<能力者の戦い>

 能力者が戦う目的は、ゴースト事件を解決する事です。ゴースト事件を放置する事は、世界結界を弱め、更なるゴーストの発生……シルバーレインを呼び寄せる事に繋がるからです。


■戦いの目的

 もし、ゴーストと戦う者が誰もいなかったのならば、遠からず世界結界は完全に崩壊し、人々が平和に暮らす世界は永久に失われてしまうでしょう。

 これを回避するためには、誰かがゴースト事件を解決しなければなりません。
 この『誰かがやらねばならない仕事』を、自分が引き受けるか否か。
 それは、能力者個人の心の問題です。
 学園からゴースト退治の仕事が強制される事はありません。
 しかし、もし運命予報士からの依頼内容を聞いて、自分が引き受けるべき仕事だと感じたならば、その運命を回避せずに、戦いに挑んでください。

 警察や自衛隊が、自分達の代わりに戦ってくれる事はありません。
 あなた達、能力者が敗れる事が、人類の敗北に繋がってしまうのです。

■能力者の戦い

 ゴーストと対峙した能力者は、イグニッションカードを発動させ詠唱兵器をその身にまといます。
 能力者の戦いは、イグニッションをした瞬間から始まるのです。
 詠唱兵器を装備した能力者は、ゴーストを滅ぼすだけの攻撃力とゴーストからの攻撃に耐えうる耐久力(HP)を手に入れます。
 また、身体能力が大きく引き上げられ、普段以上の力を常に発揮する事も可能となります。
 歴戦の能力者ならば、警察官が撃つような拳銃弾程度は簡単に回避する事ができるでしょう。
 更に、人間ならば死んでしまうようなダメージを受けても、魂が肉体を凌駕する事で、何度でも立ち上がり戦い続ける事ができるようになります。

 能力者とゴーストとの戦闘は、アクション映画のワンシーンのような刺激的なものとなります。

・飛行しながら全方位に針を飛ばすリリスを、廃ビルの上から詠唱ガトリングガンで迎撃する。
・巨大な地縛霊と詠唱兵器の日本刀で切り結び、炎の球を打ち出してゴーストを焼き尽くす。
・妖獣の突撃によって体中の骨を砕かれながらも、次の瞬間には魂の力で回復して血まみれのまま戦い続ける。

 能力者とゴーストの戦闘を垣間見た一般人は、世界結界の効果が無くても、自分の見間違いだと信じ込んでしまう事でしょう。

 ただし、能力者とゴーストの戦いは、多くの場合、人目の無い場所で行われます。これは、ゴーストが世界結界の影響によって、人目の多い場所で活動する事ができないからです。

※魂が肉体を凌駕する
 能力者のHPが0以下になった場合、幸運度チェックを行い成功すると、レベル分のHPを回復して立ち上がる事ができます。
 ただし、重傷になったり死亡するようなダメージを被った場合は立ち上がる事はできません。

■ゴーストとの戦いで気をつける事

 ゴーストとの戦いで忘れてはならないのは、能力者やゴーストの存在を一般人に知られないように気を配る事です。
 能力者の特殊能力やゴーストの姿を見た人々は、世界結界の影響で、その事実を『夢を見たか、何かの見間違いである』と思い込みます。
 しかし、そういった不思議な事件が連続すれば、多くの人々が常識を疑うようになるでしょう。
 そうなれば、世界結界の効果は薄まり、新たなゴーストが次々と生まれてきてしまいます。
 これは望ましい事ではありません。

・イグニッション時は、一般人の目に触れて疑問に思われる事が無いよう、慎重に行動しましょう。

・世界結界の効果により、例えば、詠唱兵器の日本刀を手荷物として飛行機に持ち込むといった非常識な行為も、不可能ではありません。しかし、手荷物審査をした係員は、その不思議な体験から、常識に疑いを持つようになるかもしれません。

・戦場となった場所が破壊された場合なども、同様の問題が発生する事があります。この場合も、できるだけ疑われにくい状況を用意しておきましょう。例えば、家屋を破壊してしまった場合は、その家屋から金目の物を持ち出せば、強盗の仕業として認識されるでしょう。
「誰もが納得しやすい状況」を用意するのが、世界結界に悪影響を与えないポイントです。

・もちろん、依頼などで、現場から持ち出した金銭などは学園に提出する事になります。
 個人で使用する事はできませんので、間違いのないようにしてください。