『大いなる災い』との決戦の舞台となった伊豆半島。 決戦の後、温泉を楽しんだ能力者達は、山中に忘れ去られた和風旅館の廃墟を発見する。 その看板には『森羅蒼鷺亭(しんらあおさぎてい)』の名が刻まれていた。
森羅蒼鷺亭は、江戸時代の大名宿の伝統を受け継ぐ、歴史ある宿として知られていた。 宿の風情溢れる佇まいは訪れる客にくつろぎと安らぎを与え、窓から望む緑為す山々の風景が、旅情をかきたてる。往時には小説家や写真家もたびたび訪れ、その知名度は高まった。
だが、その高名は、一つの事件を契機に悪名へと一変した。 多くの犠牲者を生んだ、旅館火災の発生である。 本棟の一角を火元として起こった火災は、山風を受けて文化財級の建物に燃え広がった。 消火設備の不備、昔ながらの建築を維持しようとしたが故の、火災報知器や放送設備の不足。 そうした事態が重なり、何人もの宿泊客や従業員が、命を落とすこととなった。
その後、なんとか昔ながらの姿への修復を終えた森羅蒼鷺亭だったが、世間の目は厳しかった。 客足はぱったりと途絶え、さらに僅かな宿泊客の間からも、火災で死んだ人達の霊を目撃したとの噂が立ち、さらに訪れる客は少なくなっていく。 森羅蒼鷺亭が完全閉鎖に追い込まれるまで、営業を再開してから、そう時間はかからなかった。
完全閉鎖から時を経て、この旅館は取り壊される事も無く今なお風雨にその姿を晒している。 新たな客として、ゴースト達を迎え入れて……。 能力者達は、廃墟と化した旅館の探索を開始するのだった。
シナリオタイプ | :メインシナリオ |
公開日 | :2009年02月13日 |
総制覇数 | :24748 |
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