大周防炭鉱


 山口県、周防灘(すおうなだ)を望む山の一角に、忘れ去られた一つの炭鉱があった。
 炭鉱周辺に並んだ幾つもの施設の残骸は、かつての規模の大きさを示している。

 明治時代の後期から採掘を開始したこの炭鉱からは大量の石炭が採掘され、エネルギー源として日本の産業発展を支えていた。
 だが、炭鉱が操業を開始したのと時を同じくして、異変は起こる。
 炭鉱の側を流れる川に魚の死体が浮いたのを皮切りに、周辺の田畑の作物は枯れ落ち、炭鉱で働いていた人々や周辺住民達の間からは、奇妙な症状を訴える者が次々に現れ始めたのだ。
 やがて、川は薔薇の花を思わせる真紅に染まり、農業は崩壊していく……。

 異変の原因が炭鉱であるのは明らかだった。
 しかし、調査と炭鉱の操業停止を求める住民達の訴えにも、行政は耳を貸そうとはしなかった。
 事態が長引くと共に住民達の生活は炭鉱に一層依存するようになり、それに反比例するかのように、操業停止を求める声は小さくなっていく。
 そして生活のために鉱害を受容しなければならない矛盾の中で、住民達の健康と、周辺の自然は汚染され続けたのだ。
 やがて、石炭を掘り尽くされた炭鉱が操業を停止するのと共に、周辺から人はいなくなった。
 汚染され尽くした土地に、残ろうとする者はいなかったのである。

 それから数十年の時が流れた今も、炭鉱跡は風雨にその姿を晒している。
 だが能力者達は坑道の中から、強烈な残留思念を感じ取った。
 この炭鉱もまた、一つのゴーストタウンと化しているのだ。
 ゴースト達を討つべく、能力者達は時代から取り残された坑道へと足を踏み入れる……。

シナリオタイプ:メインシナリオ
公開日:2008年12月01日
総制覇数:20088



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