スティーブ・ロード

 ハーイ皆さん、ご無沙汰しておりました。
 もうすぐセントバレンタインズデイですね。つまらないものですが、ギリチョコをどうぞ。

 さて、お願いがあるのですが、私達サンダーバードを、銀誓館に入れては貰えませんでしょうか。
 私達サンダーバードは、アメリカ大陸を発祥とする超能力者の集団です。
 私達は、「トーテムポール」によって、忘却期の最中においても、世界の真実を代々語り継いできました。人類に「雷」を「電気」として操る方法を教えたのも、いずれ雷文明によって人類の『常識』が強固になると同時に、私達の本業能力である「電送」の有用性が増すことを期待してのものでした。
 今日の繁栄を見る限り、「雷文明」はある程度の成功をもたらしたとは思いますが、誠に遺憾ながら、高度な情報化社会が日本の世界結界に歪みを生み出した点は否めません。

 私達は先の戦争で、拠点である秘匿空母「ユナイテッド・ステーツ」を失ってしまいました。
 しかし、皆さんのお陰でヴァンパイアを撃退し、ひとまず奴等の「真の目的」は阻止できました。
 私達の組織は滅びましたが、幾らかでも皆様のお役に立てたのなら、安いものです。

 ……はい、私は、ヴァンパイア共の真の目的を知っています。
 奴等の目的は、『伯爵』を日本に召喚する事です。
 原初の吸血鬼達は、圧倒的な力を持つ代わりに「日光」や「流れる水」が弱点となります。
 中でも『伯爵』は、たったひとりで能力者数万人に匹敵する、掛け値なしの超存在です。
 それゆえに制約も大きく、空母程度では海を移動できないのでしょう。

 今もおそらく、ヴァンパイアの誰かが、伯爵を日本に召喚する準備を進めています。
 何でも、吸血鬼艦隊の襲来前に、既に日本では多くの『ゲーム』が行われていたとか。
 オクタンスのクソアマ以外に、何者かが裏で暗躍し、今も伯爵の召喚を目論んでいます。
 この詠唱銀豊富な日本に『伯爵』が降臨することは、何としても防がねばなりません。

 他にも、私達はこれまで幾つもの事件に関わってきました。
 多くの事件は解決済みですが、ざっくりとパワポにまとめて校長先生に渡しておきましたので、
何か役に立つ情報があれば、ご活用ください。

 『巡礼士』に、『ナイトメアビースト』ですか?
 すみません、それらの勢力とサンダーバードとは、『運命の糸』が繋がっていなかったようですね。
 ですが聞くところによると、例えば「プラチナチケット」とかいう能力だけで、使い方次第では文明社会に壊滅的なダメージを与えることができますよね。
 私達サンダーバードも、これからは銀誓館学園の一員として、迫り来る脅威に立ち向かってゆきたいと思います。