華やかなイルミネーションに、心が弾む。 会場に運び込まれた、大きなクリスマスケーキを見たら、もう無理だ。我慢なんてできない。 カラフルなボールがくるくると踊る大道芸に煌びやかな紙吹雪が舞い踊る。 燕尾服をまとったクラウンがシルクハットを叩けば、真っ白な鳩やウサギが色とりどりの紙テープと一緒に飛び出す。 テーブルに並べられたおいしそうなオードブルを片手に、それらを見て回ると、ちょっと奇抜な着物を着た−同い年くらいの女の子が嬉しそうにツリーを眺めていたに気付いた。 「あら、こんばんわ。あなたもパーティに?」 「ううううん、そうなの。だって楽しそうだから」 「そうね。だって、ホワイトクリスマスだものね」 こっちに気づいて、話しかけてくれた女の子−あかりに、ちょこっとどぎまぎして、答えると、笑って返してくれた。 なんだか嬉しくて、気づけば、自然と手を差し出していた。 「よかったら、一緒に会場を回ろうよ!いろんな大道芸とか手品とかいーっぱいだよ!すっごく楽しいよ」 「いいですね。あ、あっちが賑やかですよ!行きましょう!」 ふんわりと嬉しそうに笑ったあかりが手を握って、大歓声の上がった人だかりへと引っ張ってくれる。 それに応えて、一緒に駆け出せば、クリスマスパーティはもっと楽しくなってきた。 パントマイムを組み合わせたお笑い寸劇にアコーディオンが奏でるクリスマスソングが気分を華やかにしていく。 難しそうなジャグリングが決まって、拍手を送る。 夢中になってパーティを楽しむと、たっぷりの野菜とチキンが入ったポットパイにフライドチキン。揚げたてポテトがテーブルを彩って、ついつい手を伸ばしてしまう。 その中で手にしたのは、片手で持てるカルツォーネ。一口かじれば、とろりとしたアツアツのチーズとソースが飛び出して、ハフハフと何度も息を吸い込むと、隣であかりがおかしそうに笑っていた。 「急いで食べすぎですよ」 「あははは、おいしそうだったから……つい」 「気を付けないとやけどになりますよ」 ごめんと肩をすくめると、真っ暗な空から、ふわりふわりと白い花びら−雪が舞い落ちる。 真っ白な雪がクリスマスツリーに飾られたイルミネーションの光を受けて、きらきらと輝いて、とってもきれいだ。 楽しい楽しいクリスマスはまだ、これからだ。
※人気投票をする場合は、投票するキャラクターでログインしてください。
|