日本全国に広がる鉄道網。 世界でも稀に見る運行ダイヤの厳守によって培われた、日本人の公共交通機関への信頼は強い。 そして、運行ダイヤを利用者に伝える『時刻表』もまた、人々が公共交通機関を用いる上での手助となるものである。 こうした環境から、ミステリーの題材としての『時刻表トリック』がメジャーとなるのも当然であったのかも知れない。 こうしたトリックを用いる作品では、犯人は交通機関をうまく利用してアリバイを作り、あるいは通常の時刻表に則っては不可能な事件を起こすのである。 もっとも、そうした時刻表トリックも、あくまでフィクションの世界のものと考えられていた。
だが、かつて、その考えに反旗を翻した一人の推理作家がいた。 「現実にも実行可能な時刻表トリックは存在する! 私がそれを証明してみせます!」 時刻表トリックの旗手と称されたこの作家は、『現実にも実行可能な、究極の時刻表トリック』を求め、日本全国の鉄道を自ら乗り継ぎながら、究極の時刻表トリックを記した小説を完成に近付けていった。だが、ある時この作家は、突如として行方知れずとなってしまう。 あたかも、作家自身が時刻表の示す時と時の狭間に消えたかのように……。
そして現在、能力者達は作家が最後に目撃された、信越鉄道碓氷峠駅の近くを訪れていた。 既にゴーストタウンと化し、現実から切り離された碓氷峠駅。この駅で列車同士が連結するために生じる時間は、推理作家達が時刻表トリックを生み出す土壌となっていたというが……。 果たして能力者達は、この廃駅で何を目撃するのだろうか?
シナリオタイプ | :サブシナリオ |
公開日 | :2011年06月30日 |
総制覇数 | :7592 |
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