<リプレイ>
●心を篭めて アドリア海の爽やかな青を指先で転がし、雛はえへへと肩を竦め笑む。そして自然と蘇り巻き戻されては再生される絆の証を、ただ離さぬようにそっと手の平で包んだ。 大切な人を思い浮かべながら探す姿は、幸せを摘みあげようとする妖精のようだ。瑠璃羽は視線をくるくると動かし、星に夢、心と願い、と単語を幾度も繰り返す。 「リぜ、崩れてしまうわよ」 アルステーデが横から挟んだ声にリーゼロッテが、わかってますわ、と返す。声のみならず指先まで震わせて、十字架と薔薇を慎重に重ねる。微笑ましげに瞳を眇め、アルステーデは溶けゆく心のままにビーズを繋いだ。 篭めたい想いを一息で言い切った悟の手へ、恭賀は暫し唸った後、銀の粒と黒硝子を乗せる。 「欲張りすぎやろか」 頭を掻いた悟に、恭賀は思わず笑い声を零して、 「願いは欲張るものだよ〜」 と答えた。 資料として用意されていた本と睨めっこを繰り返し、たまては恋のライバルへ想いを馳せる。幸せを喜び合える存在への、ささやかな気持ち。 「これだけあると迷っちゃいますね」 菜奈が手にしたのは金ビーズに赤と青それぞれのリンクス。青に描かれた可憐な白花が、逞しく生きる己の秘めた心に似ていた。 助言通りのリンクスを籠へ積み、理緒はふと恭賀が創ると宣言していた物を思い出し振り返る。 「僕達の無事を願っていてくれて、ありがとうございますね」 驚いたように一瞬目を見開き、恭賀は戸惑いを含んで笑う。お互い様だよ、と。 オレンジのチャームを横に置き、弓姫は別の粒を重ねて隣でせっせと青を揃える小夏へと、声を弾ませる。 「こなちゃんも好きな大根風っ」 鮮麗な緑と純白が招く欲に、小夏が瞳を輝かせて。 「大根……っ! 何か食べたくなるねっ」 思わず手が震えた。
自然溢れる葉と花のリンクスをテーブルへ置いた飴璃は、直後自由気ままに転がっていく石達を慌てて追いかけていった。 「私はもちろん、愛しいあの人にプレゼントです」 常に浮かぶ笑みを絶やさず、ルシアが赤の色を幾つも連ねていく。傍らで石を選ぶ高城・万里へどうするのか問えば、「決めてない、の」と困ったように泳ぐ視線が返された。 藍のしずく五つ、響が形を成していく。清浄の加護を招く透明な玉と木でできた粒を挟む。眇めた瞳に映すのは、藍に秘める同音異語の感情だった。 周りの喧騒など耳に入らず、雪はただそのリンクスへ願いを繰り返し呟く。 「お兄ちゃんを守ってね」 閉じた瞼の向こうで、雪の瞳が濡れる。 無事の祈りを篭めるべく彩華は恭賀の許を訪れた。私達には危険が付き纏いますから、と紡いだ彼女に、何か言いかけた口を閉ざして恭賀は二つのリンクスを差し出す。雪解けを待つ力強さと春告げを知らせる風の、二つを。 ただいまと久しぶりを同時に言われ、恭賀は「おかえりぶり」と謎の言葉を返した。意味はわからんのだが、と言いつつ上機嫌な志音が手にしていたのは、彩り豊かなチャームだ。 「井伏、そっち転がってかなかったか!?」 半ば叫んだ直人へ振り向き、恭賀は足元でぴたりと留まったソワールを拾いあげる。たどたどしく彫られた文字に気付き、恭賀は手渡しながら瞼を落とし微笑んだ。 元気に戦う先輩の姿を想像し、五月は無意識に頬を緩めていた。宝飾剣へ色を添える指先も、心なしか震える。 龍麻が人々の笑顔を財宝と考え石を繋ぐ近くで、空と地上の繋がりに見立てた絆の壮大さと深さを、悠輝が形にしてくすりと笑う。 その傍らでは義姉のため、ティーナが星空と日没の色を揃えていた。 「……多少不恰好になったりするのはしょうがないわよね」 雫のチャームを目の前で垂らしながら、雹は細い息を吐く。
「よし、できた」 背もたれへ身を預けた後、莱鵡が腕を天へ伸ばし完成を告げる。脇目も振らず黙々と創っただけあって、達成までは短時間だった。 反対に、想いを篭めすぎて時間がかかっている者もいる。 ――こないだも……過保護になりすぎてるのかなぁ。 壱帆は首を傾げ、お守りとなるリンクスを選ぶのに費やした。 同じように水咲も、華美にならぬよう、けれど未来の如何なる困難も二人で乗り越えてゆけるよう、一粒一粒の意味を確かめていく。 籠の中で石を転がし、感謝の意と優しさを乗せた美桜はふと誰かの姿を脳裏へ浮かべる。 「……あの人の笑顔がいつも輝きますように」 曇らせはしたくない。 光に照らした粒へ恍惚の吐息を零し、夏輝は恭賀から貰った飾りを一つずつ繋いでいく。貴方が大切です――それだけ伝わりますようにと、祈りも紡ぐ。 迷った末に透馬が選定したのは、誓いと絆を表すリンクス。好きな人へ渡すというだけで何故こうも悩むのかと、肩を竦めながら席に着いた。 「これとかどうかな」 恭賀から渡された朝焼け色の石と星空模様の石に、ホーリィは目を瞬かせる。星の中に流れ星が混ざっているのだと示され、反射的に石を覗き込んだ。 「忙しいところすまないが……」 ふと、乏しい表情の中で映った繍の困惑にも、恭賀は臆することなく応える。石を渡しても尚不機嫌そうな繍を、恭賀は「また何かあったら聞いてね〜」と緩い笑顔で見送った。
●リンクス ――姉さん、よろこんでくれるかな。 手の平に転がる赤を基調としたリンクスを見つめ、優生が揺れる瞳を眇めた。 一番似合うのは海と空の色。そう彼の姿とだぶらせながらニルは溢れる嬉しさで頬を緩ませる――不器用なりに確かな言葉を紡いでくれる君に、幸いあれと。 唯は器用にチャームを繋いでいた。ディアマンロズをアルジェントマーレと合わせ、獅子の猛々しさを繋ぐ。輝く未来と太陽の恵みが、きっとあの相棒へ幸運を齎すだろう。そう願う口角を上げずにはいられなかった。 芙雪が望むのは、これを贈る彼女の表情。彼女へ輝かしい未来が訪れればと想いつつ、何故こんな気持ちに駆られるのかと小首を傾げた。 「雛愛さんはアクセサリーとか作った事あります?」 革紐へリンクスを通しながら、燿が尋ねた。 「作ったことはないですが楽しいのですよ。あ、燿先輩、ここどうしたら……」 果物の彩りで溢れた手元から目線は外さず、雛愛がワイヤー毎リンクスを差し出し、方法を教わる。 夜桜の艶と優しさへ花桃の色を寄り添わせる。沙羅はその彩りに好きな物を一つ一つ重ねていく。花もパールもレースも、この色だと尚嬉しくて。 焦らなくて大丈夫。優しい声音で囁かれながら、秀元は棗の言葉に従い糸を通す。悪戦苦闘する秀元へ、誰に渡すのか尋ねた瞬間、秀元の頬が朱に染まる。 「秘密ですから! そういう棗様は……」 「家族か、お世話になった人にあげる予定よ」 眇めた瞳に映るのは、銀の台座へ腰掛けた二色の石だった。 幾つもの願いを重ねた朔羅のリンクスは、色とりどり形も多種多様だった。絆を示す鎖で繋げば、全ての願いがひとつとなる。 にやつく誠の顔を覗き、沙夜は余裕綽々たる態度を示す。 「沙夜から今までに感じたことのない執念を……!」 と冗談めいて笑う誠は、通りがかった万里に気付き沙夜と一緒に声をかけた。嬉々として応じた彼女へ、何を作るのかビーズを通しながら沙夜が尋ねると、 「バレンタインらしく素敵な恋ができるように、と」 本気か冗談か微妙な笑顔が返された。
アリシアはリラの花を模り終え、出来栄えに思わず苦笑した。 「うーん……何の花かまではわからないですね」 けれど綴った幸せへの祈りは、確かな証となって。 その頃、互いに恋人とどんな感じなのかと質問で攻め合い、亜弥と緋雨は忙しなく指を働かせる。 「優しい者だ。オレがそばにいても良いか迷うほどにな」 緋雨の呟きは、あまりに柔らかかった。 互いを想って流れる時間ほど、愛おしいものはない。諷と聖子が向かい合い繋いでいくのは、姉へ、そして妹に注がれる幸福と輝きを望む。優しい時間は、誰にも邪魔できない。 黒紐のフリンジを撫で、沙那は黙々と石を繋げてゆく。淡紫と金に流れるは絆を意味する銀細工。慣れぬ洋風に少々手間取りながらも懸命な沙那を、カイは指を動かしながらも、温かい紫の眼差しで見守り続けた。 「愛情を込めて可憐な恋人に愛の囁き……ッてオレどんだけーッ!」 ばんばんと膝を叩いて輝が身悶える。エルもつられて胸をきゅんと抱き、やっぱり薔薇のイメージだよね、と羨望を含んだ眼差しを向けるた。 染まる熱を悟られぬよう、鈴女がプレートにクローバーを彫る。傍らを見遣れば真剣な風鈴の表情を知り、思わず藍の瞳を瞬いた。そらされた視線を眼鏡越しに風鈴が辿り、恰好を付ける暇も忘れ穏やかに微笑む。 ――月が見守り続けられますように。 三日月のチャームを添えて、風鈴は胸に生じる緩やかな流れへそっと身を任せた。
先ほどから本当に目で見えてしまう程にハートマークを散りばめているのは、桜花とかがみだ。 「ラブパワーを投入なのです〜」 「かがみが作るの見てたから、それだけ頑張ってたかわかるもんね!」 ぎゅっと身を寄せ合いはしゃぐ様は、もはや二人だけの世界。 離れた場所で叶がハートで繋ぎ合わせたのは、互いを連想させるモチーフだ。 ―−彼が、刀で、私が蝶。 無意識に口元が緩む。世界でたった一つ、二人だけのチョーカーを撫でながら。 折角のバレンタインなのにと笑みを零さずにはいられなくて、テオが器用にチャームを連ねていく。雪祢はそんなテオへ憧憬の眼差しを向け、青空に似た石と希望の風を吹かせる石を添える。 「琥珀のビーズは月……太陽にも思えるかも」 テオの話へ耳を傾ければ、穏やかな表情が返った。 「それとも、笑顔の温かな雪祢さんの色かな」
●想 「なあキィ、コレも良くねえ?」 ウィルにリンクスを差し出され、悩んでいた祈一郎が目を瞬かせる。 「あ、それ使うっ」 示された石を摘み、紐へ嬉々として通していく。 むむと唸りながらビーズを繋げているのは風葉だった。慎重にと考える程指先が震える。 「あ、また落とした……!」 近くにいたウィルが偶然気付き拾い上げてくれたため、風葉も見失わずに済み礼を述べる。 ――俺不器用なのかな!? 風葉はとうとう頭を抱えだした。 緩やかな時間の流れが『旧校舎』の仲間達を撫で、賑やかな音で溢れさせていく。繭は頻りに仲間達の手元を覗き、生まれていく出来栄えに感嘆の声を零す。見回せば男女問わず誰もが真剣だ。 「ふふ、男性陣が細かい作業をしていらっしゃるのって……何だか可愛らしいです、ね」 「そいや、男の子がアクセ作ってる姿ってのも意外と格好良いかも」 繭の呟きを拾い上げた彼方が、改めたかのように顎へ手を添え唸る。 そんな彼方の近く、黙々と手を動かす水澄花の瞳には、小さくも様々な意味や願いを秘めたリンクス達を捉えて。指先で触れる感覚が好きなのだ。敏感な指の腹で転がし、摘み、紡いでいく繊細な芸術が。 ――これを手にする人に、幸運が訪れると良いな。 水澄花は一度だけ、そっとブレスレットを手の平で包み心を浸透させた。 「玲紋英語得意だっけ?」 「へ? 俺英語なんて得意じゃねーぞ」 視線だけはリンクスから逸らさず、玲紋がウィルの質問に応じる。二人のやり取りを間近で聞いていた天虹が、途端に軽い笑い声で喉を震わせて。 「イミも考えつつーだとナカナカに頭使うっつーか」 背もたれへ力を寄せて椅子を揺らすものだから、天虹は危うく後ろへひっくり返りそうになった。 「紫苑先輩も進んでる?」 覗きこむ弥琴と目線が重なり、蛍は難しそうに眉根を寄せる。 「色の組合せって難しいんやね……」 「渦巻で幸せの渦とかどうだろ」 「その色だったら、コッチも合うンじゃねェ?」 考え込む間が長かった蛍を気遣い、弥琴と天虹が幾つものビーズやリンクスを蛍の前へ広げてみせた。 石を籠へ乗せてきたティアリスも、そこで蛍の様子を窺い少女らしい色彩センスを発揮する。そして黙々と作業再開した蛍に気付き、「ボクも頑張って作らなくちゃ……」と決意を新たにした。 「へへー、ブラックカナルっていうんだ。黒瀬の黒!」 興味を示したウィルへと、和彦が嬉々として報告する。彼がぶらさげているのは、剣のモチーフとブラックカナルを通した鎖だ。銀と黒の輝きが、派手すぎず地味すぎず周囲を照らす。 「僕も黒好き、かっこいいなー。趣味合うかも」 祈一郎が薄い微笑を浮かべ声をかける。振り向いた和彦の意識は、その祈一郎が作成中の物へと沈んで。 ――祈一郎先輩が今使ってるのもいいなぁ。 「ねぇねぇ、コレとコレ合わせるのって変かなぁ?」 愛らしく首を傾げたチロの問いに、ほとんど完成が近い仲間達が近寄る。篭めた想いが力となるようぎゅっと握り締められたチロのリンクスは、チロ自身の温もりを含み優しかった。 「チロのビーズの組み合わせ可愛い……」 参考にさせてもらおっと、と彼方がやや足早にビーズを揃えに席を立つ。 同じ頃、玲紋の名を呼び続けていた弥琴は、気付こうともしない玲紋に痺れを切らし、肩をつつく。思い出したまばたきを一度だけ行い、玲紋が漸く振り向いて開口一番こう告げる。 「……あ、すまん。聞いてなかった」 「れーい……何その集中力……!」 入り込んでしまうとまるで職人のように没頭してしまう性分らしく、玲紋自身も苦笑して。 黙ったまま或いは言葉を交わしながらも次々作りあがっていく様子に、朱陽は負けていられないと拳を握る。 ――妾も頑張らねばの! 喜んでもらうために紡ぐ想いと色は、次第に朱陽の世界を象っていく。 「あ、千羽耶ちゃん見て見てなん! この小鳥さん可愛いん」 無邪気さを含みココナが呼びかけると、千羽耶は蒼と碧から手を離し、瞳を眇め微笑む。 「……お揃い?」 彼女の手元を一瞥した弥琴が、僅かに抑え切れていない嬉しさで尋ねる。 弥琴も千羽耶も、似た感覚を共有しあって顔を見合わせ、くすぐったそうに肩を揺らした。 「そだそだ、ギバ子も頑張ってるー? どんなかーんじ?」 後から合流した万里を彼方が覗き込む。赤やピンクが妙に目立つ組み合わせと知り、へえと彼方が思わず唸ると、気になったらしい祈一郎や千羽耶も近づいてきて。 「あたしはバレンタインらしく恋愛運を、ね。カナさんはどんな感じ、なの?」 覗き返せば、彼方は優しく包み込む色を丁寧に繋ぎ終えたところだった。 微笑ましげな光景は絶えることなく、亮弥は唇を結んだまま成り行きをただ見守っていた。まずは自分のを、と考えたらしい。漸く金具を留め終えた頃、亮弥も皆の作品を見学するべく椅子を鳴らす。 「……色んな気持ちが、込められているんだな」 亮弥はぽつりと、色と形で鮮やかに敷かれたテーブル上のじゅうたんを見下ろした。 ふと、ウィルは思い立つと同時にまだ手をつけていなかったチャームを握りこむ。指の隙間から映る琥珀色を知り、緩くも穏やかな喜びを唇へ刷く。 ――結局、ここにいる皆の幸せが一番嬉しいんだしなあ。 かけがえのないものが、たくさんありすぎた。
●バレンタイン前日 「智成さんにも似合うような感じに仕上がりましたの!」 朗らかに声を弾ませたアヤへ、当の智成は気恥ずかしそうに頬を掻く。 「……わざわざ、サンキュ」 帯びる熱に頭が追いやられ、今はまだそれしか返せなかった。 受験が無事終わる意味も含み、幸運と拓けた未来が恭賀へ訪れるようにと陸は作ったブレスレットを広げて見せた。 「……その未来に私もいられたらいいのに」 零れた言葉を聞き、恭賀は瞳を眇めて微笑む。 「俺はこれからもずっと、能力者さん達と一緒にいるつもりだよ」 それだけは何があっても変わらないと、自作した銀の羽付き靴をつつく。共に歩める意味も含めた靴が、彼の手の平で音も無く転がった。 ラッピングに励むのは暁と流だ。チェーンに繋がれた金色のテントウムシを手の平へ乗せ、暁が口角をあげる。 「何かサイコロみたいだろ? 賭け事とか勝負運にいいかなーって」 言いながら命を吹き込ませたかのように、摘んだテントウムシを太陽めがけ舞い上がらせる。可愛いな、と返す流の視線はそんな金を追って。 「オレのはコレ。カッコよかったし、目標達成の願掛け的な感じかな」 一方、恭賀は翔太が作った椅子の銀細工をまじまじと眺めていた。脚に覗くビーズは琥珀の静けさと若草の瑞々しさを招き、優しさを覚えさせる。 「逆チョコ渡したいんだけど、僕の料理センスはなかなかに絶望的だから、ね!」 「っはは、それはそれで味があっていいけどな〜」 胸を張った翔太に、恭賀は緩い調子で笑う。
朔が綴ったのは大切で単純な気持ち。銀時計に銀の靴、踏み出す毎に刻む時の音が今にも耳朶を打ちそうで。辿る朔の指先が透けた白石を撫でる。 「これは偽りないボクの心、なんよ」 笑顔の色、怒った時の色、好きの想いをも映して彩る。灰那はそんな彼女の手へ、空を繋いだ環を乗せた。そして、寄り添い踊る飾り紐のスペードとハートへ眼差しを落とす。 「これは……離れることのない二人の心」 声が途切れると同時に、込み上げる恥ずかしさを覚える。 けれど掻き消すことのできないこの感覚さえも幸せなのだと、すぐに二人は笑みを零した。
凍てつく冬の風も、艶めいた雰囲気で覆われるバレンタイン独特の空気も、物語のように続く人々の心やその行く末までは、呑み込むことができずにいる。 しかし、待ち焦がれた時間へ臨む無数の想いは、確かに存在した。誰もが知るソノ場所に。 だからこそ少年少女は、春の芽生えを前に惜しまず遊ばせる。
ひとときの大切さを知るからこそ――ためらわずに、今この一瞬を。
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参加者:88人
作成日:2009/02/13
得票数:楽しい6
ハートフル25
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冒険結果:成功!
重傷者:なし
死亡者:なし
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