今にして思えば……。 ノーザンシティ米沢は、自然の怒りに触れるまでもなく、初めから、黒く塗り固められた呪いの上にあったのだ。
現場の北部斜面を掘削中に発見された、古めかしい木製の樽。 その中には、僧衣を纏った白骨死体が収められていた。 即身仏……瞑想状態のままに絶命した、僧侶のミイラである。
祟りを否定していた工事責任者は、この不気味な死体をすぐに処分するよう命じた。 しかし掘り起こした当人のゲンさんは、その命令を無視した。 「仏様を粗末にしちゃなんねぇ。だからバチが当たるんだど」 彼はそう言って、即身仏を祀る法要の手配と、近くの寺に引き取ってもらう約束を取り付けた。 これでこの現場に続く祟り騒ぎも収まれば……現場の皆も、そう願っていた。
法要を執り行った晩。即身仏を拝む数人の人影があった。ゲンさんと、気のいい仲間達である。 皆、祟り続きの不気味な現場でお互いを支えあってきた、頼もしい男達だ。 「どうか、これで祟りが収まりますように……」 ゲンさんがそういって手を合わせた、その刹那。 彼の胸を激痛が貫いた。声も出せない程の激痛に地面に倒れ込んだ彼は、即身仏が嘲笑うかのようにケタケタと口元を揺らすのを目にする。 「なんでだ、ちゃんと祀ったのに!」 突如動き出した即身仏に驚き逃げ惑う男達を、即身仏は哄笑を上げながら、ゆっくりと斬り刻む。 まるで、彼らの善意を裏切ることこそ、己が喜びであるかのように……。
時は流れ、現在。 ノーザンシティ米沢の廃墟に、外道の笑いが木霊する……!
シナリオタイプ | :サブシナリオ |
公開日 | :2008年02月19日 |
総制覇数 | :17669 |
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