かつらまさき
お題ショートストーリー(2009/09/01執筆)
  作品の参考として、「お題イラスト」と「プレイング」を元にしたショートストーリーを執筆しています。ログインすれば、人気投票にも参加できます!

【執筆者:かつらまさき
【得票数:16】

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プレイング
 冒険者の酒場でティータイムを楽しんでいたユリシア(a90011)は昨日見た不思議な夢のことを話し始めた。

 夢の中のユリシアがいたのは銀誓館学園という所だった。
 そこは学校で、ユリシアはそこの先生だった。
 廊下を歩いていたユリシアの横から、突然、女の子の声がした。
「どいてくださいっ!!」
 それはユリシアに危険が迫っていることを教えるものだったが、いかんせん遅すぎ、飛び出てきた女の子とぶつかって、ユリシアは尻餅をついてしまった。
「廊下を走っては危ないですよ」
 先生の口調で注意しながら立ち上がるユリシアは、微笑を浮かべているもののなんだか怖いオーラを背負っている。
 しかし、注意された女の子はそれに気づかず、慌てて立ち上がると一気にまくし立てた。
「あいたたた……あっ、す、すみません! ちょっと急いでて……これから、ゴースト退治に行くところなんです……って、ああっ!?」
 そこまで言ってから慌てて手で口を塞ぐ。
 顔には『しまったっ!』と書いてある。
 非常に分かりやすい。
「あ、でも先生は事情を知ってますよね! いいですよね! いいって事にしてください!!」
「マヒロさんは相変わらずですね」
 少々うっかりで、とても素直なこの女の子を夢の中のユリシアは知っていた。
 必死に訴えるマヒロ(bn0015)にユリシアは微笑んだ。今度は怖いオーラは背負っていない。
「今からゴースト退治ですか?」
「はい。今回のは水の中にいる妖獣なんです」
「水の中ですか…。でも、マヒロさんなら大丈夫ですね。泳ぐのも得意ですもの」
「はい、忍者ですから! あ、授業も偽身符が受けてくれてますから大丈夫です」
 胸を張って答えたマヒロにユリシアがにっこりと微笑みかける。
「では、今日の放課後は補習ですね」
「えっー!」
「マヒロさんは能力者です。と同時に学生でもあります。学生の本分は勉学に励むことです。違いますか?」
 正論をユリシアに説かれて対抗できる者はいない。
「う……わかりました」
 渋々うなずいたマヒロにユリシアが続けた。
「無事に戻ってきてください。そして、補習を受けてください」
 その言葉に感じるものがあったのか、握った拳を胸に当ててマヒロが元気よく答えた。
「はい! 能力者の使命も、それに学生の本分も…両方きちんと果たしてみせます! 行ってきます!」
 マヒロが廊下を走っていく。
 長い廊下の彼方までその背中を見送ったところで、ユリシアの目は覚めた。

 不思議な夢だと思う。
 しかし、ただの夢だ。意味などないのだろうとも思う。
 ただ、マヒロの背中を見送った時に、夢の中でユリシアが抱いた気持ち。それは、冒険者達を見送る時にいつも抱いているそれと同じものだった。
 (「本当に不思議な夢……」)
「あれは一体どういう夢だったのでしょうね」
 ぽつりと呟いて、ユリシアは微笑みながら紅茶をすすった。
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