パシフィック・クイーン号を所有していた組織は、繋がりのある政財界の大物達をこの船に数多く招待していた。 こうした招待客達の欲望を満たすのは、闇カジノでのギャンブルだけではなかった。 招待客のため、組織はこの船に美貌の女性達を数多く用意していたのだ。 世界各地から集められた女性達は、パシフィック・クイーン号という牢獄に囚われ、欲望を満たすための『高価な備品』として扱われていた。
そんな欲望の牢獄で生まれ育った、一人の美しい少女がいた。 歪んだ環境の中、少女は彼女が『お父様達』と呼ぶ客達の欲望と寵愛を受けて育つ。そして彼女は成長するにつれ、次第に優れた歌の才能を明らかにしていった。 やがて少女は組織の命令で、船を出て表の芸能界での活動を始めることとなる。 そして、さほど時間を経ずして、少女はスターダムへとのし上がった。生来の才能に加えて『お父様達』の支援があれば、それは難しいことではなかった。
だが、栄光を手にした少女がパシフィック・クイーン号に帰って来た日、全ては終わった。 少女は銃を手に、船にいた者達を次々と殺して回ったのだ。 船員達も、船に囚われていた女性達も、彼女への欲望をたぎらせた招待客も分け隔てなく……。 少女が何を考えていたのかは定かではない。 ただ、彼女がこの日のために、秘めたる殺意を研ぎ澄まし続けていたことだけは確かだった。 その後、失踪したとされた少女と闇の組織との繋がりは一時ゴシップ誌を賑わせたが、それもすぐに忘れ去られていった。
そして、現在。 パシフィック・クイーン号の下層へと通じる階段から漂う、強烈な死の気配。 さらなる闇を見せるパシフィック・クイーン号の奥へと、能力者達は足を踏み入れるのだった。
シナリオタイプ | :サブシナリオ |
公開日 | :2010年03月23日 |
総制覇数 | :9779 |
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