅ。でも……共存出来る魔は、争いを好まぬ来訪者か、ゴースト達だけなのですぅー。今回のように、人を害する魔は対象外なのですよー。改心する気が無いのならぁ、わたしぃがあの世に送って上げるのですぅー!」 「そうね。都会の影に潜みし闇の者達。闇の住人にはそれに相応しい住処があるものだ。だからこそお前達を狩り、そこに送り返すのが私達の仕事。もう一度、地獄に送り返してあげるわ!」 とアリシア・クリストファ(天空の花嫁・b30952)、調・律子(高校生真フリッカーダイヤ・b83668)、そして白嶺・幽花(イタコギャル・b35588)らの言う通り、地下下水道に棲まうゴースト達の対処手段は、倒すほかには無い訳で。 「まぁともかく早く片付けて、皆さんと地上でのんびりと甘味でも食べて戻りたい所ですね」 「んー……ああ、確かに。でも俺は多分そんなヒマもないな……受験生なんだし。だから早い所、終わらせて貰わねぇとな!」 「まぁ一人一人、それぞれの用事があるものですしね……では、急ぎましょう」 ユリアと魎夜に、アリシアが一際強く声を上げ、そして能力者達は……下水道のマンホールの入口へと急ぎ向かうのであった。
そしてマンホールに到着する能力者達。 目の前の重いマンホールがガタ、と音を立てて開く……そしてその中から現われるのは、腐敗した身体で、腐臭を漂わせる人型のリビングデッド。 直ぐに能力者達は相互に頷き合い、そしてすぐさまリビングデッドの元へと駆け寄ると。 「ゴミは、臭い出す前に処分するのであります!」 「悪い子には、お仕置きなのですぅー!!」 しぐれと律子の連携攻撃が速攻で決まり、よろめいた所を。 「奈落に落ちなさい!」 幽花が足下を掬うように一撃を食らわせ、そのままマンホールの中へと転落していく。 所詮、地上に出てこれるのは最弱のザコ敵な訳で……速攻で倒した後は、またも静寂。 「さてと……それじゃ早速ですが、行きましょう。皆さん、準備はして下さい」 綾瀬の言葉に皆も頷いて、それぞれヘッドライトを頭に付けて、更にコシにはライトを用意。 それぞれが灯りを点灯させて切れてない事を確認し……いざ能力者達は、下水道の中へと突入するのであった。
●鬱 「よっ……と……やはり凄い臭いだね」 「ああ……全く参ったな」 惣一郎に頷く魎夜。 確かに漂う臭いは凄まじい腐臭……無論皆イグニッション済みで、後々にはその汚れは落ちるのは理解しているのだが……。 「……まぁ今愚痴ってても仕方ないだろうし、それじゃ隊列を組んで行こうか」 「はいですぅ。魎夜さんと惣一郎さん、前衛でお願いしますねぇー。わたしぃと、しぐれさんで後衛を務めるのですぅー」 惣一郎に律子が告げる。そして。 「分かりました。では綾瀬さんは私と一緒に」 「じゃ残る私達が後方側ね? 後は……これを使うから驚かないでね」 ユリアに幽花が見せるのは小麦粉。 水中に捲くと、ふんわりと白い粉が水面に浮かぶ。 「……これでスライムが近づいてきても分かる、という訳ね……吉と出るか凶と出るかは分かりませんが、何も無いよりはマシよね」 とアリシアが僅かに笑いつつ……そして能力者達は地下下水道内を移動開始。 先陣を魎夜、惣一郎が務め、灯りを水面、天上、正面へと逐次照らしながら進む。 そして移動している経路については、アリシアがマッピングし、交差点にさしかかれば蛍光スプレーで目印を残す。 そして、敵の呻き声等を鋭敏感覚で警戒しながら進んでいくと。 『……ぅ、うぅぅ……』 『グルゥゥゥ……』 亡者のうめきと鳴き声が、遠くの方から微かに聞こえてくる。 その声に気づいた魎夜が立ち止まり。 「さて……近くに居る様だぜ。皆、注意していくぜ」 魎夜の警戒の言葉……そして更に進んでいくと……。 『ウグゥ……うぅぅ……』 二つの呻き声が重なり合いながら響き渡る。 そして……幾つかの角を曲がった後……。 「……あ、居ましたよぅー!」 指差す律子。灯りの先には、沢山のゴースト達の姿。 少なくとも10人程度は居るリビングデッド達に。 「では、一気に仕掛けましょう」 ユリアの言葉に併せて、一斉に能力者達は突撃を仕掛ける。 リビングデッドに真っ正面から当たり、すぐ魎夜と惣一郎が。 「受けてみやがれ! 太古から蘇った王の力を!!」 「……痛いとか言わないでくれよ?」 混沌嵐撃で範囲攻撃すると、続けて惣一郎が単体攻撃でトドメを刺す。 更にユリア、綾瀬の2列目に立つ二人が。 「この踊り、一緒に踊りましょう?」 「死を、描いて上げましょう」 とダンシングユニバースでリビングデッド達を踊りに叩き込み、ユリアもスピードスケッチで攻撃。 対し残る四人は、足下に捲いた小麦粉の動きを注視しながら後方の警戒を継続。 ……リビングデッド10人程度を相手にしながらも、戦況的には全くもって不利ではなく、むしろこちら優勢で、戦況を進めて行く。 無論数が多いので、時間はそれなりにかかるものの……一体、また一体と葬り去っていく。 そして全てのリビングデッドを倒し終わると。 「皆さん、大丈夫でありますか?」 「私は大丈夫……皆も……大丈夫みたいね?」 しぐれに頷く幽花。 体力の減少はそこまで高くは無いので、すぐに次のターゲットを求め、声のする方へと進んでいく。 そうして、一時間ほどが経過。何度となくリビングデッドの群れを倒し、そして次のリビングデッドと対峙した所で。 「……ん?」 足下を漂う小麦粉の動きが、今までとは違う事に気づく幽花。 「みんな、足下に注意して!!」 と声を上げた彼女……咄嗟にその足下を蹴り上げた惣一郎。 すると、水ととは違う異質な感覚。そして天井に向けて叩き付けられる黒い物体。 「これがスライムか……本当、潜んでたんだな」 「ええ。さぁおねぇさんも頑張るですよー♪ 音の大砲、どっかーん♪」 「……大量のゴミは、まずは拭き掃除から始めるのであります!」 律子としぐれの二人が、シンフォニックブラスターと天雨豪流で攻撃。 またアリシアと幽花も。 「この地に漂う霊たちよ、我が元に集まり亡者どもを討て!」 「モコナは回復をお願いね! 私はスライムを討つから!」 『もきゅー!』 「うん……さぁ当たりなさい!」 と、幽花が雑霊弾、アリシアが穢れの弾丸で次々と攻撃。 次々と仕掛けられる、四人の攻撃によってスライムは地上にたたき落され、最早虫の息。 無論残る四人の前衛、中衛がリビングデッドを葬り去って行く。 ……スライム自身、溶解液を使っての攻撃を仕掛けてくるが、単体への攻撃で……モコナと、イヅナのぺろぺろなめるで、しっかりと回復される。 そうして、全ての敵を倒した後は……さすがにダメージが無視できなくなっていて。 「ちょっと回復するですよぅー。警戒、お願いしますですぅー」 と言いながら、能力者達は手分けして休憩を取って、体力を回復。 全て回復したら、再度奥へと進むのであった。
そうして二時間ほどが経過する。 能力者達が、地下下水道の半分以上を調査し……そしてゴースト達の群れと、クラウドガイストの居場所へと辿り着く。 「よーっしぃ、おねぇさん、頑張るですよー♪」 「銭技無双の舞踏姫、そのふたつ名の意味を教えてやるであります!!」 律子としぐれがそう言いながら虎紋覚醒で自己強化。 そして前衛の魎夜、惣一郎、中衛のユリア、綾瀬がリビングデッド達を次々と討伐し、クラウドガイストの元への活路を切り拓く。 活路を切り拓いた後は、残るリビングデッドが退路を塞がないように注意。 また幽花は。 「イヅナ、私と一つに!」 と言いながらのゴーストイグニッションで強化し攻撃。 無論クラウドガイストの攻撃で、バッドステータス攻撃を受けると。 「世界を包め、癒しの旋律。仲間を守れ、音の障壁!!」 と律子がアラウンドザワールドでバッドステータスから回復。 ……リビングデッドを抑えながら、クラウドガイストへ確実なダメージを叩き込む。 弱り始めるクラウドガイストに、魎夜が。 「降伏するなら、悪いようにはしないぜ?」 と降伏勧告をするが……当然クラウドガイストが従うわけもなく……反撃。 「……仕方ないでありますね。では……力の儘に叩き込むのであります!」 「ええ……!」 二人は相互に頷き、渾身の一撃を叩き込む。 その攻撃にクラウドガイストの身体は霧散していくのであった。
●穏 そしてクラウドガイストも倒し、更に残る地下下水道内に蔓延るゴースト達も一通り掃除し終わる。 地上に出て来る頃には……もうすっかり空は白じんでいて、早朝の5時頃になっていた。 「ふぅ……ここの掃除も完了でありますね。でも、メイドには次の仕事が待っているのであります」 「そうですねぇー……うーん、でも地下下水道は嫌な所ですよねぇ……音が反響して、ぐわんぐわんってするですぅー。どうせ音が反響するのなら、下水道より音響ホールで歌いたいですねぇー。だからこれ以上あんまり来たく無いですぅー」 しぐれに律子の言葉。 そんな二人の会話にくすりと笑う綾瀬。 「そうですね。まぁ確かに余り来たく無いというのには同意です。でもゴーストはそういう場所に良く現われるものですから、行きたくないとかは余り言ってられないですよね」 綾瀬の言う通り、ゴーストや残留思念の居場所は人気の無い所が一般的な訳で。 「まぁ何にせよ、俺達の戦いはいつまで続くんだがな……」 「分かりませんね……まぁともかく、これで一段落ですし、どうしますか?」 魎夜にユリアが確認するように告げると、綾瀬が。 「あ、未だ時間も早いですし……臭いはこびりついていないとは言え、汚くなってしまったこの身体では食べに行きたい感じでもありませんね。だからまずは銭湯に行って、さっぱりとしたくありませんか? あ、銭湯代は払いますよ?」 と綾瀬の提案に、周りの仲間達も頷いて……そしてマンホールの蓋を確りと閉じ、足でも踏み固めてから。 「これで……暫くは安心かしらね? もっとも……世界結界が無くなったら、こんな事件も頻繁に起こるのかもしれないけれど……」 「ええ。まぁ……何にせよ、私もゴーストを使役するもの。彼らが成仏出来るよう、心から祈らせてもらうわね」 幽花の言葉に頷きながらアリシアがゴーストに対する弔いを捧げる。 他の仲間も、何等かの被害にあい、リビングデッドとなってしまった彼らに弔いを捧げて。 「……さて、それでは帰りましょうか」 と惣一郎が皆に勧めて、それぞれの帰路へと着くのであった。
|
|
|
参加者:8人
作成日:2012/10/14
得票数:カッコいい5
|
冒険結果:成功!
重傷者:なし
死亡者:なし
|
|
あなたが購入した「2、3、4人ピンナップ」あるいは「2、3、4バトルピンナップ」を、このシナリオの挿絵にして貰うよう、担当マスターに申請できます。
マスターより許可を得たピンナップ作品は、このページのトップに展示されます。
|
|
|
シナリオの参加者は、掲載されている「自分の顔アイコン」を変更できます。
|
|
 |
| |