今は廃校となり、誰一人通う者のない津ヶ森小中学校。 かつてこの学校に併設されていた高等部は、精強な野球部を擁する事で知られていた。
戦前、開校直後に設立された野球部は、鉱山産業の興隆と野球人気によって部員数を増やし、地元民やプロスカウトの評価も決して低いものでは無かった。 だが結局、廃校までの間、津ヶ森高等学校は、一度も全国大会に出場することは無かった。 野球部には、過去幾度か、プロで通用する程の名選手が存在した。 しかし、名選手が現れた世代に限って、他の選手が皆凡庸以下の能力しか無く、チームとして勝ち上がることができなかった為だ。 他にも、エースの死亡事故や第二次世界大戦による中断もあり、幾度かのチャンスはことごとく潰えてしまった。地元新聞社は、この現象を「英雄の孤独」とも呼んでいた。
津ヶ森野球部のOB達は、今でも懐かしさと悔しさを混じえて語る。 津ヶ森野球部の歴史上、最強と言われる9人の選手達……。 彼等は既に亡くなっているが、もし全盛期の彼等が同世代に集まっていたならば、津ヶ森の名は全国に轟いていただろう、と。
そして現在。 見る影もなく荒れ果てたグラウンドから響く、不気味な死者の声。 かつて若者達が白球に青春を賭けた、そこは夢のフィールド。 能力者達は、探索を開始するのであった。
シナリオタイプ | :サブシナリオ |
公開日 | :2007年06月20日 |
総制覇数 | :70675 |
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