平山いつき
お題ショートストーリー(2009/07/04執筆)
  作品の参考として、「お題イラスト」と「プレイング」を元にしたショートストーリーを執筆しています。ログインすれば、人気投票にも参加できます!

【執筆者:平山いつき
【得票数:19】

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プレイング
 終電を迎え終わった駅は、既に寝静まった町から一足遅れて夜の静けさに包まれる。しかし、眠るものがあればこれからが活動本番の者達が必ずいるもの。
「ここだな……」
 ガトリングガンを手にする夏希が、声をひそめて呟いたその時、空間をつんざくような声が構内に響く。
 ハッとして夏希が見れば、目の前には迫りくるゴースト。
「俺が行く」
 夏希がガトリングガンを構えるより先に、鉄平がその独特の形状をしたスラッシュギターを構えてゴーストに攻撃を仕掛ける。
 突然目の前に現れた鉄平に相手は驚くも、標的をすぐさま鉄平に変えて攻撃を加えてきた。鉄平はそれを、スラッシュギターで受け止める。
「えいっ!」
 掛け声と共に、相手を眠りへと誘う導眠符がゴースト達へ飛んだ。
 しかし、敵もさる者。鉄平と競り合っていた一体は大人しく眠りに落ちるついたが、意識を保った二体は、あかねの導眠符が厄介だと察すると、揃ってあかねを襲おうと追いかける。
 夏希がそのうちの一体にフレイムキャノンを撃ち込み、あかねも逃げまどいながらも後ろに符を投げる。
 しかし符を避けフレイムキャノンも回避した一体が、構内のタイルを穿ちながら、執拗にあかねを追いかけ回す。
 そして、その爪先があかねの制服をかすめようとした時。

 魂が震えるような旋律。
 それは、鉄平のスラッシュギターから奏でられる、ショキングビート。
 途端にゴースト達は苦しげな声をあげ、地に伏せる。相手が動けなくなった所を逃さずにあかねが呪殺符を投げつければ、ゴーストは断末魔と共に消滅した。
 ショッキングビートの効果範囲から辛うじて逃れた一体は、それを見ると金切り声をあげ天井付近から夏希めがけて急降下する。
 しかし、夏希が逃げまどう事は無かった。代わりに堂々と正面をきってゴーストと対峙すると、タイミングをはかってフェニックスブロウを叩きこむ。
 ――ギャアアアア!!!
 ゴースト攻撃は、爪先は夏希の頬に赤い線を薄らと残した。しかし攻撃をまともにくらい、魔炎に身を焼かれたゴーストは火を消そうと身をよじりながら夏希から離れる。
 だが退避した場所には鉄平が待ち構えていた。背後から逃げる暇も無くヘビィクラッシュを撃ち込まれ、悲鳴をあげるより先に、ゴーストの体は跡形も無く消えていく。

 形勢は完全に逆転した。
 不利と見た最後の一体がその場を去ろうと身をひるがえしたが、能力者達がそれを見逃すことは無い。あかねの治癒符が夏希の傷を癒し、それを受けて夏希は渾身の力を込めてフレイムキャノンを撃ち放つ。
 『必ず倒す』――彼らの共通の、強い想いが籠められたそれが、ゴーストの体を貫いた。

 静けさが戻った駅の構内で、能力者達はほっと息をつく。誰からともなく顔を合わせるとそこには自然と笑顔が浮かんだ。
 そしてお互いの手を叩き合うと、今ひとたびの平和が戻ったことを三人は喜びあうのだった。
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